太陽光発電が森を壊す

 変な噂を聞いた。「太陽光パネルが設置されるらしい」・・・。

 私たちが暮らす生石高原の別荘地に、太陽光発電が計画がされているというのだ。もしその噂が本当なら、景観や環境の破壊につながりかねない。

 計画されている場所へ行ってみた。わが家から500mほど西へ行くと、広葉樹の森がきれいに伐採されていた。広さはざっと200坪ほどだから、小規模な太陽光発電だろう。

 いや、規模の大小の問題ではない。自然を楽しむ別荘地にパネルの設置を許せば、これが「蟻の一穴」になり、「千丈の堤も崩壊する」という例えの通りになる。

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 和歌山県には規制する条例があるのかネットで調べると、今年3月に条例が公布されていた。それによると、規制を受ける事業の対象は、発電量が50キロワット以上で、その場合は環境や景観に配慮し、近隣住民の理解を得ることになっている。ただし、50キロワット以下については、何の規制もない。

 伐採された場所の真向いには芸術家が住んでおり、もしパネルが設置されれば、工房から丸見えである。それまで彼は、森の緑に埋もれながら創作活動にいそしんでいたはずだ。小規模発電所という理由だけで、別荘地の環境や景観が守られなければ、深刻な社会問題だと思う。

 こんな噂も聞いた。ここから南へ2、3キロ下った生石高原の中腹でも太陽光発電の開発が行われているらしい。芸術家の前の土地を見に行ったその足で、こちらにも行ってみた。それは驚くべき光景だった。

 杉林の山の斜面が、目測で長さ約300m、幅100mほどが伐採され、赤土がむき出しになっていた。ここでは10台ほどのブルドーザーやユンボなどの重機がせわしげに作業をしており、作業員も数十人が動員されていた。斜面の上部では、すでに太陽光パネルの設置作業が進行中で、最終的に4000枚のパネルが設置されるというメガソーラーだ。

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 伐採現場は別荘地と接しており、うち一軒の別荘を訪ねてみた。夫婦で1年のほとんどをここで過ごしているという。別荘の建物とパネルとの間は2、3mしか離れていない。杉林が伐採されたためまともに風が吹き抜け、何年か前、強風で屋根が吹き飛び、修理したという。

 さらに、伐採によって水道の水が濁っているとの話もある。他のメガソーラーでも、隣接する住宅では反射光などで蒸し暑くなったという。ここの夫婦は「景観が損なわれ、資産価値が失われてしまった」と落胆していた。

 再生可能エネルギーの比重を高めるのはいいことだが、太陽光は全国各地で環境や景観に悪影響を及ぼし、風力発電も低周波被害が出たりしている。このように新たな電源問題は課題が多く、行政も法律も追いついていないのが実情だ。私たちが暮らす生石の森も危うい。取り返しがつかなくなる前に、体を張るしかない・・・。

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蚊帳の外・・・どこが悪いのか

 ある民放の報道番組で、核やミサイルの廃棄をめぐる北朝鮮問題を特集していた。番組のキャスターは厳しい表情を作って見せ、その冒頭で「日本は蚊帳の外です」と話した。口ぶりはどこかうれしそうに思えたが、私の偏見だろうか。

 「蚊帳の外」とは、要するにお呼びじゃない。政府の無策を当てこするような意味が込められている。野党の人たちも、蚊帳の外になっている事態を憂慮しているように見えるが、その先に政府批判が見え隠れする。

 しかし、「蚊帳の外」のどこが悪いのだろう。6月12日、シンガポールで史上初の米朝会談が行われる予定だが、まさかこの場所に日本がコミットせよというのだろうか。そんなものはどだい無理な話だし、アメリカの交渉を静かに見守るのが節度ある姿勢だろう。

 南北統一が悲願の韓国の文在寅大統領が、前のめりで関与しているのは左派政権として当然だろう。長く北朝鮮の後ろ盾になってきた中国にとって、アメリカ主導で事が進むのに危機感を抱いている。北への経済支援をエサに金正恩を2度も中国に呼び付けて懐柔している。無理やり蚊帳の中に入り込もうという魂胆だろう。

 日本は拉致問題を抱えており、北朝鮮には厳しく対処しなければならず、「仲間に入れてほしい」などと足元を見られるような外交はすべきでない。日本からの巨額の戦後補償なくして北朝鮮の発展はなく、日本としてはあえて蚊帳の中に入らず、外から鷹揚に構えていた方が得策だ。

 「蚊帳の外」などとケチを付けている人たちは、一体どうせよというのだろう。北への圧力をやめ、対話に転じなさいとでもいうのだろうか。忘れてはならないのは、北朝鮮が多くの日本人を拉致し、金正恩の叔父を粛正し、兄を殺してしまう独裁国家なのだ。へらへら笑って交渉するような相手ではない。

 北朝鮮の突然の対話攻勢は、日米主導の経済制裁に音を上げたと受け止められている。「蚊帳の外」の逆の意味で、日本は間違いなく当事者だろう。北朝鮮は今になって、アメリカに難癖をつけている。いつもの揺さぶりのつもりだろうが、そんな国との対話の輪に加わるのはまだ早い。日本外交の稚拙をあげつらう人の意図は丸見えである・・・。

雨上がり、山の蕗を採る

 雨が降った翌朝は、何はさて置き山菜採りに行く。水分をたっぷり吸った山菜は、柔らかくて美味しいはずだ。「雨後のタケノコ」という言い方もあるが、要するに雨の翌日は山菜が一段と成長する。

 先日、一日中雨が降ったので、次の朝、今が旬のフキを採りに行った。腰を痛めている家内が軽トラを運転し、私が山道沿いに自生しているフキを採りながら移動するのだ。森の中なので木漏れ日が差し、腐葉土に水分が蓄積されている。

 「あんた、フキ採り上手やなぁ」--。以前、フキを農協に出荷している農家の人から褒められたことがある。私は鎌やハサミを使わず、フキの根元を持って弾みをつけるように、一気に摘み取る。これだと根ごとを引き抜くことはないが、取れてしまえばその場に埋め戻すことにしている。

 中腰で採るのは腰が辛いので、群生するフキの前に座り込む。長くて太いもを選んで摘み取り、左手で持ち替え、右手の親指と人差し指で葉を落とす。この間、2秒もかからない。その間に次に採るフキを見定めておくのが肝要で、われながら手際が良いと思う。

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 実は、私が通っていた中学校では、学年(2クラスだけ)ごとに、フキ採りに行くのが行事の一つになっていた。採ったフキは佃煮業者に売り、これを図書購入費に充てていた。とんでもない田舎の中学校であり、貧しい時代でもあった。

 ちなみに夏休みの宿題は、薬草のドクダミを採り、乾燥させて学校へ持っていくのだ。ノルマも決められており、蛇やマムシにも出くわすなど、現代では考えられない宿題だった。

 それはともかく、1時間ほどで作業は終わった。家内の友人で、毎年、旬のフキを待ちわびている女性がいる。それに私の友人にも送ってやりたい。残りは、熊本県人吉市から取り寄せている醤油で佃煮風に炊く。寒暖差のある山で採れたフキは、独特の風味があって美味しい。

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ササユリを食ったのは誰だ!

 私の朝の日課は、山小屋の周りを見て回ることだが、ある異変に気付いたのは4月中ごろだった。ササユリの新芽が地上から30cmほどの所から切られていたのだ。茎の切り口は、ハサミなどの刃物でスパッと切り取ったような跡だった。

 敷地には数十本のササユリが自生しており、今月下旬にはピンクの美しい花を咲かせるはずだが、花芽は全滅に近い状態なのだ。可憐なササユリの花は、甘くてどこか切ない匂いを漂わせ、毎年、この季節が来るのを楽しみにしていた。今年はそんな山小屋の風物詩が見られそうにない。

        ↓ 花芽もろとも食べられたササユリ
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 これは明らかに、野生動物に食われたものだと思う。ウサギやリスは山小屋周辺によく姿を現すから、これらの小動物が犯人かもしれない。

         ↓ 時々現れるウサギが犯人か
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 今月に入ると、栽培している野生の山ウドの茎も食われた。他にも同じような形跡がないか調べると、イヌガヤの新芽も食べられていた。この新芽は地面から1mほどの高さにあり、そうするとウサギなどの背丈の低い動物が食べたとは考えにくい。

         ↓ イヌガヤの新芽も食べられた
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 そこでふと思い付いたのは、ニホンカモシカだ。4月25日のこのブログで、山小屋の近くにカモシカがやって来て、数分間にわたって見つめ合ったことを書いた。シカやイノシシはずっと以前からあたりを徘徊しているが、このような被害はなかった。ということは、目撃したカモシカがここを縄張りにして食い荒らしたとも考えられる。

 ところで、もう一つの朝の日課だが、NHK朝の連続ドラマ「半分青い」を見終わると、愛犬「ぴー」を連れて散歩に出ることだ。わが家の前の道を生石高原に向かって歩くと小さな峠があり、ここでUターンして引っ返す。往復1キロほどの散歩である。

 道の両脇にはイタドリが群生しており、最近気付いたのだが、イタドリの柔らかそうな先っぽが所々、食べられていたのだ。つい先日、この道を毎日通る地元の大工さんから「ここ半月の間に、3回もカモシカを見た」という話を聞いた。やはり、一連の食害はカモシカによるものだろう。

          ↓ イタドリも被害
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 ニホンカモシカは国の天然記念物であり、切手の図柄にもなった。人気の野生動物だから出会えば幸運だが、近年は数が増え、むしろ食害で困っている農家も少なくないという。確かにわが家では大切なササユリや山ウドを食い荒らされたが、それほど腹が立たないのはカモシカの愛嬌のせいだろう。

 人間を怖がらないし、黒い瞳でじっと見つめてくれる。「愛嬌は七難隠す」という古い言葉がある。少しくらいしくじっても愛嬌があればそれを隠してくれる。人間世界も同じであり、愛嬌は人徳にも通じる・・・。
    
         ↓ 先日現れたカモシカが真犯人か
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だらだら長生きしないで・・・と家内は言う

 家内は常々、私に「だらだらと長生きしないで」と言っている。薄情な口ぶりに腹も立つが、「ピンピンコロリ」と死んで欲しいと言うのであれば、分からない訳でもない。鼻や胃にチューブを突っ込まれながらしつこく長生きするなんて、私自身も望んでいない。

 家内にしてみれば、毎日三度の食事を作り、掃除、洗濯をし、「私は女中でない」という言い分はもっともである。その上、夫の介護までしなければならないとすれば、だらだらと長生きするのは申し訳ないし、家内の余生の邪魔にもなりたくない。

 しかし、いつ死ねばいいのだろう。家内は「適切な時期」と言葉を濁しているが、男性の平均寿命のあたりのことだろう。平均寿命を全うできるなら本望だが、そんなにうまく死ねる訳はない。もっとも、それより早くくたばることだってあると思う。

 私にはちょっとした持病があるにはあるが、家内ともども元気なのだ。もう何年も風邪をひいたことがないし、胃腸も循環器系も問題がなく、これといった病気になったこともない。とりあえず健康を維持できている理由は何だろう。

 一つ思い当たる節がある。それは山菜である。私たちが暮らす生石高原では、わらび、ぜんまい、山ウド、タラの芽、コシアブラ、フキ、ギボシ、ヨモギ、イタドリなど何種類もの山菜がふんだんに採れるし、4月から5月にかけて毎日のように食べている。

 これらの山菜には免疫力を高める成分が多く含まれており、癌などさまざまな病気は、免疫力の低下によって引き起こされると言われる。ビタミンCや食物繊維が多いし、多種類のポリフェノールも含まれ、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つそうだ。

 ここ生石高原では、山菜の季節がそろそろ終わりを迎えており、今は干しゼンマイ作りに忙しい。ゼンマイは高原やわが山小屋の周辺に自生しており、これを採ってきて綿を取り除き、茹でて灰汁を抜く。これにストーブの灰をまぶして水洗いし、天日干しにする。二日ほど干せば出来上がりだ。

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 われら夫婦は干しゼンマイが好物なので、1年中食べる。もちろん美味しいし、豊富なカリウムが含まれている。この成分は、体を健康に保つための必須栄養素だそうだ。動脈硬化、癌の予防に役立ち、、血圧を安定させる効果もあるという。

 私たちにとって山菜とは、体にいいという信仰に近いものもあり、そういうものが身近にあるのは幸いなことだ。今年もたくさん食べたので、免疫力はバッチリである。このまま健康であればいいが、一つ心配は、家内の言動によるストレスである。ストレスは万病の元なのだ・・・。

この春初のボート釣り

 なかなかいい日和がなく、この春初のボート釣りは延びのびになっていた。しかし先日、やっと海が穏やかになるとの予報が出た。急いで仕掛けを作り、半年ぶりになるのでエンジンの調子も点検した。軽トラにボートを積み込み、翌朝の出発に備えた。

 初釣りはウキウキするものだが、気持ちはパッとしない。というのも、釣具店や漁師らから情報収集した結果、芳しい話が入ってこないのだ。特に私が狙う大型のアオリイカは、さっぱり釣れないという。

 そんな不安を抱えながら、由良湾に向かった。途中の餌店でイカ釣りに使う生きたアジを買うことにした。親しくしている店員にイカの情報を聞くと、「釣れやん」と完璧な和歌山弁で即答した。いつもなら20匹ほど買うが、10匹だけにしておいた。

 午前6時ごろ、いつもの漁港に着いた。湾内はほとんど無風で、油を流したような海面を滑るように走った。20分ほどで岩礁帯のポイントに着いた。途中の漁港の堤防には釣り人の姿が見えなかったので、やはり魚もイカも釣れていないのだろう。

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 自慢話で恐縮だが、このポイントでは昨年春に3回ボートを出し、3~2キロのアオリイカを5杯、一昨年はも3回で同じクラスを6杯釣った。実績はあるし、縁起のいいポイントだから、いくら状況が悪いといっても1杯くらいは何とかなるという甘い考えがあった。

 欲張って竿を2本出して、広範に探った。海底にはホンダワラのような長い海藻が揺らいでおり、イカはここへ産卵にやって来るはずだ。しかし、1時間が過ぎても竿先はピクリともしない。餌店員の「釣れやん」という断定的な言葉が蘇ってくる。

 いつまでもアオリイカにこだわっていては、早くガシラを釣りたがっている家内に悪い。ここは潔くイカを諦め、沖の一文字のポイントに向かった。一文字に近付くと、2人だけが釣りをしていたが、うち1人は堤防に寝転んでいた。この一文字に2人というのは珍しく、それほど状況が悪いということだろう。

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 ガシラ釣りも不調で、餌が付いたまま上がってくる。家内は「早く場所を替わろう」とせっつくので、ここも見切りをつけ湾内に戻った。いつも釣っているポイントなのでボートを流す要領も心得ている。1匹目は私にきた。中型である。次は家内に同じサイズが釣れた。

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 その次は私が釣り、家内を焦らせた。しかし後が続かない。いつもはこんなものではなく、半日もやれば10~20匹は釣れるのだ。しかも家内はここ数年で腕を上げ、いつも師匠の私を打ち負かしている。

 突如、私の竿が海中に引き込まれた。力強い当たりだ。合わせを入れると、底掛かりしたようにリールが巻けない。しかし魚は付いている。ぐいぐいと竿を絞り込んでくる。水深10m以上の海底から釣り上げるのだから、釣り応えは十分だ。やがて5mほど沖で魚が海面を割って出た。家内は「ガシラや。大きい」と叫んだ。このあたりでは最大クラスで、30cmほどはある。

 それから1時間近く粘ったが当たりはなく、早々と港に帰った。結局、釣果はガシラ4匹で、私の3匹に対し、家内は1匹だけ。いつも家内に負けている私だが、珍しく勝ち越したので、「釣れない時に腕の差が出るわな」と言っておいた。一瞬、家内の表情が引きつたように見えた・・・。

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カモシカが来た・・・見つめ合った

 朝起きると家内は、部屋の窓越しに森を眺めるのが日課である。その視線の片隅に黒いものが見えたという。隣の部屋でテレビのニュースを見ていた私に家内は、「カメラ持ってデッキに出てみて。カモシカが来てるの」と小声で言った。朝6時40分ごろのことだった。

 私は居間からデッキに出た。家内が指差す方を見ると、ニホンカモシカがお尻をこちらに向けてじっとしていた。 距離にして10mくらいだ。カモシカは私の物音に気付いたのか、振り返った。そしてそのまま私と視線が合い、見詰め合った。3分、4分・・・。

 カモシカとの距離をもう少し詰めるため、外に出た。家内もスマホを持ってついてきた。距離は7、8mくらい。まだ見つめている。「こっちにおいで」と声を掛けてみたが、その声に動じる風もない。

 黒い瞳が何と可愛いことか。人間に対する警戒心はまったく感じられない。好奇心が旺盛なのか、視線をそらさない。人間も動物も同じだが、視線には穏やかなものもあれば、不信や悪意に満ちたものまである。

 わが山小屋を訪れたカモシカは体調80cmほどで、角が短いところをみると、まだ成長過程の青年かもしれない。昨年の秋ごろ、山小屋のすぐ下の道を横切る姿を目撃したし、最近は知り合いが近くで見かけたというから、この辺が縄張りかもしれない。

 家内はスマホで写真を撮ろうと、5mほどに近寄った。いくら友好的なカモシカでも、この距離は警戒本能を呼び覚ますのだろう。私たちを振り返ると、ゆっくりとした足取りで森の中へ。そして去り際、もう一度振り向いて姿を消した。この間、8分ほどだった。ほのぼのと心温まるひと時だった・・・。
   
          ↓ 後ろを向いてじっとしている
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          ↓ 私の気配で振り返った
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          ↓ カモシカは視線を外さず、見つめ合う
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          ↓ 家内が近寄りすぎたため、森の中へ
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          ↓  去り際、もう一度振り返った
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トランプさんは金委員長に勝てるか・・・

 史上初の米朝首脳会談は、6月初旬までに開かれる見通しだ。先月には当時のCIA長官で、近く国務長官に就任するポンペイオ氏が、北朝鮮の金正恩委員長と会談したと米紙が報じている。このように会談の準備は進んでいるようだが、会談の成否はトランプ大統領の言動と同様、予測不能である。

 首脳会談を前に、安倍首相は日米の意見のすり合わせを行うため、フロリダの別荘でトランプ大統領と会談し、ゴルフ外交も展開した。北が核を放棄するまで最大限の圧力を加えることで一致し、さらに大統領は日本が望む拉致問題を取り上げると確約したから、ひとまず日本側はホッとしたはずだ。

 さてその相手となる金正恩委員長はいかなる人物か・・・。4月15日の日曜夜、「NHKスペシャル  金正恩の野望」と題する特別番組が放送された。何人もの関係者から話を聞き、AI(人工知能)による分析なども加えて構成されていた。

 番組の冒頭、私は大きな衝撃を受け、そして戦慄した。間もなく実現しそうな米朝首脳会談をズバリ予言した人物がいたのだ。予言したのは、北朝鮮の幹部で2000年代に脱北した「ソン・ミンテ氏(仮名)」なる人物で、先代の最高指導者・金正日とも面識があったという。

 予言はまるで遺書のようにノートに綴られていた。それによると、思想戦を得意とする金委員長の戦略はやがて外交に向けられ、核やミサイルの能力を極限まで見せつける。その上で、戦争になるかもしれないというギリギリのタイミングを見計らい、180度方向転換して和平攻勢に出て来る・・・というものだ。

 これは、核・ミサイルの開発が続けられている昨年の早い段階で書かれたもので、しばらくして彼は死亡した。だから、今まさに行われている北の平和攻勢は知る由もなく、驚くべき予言だった。金委員長の鮮やかとも言える変わり身の早さに、瞠目し、恐ろしい男だと思った。

 番組では、北朝鮮人民の生活を向上させた金委員長の手腕や、実の兄を殺すなど恐怖統治の実態を多角的に分析している。私は金委員長が表舞台に登場してきた6年前、奇妙な髪型にブクブク太った不健康な体型、愚鈍な顔つきを見て失笑さえした。トランプ大統領も、チビだのロケットマンだの見下していた。

 しかし、この番組を見て認識を改めざるを得ないと思った。金委員長は幼少の頃から帝王学を学び、スイスに留学して知見を広めた。頭脳も極めて明晰との評価もある。核開発から今回の平和攻勢を見てみると、単なる思い付きではなく、計算しつくされた深遠な戦略があるように思う。

 対するトランプ大統領はどうか。予測不能の発言を繰り返し、政治家としての信頼を損ねている。国を二分するような発言もまた、自分の支持者層にしか目を向けていない。人々をまとめる力や人間性はどうだろう。側近の多くがホワイトハウスを去ったのも事実だ。ディール(取り引き)が得意だと自慢しているが、不動産取り引きと同じように見ている節も見受けられる。

 彼の自己顕示欲の強さもまた、異様に映る。政治は自己顕示欲を満足させる手段のようであり、真の国益や民衆の平和な生活など目に入っていないのかもしれない。自慢ばかりしたがり、ええかっこしいである。真偽は分からないが、ポルノ女優に口止め料を払ったとか、ロシアで痴態の限りを尽くしたとか、大統領としての資質を問う声が絶えない。

 大統領から見れば、金委員長は鼻たれ小僧であり、東アジアの小国である。しかし今回のNHKの報道番組は、北朝鮮を侮ってはいけないという警告でもある。金委員長は、ロシア疑惑や支持率低迷を挽回したいとする大統領の足元をしっかり見ている。北が仕掛ける深謀遠慮の罠が待ち構え、会談はアメリカに分があるとは思えない。

 しかしそれにしても、日本の政治家やマスコミは何だろうと思う。新聞は連日、森友学園や加計学園、自衛隊の日報問題にばかりに紙面を割いている。北朝鮮情勢は、日本国民にとってこれ以上ない危機でありながら、国会でまともに論議されていない。19日の全国紙朝刊でも、トップ記事は財務次官のセクハラ問題で、日米会談はその影に隠れている。

 この国は平和過ぎなのか、未曾有の危機に気付かないのか・・・。いや、知らないふりをして政権批判をするしか、野党は自分たちの存在意義を誇示できないのだろう。失礼ながら、拳を上げる野党議員の皆さんの目つきが、なんとも不気味で怖い・・・。

コシアブラのプレミアム

 ここ生石高原では、例年より早く山菜の季節を迎えた。それにしても、山菜採りの人たちは俊敏というか、出足が鋭いというか・・・。山菜に関しては人語に落ちないと思っている私だが、この人たちには脱帽である。

 先日、高原で最初にワラビが出る場所へ様子を見に行ったところ、すでに10数人が高原の斜面に張り付いて採っていた。まさかワラビが出ているとは思わなかったので、正直、不覚をとった。

 私もその場所に行ってみたが、なるほどワラビが出ていた。ただし、大勢の先客が採り尽くしたのか、長さが5、6cmほどの小さなものしか残っていなかった。ただこれくらいのワラビは柔らかく、アクも少なく美味しい。

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 いつも高原を散歩する時、採った山菜を入れるレジ袋をポケットに入れているが、この日は持ってこなかった。採ったワラビは、フリースの両ポケットがパンパンになるほど入れた。ポケットが汚れたので、家内から小言を言われた。

 生石高原で20cm以上の長いワラビを採ろうと思っても、なかなか採れるものでない。次から次へと人がやって来るし、早朝に来る人も少なくない。偉そうに言えないが、山菜採りには魔力が潜んでいるのか、多くの人は手当たり次第に採りまくるので、大きくなる暇がないのだ。

 ワラビが採れるのなら、イタドリ(スカンポ)も出ているのではないかと思い、その翌日、最も早くに出る場所に行ってみた。案の定、茎が赤くて太いスカンポが4、50本出ていので、太いものだけを採った。

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 さっそく家内はその晩、皮をむいて塩漬けにした。スカンポからアクが滲み出し、水分を切って冷凍保存しておくのだが、こうしておけば好きな時に取り出し、唐辛子をひとかけら入れて佃煮風に炊けば、美味しい山の幸が楽しめる。

 わが山小屋の周りでは、山菜の女王と称されるコシアブラが食べごろだ。葉がまだ開かない小指ほどの大きさは、最も美味しく、プレミアムと呼んで重宝している。新芽はすぐに開いてしまうので、山に住んでいるからこそ食べられる特別の山菜だ。そのまま天ぷらにして食べれば、やはり山菜の女王である。

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         ↓ 豚肉で巻いたコシアブラ
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山桜に囲まれて・・・春爛漫

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 この風景をちょっと自慢したくなり、思わずカメラを向けた。

 まずは山桜。ここ生石高原のわが山小屋は、今が満開の山桜に囲まれている。

 冬の間、屋内に置いていた肘掛け椅子をウッドデッキに持ち出し、目の前に咲き誇る山桜とその背後の紀淡海峡の風景に、しばし見とれた。

 古来、日本人が愛でてきた桜は山桜だろう。現代の桜を代表するソメイヨシノは、明治の初めごろに交配されたものらしい。ソメイヨシノはパッと咲いてパッと散る。花が散る様に、日本人は世のはかなさを重ね合わせ、その潔さに美をも感じる。

 山桜は、ソメイヨシノに比べて花が咲いている期間が長いように思う。しかも、花が咲くと同時に赤い新芽が出る。その白と赤のコントラストもまた味わいがある。

 もう一枚は、わが家のラッパスイセンだ。家内が何年もかけて株分けし、敷地の斜面に植えた。花は同じ方向に向いて咲いており、何となく愛嬌がある。わざわざ車を止めて眺める人もいて、ちょっとうれしくなる。

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