アオリイカ、そして鮎・・・2連戦の釣り

 女房が友達と旅行をするため、4日ほど留守にしている。この間、自分で毎日3食作らなければならないのが辛い。近くにスーパーでもあれば惣菜を買うことが出来るが、なにしろここは山の中。カップ麺で3日も4日も食いつなぐ訳にはいかない。

 それより困るのは、話し相手の女房がいないことだ。 この山中で暮らしているのは数人いるが、こちらから訪ねない限り、まずしゃべる事はない。せいぜい、新聞を配達してくれる郵便屋さんに「ご苦労さん」と声を掛ける程度だ。

 そんな訳で、家に一人いるのは退屈するので、暇つぶしに釣りへ行くことにした。天気予報では、ここ数日好天が続くとのことである。そろそろ少し大きくなったアオリイカが釣れるだろうと、10月10日、ボートを積んで由良湾に向かった。

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 昨年、秋のイカ釣りを始めたのは10月2日で、釣果は9杯だった。今年は鮎釣りが忙しく、スタートがだいぶ遅れた。それだけに何とか二桁は釣り、冷凍庫をにぎやかにしたいと意気込んだ。

 イカ釣りは、生きたアジの尻尾に針を打ち、泳がせながら食いつくのを待つ。リールから糸が出て食い付いたのが分かれば、ヤエンという掛け針を道糸に装着してイカに近付け、引っ掛けるという独特の釣法だ。それなりに熟練が必要だ。

 ボートを走らせ、半時間ほどで岩礁地帯のポイントに着いた。アンカーでボートを止めて驚いたのは、潮が澄み切っていて海底の岩の起伏がきれいに見えるのだ。これではイカの警戒心を強め、釣れるかどうか疑心暗鬼になった。

 しかし10分ほどするとリールから糸が出た。しばらくして引き寄せにかかったが、それほど引っ張っていないのにイカはアジを離した。その次も同じように、ヤエンを投入する前にアジを離してしまった。イカはかなり小さく、警戒心が強いのだろう。

 次はやっとヤエンに掛かった。小型のようだが、生意気にも引きは強い。さすがアオリイカだ。タモを差し出すと、墨を吐きなら何回も潜ろうとする。一度はまともに頭から墨をかぶった。とりあえず今夜の酒の肴をゲットした。

 2時間ほどで場所替わりした。このポイントもよく来る場所だ。ここも海水が澄んでおり、底が丸見えである。それでもぼちぼち当たりがあり、3杯釣れた。この時期、二桁釣りは珍しくないが、どうも調子が上がらなかった。小さなイカにアジの首根っこを何回もかじられ、生きアジがなくなったので正午前に帰港した。計4杯の釣果だった。

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 家に帰り、小さなイカ1杯を刺身にし、残りは冷凍保存にした。刺身は透き通っていて盛り皿の模様が透いて見えるほどだ。甘くて美味しかったが、一人で飲む酒はどこか侘しい。テレビの天気予報を見ていると、翌日の11日もいい天気のようだ。どうせ一人だから、鮎釣り行こうと思った。

 海へ川へ、2日連続の釣りはどうかと思うが、まだ行こうという気力があるのはいいことだ。近くの有田川に向かい、オトリを買うためなじみの店に立ち寄ると、オヤジさんは「客が多くて釣り荒れている」と、多くを期待するなという口ぶりだった。

 川を見渡すと、上流に2人、下流に3人の先客がいたが、その間のトロ場がぽっかり空いていた。先客に声をかけると「さっぱりや」という答えが返ってくる。

 しかし大きな石のあるトロ場でオトリを泳がすと、10分ほどでいい鮎が釣れた。オトリが石の頭をなめるように通り過ぎた時、後ろから鮎がオトリを追い、針に掛かった。その瞬間をしっかり見た。釣果を左右するのは、元気なオトリがうまく循環することだ。その後は中型の鮎が次々と掛かった。

 この日は小さな虫が飛び交い、うっとしい。これにさされると物凄く痒くなる。帽子で払いのけるがキリがなく、釣りをするのに嫌気がさし、少し早かったが午前11時過ぎに竿をたたんだ。釣果は予想以上の19匹。釣り始めてすぐにオトリを確保したのが好釣果につながったのだろう。

 もちろん晩酌の肴は鮎。20cmほどの良型3匹を塩焼きにした。焼くとよく分かるが、腹の付近がオレンジ色の婚姻色になっており、落ち鮎の季節である。焼いた鮎の尾をちぎり、背中をほぐして頭から背骨を引き抜く。丸かじりすると、クリーミーな味が口に広がった。腹に子がいっぱい詰まっているのだ。落ち鮎は格別の味わいだった。

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真鯛に大型の太刀魚・・・紀淡海峡で

 西の空に中秋の名月の名残りを留める10月5日、紀淡海峡で釣りをした。和歌山市の小さな港に船を係留しているイレグイ号さんからの招きである。毎年、大きな太刀魚が釣れ出すとお呼びがかかる。その代わりと言うか、生石高原が山菜の季節を迎えると、ワラビやコシアブラ、山ウドなどを採りに来てもらっている。

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 午前5時半に出港した。日が短くなり、この時間はまだ暗い。船は大きな漁船仕様で、快調なエンジン音を響かせながら紀淡海峡の友ヶ島を目指す。この日は、真鯛と太刀魚のダブルヘッダーだ。以前、イレグイ号さんの船で真鯛を狙ったが、腕が未熟なためか釣れなかった。それだけに、今回は内心期するものがあった。

 鯛の仕掛けは通称「タイラバ」というもので、大きな飴玉ほどの錘にヒラヒラした赤いゴムと10本ほどの糸を垂らすシンプルなものだ。腐っても鯛というが、その気位の高い鯛がどうしてこのヒラヒラに食いつくのか不思議でならない。

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 実は先日、 NHKテレビを見ていたら、シマウマはなぜ縞模様なのかという疑問を取り上げていた。縞模様がたくさん集まれば、ライオンなどに脅威を与えるのではないかというのが定説だったらしい。

 しかし最近の研究によると、ライオンの目にはそんなにはっきりと縞模様が見えていないのだという。ということは、縞模様には別な意図があるらしいのだが、要するに私が言いたいのは、動物の目には人間が見た通りには見えていなということなのだ。鯛にとってヒラヒラは、美味しそうな小魚に映るのだろう。

 この仕掛けを40mほどの海底に落とし、ゆっくりリールを巻き上げる。10mほど巻いたらまた海底に落とす。この繰り返しだが、当たりがあっても巻き続け、竿先が大きく引き込まれたら合わせを入れる。はやる気持ちを我慢するのがこの釣りの難しいところだ。

 1時間ほど経った頃、コツン、コツンという当たりがあった。やがて竿先が海中に引き込まれた。合わせを入れると、強い引きが伝わってきた。タモを持って駆けつけたイレグイさんは、「多分、鯛でしょう」と言う。しかし、やっと姿を見せたのは嫌われ者の外道のエソだった。蒲鉾の材料くらいにしかならない。

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 鯛が釣れないまま3時間ほどが経過した。イレグイさんは「もう少しで潮が緩むので、鯛釣りはそろそろ終わりにしましょう」と言った。やはり鯛釣りは難しく、今回も空振りのようだ。私にとって残念なのは言うまでもないが、イレグイさんの心中はいかばかりか・・・。彼は、何としても私に鯛を釣らせたいと思っていたはずだ。

 残された時間はあとわずか。竿先の変化を捉えるため集中した。ゆっくりリールを巻いていると、グイッ、グイッと竿先が沈んだ。次の瞬間、竿が海中に舞い込んだ。「来た!」と叫んだ。イレグイさんがタモを持って駆け寄る。ゴンゴンという節のある引きが伝わってきた。

 40m近く巻き上げるのに長い時間がかかったように思う。海を覗き込んでいたイレグイさんが「鯛や、鯛や」と言った。私もしっかりピンク色の魚影を見た。イレグイさんがタモですくってくれたのは、30cmを超す正真正銘のブランド鯛だった。まさに最後の最後だった。

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 「あぁ、良かった」・・・。船上を跳ねる鯛を見ながら、イレグイさんがボソッとそう言ったのを聞き逃さなかった。決して多弁ではない彼だけに、私に鯛を釣らせたいという思いがその言葉に滲んでいた。私も女房をボートに乗せて釣りをするが、女房が釣ってくれる方がうれしい。船頭とはそういうものなのだ。

 大物の太刀魚を狙い、淡路島の洲本市沖に向かうと、大きな波が待ち受けていた。水深が100m近くもあるので、太刀魚の当たりが取りづらい。それでも釣り始めてすぐ、魚体の幅が指4本半の大きな太刀魚が釣れた。波に翻弄されながらの釣りだったが、クーラーには8本の良型が収まった。その何本かはイレグイさんが入れてくれたものだが・・・。

 最後に、鯛の味に触れない訳にはいかない。その晩、刺身にして食べたが、身の弾力といい、甘みといい、これはもう最高だった。大袈裟ではなく、これまで最も美味しい鯛だった。さすが、紀淡海峡の潮流に鍛えられただけはある。

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濁りが薄れてきた有田川・・・鮎29匹

 ここ生石高原にも秋の気配が漂い始めた。おびただしい数のトンボが空を舞っている。赤トンボも飛んできたので写真を撮ったが、ピンボケだった。列島を縦断するアサギマダラも時折見かけるようになった。この美しい蝶は秋の深まりとともに、わが山小屋にもしばしば姿を見せてくれるだろう。

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 鮎釣りは、これからが本番である。鮎は6月ごろ各地で解禁になるが、ホームグラウンドの有田川下流は盆ごろから本格的に釣れるのだ。鮎の多くは、河口で生まれた天然遡上の鮎で、これぞ本物の天然である。それが大きくなって川底の石や岩に縄張り持ち、侵入してくる鮎を攻撃するのだ。

 有田川は盆前の大雨で濁流になったが、やっと濁りが取れ始め、今は薄濁りの状態だ。鮎の餌になる石アカも付いてきた。この好機を逃したくない。わが家から約20分、いつものポイントに入った。200m上流に2人、100m下流に2人が竿を出しており、その中間に入った。

 半時間ほどはまったく釣れなかったが、オトリがやっと対岸の石に近付いた時、目印が小さく揺れた。竿を立てるとグリグリという手ごたえがあったが、すぐ軽くなった。針が外れたのだ。気を取り直してオトリを泳がせていると、また当たりがあった。しかしこれまた外れた。このような現象は珍しくないが、鮎の活性が低いのだろう。

 この場所を諦め、50mほど上流に替わった。ここは大きな岩が水面にいくつも顔を出しており、いわゆるトロ場である。オトリを岩と岩の間で泳がせると、すぐに掛かった。これでやっと元気なオトリが手に入った。さぁ、これからだ。養殖のオトリとは違って、元気よく岩の回りを舐めるように泳いだ。

 すると、いきなり目印がストンと水中に入った。あっという間に、掛かり鮎とオトリは対岸に達していた。電光石火、凄いスピードだ。鮎を水面に浮かせても、しぶきを上げながら右に左に走り回る。なだめるようにして引き抜き、タモで受け止めた。22cmはある大物で、オトリにするには大き過ぎるが、鮎釣りで最も大切なのは元気なオトリを循環させることだ。

 この日は珍しくよく釣れる。オトリは思った場所に行ってくれるし、普通は行ってくれなややこしいポイントでも泳いでくれる。激しい当たりもあれば、弱々しい当たりもあったが、鮎のサイズはどれも20cm前後と大きい。

 ここのトロ場を行ったり来たりし、一つ一つの岩を丹念に攻めた。時計を見ると午前11時半で、少々疲れた。時々川の石に足を取られるようにもなった。とりあえず、曳き舟からタモに鮎を出し、数を数えてみた。21匹もいた。上出来だ。

 いつもは昼までで釣りを終えるが、この日は欲が出た。昼ご飯を食べ終わり、気になっていたポイントへ車で移動した。先客が2人いたが、しばらくするとどこかへ行ってしまった。午前中に釣ったばかりの元気なオトリを3匹生かしておいたので、流れの速い瀬でも泳いでくれるはずだ。

 オトリを沈めると、一発で掛かった。サイズは16、7cmと少し小さめだが、次も、その次も、そのまた次も・・・5匹連続で釣れた。これを「入れ掛かり」と言うが、5匹連続は今シーズン初めてだ。やがて、それが嘘のように釣れなくなった。

 午後の日差しは強く、しかも逆光だから目印が見えない。糸の張りを確かめながら手探りのような釣りを続け、退屈な時間が過ぎた。やがて、ゴン、ゴンという強烈な当たりが手に伝わった。かなり早い瀬なので、鮎は流れに押されて下流に走ったと思ったが、姿が見えない。

 竿がどちらに倒れているか確かめると、上流に向かってしなっている。ということは、この速い瀬をオトリを引っ張りながら、少なくとも10m近くも遡っていたのだ。驚くべき怪力である。やっと石に付き出したアカをたっぷり食べ、体力が付いたのだろう。

 午後2時半ごろまで釣りをし、このポイントで8匹釣れた。午前中の分を合わせると釣果は計29匹で、珍しく大漁だった。気分よく帰り仕度をし、川を渡っていると石に足を取られ、尻餅をついた。起き上がろうとしたがうまくいかず、今度は横向きに水没した。眼鏡のレンズが水に濡れるなど散々だったが、不思議に腹が立たなかった・・・。

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変な虹・・・鮎釣りの吉兆か

 女房の朝一番の日課は、寝室の窓辺に立って紀淡海峡の風景をしばらく眺めることだ。その女房が「変な虹が出ている」と言った。デッキに出ると、なるほどきれいな虹が出ていた。しかし、普通の虹は弧を描いているが、この虹はストンと天から地に突き刺さるような感じだった。

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 これを吉兆と見るか、不吉と見るか。実はこの日、鮎釣りに行くことにしていたので、吉の兆しと思いたいのだが・・・。釣り人はとかくゲンを担ぎたがるものだ。

 10日ほど前に大雨が降り、ホームグラウンドの有田川は濁流となった。川の砂や小石が激流に流され、石に付いたアカ(藻の一種)を削り取ってしまい、川全体がが白く見える。この現象を「白川状態」と呼んでいるが、石のアカは鮎の餌で、それがなくなれば鮎が石に寄り付かないのだ。

 余談になるが、戦前戦後に釣りジャーナリストとして活躍した佐藤垢石という人がいた。鮎釣りに造詣が深く、「鮎は石を釣れ」という名言を残している。つまり、鮎は餌のアカが付く石を縄張りとし、侵入してくる鮎に体当たりして追い払う。友釣りはこの習性を利用し、オトリを石に近付けて針に掛ける釣法だ。ちなみにこの人の垢石という名前は鮎釣りに由来している。

 さて、大雨から10日以上も経ったので、もうそろそろアカが付き始めているだろうと思い、有田川のダム上流に車を走らせた。しかし、川に沈む石は白く、落胆した。ただ浅い岸の近くの石は若干だがコケが付き始めているように見えた。

 ともかく、押出という集落の川に入った。ここへは今年2回目で、前回は8匹釣れた。200mほどの瀬が続いており、上流には先行者がいたので、下流で竿を出すことにした。手で川底の石をなでてみると、少しヌルッした。これなら鮎が釣れるかもしれない。

 対岸に垂直に切り立った岩盤があり、ここならアカが残っているかもしれない。オトリをそこへ誘導して待つこと約10分、目印が揺れた。深場に潜った鮎を少しずつ浮かせ、引き抜いた。さらに10分後、少し下流の岩盤でもう1匹釣れた。どちらも18cmほどで、オトリには手ごろなサイズだった。

 鮎釣りは第一にオトリ、第二に場所、その次が腕前である。死にかけたようなオトリを使っていては、1日頑張っても釣れない。そして、オトリ屋で買う養殖物より、釣りたての天然鮎の方が断然元気がいい。天然物のオトリは尻尾をよく振って縄張りの鮎を挑発し、針に掛けるのだ。

 しばらく岩盤で粘ってみたが後が続かない。天然のオトリが手に入ったので、増水気味の速い瀬で釣ることにした。対岸の浅いヘチにオトリを入れた。オトリはグイグイと上流に遡っていく。いいぞ思った瞬間、目印がぶっ飛び、強烈な当たりが手に伝わった。

 掛かり鮎はオトリを引っ張って下流に疾走した。増水で流れが速いので、石の上を走らなければ追いつけない。もたもたしていると竿が伸び切り、糸が切れてしまう。20mは下っただろうか、流れが緩い浅場に鮎を誘導し、糸切れが心配だったが、思い切って引き抜いた。鮎は水しぶきをあげて玉網に納まった。

 これがこの日の最長寸23cm。顔が小さい割りに肩が盛り上がる見事な鮎だった。この瀬を行ったり来たりしながら釣り続けたが、20cmを超す大型が混じり、その度に流れが緩い場所までよたよたと走り下った。時々、河原の石に腰かけ、呼吸を整えた。

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 昼を過ぎた頃、目印が上流に走り、鮎がかかった。針を食い込ませるため竿を立てると、フッと軽くなり、糸と目印が風に吹かれて中空を漂っている。糸が切れたのだ。オトリと掛かり鮎の2匹を失った。これくらい情けないことはなく、虚脱感が全身を覆う。もうやっておられない。疲れもしたし、これが潮時だと思った。

 釣果は計16匹。半日の釣りにしては上出来である。朝の虹は吉兆だったのだ。ただ惜しむらくは、アカが成長していないため黒っぽい痩せた鮎が混じった。天然鮎は別名「香魚」と呼ばれるが、ウリのよな匂がいまひとつなのだ。その晩は七輪に炭を熾し、「強火の遠火」で焼いて食べた。はらわたの苦味は少なく、物足りなかった。欲を言えば切りがないけれど・・・。

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やっと鮎釣りの醍醐味・・・

 お盆には、子供たちが大津の家に帰省する予定だ。この春にわれら夫婦は蕎麦打ち道場に入門し、腕を磨いているので是非、打ちたて、茹でたての蕎麦を振る舞いたいと思っている。信州ブランドの蕎麦粉も取り寄せた。

 蕎麦はもちろん主役だが、それにどのような料理を添えるか・・・。それがパッとしないと、画竜点睛を欠く。私の趣味からしても、それはもう天然鮎の塩焼きか天麩羅だろう。鮎は夏の風物詩であり、これがまた蕎麦とよく合うのだ。

 とまぁ、そんな訳で、子供たちに食べさせるため、鮎釣りに行った。今シーズンはすでに4、5回釣行しているが、有田川の二川ダム下流は余りにも不調で、釣果1匹という日もあった。ふがいない釣果に、これまで釣行記を書く気がしなかった。

 台風が来る前の週、ダム上流へ向かった。ダム下流の釣り場まではは15分ほどで行けるが、上流は1時間近くかかるので、余程のことがない限りほとんど足が向かない。オトリ屋の女主人に状況を聞くと、「渇水になり、最近は釣れなくなった」と出鼻をくじかれた。

 押手(おしで)という集落の川を見て回った。長い瀬があったので、ここに入った。白波が立つ瀬にオトリを入れて当たりを待った。竿を立ててオトリを上流に泳がせようとしたら、針が底の石に引っ掛かった。外しに行くと、今度は糸が対岸の木に引っ掛かり、糸が切れた。

 幸先は良くなかった。しかし、少し下ってチャラチャラの瀬にオトリを入れると、ビューンと糸が上流に走り、掛かり鮎がオトリを引っ張って対岸に疾走した。20cmを超すような良型が玉網に納まった。この後、岩盤で3匹、背びれが見えるような浅場で2匹、100mほど下った瀬で3匹、計8匹が釣れた。余りに暑いので、正午前に竿を納めた。

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 それから3日後、今度はダムの下流に釣行した。いつも立ち寄るオトリ屋のオヤジからは「ぼちぼち釣れるようになった」と明るい情報が得られた。オトリ屋近くの大きな岩が沈むポイントで竿を出した。20分くらい経った頃、わずかに目印が揺れる当たりがあった。取り込んだ鮎は13cmくらいのミニサイズ。

 小さくてもオトリが天然鮎に替わった。鮎釣りはここからである。オトリが大きな岩と岩の間を通過した時、目印がストンと沈み、糸が走った。2匹の鮎はすでに対岸に到達していた。竿を倒して引き寄せるが、掛かり鮎は右に左に走り、引き抜くタイミングがつかめない。ハラハラしながらやっと引き抜くと、バサッという音をたてて網に納まった。

 釣れた鮎は軽く20cmを超えており、オトリには大き過ぎるし、もったいないので、先の小さな天然鮎に鼻カンを通してもう一度働いてもらうことにした。するとオトリはツ、ツーと上流に走り、波立ちの所に来たところで目印がぶっ飛んだ。ここで6、7匹釣ると当たりが止まり、下流のチャラ瀬に移動した。

 このポイントがこの日のハイライトだ。水深が30cmに満たないチャラ瀬は私の得意ポイントだ。これは私の師匠のM名人の影響である。竿を立て、テンションを加えながらオトリを泳がせる。すると、鮎が掛かり、上流へ5、6mも走った。秒速5mのスピードだ。それはまるで閃光のようだった。

 そのように、天然鮎の当たりはすさまじかった。これが鮎釣りの醍醐味だ。一度は4本イカリの針が2本抜け落ちてしまうほどだった。しかも鮎の型が20cm前後と申し分ない。この後、車で移動してチャラ瀬に入ったが、ここでは15cm前後の小型だった。結局、午前中だけの釣りだったが、計18匹の釣果だった。

 これまでが不調だっただけに、今回の釣行では大いに溜飲を下げた。子供たちに食べさせるに十分な数とサイズがを揃えることが出来て良かった。川に立ち込み、鮎と苦闘する父親の姿など知る由もないだろうが、せめて「美味しい」という素直なひと言を聞かせてもらいたい・・・。

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