ほろ苦かった鮎の初釣り

 うんざりするほどの暑さである。標高800mの山の上で暮らしているとはいえ、風がないので体感温度はとっくに30度を超えているはずだ。下界では、熱中症で死亡したり病院に運ばれたりしており、まして豪雨災害の後片付けは大変だろうなあと思う。

 ここ和歌山でもよく雨が降ったが、広島や岡山、愛媛などに比べれば大したことはなかった。私が鮎釣りに通う有田川も増水はしたものの、その後雨が降らなかったので水は引きつつある。

 今年はまだ一度も鮎釣りに行っていない。異例のことだ。もちろん川の増水が第一の理由だが、もう一つは熱中症が怖いのだ。川の中でわが一人がくたばっても仕方ないが、色んな人に迷惑をかける。

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 しかし、もうそろそろ我慢も限界、意を決して有田川に向かった。家を出るとき、梅干を一つ口に含んだ。熱中症対策だ。中流域にあるオトリ屋で年券(1万800円)を買い、オヤジから近況を聞いた。鮎の餌となる石ゴケが十分付いておらず、不調らしい。

 水深1メートル余りの緩い流れのポイントに入った。先客が一人おり、声をかけて上流で竿を出した。少し濁りがあり、腰まで水に浸かっているいるので暑さは感じない。しかしいつもより水量が多いので押しが強く、よろけることもある。

 シーズン初の釣りだから、期待で胸が高鳴った。狙いを定めた大きな石を攻めるが、オトリが気持ち良さそうに泳いでいるだけで、鮎が掛かる気配はない。

 1時間ほど経った時、オトリが石と石の間に入った瞬間、目印が揺れ、竿先がひったくられた。やっと掛かったのだ。目印は水没しており、竿を倒して鮎を浮かせ、引き抜いた。飛んできた鮎は20センチ近くあり、よく肥えていた。

 オトリが替わり、ポツリポツリと釣れるようになった。午前11時半には釣りを終えることにしていたので、残り時間は後わずか。すると、強烈な当たりがあり、掛かり鮎が上流に疾走した。あわてて竿を立てたが、川底の石に糸が巻き付いたのか、外すことが出来ない。しばらく引いたり緩めたりしたが、無念、糸が切れた。2匹の損失である。

 糸を張り替え、オトリを泳がすと、対岸近くの岩に針が食い込み、またも外せない。水深が深くてそこまでは行けず、結局糸を切った。またも1匹の損失である。残ったのは5匹だけだった。

 その夜は、5匹を家内と分け合い、遅まきながらの初物を塩焼きにして食べた。味が濃い。内臓の苦みが何とも言えない。悔しいことがあっただけに、ほろ苦さが身に染みた・・・。

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猛暑・・・涼しいうちにガシラ釣り

 多くの犠牲者を出した西日本の豪雨災害がまだまだ癒えてないのに、呑気に釣りのレポートをするのは気が引ける。言い訳がましい書き出しになったが、先日、夫婦でボート釣りに出かけた。前回の釣行は4月下旬だったから、2か月半ぶりになる。

 これほどブランクが長くなったのは珍しい。好きな釣りでも、歳をとると億劫になってしまう。しかしそれだけではない。この春から、生石高原の別荘地の世話役になり、いろいろと忙しくなったためだ。

 このところ猛暑が続いているので、涼しいうちに釣果を上げたいと思い、午前4時半ごろ家を出た。すでに外は明るくなっており、由良湾の漁港に着いたのは1時間後。ボートに空気を入れ、素早く荷物を積み込むと、さぁ出発だ。

 湾内の中央あたりでボートを止めた。アンカーを入れなくても、風がないのでほとんど流されない。狙う魚は、夏が旬と言われるガシラだ。餌はサバの切り身、アオリイカのエンペラ、青イソメの3種類を使い分ける。

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 竿を出して間もなく、家内が実に立派なベラを釣った。続いて大きく竿を曲げ、サバフグをものにして納得の様子である。今晩のおかずは出来た。サバフグには毒がないので安心して食べられ、鍋でも唐揚げでも美味しい。

 しかしその後はさっぱり当たりがなく、しびれを切らした家内は「一文字に行こう」という。これまで何度かの成功体験がそう言わせたのだ。そこまでは20分くらいかかかるが、風を切って走るので実に涼しい。

 一文字から少し離れた場所で仕掛けを投入すると、家内がすぐに中型のガシラを釣り上げた。これが合図だったかのように、家内と私が交互にガシラを釣った。恐らく、この時がジアイだったのだろう。

 風が出て少しボートが流されると、私に強い当たりが来た。魚が岩の間に入られないよう、強引にリールを巻いた。上がってきたのは黒っぽいガシラで、古老のような風貌である。27、8センチはあるだろう。

 続いてまた良型のガシラが釣れた。家内も順調に数を伸ばしているが、私にはいい型のガシラが多く、重量では勝っているはずだ。二人合わせて15、6匹釣れたので、暑くならないうちにと8時半ごろ帰ることにした。

 帰港する途中、スケベ心が出て竿を出してみた。このポイントはベラが多く、家内は小さな当たりをうまく合わせて数を稼いだ。「なんやベラかいな」とバカにされそうだが、片栗粉にまぶして唐揚げにし、甘酢をかけて食べると、たちまち高級魚に変身するのだ。3時間余りの釣りだったが、まぁ、大漁だった。

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紀淡海峡にアジとサバが回遊

 「やっと、アジとサバが回遊してきました」。そんなメールがブログ仲間のイレグイ号さんから届いた。善は急げである。6月2日の土曜日、イレグイさんが船を係留している和歌山市の小さな港に向かった。

 イレグイさんはれっきとしたサラリーマンだが、暇さえあれば紀淡海峡で釣りをしており、「半分、漁師」みたいな人である。船は漁師だった祖父から譲り受けたもので、エンジン音は漁船特有の低音を響かせる。

 東の空が明るくなり始めた午前4時10分ごろ、出航した。やがて真っ赤な太陽が顔を出し、空も海も熟柿のような色に染まった。大釣りへの期待で胸が膨らむが、今年の海は少し変である。水温が低く、余りいい釣果を聞かないのだ。

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 船は一路南下した。初島沖の地ノ島を過ぎ、さらに南下を続けた。50分ほどかかって着いたポイントは、紀淡海峡のど真ん中だ。水深は50mほど。イレグイさんは「水面から20mほどの棚に魚探の反応があります」と言うやいなや、30㎝を超すような立派なアジを釣り上げた。

 私も水深20mのあたりでスプールを止め、竿を大きく上下させながら誘いをかけた。竿先が海中に没したとき、グイ、グイという明確な当たりがあり、慎重にリールを巻いた。アジは口が弱く、強引に巻くと唇がちぎれるのだ。上がってきたアジは同じサイズだった。

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 このあたりで船を流していたが、今一つ釣果が上がらない。イレグイさんは友人の船に携帯で電話して様子を聞いたところ、生け簀がいっぱいになったので帰ろうと思うとのことだ。さぁ、急げ。友人がいると思われるポイントに急行した。

 「強い反応がありますよ。30mほど糸を出して下さい」とイレグイさん。すると、彼の動きが急に激しくなった。竿は大きく曲がり、引きの強さが見て取れる。やがて糸を手に取り、次々とアジやサバを針から外し、生け簀へ放り込む。「10本の針全部に掛かりましたよ」と、うれしそうだ。

 次は私にも当たりがあり、ゴンゴンと竿をたたくような引きが伝わってきた。ゆっくりリール巻いて道糸を手繰ったが、次から次へと白い魚体が海中から姿を現し、7匹も釣れた。その後も当たりが続き、午前8時には竿を納めた。

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 何匹釣れたか分からなかったが、イレグイさんが私のクーラーに入れてくれたアジとサバは30匹以上だ。この中には、イレグイさんが釣った45㎝のサバが含まれており、これを三枚に下してきずしを作った。

 この夜は、たまたま生石高原の仲間と飲む約束をしていたので、アジの刺身とフライを振る舞った。さすが30㎝を超すアジにはしっかり脂が乗っており、大いに喜ばれ、ちょっと鼻が高かった。

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この春初のボート釣り

 なかなかいい日和がなく、この春初のボート釣りは延びのびになっていた。しかし先日、やっと海が穏やかになるとの予報が出た。急いで仕掛けを作り、半年ぶりになるのでエンジンの調子も点検した。軽トラにボートを積み込み、翌朝の出発に備えた。

 初釣りはウキウキするものだが、気持ちはパッとしない。というのも、釣具店や漁師らから情報収集した結果、芳しい話が入ってこないのだ。特に私が狙う大型のアオリイカは、さっぱり釣れないという。

 そんな不安を抱えながら、由良湾に向かった。途中の餌店でイカ釣りに使う生きたアジを買うことにした。親しくしている店員にイカの情報を聞くと、「釣れやん」と完璧な和歌山弁で即答した。いつもなら20匹ほど買うが、10匹だけにしておいた。

 午前6時ごろ、いつもの漁港に着いた。湾内はほとんど無風で、油を流したような海面を滑るように走った。20分ほどで岩礁帯のポイントに着いた。途中の漁港の堤防には釣り人の姿が見えなかったので、やはり魚もイカも釣れていないのだろう。

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 自慢話で恐縮だが、このポイントでは昨年春に3回ボートを出し、3~2キロのアオリイカを5杯、一昨年はも3回で同じクラスを6杯釣った。実績はあるし、縁起のいいポイントだから、いくら状況が悪いといっても1杯くらいは何とかなるという甘い考えがあった。

 欲張って竿を2本出して、広範に探った。海底にはホンダワラのような長い海藻が揺らいでおり、イカはここへ産卵にやって来るはずだ。しかし、1時間が過ぎても竿先はピクリともしない。餌店員の「釣れやん」という断定的な言葉が蘇ってくる。

 いつまでもアオリイカにこだわっていては、早くガシラを釣りたがっている家内に悪い。ここは潔くイカを諦め、沖の一文字のポイントに向かった。一文字に近付くと、2人だけが釣りをしていたが、うち1人は堤防に寝転んでいた。この一文字に2人というのは珍しく、それほど状況が悪いということだろう。

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 ガシラ釣りも不調で、餌が付いたまま上がってくる。家内は「早く場所を替わろう」とせっつくので、ここも見切りをつけ湾内に戻った。いつも釣っているポイントなのでボートを流す要領も心得ている。1匹目は私にきた。中型である。次は家内に同じサイズが釣れた。

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 その次は私が釣り、家内を焦らせた。しかし後が続かない。いつもはこんなものではなく、半日もやれば10~20匹は釣れるのだ。しかも家内はここ数年で腕を上げ、いつも師匠の私を打ち負かしている。

 突如、私の竿が海中に引き込まれた。力強い当たりだ。合わせを入れると、底掛かりしたようにリールが巻けない。しかし魚は付いている。ぐいぐいと竿を絞り込んでくる。水深10m以上の海底から釣り上げるのだから、釣り応えは十分だ。やがて5mほど沖で魚が海面を割って出た。家内は「ガシラや。大きい」と叫んだ。このあたりでは最大クラスで、30cmほどはある。

 それから1時間近く粘ったが当たりはなく、早々と港に帰った。結局、釣果はガシラ4匹で、私の3匹に対し、家内は1匹だけ。いつも家内に負けている私だが、珍しく勝ち越したので、「釣れない時に腕の差が出るわな」と言っておいた。一瞬、家内の表情が引きつたように見えた・・・。

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アオリイカ、そして鮎・・・2連戦の釣り

 女房が友達と旅行をするため、4日ほど留守にしている。この間、自分で毎日3食作らなければならないのが辛い。近くにスーパーでもあれば惣菜を買うことが出来るが、なにしろここは山の中。カップ麺で3日も4日も食いつなぐ訳にはいかない。

 それより困るのは、話し相手の女房がいないことだ。 この山中で暮らしているのは数人いるが、こちらから訪ねない限り、まずしゃべる事はない。せいぜい、新聞を配達してくれる郵便屋さんに「ご苦労さん」と声を掛ける程度だ。

 そんな訳で、家に一人いるのは退屈するので、暇つぶしに釣りへ行くことにした。天気予報では、ここ数日好天が続くとのことである。そろそろ少し大きくなったアオリイカが釣れるだろうと、10月10日、ボートを積んで由良湾に向かった。

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 昨年、秋のイカ釣りを始めたのは10月2日で、釣果は9杯だった。今年は鮎釣りが忙しく、スタートがだいぶ遅れた。それだけに何とか二桁は釣り、冷凍庫をにぎやかにしたいと意気込んだ。

 イカ釣りは、生きたアジの尻尾に針を打ち、泳がせながら食いつくのを待つ。リールから糸が出て食い付いたのが分かれば、ヤエンという掛け針を道糸に装着してイカに近付け、引っ掛けるという独特の釣法だ。それなりに熟練が必要だ。

 ボートを走らせ、半時間ほどで岩礁地帯のポイントに着いた。アンカーでボートを止めて驚いたのは、潮が澄み切っていて海底の岩の起伏がきれいに見えるのだ。これではイカの警戒心を強め、釣れるかどうか疑心暗鬼になった。

 しかし10分ほどするとリールから糸が出た。しばらくして引き寄せにかかったが、それほど引っ張っていないのにイカはアジを離した。その次も同じように、ヤエンを投入する前にアジを離してしまった。イカはかなり小さく、警戒心が強いのだろう。

 次はやっとヤエンに掛かった。小型のようだが、生意気にも引きは強い。さすがアオリイカだ。タモを差し出すと、墨を吐きなら何回も潜ろうとする。一度はまともに頭から墨をかぶった。とりあえず今夜の酒の肴をゲットした。

 2時間ほどで場所替わりした。このポイントもよく来る場所だ。ここも海水が澄んでおり、底が丸見えである。それでもぼちぼち当たりがあり、3杯釣れた。この時期、二桁釣りは珍しくないが、どうも調子が上がらなかった。小さなイカにアジの首根っこを何回もかじられ、生きアジがなくなったので正午前に帰港した。計4杯の釣果だった。

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 家に帰り、小さなイカ1杯を刺身にし、残りは冷凍保存にした。刺身は透き通っていて盛り皿の模様が透いて見えるほどだ。甘くて美味しかったが、一人で飲む酒はどこか侘しい。テレビの天気予報を見ていると、翌日の11日もいい天気のようだ。どうせ一人だから、鮎釣り行こうと思った。

 海へ川へ、2日連続の釣りはどうかと思うが、まだ行こうという気力があるのはいいことだ。近くの有田川に向かい、オトリを買うためなじみの店に立ち寄ると、オヤジさんは「客が多くて釣り荒れている」と、多くを期待するなという口ぶりだった。

 川を見渡すと、上流に2人、下流に3人の先客がいたが、その間のトロ場がぽっかり空いていた。先客に声をかけると「さっぱりや」という答えが返ってくる。

 しかし大きな石のあるトロ場でオトリを泳がすと、10分ほどでいい鮎が釣れた。オトリが石の頭をなめるように通り過ぎた時、後ろから鮎がオトリを追い、針に掛かった。その瞬間をしっかり見た。釣果を左右するのは、元気なオトリがうまく循環することだ。その後は中型の鮎が次々と掛かった。

 この日は小さな虫が飛び交い、うっとしい。これにさされると物凄く痒くなる。帽子で払いのけるがキリがなく、釣りをするのに嫌気がさし、少し早かったが午前11時過ぎに竿をたたんだ。釣果は予想以上の19匹。釣り始めてすぐにオトリを確保したのが好釣果につながったのだろう。

 もちろん晩酌の肴は鮎。20cmほどの良型3匹を塩焼きにした。焼くとよく分かるが、腹の付近がオレンジ色の婚姻色になっており、落ち鮎の季節である。焼いた鮎の尾をちぎり、背中をほぐして頭から背骨を引き抜く。丸かじりすると、クリーミーな味が口に広がった。腹に子がいっぱい詰まっているのだ。落ち鮎は格別の味わいだった。

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