酒で盛り上がり、ゴルフで落胆する・・・同級生4人組

 冷たい北風が吹いていた4日前の夕方、関西圏の中都市に建つホテルに、4人の男が集まった。「カレー屋」「木材商」「ホテル王」「ゴロツキ」と呼ばれる男たちだ。40数年前、北陸の小さな高校を卒業したかつてのクラスメイトである。

 先月の同級会で顔を合わせた際、ゴルフをしようと約束し、こうして集まった。積もる話もあるので、ホテルの近くに予約していた料理屋で前夜祭を開き、気勢を上げることにした。

 4人ともよく飲み、よく話した。高校時代の思い出は、実に懐かしかった。その後のそれぞれの人生には、苦労話があり、驚きがあり、興味深かった。ビール、日本酒、焼酎の杯を重ね、料理屋を追い出されるまで話し込んだ。

 「カレー屋」は、大学の農学部を卒業して食品会社に技術職として就職した。主力食品であるカレーの研究、商品開発一筋に歩んだ。社長の覚えめでたく、今なお会社の禄を食んでいる幸せ者だ。

 入社してすぐ、沖縄群島の小さな島に行かされたらしい。ここでカレーに適した原材料を栽培するため、まずは木を伐採し、岩や石を掘り起こし、畑作りから始めた。4年間の島暮らしによって、農学部で学んだこともプライドも打ち砕かれたろうが、その貴重な体験が彼を大きくさせたに違いない。

 「木材商」は商社に入り、木材の買い付けに奔走し続けた企業戦士である。その大半を東南アジアやニュージーランドの海外駐在員として過ごしたそうだ。それらの国は水事情が悪く、濃いキルク入りの水を飲み続けたため、歯がボロボロになり、1本の歯も残っていないという。「眠っていて歯がゴロンと抜け落ちるのよ」・・・。

 密林で大の用を足していたら、目の前に毒蛇がかま首を持ち上げていたという。動けば飛びかかって来そうなので、あられもない姿のまま睨らめっこをしていたらしい。その結末まで聞かなかったが、毒蛇は悪臭にたまらず立ち去ったのだろう。また、密林の島に向かったチャーターボートのエンジンが故障、2日間も漂流するという危ない目にも遭っていた。

 「ホテル王」は、脱サラの成功者だ。大学を出て機器メーカーに就職したが、一念発起してホテル経営に転じた。この夜泊まったホテルも彼のホテルチェーンの一つで、なかなか立派な建物だった。

 高校時代は、いつも控え目で大人しい男だった。こう言っては何だが、風采も今一つだった。しかし、今の彼はかつてのイメージを一変させていた。堂々としていて、明るく、風貌も上等だった。

 人間、それまでに歩んだ人生によって、外観も内面も大きく変わるものだとつくづく思った。顔も人生の履歴書である。旧友との再会は、変わった所、変わらない所が鮮明に見えて面白い。

 さて、4人目の「ゴロツキ」は私である。若い頃、私の職業について心ない人からそう蔑まされたことがあるので、自虐的に「ゴロツキ」としたのである。同級生は私について「お前はクラスで一番の自由人だったなあ」と口をそろえた。喜んでいいのか分からないが、今はゴロツキの足を洗い、紀伊山地の雲辺で自由人らしい生活を楽しんでいる。

 さて肝心のゴルフ・・・。当日は風が強く、ミゾレが降り、ひどく寒かった。そんな言い訳から始めなければならないほど、全員散々だった。武士の情けでスコアは聞かないでほしい。

 「今日のラウンドはなかったことにしよう」。無念の総括である。カレー屋が「絶対、リベンジだ」と言うや、ホテル王が「次は来年3月。前夜祭もやろう」と一挙に話をまとめた。どっちみち、プレーに大差ないと思うが・・・。
  

 
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きっぱりやめたつもりのゴルフだが・・・

 かなり昔の話だが、伊丹空港からヘリコプターで島根県に向けて飛び立った。離陸してしばらくすると、レシーバーから機長の声が聞こえてきた。「ついでに、兵庫のゴルフ銀座をぐるっと回ってみますか?」「はい、お願いします」・・・。

 ヘリは神戸市から西宮、三木、三田方面を飛行した。眼下に次々とゴルフ場が現れる。その余りの多さにびっくりした。山の中にではなく、ゴルフ場の中に山があるといった感じだった。

 後で知ったことだが、兵庫県内のゴルフ場は150くらいあり、北海道に次いで全国2番目の多さだと言う。「ゴルフ銀座」という呼び名は、そのことを指しているのだろう。

 「よくもまあ、これだけ山を削り取ったものだ」というのが、正直な感想だった。ゴルフ場を建設するには、山をいくつも造成しなければならない。伐採された木は数え切れないだろう。美しい自然が破壊され、芝生に散布する農薬汚染が追い打ちをかける。ヘリから見下ろした光景に、憤りを感じた。

 止まっている小さなボールを飛ばすのが、そんなに面白いのか。直径10センチほどの穴にボールを入れて、それがどうした。自然を破壊しておいて、紳士のスポーツとは笑わせる。

 あれから10数年・・・。恥ずかしながら、私はゴルフに血道を上げていた。節操のない男である。年間のラウンド数は80以上に及んだ。それだけのお金を使ったのだから、腕も上がる。やがてシングルになり、さらにハンデを下げていった。

 しかし3年前、きっぱりゴルフをやめた。「惜しいなあ、なんでやめるの?」と、ゴルフ仲間から思いとどまるよう言われた。突然、自然保護に目覚めた訳ではない。ここ和歌山の森の中に暮らすようになって、一気にゴルフ熱が冷めてしまったのだ。自分でも不思議なくらいに・・・。

 滋賀のホームコースから遠く離れ、一緒にプレーする仲間もいなくなり、山の中だから練習場もない。これらもゴルフをやめる理由のひとつだが、ゴルフに興じるより、森の生活の方が格段に楽しかったのだ。のんびり暮らしているように見えても結構忙しく、日々飽きることがない。

 ところが・・・。先月、高校の同級会に出席したところ、旧友から「ゴルフをしよう」と誘われた。「3年もクラブを握っていないので、勘弁してほしい」と断わったが、「言い訳は聞かない。とにかくやろう」と強引に引き込まれてしまった。

 山小屋の納戸に放置していたキャディーバッグにはカビが生え、ウエッジも錆が浮いている。ちょっと恥ずかしかったが、それを持って練習場に行った。昔取った杵柄とは言いながら、情けないというか、当然というべきか、クラブヘッドの芯にボールが当たらず、泣けてきた。

 まさか同級生とプレーするなど考えもしなかったので、つい雑談で、「昔、シングルやった」と言ってしまったのだ。後悔しても始まらないので、何とか元シングルの片りんを見せなければならない。しかし、まったく自信がない。

 プレーは2日後に迫っている。あぁ、どうしよう。・・。 

【夫の日記】 師匠のエージシュート

  和歌山の山小屋から滋賀の自宅に帰ってきた。所属するゴルフ場の役員コンペに参加するためだ。競技委員を仰せつかっているので、万難を排して参加しなければならない。まあ、これは建前。ゴルフ場側の接待なので一銭のお金も要らないし、宴会付きもうれしい。けち臭い本音である。
 ひまじんのゴルフの師匠Kさんも、同じ競技委員だが、今回のコンペには参加しないと言う。今月末に手術を受けることになっており、気持ちが塞いでいるのだ。
 しかし、こんな状態を続けていては落ち込むばかり。「好きなゴルフをして、気分転換しましょう」と、首に縄をつけて引っ張り出した。
 Kさんは、かつて「ハンデ+1」のトップアマで、全日本アマなどで活躍した。ゴルフが上手なだけでなく、マナーも素晴らしく、ゴルファーの手本のような人だ。
 さて、コンペである。ひまじんは前日、付け焼刃の練習をして臨んだ。ドライバーは珍しくよく飛んだが、アイアンが悪い。最初の数ホールはゴロばかり打っていた。インパクトで体が浮いているのだろう。パットもカップを舐めることが多く、結局40点。
 後半はアイアンが少しよくなり、38点で、グロス78点だった。まあ、70台で回れたのだから、欲を言ってはいけない。ラスベガスというゲームをしていたので、スコアよりホールごとの勝ち負けに気合が入ってしまう。結局ゲームは1人勝ちで、少しばかり小遣いをいただいた。
 コンペ終了後、肉料理店に席を移して宴会だ。ここのところ、釣りで持ち帰った魚ばかり食べていたので、しゃぶしゃぶの鍋は大変なご馳走である。やはり、霜降り肉はひまじん夫婦が釣る魚よりおいしい。
 そして成績発表と表彰式。ひまじんは4位で、果物の詰め合わせをいただいた。あっと驚いたのが、Kさんのスコアだ。36、38の74点。Kさんも気づいていなかったのだが、エージシュート(年齢以下のスコアをマークすること)なのだ。72歳の時に達成して以来2回目の快挙。高齢者にとってすごい事なのだ。
 役員、委員から盛大な拍手が送られた。これまで、手術を控えて沈みがちだったKさんは、満面の笑みを湛えておられた。「今日は久しぶりに楽しかった。病気を治して1日も早くゴルフ場に帰って来たい」。少し目が潤み、照れたような笑顔がうれしかった。

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【夫の日記】 森のゴルフ練習

 滋賀の自宅に一時帰宅していると、毎日、ぼーっとしているので、ブログのネタははない。そこで手抜きをしたくなる。ひまじんが所属しているゴルフ場から、会報にエッセイを書いてくれと頼まれたので、この文章をブログに転載したい。版権などという大げさな問題はないと思うが、自分のブログに再録するのは忸怩たる思いはあるのだが・・・。

 -- 私は、紀伊山地の森の中に住んでいます。標高800メートル余り、ススキの大草原が広がるここ生石高原の近くに私の山小屋があるのです。夏は涼しく、冬は霧氷が見られるほど寒いところです。ここで、夫婦二人きりで暮らしているのです。
 世間に背を向けているのでも、人間が嫌になった訳でもありません。まだまだ浮世にも未練があり、ゴルフをやめたりはしていません。大津の自宅には月1回くらいは帰り、ホームコースに飛んで行きます。2、3ラウンドして、また森に戻る生活です。
 木々に囲まれた山小屋の裏手にちょっとした空間があります。ここが私のゴルフ練習場です。紀伊山地のど真ん中に練習場があるわけはありません。ここで練習するしかないのです。
 そこで、木と木に棒を渡し、毛布をぶら下げました。これに向かって打つのです。最初はナイロンのネットを張ったのですが、ボールが跳ね返って危ないのです。毛布だと、フルショットしてもボールが下にポトリと落ちるので、安全です。
 打ったボールが毛布から外れても問題ありません。周囲に家はなく、向こうは森また森です。最初は練習球が60球ほどあったのですが、打ちそこなって今は30球くらいしか残っていません。外れたボールは遠くの山の斜面に転がっているはずです。イノシシやシカのおもちゃになっているかもしれません。
 このように、毛布を相手にみっちり練習して臨んだ3月の月例大会。インからスタートし、16番まで6オーバーです。迎えた17番は苦手ホールです。引っ掛けないよう心がけながらドライバーを打ちました。珍しくど真ん中に飛びました。
 第2打。キャディーさんに「残り何ヤード?」と聞くと、「130ヤードほど打って下さい」という。でもピンは一番奥だ。140ヤードでピンそばに落ちるはず。山小屋では8番アイアンを練習することが多い。その得意の8番でフルショットすると、ボールはピンめがけて飛んで行く。「あっ、でかい!」と思った瞬間、ガシャンという音が聞こえました。ピンの後ろに電気関係のようなボックスがあり、これを直撃したと思ったのです。OBか・・・
 「入った!」と同伴競技者のHさんが叫んでいる。他の人も「ほんま、入った」と興奮している。グリーンに上がり、恐る恐るカップを覗くと本当に入っているのです。しかも、カップのふちがボールで削られており、直接カップインしたのは間違いありません。イーグルです。スコアカードに「2」と書く手が震えていました。6オーバーは一挙に4オーバーになり40点。
 この勢いで、アウトも健闘し37点、グロス77点でした。芝が薄く、ライの悪いこの時期はいいスコアが出ません。そんな条件の中で、月例Aクラスで優勝してしまったのです。あのイーグルがなければ優勝など出来なかったでしょうが、毛布相手に打ち込んだことが少しは効果があったのかもしれません。ゴルフの練習はどこでも出来る。打つ球に魂が入っているかが大切。そんな風に、偉そうな事を言ってしまうのが私の未熟なところです。
 この日は研修会も兼ねており、こちらも優勝です。プレー後の反省会では、私のイーグル達成に賞賛の声をいただけると期待していたら、皆からボロカス言われました。何回もクラチャンになったNさんなどは「直接カップイン?距離を間違えていだけや。入っていなかったらOBや間違いなしやねえ」と辛らつでした。はい、その通りです。ほろ苦いイーグルでした。
 しばらくして、山小屋に戻りました。「何が悲しくてそんな不便な所に住んでいるの?」と、よく聞かれます。強いて言えば、「不便だからいいんですよ」と答えている。便利社会は何となく息苦しい。不便な暮らしだからこそ女房とはもちろん、人との絆も深まるし、単調な生活だが中味が濃いように感じているのです。

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【夫の日記】 ゴルフのマナーに学ぶ

  ひまじんがメンバーになっているゴルフ場で、ジュニアスクールが催され、お手伝いに行ってきた。幼稚園から中学生まで20数人が参加し、トーナメントで活躍している平塚哲二プロらが指導した。
 ゴルフはマナーに始まりマナーで終わる。だから、まず子供たちにマナーやエチケットを教えることから始まる。これは、子供たちがこれから生きていくためにぜひ身につけて欲しいマナーやエチケットなのだ。ゴルフは、子供の教育という点で有意義なスポーツだと思う。
 参加者のほとんどが、ポロシャツをズボンから出して着ていた。全員にズボンの中に入れさせる。いまどきは、ズボンから出して着るのが普通のようだが、ゴルフでは、だらしなく見えるのでいけない。
 クラブハウスの中で帽子をかぶる少年も注意された。そう、これがエチケットなのだ。ゴルフ場だけではなく、よその家に行った時も同じである。ソファーに寝そべってもダメなのだが、そんな姿を良く見かけるのが残念だ。
 挨拶も大切だ。ひまじんが勤めていた会社でも、「おはようございます」などの挨拶が出来ない人がかなりいた。スタートホールでティーショットをする時、「お願いします」とか「それでは打ちます」と声をかけ、後続の組には「お先です」と言ってスタートしていくのがマナーなのだ。なぜ、挨拶が出来ない社会になってしまったのだろ。
 ゴルフを終わってクラブハウスに入る際、エアシューターで靴底をきれいにするのがエチケットだ。しかし、子供が土足で電車の座席に上がっても知らん顔している親をよく見かける。
 土足だけでなはない。マナーやエチケットを知らない子供や若者が実に多い。はっきり言って、親の家庭教育がなっとらん!学校に無理難題を吹っかけるモンスターペアレント。ベンツを乗り回しているのに子供の給食費を払わない親。こんな親たちが子供にまともな教育など出来るわけがない。
 では、ゴルフをしている人はマナーが良いかといえば、そうでもない。以前、ゴルフを一緒に回った初対面の人は「以前はハンデ4までいったことがある」と威張っていたが、タバコの吸殻を所かまわずポイポイ捨てる。こんな人に過去のハンデを自慢してほしくない。
 ゴルフだけでなく、マナーやエチケットに反した人には、臆することなく注意する。そんな「社会の風潮」を築いていかねばと、珍しく正論をのたまうひまじんである。

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