滋賀の自宅に戻っていた私は、昨夕、和歌山の山小屋に戻りました。京都、奈良経由で4時間の車の旅。ひまじんが温かく迎えてくれると思いきや、ちーと考えが甘かった!ひまじんはイカ釣りに出かけておりません。がっかり〜〜。
今朝は、久しぶりに生石高原の山頂まで散歩することになりました。高原はもうすっかり秋の風情です。ススキの淡い赤味を帯びた穂が、打ち寄せる波のように風になびいています。

ススキの大草原には黄色いオミナエシ、青紫のマツムシソウ。

鮮やかなピンクのゲンノショウコ、ひまじんの好きなカワラナデシコも咲いていました。

あれ、あれ?
季節外れのワラビです。登山道の脇にニョキニョキと出ているのです。
そういえば、ブログ仲間のキャンプキッズのつとりんさんもこの夏、キャンプ地で採ってゴマ和えにして食べていました。

二人でこれだけ見つけることができました。ちょっと少ないのですが、季節外れのワラビがどんな味か、興味津津。さて・・・

うん、おいしい!春のワラビと変わらぬ味わいだった。9月のワラビを食べたのは初めてだ。少し筋があったが、ほとんど問題ない。旬は4月、5月だが、目を凝らして探せば、夏でも採れることが分かったのは収穫だった。季節外れの貴重な味。一層おいしく感じた。

3人組の「女ハリケーン」が、わが山小屋に華やかな旋風を巻き起こして2日目。昨夜はゴルフレッスンをしていて遅くなったが、大酒を飲んでぐっすり眠れたらしい。今日は紀伊水道を眺めながらドライブし、午後は波止場で釣りをする予定だ。帰りは由良の温泉「みちしおの湯」で魚の臭いを洗い流す。
朝食をすますと、ご婦人がたは隣の部屋でごそごそしている。「のぞいちゃいやよ」なんて、語尾が鼻に抜ける気色悪い声を上げている。3人とも水着を着込んでいるのだ。えっ、泳ぐの〜?
もはやひまじんは、どんな色仕掛けにも動じることはない。枯淡の境地に達するには早いが、森の暮らしをしていると、感覚が麻痺して仙人のようになりつつあるのだ。最年少のM女は、胸を誇示するような切れ込んだ水着だが、ひまじんはチラッと見ただけで、M女を落胆させるほど冷静なのである。
とかなんとか言いながら、水着にこだわっているのはひまじんの方か?われながら情けない。まあそんなことより話を先に進めよう。
青い海と緑の島々が続く紀伊水道を望みながら車をを走らせる。やがて白崎海洋公園に到着した。レストランの窓から白い石灰岩の奇岩を眺めながら昼食をとった。このあと、近くの大引の波止場に車を横付けした。さあ、釣りの開始だ。
アジのサビキ仕掛けを作ってやるが、さっぱり釣れない。3人のうち2人は「泳いでくるわ。ひまじんも一緒に泳いだら?」と誘われたが、滅相もない。「若い娘だったら・・・」という言葉をかろうじて飲み込み、釣りに専念。料理の仕方でおいしく食べられる大きなボラやグレを釣って、お土産用とした。
泳ぎから帰ると、場所替わりしようという。昨年の秋、初めての釣りで大釣りした小杭の港が忘れられないのだろう。面倒だが、後で何を言われるか分からないので、従った。
ここでは、チャリコやべラは掛るが、アジは音沙汰なし。「あーあ」とため息をつきながら、ふて腐れている。ひまじんは「釣りは辛抱。耐えていれば、いいこともある」と説教調で態度を改めさせようとしたが、「あっ、そう」と気のない返事である。
しかしその直後、女たちの狂気のドラマが始まったのだ。ここのアジは長幼の序をわきまえていて、最年長のS女の竿に第1号が食いついた。アジの大群が回遊してきたのだ。10センチ余りの食べごろサイズが入れ食いだ。
「キャハハ」と少女のような声を上げながら、有頂天で釣り続ける。ハリが服に刺さると、「もう破けてもかまわん」と強引に引き抜く。隣の糸と絡むと、「邪魔せんといて!」と言い合っている。日暮れの小さな港は、女たちの修羅場と化したのである。
やがてアジが去り、静かな港に戻った。意を決するように、誰かが「帰ろう」と言った。全身にまとわりついた潮を洗い流すため、「みちしおの湯」に着くと、なんと定休日だった。
女性2人は、泳いだまま水着を着替えていない。帰りの車の中で、全身をモゾモゾさせている。それに、魚の臭いも充満している。もはや色気もくそもない。ムンムン、ムレムレでした・・・
女3人が狂喜乱舞した小杭漁港の風景

紀伊山地のわが山小屋に、今年もガールフレンド3人組がやって来た。昨年の秋に続いて2回目だ。おや、おや?ひまじんも隅には置けないなあ、と思われるかもしれないが、彼女たちは、それぞれ自慢のご主人を持つ主婦である。昼前に到着した3人組は、まるで家出してきたような荷物を置くと、「お腹すいた〜」と、色気より食い気。この日のためにひまじんが奔走して釣り上げた魚をご賞味いただくことにした。メニューはグレの味噌汁、アユの塩焼き、アユの燻製。
これらを本当においしいと味わってくれるか心配だったが、全部ご満足いただけたようだ。最年長のご婦人は、やにわに口をガバッと開き、アユを頭からかぶりつく豪快さだった。特に、燻製が好評で、「まだ、あるやろ?主人にぜひ食べさせたいので、頂戴よ」。そこまで言われると、冷蔵庫の隅っこに隠してはおけない。
午後は彼女たちがぜひ体験したいというアユの友釣り。「素人には釣れない」と何べん言っても、納得しない。オトリを買って有田川に車を乗り入れると、先日来の雨で増水している。
ひまじんとしても、相手が一応女盛り?の女性だからいいところを見せたいと思う。ゴーゴーと音を立てる急流にオトリを入れる。瀬の方が勝負が早いのだが、オトリが流れに負けて弱る一方だ。
「こうして釣るんだ」と講釈するものの、釣れない。最初は興味津津で見ていた彼女たちも、そのうち退屈したのか川遊びに興じて、ヘボ釣り師を見向きもしなくなった。
2時間ほど経ったころ、Y女が「こ、これ何?アユ違うの?」と騒いでいる。釣りを中断して近寄ると、Y女のサンダルに鼻カンとハリが付いたアユが引っ掛かって、足元をくるくる回っているではないか。糸が切れて流れてきたオトリアユなのだ。「捕った、捕った」と喜んでいる。
「アユは釣るより、捕る方が早いわ」などと口々にほざいている。ひまじんの釣り師としての自尊心をひどく傷つける言葉だ。面目丸つぶれである。悔しい!
帰り道にある二川(ふたがわ)温泉に立ち寄った。女湯から年に似合わない黄色い声が聞こえてくる。湯煙の中で、女3人はひまじんの口ほどにもないアユ釣りをケラケラと笑い、Y女が偶然捕まえたアユの話で盛り上がっていたに違いない。
なお、Y女はこのアユを山小屋に持ち帰りると言って聞かず、塩焼きにして食べた。逃がしてやればいいものを。虫も殺さぬ顔をして、残酷だなあ・・・
(明日に続く)
川遊びのあと立ち寄った二川温泉


もう20年前のことだ。和歌山の瀞峡へ家族で旅行した。帰りは奈良県の北山に通じる細い道を走って1時間くらい経った時、道路の右手に、驚きの光景が飛び込んできたのだ。道路から100メートルほどの高み、その急斜面に、十数軒の民家がしがみつくように建っていた。どうしてこんな崖のような所に家があるのだろう。段々畑が作れるような場所でもない。
軒先に洗濯物が干してあり、人々が暮らしているのは間違いない。先祖代代、この急峻な土地で生の営みが続けられてきたのかと思うと、なぜか厳粛な気持ちになり、感極まって涙が出そうになった。
その道路沿いに、ぽつんと小さな郵便局があった。あの急斜面に住む人たちにとって、なくてはならい郵便局なのだろう。今も、あの民家と郵便局は忘れる事が出来ない光景なのだ。
小泉首相が、郵政民営化を掲げて選挙を大勝し、民営化が実現した。民営化がいいか、悪いか分からない。でも、民営化のあおりを受けて瀞峡からの帰りに出会ったあの郵便局がなくなるようなことがあれば、許せないと思う。
そうなんです。夫婦で森に暮らすようになって、郵便局、郵便屋さんの大切さをかみしめています。身内に郵便関係者はいませんよ。宣伝ではありません。今日の山小屋は小雨が降って霧が立ち込めています。下界はきっと雨なのでしょう。
午後2時ごろ、バタバタっといつものバイクの音。森の中の郵便配達屋さんがやってきました。私が突然カメラを向けたのでビックリされて・・・
霧の中を郵便配達? いいえ・・・ 。
新聞を配達してくれたのです。いつもこの時間に朝刊を届けてくれるのです。森の中の郵便配達屋さんは、新聞配達屋さんでもあるのです。雨の日も風の日も、そして雪の日も。森に都会から届く便りと、新聞を届けてくれるのです。
いつも、いつも、ありがとう。


夜半から降り出した雨が今も降り続いている。午前9時ごろから大粒の雨に変わってきた。週刊天気予報は、あすも、あさっても雨模様を伝えている。この空模様だと、釣りには行けない。来週の月曜日、ひまじんの数少ないガールフレンドが一泊の予定で山小屋にやって来る。それも3人。もちろん、女房公認の女性たちである。
年齢はエチケットとして内緒にしておくが、人生の甘いも、辛いも知り尽くしたお年だ。もちろん今もお美しいが、昔はもっと光彩を放っていたはずで、男どもに追いかけ回されたクチだろう。
実はこのお3人、ひまじんのブログを読んでいる。仕返しが怖いので下手なことは書けないが、以上の文章は、ホント、掛け値なしである。
こんな山奥に来てくれるのだから、失望させてはならない。森の空気をいっぱい吸ってもらい、美味しい魚で、美味しいお酒を飲んでもらう。これに尽きるのだが、願わくは、少しでもリフレッシュしてもらえれば望外の幸せである。
と言うことで、今週はその魚を確保するため奔走する日々なのだ。火曜日には前日釣ったグレの一夜干しを作って、冷蔵庫の中にしまってある。一昨日と昨日は昼からアユ釣りに行き、計12匹を釣った。ただし、生のままでは月曜までもたないので、今日はこれを燻製にしよう。
燻製専用の容器を持ってはいるが、今回はダッチオーブンでてっとり早く燻すことにした。アユの内臓を取り出し、塩をすりこんで2時間ほど干しておく。
いつもは焚き火をして、その上にオーブンを乗せるのだが、今日は雨なのでコンロに炭を熾した。あらかじめ加熱したオーブンにブナのチップをひとつかみ置く。ブナは魚によく合い、いい香りが楽しめるはずだ。
約30分燻して出来上がったアユは、黄金色に輝いていて、少しだけ表面に脂が滲み出ている。これがうまいのだ。皮もこおばしい。食べるときは少し温めると、いい味が引き出される。
ただし、今日は雨で湿度が高く、アユがほどよく乾燥しなかったので、出来が少し心配だ。ガールフレンドたちは聡明なので、「まずい」とは言わないだろう。
彼女たちの本心を見破るには、その時の表情を読むしかない。食べた後に微妙に動く目尻のシワ、飲み込む際の喉ぼとけの動き。これらを誤解されない程度に、まじまじと見つめることにしよう。
















