スモークサーモンを作ってみた

 先日、月1回の蕎麦打ち教室に行った。麺棒で蕎麦を円形に延ばしていると、教室を主宰する師匠が「スモークサーモンも美味しいよ」と耳打ちした。そういえば、ずっとサーモンに挑戦しようと思いながら、宿題のようになっていた。

 師匠は以前、私に生ハム作りのノウハウを教えてくれた人だ。その通りに行程を進めると、50日後に美味しい生ハムが完成した。燻製名人の彼から教えてもらえば、スモークサーモンも美味しいものに仕上がるだろう。

 女房に甘塩のサーモン半身を買ってきてもらった。値段は千円ほど。まずは1リットルの水に塩100グラム、砂糖10グラム、白胡椒、セージをそれぞれ小さじ1杯、ローリエを3枚入れ、煮立ててソミュール液を作った。

 熱をさました液をフリーザーバッグに注ぎ、その中に中骨を取ったサーモンを入れて冷蔵庫へ。20時間ほど経ったら取り出し、水につけて塩抜きをする。時々水を取り替え、1時間半ほどで完了。次はサーモンをキッチンペーパーで包み、冷蔵庫で乾燥する。この行程は10時間ほど。

 これが終われば、いよいよスモークをかける。前にも書いたが、燻製には「熱薫」「温薫」「冷薫」の3種類があり、スモークサーモンは冷薫だ。燻製はどれも温度管理が重要で、味を左右する。ちなみに燻製の定番であるベーコンは温薫だ。

 冷薫は最も難しく、これが出来るようになれば免許皆伝と言われる。まず、燻製器の中の温度を10度くらいに保つのが理想だ。高くても20度以下にする必要があり、冬場にやらなければならない。味も良ければ、保存性も高いのが冷薫だ。

 スモークした日の気温は3度だった。スモークウッドはクルミを使った。一度火が付けば、気温が低いのでそのままにしておいてもいい。4時間ほど経ったので、完成だ。サーモンを削って女房に食べさせると、「塩っ辛い」と辛らつな批評をした。

 確かに、少し塩辛かった。失敗したと思ったが、冷蔵庫でひと晩寝かせると、まろやかな味になった。初挑戦にしてはいい出来だった。但し、同じ冷薫の生ハムに比べると、味わいに深みがない。やはり、50日も熟成させた生ハムにはかなわなかった。

     ↓ ソミュール液に漬け込む
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     ↓ 水道水で塩抜き
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     ↓ クルミのスモークウッドで燻製
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     ↓ 4時間の燻製で完成。ムベの実を添えてみた
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手作りの生ハムは芳醇な味わい・・・

 初めての生ハム作りに取りかかったのは、9月23日だった。あれから50日、豚肉の塊を冷蔵庫の中でじっくり熟成させた。そして満を持して、1日がかりでスモークした。完成した生ハムは、深みのある味に仕上がった。塩っ辛い安物の生ハムしか知らなかったので、それは別物だった。

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 精肉店で新鮮な肩ロースを1㎏買い、7対3の割合で塩と砂糖をすり込んだ。この肉を「ピチット」という脱水シートで包み、最初は3日、次は1週間ごと、その後は10日ごとにシートを取り替えた。脱水シートは肉に含まれる水分を取り除き、肉を熟成させる優れものらしいが、うまくいくか半信半疑で見守り続けた。

 なるほど、シートを取り替える度に、わずかだが水分が取り除かれていた。そしてひと月ほど経った頃、恐れていたことが起きた。肉の表面に白いカビのような斑点が付着するようになったのだ。肉に触れる場合はアルコールで手を消毒し、慎重に扱っていたが、それでもカビのようなものが発生してしまった。

 ナイフで白い斑点を削り取ろうとした時、女房が「待った」をかけた。女房がネットで調べると、斑点は有害な細菌から肉を守り、熟成が進むにつれ表面がびっしりと白くなるというのだ。つまり、熟成が順調に進んでいる証拠だという。

 ひと月ほど経過したらスモークする予定だったが、熟成期間が長ければながいほど、美味しくなると専門書にかいてあったので先延ばししていた。生ハムの燻製は「冷燻」という方法で、燻製器の中の温度を10度、高くても20度以下に保たなければならない。気温が低くなったので、スモークに踏み切った。

 肉を燻製器の中に吊り下げ、クルミのスモークウッドで燻すことにした。朝9時からスタートし、夕方に中を覗くと、ウッドは途中から消えていたので再び火を着け、ひと晩そのままにしておいた。翌朝取り出すと、しっかりと香りが付き、いい具合に仕上がっていた。

 半日ほど風に当て、肉をナイフで削って味見した。肉は弾力があり、ねっりとした歯ごたえがたまらない。噛めば噛むほどに旨みが滲み出し、自分で言うのは何だが、極上の味わいである。生ハムの味わいの余韻が残る舌の上で、取って置きのシングルモルトを転がす。あぁー、幸せ・・・。

     ↓ 脱水シートで包み、熟成する
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     ↓ 白カビが・・・熟成が進んでいる証拠
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     ↓ クルミのスモークウッドでじっくり燻製
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生ハムは生ハムでも、手作りは別物

 私たち夫婦が通う蕎麦打ち教室は、紀の川のすぐ近くにある。教室を主宰するのは、この一帯で収穫される果物の撰果場を経営する社長さんで、教室の建物や蕎麦打ち道具一式を提供している太っ腹の人である。

 この社長さんは私のブログを読んでくれていて、先日教室で一緒になった時、「あなたのブログを読んでいたら、燻製のことが書かれていた。私も燻製をしているんですよ」と言い、「生ハム、作ったことがありますか」と訊ねられた。

 私は色々な食材を燻製にしているが、生ハムは作ったことがない。燻製には「熱燻」「温燻」「冷燻」の3種類があって、「熱燻」は一番簡単で、鍋を使ってでも簡単にスモーク出来る。その代表格がベーコンだ。「温燻」は本格的な燻製作りで、手間隙がかる。これからシーズンを迎えるカキなどは最高の味になる。

 生ハムは「冷燻」で作るが、この燻製方法を習得すれば免許皆伝と言われるほど難易度が高い。燻製器内の温度を30度くらいに保たなければならないので、寒い季節しか作れない。その代わり、保存がきくし、味も格別と言う。例の社長さんは「手作りの燻製生ハムは別物」と胸を張る。

 その「別物」という言葉に釣られ、作り方を教えてもらった。彼は「ピチット」という商品名で売られている脱水シートで豚肉を包み、熟成させるのだ。「これあげる」と業務用のシートを箱ごとくれたのも、さすが太っ腹である。このシートは臭みを取り除き、旨みを濃縮する効果があるらしい。

 教えてもらった作り方は下記の通りだ。まずは新鮮で品質の良い豚の肩ロースを1キロ用意する。これに、塩と砂糖を擦り込む。その割合は塩7、砂糖3。肉の塊をシートでくるみ、タコ糸か輪ゴムで縛り、冷蔵庫で1日寝かせる。さらにシートを取り替えて3日寝かせる。

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 次は1週間後、さらに10日後を3回繰り返す。その度にシートは交換する。熟成が完成するまでに40日ほどかかるので、かなり面倒だが、美味しいものを食べるにはそれなりの手間と忍耐が必要なのだ。

 燻製は、棒状のスモークウッドを使う。冷燻の場合は、チップを燻すと温度が上がり過ぎるので、スモークウッドがいい。ひと晩かけて燻すが、温度が上がらないよう気をつけねばならない。

 私が作り始めた生ハムは、まだ4日目だ。出来栄えを紹介できるのは11月初旬である。失敗しても成功しても、報告したいと思っている。私は安い生ハムしか食べたことがなく、塩辛いという印象しかない。社長が言う「別物」が作れるかどうか、期待と不安が交錯している・・・。

豪雨の前に鮎の大漁・・・燻製を作る

 天気はままならないものだ。有田川では鮎が本格的に釣れるようになったと思ったら、12日に大雨が降り、濁ってしまった。幸いその前日の月曜日には大釣りすることが出来たが、今度は台風18号が追い打ちをかけ、またまた釣りが不能になりそうだ。

 その月曜日だが、実に好調だった。大きな岩が沈むトロ場に入り、退屈しない程度に釣れた。ただ思ったように釣果は伸びず、物足りなかった。この場所には連日多くの釣り人が入っているため、釣り場が荒れているようだ。

 このポイントを見切り、300mほど上流に移動した。ここには釣り人がおらず、腰を落ち着けて攻めることにした。下流から順に石の周りにオトリを泳がせると、次々掛かった。22cmを超す大物も釣れるが、13、4cmの小型もかなり混じった。午前中だけで32匹の釣果に欲が出て、午後も1、2時間釣ることにした。

 車で下流に移動し、長い瀬に入った。すでに5人の先客が竿を出しており、これでは釣れるポイントが限られるはず。盲点とも言える足元の石を攻めると、順調に掛かった。入れ掛かりの時もあり、1時間余りで11匹釣れた。このころから腰が痛くなり、やむなく釣りを止めることにした。

 釣果は計43匹で、今シーズン最多だった。おすそ分けしても結構手元に残るので、燻製を作ることにした。実は私の姉が色々と世話を焼いてくれるので、たまにはお礼をしたいと思い、鮎の燻製を作って送ることにした。参考になるかどうか分からないが、鮎の燻製の作り方を書いておこう。

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 私はダッチオーブンを使うが、普通の鍋でもよい。まず水洗いして鮎のぬめりを取り、腹に切れ目を入れて内臓を取り出す。手に塩をまぶし、鮎の表面と腹の内側にすり込む。この塩加減が味を左右するが、慣れればそれほど難しいことではない。扇風機で乾燥させれば手っ取り早く、表が乾けば裏返し、合わせて2時間ほどで乾く。

 その間に炭を熾しておき、オーブンを五徳の上に置き、熱しておく。鍋の底にアルミホイールを敷いて、その上にチップをひとつかみほど載せる。鮎を載せる網はチップから5cmほど離しておくといい。私は、廃棄するガスレンジの五徳を敷き、その上に網を置いている。

 網には乾燥させた鮎を6、7匹載せ、スモークを始める。ダッチオーブンは鉄に厚みがあるので、チップが煙を出し始めるまで時間がかかる。スモークの時間は半時間ほどだが、火力によって違いが出る。

 時々、蓋を開けてスモーク具合を確かめる。鮎が美しい黄金色になっていれば、出来上がりだ。鮎は塩焼き、天麩羅、甘露煮が定番料理だが、燻製は別格の美味しさがある。クリーミーな味わい、燻製の風味が何とも言えない。手間隙がかかるので、燻製に挑戦する人はごく少ないと思う。

 姉からお礼の電話があり、「美味しかった。今でも燻製の匂いが部屋に漂っている」と言っていた。

     ↓ 鮎を洗い、塩をすり込む
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     ↓ あらかじめ炭を熾し、五徳を置く
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     ↓ 鮎を扇風機で乾燥させる
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     ↓ ダッチオーブンを五徳の上に置き、熱しておく
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     ↓ 少し黄色く色付いてきた
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     ↓ 出来上がった鮎の燻製
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娘に蕎麦打ちを実演。その味は・・・

 深夜、娘が山小屋にやって来た。日ごろのストレスを癒すためか、それとも愛犬ぴーに会いたいためか・・・。もともとぴーは娘が飼っていたが、転勤先の住宅事情のため、私たち夫婦に押し付けて転勤して行った。

 以来4年経ったが、今はもうわれら夫婦の実子のような存在である。「生みの親より育ての親」という言葉があるが、娘が呼んでもぴーは私の股ぐらに体を預けたまま動こうとせず、育ての親に対する恩義と情愛を感じているのだ。遠路やって来た娘にはちょっと気の毒である。

 さて、娘には是非、美味しい打ちたての蕎麦を食べさせたいと思った。私たち夫婦が蕎麦打ちに入門したのは今年4月だから、もう3か月が経過した。この間、蕎麦道場で3回、自宅で4回蕎麦打ちを練習してきたから、そこそこ打てるようになった。

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 私たちが打つのは「二八蕎麦」というもので、蕎麦粉が8に対し、つなぎの中力粉が2という割合で、ごく一般的なものだ。女房がこの比率で軽量した粉を私がふるいにかけ、こね鉢で丁寧に混ぜ合わせる。

 続いて水を加えて練るのだが、この水加減が出来栄えを左右すると言われる。最後の微妙な所では霧吹きで加湿する技は道場で教えてもらった。次は練り込みだが、これはかなりの力仕事である。非力な私より、女房向きの工程だ。

 練り込んだ塊をのし棒を使って直径50センチほどの円形に延ばし、さらに薄くして長方形に形を整える。女房はこれが苦手で、作業を交代すると案の定、親指で生地に大穴を開けてしまった。修復不能だが、蕎麦の出来に問題はない。

 最後は専用の包丁を使って麺切りである。われら素人がやると、きし麺のように幅広になったり、素麺のように細くなったりする。まぁ、不揃いの蕎麦も愛嬌で、これが手打ちの味わいでもある。これを大鍋で茹で、私が釣ったアオリイカの天麩羅などとともに食卓に載せた。

 娘がどのような感想を述べるか、興味津々である。彼女は美味しいものを食べるため、時に外国にまで足を伸ばす。今時のグルメ女子だが、その分、理屈も多い。

 黒と言えば白、右と言えば左と答えるアマノジャクでもあり、いきなり「どうや、美味しいやろ」と、押し付けるような聞き方をしてはいけない。「忌憚のない意見を聞かせて欲しい」と厳粛に質問した。娘は蕎麦を噛みしめ、しばらくして小声で言った。「おいしい」。娘にしては最高の褒め言葉だった・・・。

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