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20080720 森に暮らすひまじん日記
 
第二の人生を歩む夫婦が、和歌山県生石高原の森の暮らしを中心に綴っています。
  人間は、自分に対しても、他者に対しても、どれだけ正直になれるだろうか。つい先日のゴルフで、そんなことを考えさせることがあったので、ぜひ、書いてみたいと思う。
 その前に、あるエピソードを紹介したい。アメリカか、イギリスか、どちらのゴルフトーナメントか忘れたが、ある選手は自分で打ったボールの所に行くと、ボールのすぐ後ろに小さな花が咲いていた。ショットをすれば、花はなぎ倒される。
 そこでこの選手は、1打の罰を受けるアンプレアブルを宣言し、ボールを別の場所にドロップした。プロにとって、1打の差で賞金額が何百万円、何千万円も違ってくる場合がある。
 「1打は取り返すことが出来るが、ショットをすれば花の一生を奪ってしまう」と言ったそうだ。出来すぎた話に聞こえるかもしれないが、この年のフェアプレー賞に選ばれた有名な話なのだ。自分の信念に正直でありたい。そんなプレーだった。
 さて、一昨日、あるゴルフコンペに参加した。メンバーは、トップアマの1人に数えられるはひまじんの師匠Kさん、全日本アマ常連の選手、全日本グランドシニアの代表選手、ひまじんの4人だ。ひまじんを除けば全員ゴルフを知り尽くした人たちである。
 あるミドルホールで、Kさんは短いパーパットを外した。他の3人はスコアカードのKさんの欄に「5」と書いた。ところがKさんは「7」と言った。
 えっ、どうして?と聞いた。「アドレスした時、手が震えて2回ボールに触れたように思う」との説明だった。他の3人はKさんのパッティングを見ずに、すたこらグリーンを離れたので、ボールに触れたかどうかは見ていない。しかし、本人がそう申告したのだから、触れたのだろう。アドレスしてボールに触れると1打とみなされるのだ。
 この申告は当たり前と言えば、当たり前である。ゴルフに審判はいない。だから自分が審判なのだ。同伴競技者が見ていなくとも、ルールにのっとり、正直に申告しなければならないし、過小申告すれば失格となる。
 しかし、ひまじんはこんな場合、本当に正直になれるか、自信がない。「ボールが動いていないから、ま、いいか」との思いが頭をよぎるかもしれない。
 Kさんは73歳。全日本アマなど数々の試合に出場し、クラブチャンピオンも9回を数えるトップアマだ。ひまじんがクラブを手にした時から教えてもらっており、師匠と言うより、恩師なのだ。その人柄もよく知っている。
 ゴルフが上手でも、ルール違反をする人は少なくない。ブレザーを着用しない、半ズボンでもハイソックスをはかないなど、マナー違反も目立つ。だから、この話をどうしても書きたかったのだ。
 Kさんのプレーぶりは、当たり前とはいえ、見事だ。トップアマとして崇められているのは、ゴルフが上手なだけではない。ルールにもマナーにも厳格であり、正直な人なのだ。
 ゴルフはハンデキャップのある平等のスポーツだ。最も重要なのは、「ルールを守る」。それだけである。

    73歳のKさんは今なお250ヤードのドライバーショットを放つ。

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