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2009年06月14日 森に暮らすひまじん
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  朝5時半、山小屋のベランダに出て、煙草に火を付ける。「プーン、プーン」という蜂の羽音が聞こえてくる。やかましいほどである。満開のエゴの花に群がり、蜜を吸っているのだ。

 エゴの花が咲き出すと、ここ紀伊山地もやっと暖かくなる。つい先日まで薪ストーブに火を入れる日もあったが、最近ではセーターを着込むだけでいい。そろそろ、半年にわたって働き続けたストーブの煙突掃除をしなければならない。

 私は高所恐怖症である。だから屋根に突き出ている煙突の所まで行けない。梯子をかけてひさしに足をかけることは出来るが、そこからどうしても一歩踏み出せないのだ。決して意気地がない訳ではない。恐怖で体が硬直してしまうのだ。

 2年前のことだ。煙突の塗料がはげてきたので、高所をそれほど苦にしない女房に懇願して屋根に登ってもらった。女房が耐熱塗料のスプレーを使っているところへ、山の仲間のドイツ人ピーターが軽トラで通りかかった。

 ピーターが叫び声を上げている。「兄貴!なんてことしているの。奥さんをそんな所に登らせて、落ちたらどうするのよ!」。彼は女性に優しいので、亭主が女房に危ないことをさせるのが我慢ならないのだ。「二度とダメよ」と釘を刺された。

 だから、煙突掃除は屋根からではなく、ストーブのダンパーからブラシをねじ込み、下から上に煤を落としていくのだ。煙突に張り付いている煤の塊がバラバラと落ちてくる。冬には時々、煙突をたたいて煤を落としてきたので思ったより煤の量は少なかったが、それでもバケツに半分くらいになった。

 ストーブ本体もきれいに掃除した。灰を取り、本体に油を塗り、ガラスを磨いた。もう15年も使っている老いたストーブだが、見違えるようにきれいになり、若返った。

 最新のストーブに比べて無骨な姿だが、山小屋の牢名主のように威張っていて、大きな存在感を漂わせている。一度もダダをこねることなく薪を燃やし続けてくれ、程よい暖かさで私たち夫婦を包み込んでくれた。厳寒の冬を過ごせるのもこのストーブのお陰である。

 再びストーブに火を入れるのは10月下旬ごろだろうが、多分、炎が恋しくなって真夏でも燃やすことがあるだろう。ストーブの炎は、不思議なほど安らぎを与えてくれる。感謝、感謝・・・。

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     ↓ おお、きれいになった!
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