土間の踏み台を作ったが・・・ぼろかす

  女房から散々ぼろかすに言われている私の大工仕事だが、それを見返すチャンスがやって来た。

 先日、大工さんに玄関の土間にドアを取り付けてもらった。ドアを開けるとすぐ上がりかまちと土間との段差があるので、女房は「踏み台があった方がいいわねえ」と言う。

 よし、任せておけ。女房が畑仕事をしている間に、あり合わせの材木を使って踏み台を作り、オイルステンを塗って完成させた。これを土間に据えてみると、なかなかの出来栄えである。悦に入っていると、女房が畑から帰って来た。

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 「どや、これなら便利だろう?」

 「何よこれ、けつまずいて危ないわよ! ない方がいいっ。そもそも台が低過ぎるのよ」

 「お、おのれ、言うたな。俺は、お前を喜ばせようと思って作ったのに・・・」

 ああ、またも失敗してしまった。その夜は寝つきが悪かった。それにしても折角作った踏み台、「ない方がいい」とは何たる言い草か。ともかく作り直すしかない。翌日、山小屋裏のベンチに座って思案していると、焚き火サイトのそばに置いている椅子代わりの丸太に目が止まった。

 そうだ、これを土間の高さに合わせてチェンソーで輪切りにすればいいではないか。下手な大工仕事をする必要がない。早速、チェンソーの刃をヤスリで研いでいると、山の仲間のピーターが愛犬と一緒にやってきて、「ヘ、ヘ、ヘ、兄貴、何を切るの?」とニヤニヤしている。

 女房が運んできたコーヒーを飲みながら、事情を説明した。ピーターは「グッドアイディアだけど、真っすぐ切るのは難しいねえ」と渋い顔をする。女房は「ピーターに切ってもらった方がいいわよ」と、またも私をコケにするようなことを言う。

 ここでピーターに切ってもらえば、私の信用回復にはならない。丸太は最大直径50センチで、片方を1・5センチの幅で切り取らなければならないのだ。同じ厚さで薄く切るのは、そう簡単でない。

 慎重に刃を合わせ、高速回転で切り進む。「兄貴、うまいね」と言いながら、ピーターは刃の方向が狂わないか見つめている。女房も「いい感じ」と言っている。当たり前だ、チェンソー歴17年だぞ!

 煎餅のように薄く、均一にうまく切り落とした。切り口をグラインダーできれいにすると、昔の家の土間にあったような立派な踏み台が出来た。なかなか使い勝手がいいし、どっしりとしていて見栄えもいい。

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 女房も絶賛である。「最初からこうしておけばいいのに。失敗作は砕いて、焚き火の時の焚き付けにしたら?」

 「お、おのれ、また言うたな!」・・・。

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和泉葛城山へ・・・炎暑の登山

 年寄りの冷や水と笑われそうだが、夫婦で真夏の「耐久登山」に挑戦した。耐久と言えば大袈裟だが、1日で6時間か7時間歩き続けることが出来るかを試そうという訳だ。

 この夏、北アルプスに登る予定にしており、そのためのトレーニングでもある。北アの途中で引き返してくることもあり得るので、今から大きなことを言うと恥をかくかもしれない。

 トレーニングに選んだ山は「和泉葛城山」だ。和歌山と大阪の中間を東西に走る紀泉山脈にあり、標高は850メートルほどである。山頂付近にブナ林があり、ブナが生育する南限地として知られる。大正時代、国の天然記念物に指定された。

 朝8時、軽トラでわが山小屋を出発、紀泉山脈の峠を越えて登山口「犬鳴」に向かう。犬鳴は信仰の地であり、温泉も湧き出ている。9時半、美しい渓流に沿って不動信仰の犬鳴山を目指す。気温は30度を超えており、汗が噴き出す。

 犬鳴山の不動明王に手を合わせた後、しばらく急坂を登ると舗装された林道に出た。ここには、葛城山頂まで約7キロの表示が出ていた。だらだらとした上り坂を黙々と登るが、目に入る景色は杉林だけで、何の面白味もない退屈な登山だ。

 歩き続けて3時間、展望台がある五本松に着いた。ここの食堂で冷たい飲み物にありつけるのを楽しみに歩いてきたが、食堂は土日しか営業しておらず、がっかりした。ペットボトルのお茶は半分しか残っていないので、熱中症が心配だ。

 バイクで来ていた地元の人に聞くと、五本松から葛城山頂まで「30分くらいで行けるよ」と言う。しかし、なかなか山頂に着かない。「山頂まで30分」が頭にあるので、それ以上歩き続けるのは辛い。結局、山頂まで45分もかかったが、余分に歩いた15分が辛かった。

 山頂には竜王神社があり、その周りに立派なブナも見られた。しかし山頂は木立に囲まれていて、和歌山方面の山が少し見られるだけ。私たちが暮らす生石山は360度の展望が開け、紀伊水道も見渡せる。葛城山はブナが生えているだけの魅力のない山だった。

 帰りは急な山道を下るショートカットコースを歩いた。これで大幅に時間短縮、2時間で登山口に着いた。少し足のつま先が痛かったが、筋肉の疲労もほとんどなく、6時間余り歩き続ける事が出来た。女房も思ったより健脚だった。

 この行き帰り、女房は3匹も蛇を見つけて悲鳴を上げた。日頃車で山道を走っていても、女房は道路に横たわる蛇をよく見つけるのだ。決して蛇を見つける名人ではなく、蛇がいるのではないかとキョロキョロし過ぎるので、蛇と遭遇するのだと思う。道に落ちている木の枝も落ち葉も蛇に見え、いつも怯えている。

 ともかく、老いぼれの耐久登山はまずは無事に終えることが出来た。翌朝も筋肉の張りや痛みはなく、少し自信が持てた。北アは気象の急変もあり、ガレ場も多いので、このようには行くまい。退却するかも・・・予防線を張っておこう。

     ↓ さあ、お不動さんの犬鳴山を経て和泉葛城山へ
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     ↓ 美しい渓谷を見ながらの登山はしばし炎暑を忘れさせる。
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     ↓ 犬鳴山の不動明王
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     ↓ 変化のない林道を延々と歩くのは退屈だ。
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     ↓ 山頂付近の森には、南限のブナが見られた。 
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     ↓ 頂上には龍王神社。涼しい風が吹いていた。  
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     ↓ 神社の脇に、天然記念物ブナの碑が建っていた。
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     ↓ 帰りは、木漏れ日の道を下った。
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玄関ドアを付ける・・・厳冬に備えて

 夏も盛りなのに、早くもこの冬の寒さを心配している。何しろ、ここ生石山の山小屋はひどく寒く、真冬になると氷点下10度に近くなることが珍しくない。薪ストーブをガンガン焚いても、それほど暖かくはならないので困ったものだ。10月の声を聞くと寒くなるので、今から備えておいて遅くない。

 山小屋を建てて18年目になるが、当初ここで永住することまで考えていなかった。だから設計士も、真冬に備えた家を想定していなかった。窓やドアのガラスはダブルになっていないし、家の中は吹き抜け、床の下に断熱材が入っていない。安普請だったから仕方がないが・・・。

 今ごろ気付いては遅いのだが、家の中が温まらない一番の原因は、玄関ドアにあることが分かった。つまり、ドアを開ける度に温まった空気が外に逃げてしまうのだ。だから、土間にもう一枚ドアを取り付ける必要がある。雪国の家はみなこうなっている。

 そこで親しくしている農機具店の社長に、ドアを作ってくれる建具屋を紹介してほしいとお願いしたところ、「うちの倉庫に新品のドアがあるから、それあげるよ」と、気前の良い言葉が返ってきた。「いやー、タダでもらうなんて・・・。はい、有難う」と、すぐに持ち帰った。ドアは木目調の立派なもので、買えば何万円もするだろう。

 これを取り付けるくらいなら、自分でも出来るだろうと思った。女房に材木を買うお金を要求したところ、「とんでもない。自分の不器用さが分かっていないの?」と手厳しい。まあ、これまで数々の大工仕事をしてきたが、成功した試しがない。「大工さんに任せましょう」という女房に反論できなかった。 

 地元の若い大工さんに取り付け工事を依頼した。作業ぶりを見ていると、ノミやカンナを使い、ネジを打ち込むのも外から見えないよう工夫するなどまさにプロの技。こりゃーとても自分で出来ないことが良く分かった。1日半がかりで完成したが、出来栄えもよく、これで玄関から入って来る冷気をシャットアウトできる。

 昨年は17年使った薪ストーブが壊れたので、ベルギー製の大型「ドブレ760CB」に買い替えた。それでもそれほど暖かくならず、遅まきながら玄関ドアの弱点に思いが至ったという訳だ。これで暖房効果が向上するはずだが、さてどうだろう・・・。

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台風が急旋回・・・何事もなく

 台風6号は紀伊半島に大雨を降らせた。ここ生石山にも3日連続で降り続き、大粒の雨が山小屋の屋根をたたき、テレビの音も聞こえないくらいだった。

 雨を喜んでいたのは、山小屋裏手に住みついている体長が20センチもある1匹のガマガエルかもしれない。雨に打たれながら一歩も動かず、気持ち良さそうにしていた。最初は気持ち悪かったが、ガマガエルは蛇の子供を食べるそうで、見慣れた今ではわが山小屋の可愛い守護神である。

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 それにしても気まぐれな台風だった。徳島に上陸し、そのまま私たちが暮らす紀伊半島の北部を直撃するものと思っていたら、クルッと方向を変えて半島南部に向かったのだ。

 上陸が予測された20日、朝早く起き出したて台風に備えた。しかし、小雨が降っていたものの、風はそよとも吹いておらず、これのどこが大型台風なんだと信じられなかった。紀伊半島東部では熊野川が決壊するなど被害が広がり気の毒だったが、幸いこちらは大したことがなかった。

 ところで、女房が情熱を注いできた畑では、次々作物が収穫できるようになった。台風の前に、ジャガイモを収穫したのはグッドタイミングだった。昨年より大きく育ち、中型の段ボール箱からこぼれるほど収穫できたのだ。

 女房が喜んだのは、3年連続の連作が成功したことだった。落ち葉を集めて有機肥料を作り、これを入れて育てたのが連作を可能にしたようだ。ここ生石山の農家でも同じような土作りでトマトの連作をしており、女房はこれを参考にして栽培した。

 収穫した中に、奇妙な形をしたジャガイモがあった。「おー、これはオッパイや」とはしゃいでいると、女房は「男ってどうしてそんな風に想像できるの?」と軽蔑の目を向けた。しかしどう見ても、少し乳首が大きいオッパイにしか見えない。手で撫でていたら、土だらけになった。

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 これより前には、ラッキョがたくさん採れた。甘酢につけて熟成しており、あとしばらくすると食べられるだろう。末の娘の大好物で、小さい頃、桃屋の花ラッキョを一度に一瓶食べてしまうほどだった。今年はたくさん送ってやれる。喜ぶだろう。

 玉ネギも豊作だったし、今は朝露に濡れたシシトウやキュウリを食べている。しばらくすればトマト、カボチャも収穫できるだろう。自給自足にはまだまだだが、一歩、一歩、前進している。

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肉を切らせて骨を切る・・・なでしこジャパンおめでとう

 「なでしこジャパン」の不屈の精神は、まことに立派だった。女子サッカー界を少し冷やかに見ていた自身の不明を恥じながら、世界の頂点に立った彼女たちを心から祝福したい。

 夜半から降りだした雨は、山小屋の屋根を激しく叩き、その大きな音でなかなか寝付かれなかった。右に左に寝返りを打ち、まんじりとせず朝の3時半を迎えた。テレビをつけると、試合の中継が始まろうとしていた。

 ホイッスルが鳴ると、日本はいきなりアメリカに攻め込まれた。日本得意の細かなパスワークはつながらず、嵐のように日本ゴールにボールが殺到する。バーに救われる場面もあり、前半だけで2、3点取られていてもおかしくない展開だった。

 内心、一度も勝ったことのないアメリカに勝つのは難しかろうと思っていた。しかし半面、勝つかもしれないという淡い期待もあった。選手たちは「自分たちのサッカーをすれば勝てる」と言い切っていたから、単なる強がりとは思えなかったのだ。

 しかし後半、アメリカに見事なゴールを決められた。思わず「ありゃー」と大声を上げてしまった。女房はその悲鳴を聞いて起き出してきた。「日本、勝ったんか?」と寝ぼけたことを言っている。「アホ、もう負けるわ」・・・。

 ところが残り10数分、日本は土壇場の同点ゴールだ。そして延長戦。よくぞ接戦に持ち込んだ。これならもう負けても「なでしこ」の奮闘は讃えられるだろうと、妙に納得してしまった。案の定、前半15分に先制ゴールを決められた。

 後半15分も刻々と時間が過ぎて行く。ラストチャンスのようなコーナーキックが巡って来た。選手たちが錯綜してよく分からなかったが、ボールがネットを揺らしている。同点ゴールなのだ。「澤がやった!」とアナウンサーが絶叫している。

 「なでしこ」の粘りが信じられない。神がかりと言ってはいけない。これが実力なのだ。日本は強いのだ。そしてついにPK合戦。ここまでくれば勢いのある方が勝つ。日本ゴールキーパーは宙に蹴り出した足でボールを弾く。コースを読んで止める。焦るアメリカが蹴るボールはホームラン。最後は日本がきっちり決めて歓喜の瞬間を迎えた。

 日本には古来、「肉を切らせて骨を切る」という戦法がある。たしかに日本はあちこち切られ続けたが、満身創痍になりながらも骨まで切られることはなかった。そしてついに、アメリカの背骨を一刀両断に切り裂いたのだ。ワールドカップという大舞台で・・・。

 「南部(岩手)の桜は岩を砕いて咲く」--。これは、被災地・東北の不屈の精神を言い表す言葉である。「なでしこジャパン」もまた、岩を砕き、石をこじ開け、見事に美しい撫子の花を咲かせてくれた。有難う。




 

鮎の燻製が明石ダコに化ける・・・

  毎度お馴染の天然鮎の燻製でございまーす。

 大増水が続いていた有田川の水位が落ち着いてきたので、鮎釣りに出かけた。これまでは、石に珪藻が十分付いていなかったり、水位が不安定だったりして、情けなくなるほど少ない釣果だった。しかし、この日は様子が違った。

 オトリを対岸のアシ際に誘導して泳がせると、一発で掛った。糸がアシに引っ掛かることが多いので、強引に引き離しにかかったが、なかなか手前に寄って来ない。そのうち下流に走られ、川を下って引き抜き、無事タモでキャッチした。

 鮎は、よく肥えた20センチの良型だった。その後もボチボチ掛り、その半分くらいは18センチ以上のいい型だった。夏の日差しを浴びて成長する石の珪藻は、鮎を大きく育てるし、ほのかな西瓜の香りを放ってくれる。例年より早く梅雨が明け、やっと本格的な鮎シーズンになった。

 「あー、鮎の燻製が食べたいなあ」・・・。釣りの最中、釣り友「亀丸」さんのささやきが聞こえて来た。彼は鮎釣りをしないが、瀬戸内海にプレジャーボートを走らせ、イカやタコなどを釣っている。以前、鮎の燻製を進呈したところ、お世辞半分だろうが、「こんな美味しいものはない」と褒めてもらったことがあり、よし、燻製を作って送ってやろうと思った。

 いや実は、卑しい下心があるのだ。去年、亀丸さんに釣りたての鮎を送ったところ、しばらくして新鮮で大きなタコが5杯も送られてきた。このタコは、亀丸さんがボートで釣った「明石ダコ」なのだ。鮎の燻製を送る下心とは、「今年もひょっとしてタコが・・・」という思いがあり、姑息な先制攻撃なのだ。

 「明石ダコ」はそんじゃそこらのタコではない。明石海峡は、潮流発電の実験が行われているくらいの急流で、タコはその流れに負けない筋肉備えており、味は絶品なのだ。要するに最高のブランド品で、シャネル、エルメスみたいなものだ。

 女房の大好物でもあり、「鮎より美味しい」と、内心明石ダコを期待しているようだ。茹でて冷凍しておけば、長く味わえる。刺身も美味しいが、何と言ってもタコの炊き込みご飯が絶品だ。ご飯にタコの出汁が染みわたり、美味しさを倍増させている。これは、明石ダコならではの味なのだろう。

 さて、鮎の燻製だが、天然ものが手に入らない人は養殖ものでも美味しいはずだ。ダッチオーブンがあれば簡単に出来るので、手順を紹介しておこう。

   ↓  鮎のはらわたをを除き、全体に塩を塗りつける。腹の中にもすり込んでおく。約2時間日蔭で干す。
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   ↓  今回のスモークのチップは魚に合うブナにした。色付きもよく、味もすっきりしている。
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   ↓  鮎を干している間に焚き火をし、炭を熾しておく。
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   ↓  ダッチオーブンの下と蓋に熾った炭を置き、オーブン自体を熱しておく。
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   ↓  いよいよスモーク。網と鮎に薄くオリーブオイルを塗っておくと、ひっつかない。ちょっとしたコツ。
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   ↓  約15分で出来上がり。オーブンは蒸す効果もあり、しっとりと仕上がる。
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   ↓  味見をしたが、クリーミーな味わいがあった。まずは成功!
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撫子あっぱれ・・・彼女らは美しかった

 「なでしこジャパン」がスエーデンに勝った。朝4時過ぎに起きてテレビ中継を見たが、なるほど日本女子サッカーは上手いなあ、強いなあと感心した。日本を出発する前、メダルを取ると公言し、その通りになった。誰かと違って「有言実行」である。強豪アメリカとの決勝戦で勝ち、金メダルを持ち帰って欲しい。

 なでしこのパス回しは面白いようにつながり、スエーデンを圧倒していた。まるで東洋の魔術師だ。パチンコ台で玉がはじかれるように、目も止まらぬスピードでボールが踊っていた。相手はなす術を失っていたように見えた。サッカーに素人の私だが、小技の妙技を見ているだけで楽しかった。

 さて、ここで詫びしなければならないことがある。2、3年前のブログで、「選手たちのどこが大和撫子か」と悪態をついたことがある。これを訂正させてもらいたい。2ゴールを果たした川澄選手ら何人かは撫子にふさわしい美形だったし、その他の選手たちも何やら美しく?見えてきたから不思議なものである。

 私たち夫婦が暮らす生石山には、カワラナデシコが群生している。秋風が吹くころ、ピンク色の楚々とした花を咲かせる。清楚だが、強風にも負けない凛とした強さを秘めている。清楚、しとやか、控え目という日本女性の代名詞である大和撫子だが、強さばかりが際立つ「なでしこジャパン」の彼女たちも、日常に帰れば撫子のような女性なのだろう・・・。

 話はコロッと変わるが、今困った事が起きている。山小屋のウッドデッキに餌台を置き、ヤマガラとシジュウガラに毎日何回かヒマワリの種を与えている。ところがつい先日から見た事もない野鳥が姿を現し、餌を盛んに横取りするようになったのだ。

 ヤマガラは種を一つ咥えると、ちかくの梢で種を割って中身を食べるのだが、この招かざる客は餌台に居座って種を食べ尽くしてしまう。ヤマガラは横暴さに手出し出来ず、餌台に止まって食べ終わるの待っているのだ。体格はそう変わらないが、くちばしがカラスのような頑丈な形をしていて、強そうなのだ。

 ネットの野鳥図鑑を調べて、その野鳥の名前が分かった。「カワラヒワ」と呼ぶらしい。街の公園や里山などにいるらしいが、見かけるのは初めてだった。全体にウグイス色で、首のあたりが黄色く、なかなか美しい。しかし、その姿に似合わず不敵な面構えをしている。

 なでしこジャパンのサッカーを見た後なので、カワヒラをアメリカ、ヤマガラをジャパンと重ね合わせてしまった。一対一ならヤマガラは負けそうだが、集団で対処すれば勝機はあるだろう。ガンバレ!ヤマガラ! ガンバレ!ジャパン! と、妙なオチに相なりまして・・・。

   ↓ こ奴がカワラヒワ。餌台に何分も居座り、餌を食い散らかす。

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山ボタルが舞う

 先日の夜の8時ごろだった。東京から遊びに来ていた友人が、山小屋の裏から「ちょっと来て!」と大声を上げた。女房と一緒に外へ出ると、友人は「ほれ、ほれ、あれホタルじゃないの?」と興奮している。

 いつもこの季節になると、この森ではホタルが飛ぶのだ。山小屋は山の頂上に近い尾根に建っていて、川も谷川もない。標高800メートルもの高地の森にホタルなど飛ぶはずがないと、数年前まで思っていた。しかし調べてみると、杉や檜の森に棲む「ヒメボタル」という種類がいることが分かった。別名「山ボタル」とも呼ぶらしい。

 この夜は霧がかかり、その中を10数匹のホタルが飛んでいた。ホタルの光芒は霧によってぼんやりと膨らみ、美しかった。まさに、「幽玄の世界」が目の前に広がった。体長は源氏ボタルのように大きくはなく、光も派手ではないが、点滅させる間隔は幾分速いように思う。

 夜露に濡れながら、しばし3人でホタル見物を楽しんだ。ホタルは、幼少の頃の懐かしい思い出だ。浴衣を着せられ、姉や兄の手に引かれてホタル狩りに出かけたように思う。ホタルの美しい光跡や、ホタルを手にした時の生臭い独特の香りは、今でもはっきりと思い出すことが出来る。

 ホタルと言えば、私も友人も「ホタル族」である。山小屋の中は禁煙にしているので、外の暗闇の中でホタルのように煙草の赤い光を点滅させている。団地やマンションのベランダで煙草を吸う愛煙家を「ホタル族」と呼ぶが、家の中から締め出された哀れな姿でもある。

 ホタル族と書いたついでに文句を言わせてもらうと、先日の新聞に煙草税の値上げが検討されているという記事が出ていた。「いい加減にせい!」と言いたい。昨年10月、例えば私の吸っているマイルドセブンライはト300円が410円に値上げされたばかりである。それなのに、さらに50円値上げされ、1箱460円になるという。

 大震災の復興構想会議は臨時増税して復興財源を賄うよう提言したが、政府は比較的反発をうけにくい煙草税の増税を検討しているのだという。昨年の値上げの際も、「反発を受けにくい」という理由を上げていた。確かに昨今、われら愛煙家は社会の日蔭者扱いされている。だからと言って、国のお金が足らなくなると、愛煙家にそのツケを回すのは不公平ではないか。

 われら「ホタル族」は世間から嫌がられ、ますます肩身が狭い。その上、値上げ攻勢で追い打ちをかけられている。もうホタルをやめようかな・・・いや、出来ないだろうなあ・・・。

アマゴが跳ねる・・・地震の予兆か

 「ズッシーン、グラグラ」・・・。文字で書くと、昨夜の地震はこのような揺れ方だった。ここ和歌山県有田地方は震度5強。最初の一撃は大きかったが、揺れはそれほどでもなかった。阪神淡路大震災の時、滋賀の自宅は同じ震度だったが、家が倒壊するのではないかと思うほどひどかった。

 わが山小屋は、生石山のほぼ頂上に建っている。「石が生まれる山」とう名前が付いているほどで、石や岩が多い。「山全体が岩盤になっているので地震に強い」と地元の人から聞いたことがある。だから、揺れは長く続かず、震度の割りに大したことがなかった。しかし、東南海、南海地震が頭をよぎり、ドキッとした。

 この夜、東京から旧友が山小屋にやって来た。4日ほど滞在する予定だが、その初日の地震だったので、思わぬ歓迎のセレモニーになってしまった。東京では3月11日の東日本地震以来の余震や関連の地震が相次ぎ、地震には慣れっこになっている彼さえも、思わず腰を浮かせていた。

 はるばる山小屋を訪ねてくれる友人のために、天然の鮎でもてなそうと、この日釣りに行った。前夜の大雨で有田川の本流は増水しており、支流の五村川に入った。この川はそのまま水が飲めるほどの清流で、鮎の味も格別である。

 釣らねばならないというプレッシャーはあったが、いきなり4連発で鮎が掛った。しかし、その後、相次いで得体の知れない大物がオトリ鮎に付けていある針に掛った。物凄いスピードで下流に走られ、竿をためる余裕はなく、糸が切れてしまった。ウグイか、サツキマスか、アマゴか・・・。姿は見えなかった。

 半時間後、また掛った。敵は対岸に向かった思うと、今度はこちらに向かって走って来る。そのスピードは凄まじく、途中で何回も水面を跳ねる。これもあっけなく糸を切られた。ちらっと姿を見たが、清流だけに棲むサツキマスかアマゴのようだった。どちらも美味なので、取り込むことが出来ず悔しかった。

 これが地震の予兆というのだろうか、また掛ったのだ。鮎釣りをしていて、こんなことがそう度々あることではない。3回目も同じような強烈な引きだった。ためらわず増水した川に入り、一目散に下流へ走った。流れて来る魚を網ですくおうという作戦だ。転びそうになりながら何とか網に入れることが出来た。

 網の中で跳ねる魚は、やはり見事なアマゴだった。ぽってり太った魚体に、独特のパーマークが鮮やかで、オレンジ色の斑点も美しい。まさに、清流の女王だ。放流物のアマゴではなく、正真正銘の天然物である。友人にこれを食べさせれば喜ぶだろう。この日の釣果は、鮎15匹、大物アマゴ1匹で、歓迎の食材はこれで十分だ。

 友人を迎え、囲炉裏に炭を熾してアマゴと鮎を焼いた。さあ、食べようとした時の地震だった。震度3の余震があったが、しばらくすると落ち着きを取り戻し、川魚に舌鼓を打った。アマゴは1匹丸ごと友人に食べてもらった。少し味見したが、鮎とは違った淡白な味わいだった。

 この大きなアマゴは、果たして地震の予兆だったの・・・。

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笹ユリが咲いて、心が騒ぐ・・・

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 山小屋の笹ユリが一斉に咲き出した。

 このところ、まるで梅雨が明けたような天気が続き、気温も上がって開花を促したのだろう。

 好色男の目から見ると、笹ユリは麗しい女性の姿と重なる。

 茎がすーっと伸び、小股が切れ上がった粋な女性。

 頬紅を差した様な淡い花の色は、少し危ない誘惑の色である。

 甘く、どこか切ない香りは、男心をくすぐる。

 爽やかな朝の風に吹かれながら、膝を折って笹ユリを見つめる朝の日課。

 物思いにふける私の背後に、女房がヌーッと立っていた・・・。

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