アオリイカ6杯・・・でもアンカーを失った

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 先日、由良湾にボートを浮かべ、1時間半ほどアオリイカのご機嫌を伺った。幸い2杯釣れ、気分良く竿を納めた。「よし、明日もやるぞ」--ボートを漁港に係留して帰宅したが、翌日は朝から生憎の雨。そこで中一日置いて釣りに出かけたという訳だ。

 この日は朝から快晴。天気予報では波が高くなるとのことだが、ベタ凪である。いつもの場所にアンカーを放り込み、生きアジを針に掛けて磯に向かって放り込んだ。イカ釣りは、この第一投がワクワクしてたまらない。

 すぐに当たりがあり、激しくリールから糸が出て行った。イカがアジに乗ったようだが、糸の引っ張り方がどこか弱々しい。多分小型に違いないが、一応掛けバリのヤエンを装着して海中に送った。

 そろーっと竿を立てる。イカは海水を噴射して遠ざかろうとし、ギューンと竿を曲げる。ヤエンにうまく掛かったが、すぐに浮いてしまうほどの小型だ。海に帰そうかどうか、一応迷った。しかし、もしこの後1杯も釣れなかったらお土産がない。誰も見ていないし、恥を忍んでクーラーに入れた。

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 しばらくすると、またイカが乗った。今度は先ほどよりも大きそうだ。ヤエンで掛けて引き寄せ、網ですくおうとしたらこちら向かって大量の墨を吐き、ボートは真っ黒になってしまった。まあ、墨をかぶっても釣れればうれしいものだ。

 銅長20センチほどで、走りの季節のレギュラーサイズだ。これくらいが釣れると、釣り人は「食べごろサイズやね」と言って照れを隠す。しかし実際、身が透き通っていて、食べて美味しいサイズである。

 こんなこともあった。アジを回収するため、ゆっくりリールを巻いていると、アジを狙って茶色の影が走った。イカがアジを追いかけてきたのだ。リールから2ヒロほど糸を出し、しばらく待ってみた。案の定、イカがアジに食いつき、フリーにしたリールが逆転した。してやったりである。

 当たりが遠のいたので、場所変わりしてみた。すると、のっけから当たりがあった。これはそこそこの引きを楽しませてくれた。この日一番の大きさで、銅長25センチほどだった。しかしこの1杯だけで、その後はウンともスンと言わない。

 再び元のポイントに戻り、アンカーを入れた。2杯を追加した午前10時半ごろから風が吹き出した。天気予報通りである。白波も立ち出したので帰港しようと、アンカーロープを引っ張った。ところがアンカーはビクともしないのだ。エンジンを後進にして引っ張っても駄目。次第に額から汗が噴き出した。

 このアンカーは根掛りした場合、爪が伸びて外れるようになっているのだが、爪の何本かが岩の間に入り込んだのだろうか。ロープにブイを付けておけば、馴染みの漁師の漁船で引っ張って回収してもらう手もあるが、そのブイもない。断腸の思いでロープを切った。

 結局、3時間半ほどで釣果は計6杯。それはそれで不満はない。しかし、アンカーを失って意気消沈である。ああ、高くついたアオリイカ釣りだった・・・。

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アオリイカ釣り・・・ブログ読者とお会いできた

 3連休の土曜日、女房とともに紀伊水道の海辺をドライブした。車は軽トラだから、ドライブなどという洒落たものではないが、青い海はいつも気分をスカッとさせてくれる。この日は空気が澄んでいて、海峡の向こうに徳島あたりの半島や島がきれいに見えた。

 ドライブのついでに、釣りのための情報収集をするのがもう一つの目的だ。三尾川、衣奈、戸津井などの漁港を見て回ったが、釣り物が少ないのか、釣り人はまばらだった。大引の波止では家族連れが釣り糸を垂らしていた。10センチほどのコッパグレやチャリコが時折釣れる程度だった。

 さらに、由良湾沿いを走る。海釣り公園は連休とあって満員だった。従業員に聞いてみると、小物がそこそこ釣れている言う。柏の波止では、アオリイカを狙うヤエン釣りの人やエギンガーが5、6人いた。

 昼ごろ、いつもボートを出している小杭漁港に着いた。小さな岸壁の船だまりで、中年の女性が何やら魚を釣り上げた。駆け寄ってみると、10センチほどのアジである。海中にはたくさん群れている。このところ、アジが順調に釣れているらしい。

 アジを生かしておけば、アオリイカの餌となる。去年の今ごろは、定置網にもアジが入らず、アジを手に入れようと遠く阿尾漁港まで足を伸ばすなど苦労したものだ。しかし今年は目の前にアジが泳いでいる。これを釣れば、餌店で買わずにすみ、安上がりだ。ドライブに来た甲斐があった。

 そこで翌日の昼過ぎ、小杭漁港に向かった。アジを釣っておいて翌日のアオリイカ釣りに備えようとう訳だ。2時ごろ到着し、前日釣れていた船だまりでアミエビを撒いてみたが、いつまで経ってもアジの姿が見えない。あれだけ群れていたの、どこへ行ってしまったのだろう。

 アジ釣りは諦め、翌日の釣りに備えてボートに空気を入れていると、1隻のボートが帰港してきた。中年の男性と息子さんらしい二人が乗っていた。「釣れましたか」と声を掛けると、「小型ですが、アオリイカが7杯釣れました」という返事が返ってきた。エギという疑似餌で釣ったらしい。

 しばし釣り談義していると、その男性から「あのー、間違っているかもしれませんが、生石高原のお方ですか?」という意外な質問を受けた。「時々ブログを読ませてもらっています」というのだ。私のブログに書いている「小杭漁港」、写真を載せている「赤いボート」がヒントになったのかもしれない。ブログを読んで下さっている人とお会いし、とても感激した。

 「7杯釣れた」という言葉に我慢できず、すでに午後3時を回っていたがボートを出すことにした。漁港の漁師から生きアジを10匹買い、男性に「またお会いしましょ」と挨拶してポイントに向かった。日が短くなってきたので、釣りの時間はわずか1時間半ほどしかない。

 竿を出して半時間くらい経った時、リールから糸が出て行き、アジにイカが乗った。この時期はまだ、新子と言われる小型が多いが、引きはそこそこ強い。ヤエンという掛け針にうまく掛り、リールを巻く。大量の墨を吐きながら何度も潜られた。玉網に納まったイカは、500グラムはありそうなうれしいサイズだった。

 しばらく後に1杯釣れたが、これはこの時期のレギュラーサイズとも言える小型だった。この間に3度ほどコロッケくらいの小型がアジに食いついた。ヤエンを入れるまでもなく、強く引いてアジから引きはがし、逃がしてやった。いずれ大きくなって、強い引きを楽しませてくれるだろう。

 一日中イカ釣りをする予定だった今日は朝からあいにくの雨。ボートは係留したままで、明日は天気が良さそうなので再出撃するとしよう。それにしても、夕方だけの短時間で2杯の釣果は納得だ。加えて、私のブログを読んで下さっている人とお会いでき、何よりうれしかった・・・。

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龍王山に登ったが・・・やはり生石高原

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 いつも通り、朝の5時半ごろ目が覚めた。ロフトの窓から外を見ると、明け始めたオレンジ色の空に雲が見られない。台風15号の影響でぐずつく日が多かったが、今日は久し振りに快晴だろう。

 こんな日には山歩きがいい。今まで行ったことのない山を登ろうと思った。支度をしていると、女房が弁当を作ってくれている。釣りに行く時は、おにぎり二つのそっけないものだが、今日は玉子焼きに塩鮭、竹輪などとご馳走である。珍しいことだ。亭主元気で留守がいい--。女房の顔にはそう書いてあり、弁当を作って追い出そうという魂胆か?

 紀ノ川の南側に、紀州冨士と呼ばれる「龍王山」(756m)があり、ここが今日の目的地だ。台形の大らかな山で、以前から一度登ってみたいと思っていた。山の本には、360度のパノラマ、南北朝時代の古戦場などと書いてある。

 頂上からは、私たちが暮らす生石高原が見えるだろう。それも大きな楽しみだ。

 午前9時半ごろ、麓の集落に着いた。ずっと上の方に駐車スペースがあるらしいが、集落の空き地に車を止めた。折角来たので、麓の雰囲気を楽しもうと思ったが、結構急なだらだら坂で息が切れ、少し後悔・・・。道の両側は、柿や桃、ミカンの果樹園になっており、出荷直前の柿がほんのり色づき、たわわにぶら下がっていた。

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 30分ほど登ると、一本松という登山口だ。ここから正面コースと田代峠コースに分かれる。行きは田代峠、帰りは正面コースを辿り、山をぐるっと一周することにした。ここ数日、登山者がなかったのか、行く手にはクモの巣が張っていて、糸が顔にまとわりつく。

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 沢をわたってすぐ、「ちりなし池」の標識があったので、寄り道することにした。踏み跡を辿って登ったが、それらしき池はない。かなり登ったところで踏み跡がなくなり、引き返した。すると、樹林の間に青い池がちらっと見えた。道を間違えたらしい。樹林に囲まれた池は水が澄み、幽玄の風情が漂っていた。

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 岩がごろごろしている道を登り続ける。あちこちで、倒木が道を塞いでいた。

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 そんな倒木を見ながら、10日ほど前のことを思い出した。私たちが暮らす山小屋の裏のベンチでぼーっとしていると、知り合いのNさんが草刈り機を手に、チェンソーを背負って登山道を登って来た。登山道の草を刈り、倒木を伐って歩きやすいようにしているのだ。この無償の行為に頭が下がった。「100年、200年、この道を残したいからね」・・・。

 やっと田代峠に来た。台形の山だから、ここからはなだらかな道が続く。途中、「磁石岩」というのがあった。科学音痴なので、岩に触れるとビリビリするのではと思ったが、そんなことはなかった。とても磁力の強い岩らしい。

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 田代峠からは、あっけなく頂上に到着した。北側に増水した泥濁りの紀ノ川が蛇行し、その向こうに大阪湾が見えた。しかし、反対側に見えるはずの生石高原は、高い松の木に遮られていてその片鱗さえも見えなかった。360度の展望と書かれた山の本は、まだ松が成長していなかった頃に書かれたのだろう。

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 女房の手作り弁当を食べた後、草の上に寝っ転がった。上空には、いくつものハングライダーやパラグライダーが泳いでいた。いい風が吹いていたのか、気持ち良さそうに飛んでいる。あんな上空を飛ぶなんて、命知らずの人たちだ。墜落して死んだという事故も少なからずあるらしい。

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 1時間ほど空を見ながら過ごした。その間に、ふた組の登山者が上がってきただけで、寂しい山だった。これに比べて、生石高原はにぎやかである。正真正銘の360度のパノラマが楽しめる。大峰の山並み、紀淡海峡、遠く四国も望める。和歌山では数少ない素晴らしい山だと思う。

 生石高原の良さを改めて思い知らされた龍王山の山歩きだった・・・。

 
 

薪ストーブの煙突を入れ替え

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    ↑ 忍び寄る台風15号。その前日の夕方、山小屋から撮影した雲海。

 台風15号は、私たちが暮らす紀伊半島をかすめ、東海地方をうかがっている。未明から激しい雨が屋根を打ちつけ、時々目覚めるような激しい雨音だった。先の台風12号の災害に追い打ちをかけるのではないか、心配だ・・・。

 週間天気予報によると、台風が去れば気温が下がるらしい。和歌山の最低気温の予想は18度。すると、標高800m余りのここ生石高原では12、3度になるだろう。朝晩はセーターを着込まなければ寒い。 

 高原では、萩が淡い赤紫色の花を付け、ススキの穂も日一日と赤味を増している。秋は駆け足で深まって行く。間もなく、薪ストーブに火を入れることも多くなるだろう。そろそろ、蓄えておいた杉の薪を細かく割り、焚き付けをたくさん作っておかなければならない。

 薪ストーブの煙突を総入れ替えするのが、わが家にとってこの秋の大事業である。大事業なんて大袈裟だと思われるかもしれないが、高価なダブルの煙突に取り替えると、年金生活者にとっては大きな出費となる。

 先日、薪ストーブ・暖炉の専門店「憩暖」(河内長野市)の小林社長以下4人が煙突工事のため山小屋にやって来た。今の煙突は、山小屋を建てた時から使い続け、18年を経過している。

 煙突のトップには大量のタールがこびり付き、機能の低下が著しいのだ。今後の事を考えると、この際、室内も含めてすべての煙突を新しくした方がいいという小林社長のアドバイスに従った。

 長年見慣れた煙突が、従業員の手で次々外されて行く。何か一抹の寂しさを感じる。そして、新しい真っ黒の新品が取り付けられ、工事は午前中で終了した。

 今年の冬は、薪ストーブと格闘する日々が続いた。「寒い」「煙たい」と不平を漏らす女房。それを解決出来ないふがいない亭主・・・。夫婦仲が刺々しくなることもあった。

 実は昨年秋、それまで使って来たストーブが壊れ、新たにベルギー製の「ドブレ760CB」という大型に買い替えた。さぞや暖かくなるだろうと思っていたが、期待は裏切られた。薪は勢いよく燃えず、煙が室内に噴き出した。「洗濯物が臭くなる!」と、女房はヒステリー状態なのだ。

 小林社長が飛んで来てくれたが、原因は煙突に問題があることが分かった。トップ部分をタールが塞いでいて排煙が不十分だったのだ。それと併せ、室内の煙突がシングルだったため、上昇気流(ドラフト)が弱く、薪の不完全燃焼が起きていた。応急処置をしてもらい、何とかストーブの機能は回復した。

 ストーブ本体は、いくら高価で高機能でも、煙突が適正でなければただの鋳物の箱に過ぎないのだ。ストーブは、煙突が熱せられることによって上昇気流が発生し、新鮮な空気を吸い込んで燃える仕組みになっている。断熱材が装填されているダブル煙突は、ストーブの機能を最大限に引き出してくれるという訳である。

 とくに、わが山小屋のような寒冷地では、煙突の熱を逃がさないダブル煙突が望ましい。遅まきながら煙突の重要性が分かり、総入れ替えの工事に踏み切ったという次第だ。

 これからは、煙が逆流することもないだろうし、薪もよく燃えて暖かいだろう。われら夫婦が刺々しくなることもなくなるに違いない。新しい煙突がもたらしてくれる夫婦円満と言いたいところだが、女房のお小言は相変わらずでございまして・・・。

    ↓ 新しい煙突が取り付けられる。
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    ↓ 煙突トップも新しく取り替えた。
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    ↓ 工事完了。ストーブに火が入る日は近い。
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夫婦で北アルプスを歩く⑥・・・感動を胸に刻んで下山

 急峻な鷲羽岳(2924m)を目の前に、腰を引いていたわれら夫婦。三俣山荘の若くて美しい女性従業員に背中を押され、その頂上に立つことが出来た。山頂から眺めた北アルプスの大景観は、素晴らしいの一語だった。

 今回の山行は、小屋泊まり3泊の行程を立て、双六岳-三俣蓮華岳-黒部五郎岳へと登り、双六小屋に帰って来る計画だったので、鷲羽岳への登山は想定外だった。

 これを可能にしたのは、女房の機転だった。初日は鏡平山荘に宿泊する予定を急きょキャンセルし、さらに先の双六小屋に泊まることにしたのだ。3時間ほど余計に歩くことになったが、その分、その後の計画に時間のゆとりが出来た。

 3日目に予定していた黒部五郎岳への登山は、2日目に繰り上げることが出来た。これによって生まれた時間的余裕が、鷲羽岳登山を可能にしたという訳だ。フルコースの食事を注文したら、「これもどうぞ」と飛騨牛のステーキがサービスされた感じである。

 ↓ 鷲羽岳の余韻に浸っている余裕はない。すでに午後2時半。双六小屋への帰りを急がなければならない。

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 三俣山荘から双六小屋への帰り道は、巻き道と中道の二通りある。巻き道はアップダウンがきつい代わりに30分ほど時間短縮できる。中道は一旦三俣蓮華の山頂まで登らなければならないが、その後は比較的歩きやすい。鷲羽岳をピストンしてきたので、少しでも楽な中道を行くことにした。

 ↓ まずは三俣蓮華の頂上を目指さなければならない。

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 ↓ あれが三俣蓮華の頂上だ。

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 ↓ 急登に女房も必死。

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 ↓ 山頂に来た。今回の山行では2回も三俣蓮華に登ったことになる。薬師岳が見える。

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 ↓ ここからは丸山、双六岳中腹の道を辿る。

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 ↓ 槍を眺めながら尾根を歩く。つい見とれて足が止まる。

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 ↓ 太陽が西に傾き、槍ケ岳の山肌の襞に陰影を映し出している。

   女房は「槍ケ岳山荘が光って見える。その右にも山小屋が・・・」と感激している。

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 槍ケ岳の写真から、いきなり双六小屋の寝床の写真になったのは、小屋への帰りを急いでいため、シャッターを押す余裕がなかったためだ。時計を見ると、とても5時からの食事には間に合いそうにない。女房が「急いでよ」としきりに尻を叩く。
 
 結局、双六小屋へ着いたのは5時半。途中で女房が「遅くなる」と携帯で電話しておいたので、食事が用意してあった。食堂には私たち夫婦だけで、バツが悪そうに「いただきまーす」。生ビールの乾杯も控え目に。「鷲羽岳に登れて良かったな」・・・。

 ↓ この日は客が少なく、私たちには一部屋与えられた。ツインルームだ~。

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 ツインの部屋でぐっすり眠り、翌朝目覚めると、雨が降っていた。初日から3日間は北アルプスの景観が楽しめたので、文句は言えない。雨に打たれながら、山を下った。

 ↓ 青い花が雨に打たれて鮮やかだった。トリカブトか?

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 ↓ この写真を撮影して20分ほど後に、ハプニングが起きた。

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 ハプニングとは・・・。

 私たちは登山道の片側に寄り、小休止していた。上を見上げると、中年の女性が一人で下って来た。結構速い足取りだ。すると、岩で滑ったのか、道を踏み外したのか、もんどり打って谷に転げ落ちた。2回転したようだが、小さな木に助けられて止まった。

 助け上げるため、私が駆け上がった。登山道に残されていたストックを差し出すと、女性がつかまった。引っ張った瞬間、ストックが継ぎ目からスポッと抜けてしまった。またずり落ちた。途中まで下り、手で引っ張って何とか無事生還。女性は「考え事をしていて、つい・・・」と恐縮していた。怪我もなく、良かった。

 登山はこういう事もあるので、気を付けねば・・・。


 ↓ 秩父沢を渡れば、わさび平小屋はもう近いはず。

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 ↓ 北アルプスの冷たい水で口を潤す。

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 ↓ 雨の中、転びもせず無事わさび平小屋に到着した。

 ここからは歩きやすい林道。1時間ほど下れば、新穂高温泉の下山口だ。

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 北アルプスの旅は終わった。五つの高峰に足跡を残し、美しい景観に心を震わせながら、胸いっぱいの充足感に浸り続けた4日間だった。

 われら夫婦は還暦を過ぎた年齢だが、1日平均8時間ほど歩くことが出来た。足腰の故障はなく、それほどの疲労も残らなかった。健康であることに感謝せずにいられない。

 和歌山の生石高原で暮らす私たちは、台風12号が通過してすぐ北アルプスに向かった。被害が出ていたことは知っていたが、和歌山に帰って来てその被害の大きさをニュースで知り、驚いた。

 こんな時に、山で遊び呆けていた私たち。呵責の念が今も胸のつかえとして残っている・・・。


       足跡を残した峰々--

 ↓ 双六岳(2860m)

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 ↓ 丸山(2854m)

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 ↓ 三俣蓮華岳(2841m)

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 ↓ 黒部五郎岳(2840m)

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 ↓ 鷲羽岳(2924m)

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                  (北アルプスの旅・終り)






 

夫婦で北アルプスを歩く⑤・・・想定外の鷲羽岳へ

 黒部五郎小舎を朝早く出発し、やって来た北アルプスの十字路・三俣山荘--。その展望食堂で、女房は念願のケーキセットを食べながら、バンダナが良く似合う若い女性従業員と話し込んでいる。

 「とても無理よね」と女房。 「いえ、大丈夫ですよ」。 「うーん」と女房。 「ここまで来たのだから、ぜひ登って下さいよ」・・・。バンダナの女性から盛んに背中を押されている。

 山荘の後方に屹立している鷲羽岳への登山のことだ。その直下に来ながら、日本百名山の秀峰をやり過ごすのは、いかにももったいないという訳である。

 私たちが尻込みするのは、見た目、この名峰が余りにも急峻なためだ。しかし女性は「意外と登れるものですよ」と尻を叩くのだ。

 「よっしゃ! 登ろうか」。清水の舞台から飛び降りる気持ちである。われら夫婦は鷲羽岳の頂上へ向かうことにした。バンダナ女性は「あのー、ザレ場は滑りますから気を付けて」と念を押す。今更、決意をくじくような事を言われても・・・。

 ↓ これが鷲羽岳。滑り台のように見える。

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 ↓ 登り始めると、三俣山荘がみるみる小さくなっていく。背後には美しい三俣蓮華岳が・・・。

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 ↓ 平坦な道を過ぎると、いよいよザレ場。油断すると、ズルッ、ズルズル。

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 ↓ 次はガレ場。浮き石を落とさないよう慎重に。

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 ↓ 少し休憩。右前方に百名山常念岳の頭が見えた。

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 ↓ 登った山には愛着が増す。左が三俣蓮華、右は黒部五郎。

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 ↓ いよいよ急になって来た。

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 ↓ 女房が力強く登ってくる。直下の三俣山荘は豆粒のよう。

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 ↓ おっ! ひょっとして富士山か? 「そうよ、そうよ」と女房。

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 ↓ 右を見ると、青い水を湛えるワシバ池。何と美しいのだ。

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 ↓ あれが頂上だ。写真を撮った場所を頂上と勘違いしていた。ふー、まだまだ・・・。

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 ↓ 「登れたじゃないか。軽い、軽い」と虚勢を張る。

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 ↓ 2924mの鷲羽岳山頂だ。女房は薬師岳に向き合い、何かを祈っているようだ。

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 ↓ 「やはり、黒部五郎の山容には魂を揺さぶられる」。哲学者の顔になる・・・。

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 ↓ 山頂から眺める360度の山岳パノラマは壮観だ。

 彼方に青い富士山。左に常念岳。

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 ↓ 槍ケ岳は何度見ても美しい。北アルプスの王者の風格。

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 ↓ アップしてみよう。安物のカメラだから、これが目いっぱい。

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 ↓ ワシバ池と槍。来年の年賀状に使いたい。

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 ↓ 池をアップすると。

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 ↓ あの白い山は野口五郎岳。歌手じゃありません。

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 ↓ さあ、お互い気を付けて下山しよう。

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 ↓ お昼抜きだったから、三俣山荘の食堂に駆け込み、うどんを流し込む。

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 * 余談--。下山途中、若い男女とすれ違った。可愛い身なりの山ガールが「うわー、奥さんにリュック担がせている~」と辛らつな言葉を投げつけた。「あのね、ワシはこの通り細身。女房の方が強いのよ」。しかし弁解を許さない。「それって、セコイわよ~」。余計なお節介ダヨ・・・。


                    (次が最終回)







 

 



夫婦で北アルプスを歩く④・・・三俣山荘のケーキセット

 北アルプス3日目--。今日の行程には二つの選択肢がある。一つは、宿泊した黒部五郎小舎から真っ直ぐ双六小屋を目指す。二つ目は、三俣山荘に立ち寄った後、再び三俣蓮華岳を経由して双六に戻る。

 女房はすでに、後者のコースに決めていた。三俣山荘のホームページに載っていた「ケーキセット」をどうしても食べたいのだ。双六小屋へはかなり遠回りになるが、前日歩いた同じ道より、新しい景観に出会えるので、それもいいだろう。

 朝6時10分の出発だ。これまで2日間とも8時間以上歩いているが、それほどの疲れはない。足取りも軽い。

 ↓ 急な上り坂で振り返ると、昨日登った黒部五郎岳がサヨナラをしている。

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 ↓ おっ、雲海の上に見えるのは白山か? 昨年行った時は濃いガスの中だった。

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 ↓ 笠ケ岳が「おはよー」と挨拶してくれている。

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 ↓ 急登を終えると、チングルマのお花畑が広がっていた。

 チングルマの花は終わり、綿が風に吹かれてヒラヒラなびいている。それは風車のようで、それが由来となって珍車と名付けられたと聞くが、どうだろう。

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 ↓ 雲の平の向こうに、立山が見える。左奥には剣岳。ここへ行ったのは2年前。懐かしい・・・。

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 ↓ ようやく三俣蓮華岳の中腹まで登って来た。

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 ↓ 「ここからは、こっちよ~」とストックで方向を指す女房。

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 ↓ 右手に進み、三俣蓮華の中腹を巻いて行く。後方は薬師。

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 ↓ 行く手に鷲羽岳が見えてきた。

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 ↓ 白い花、黄色い花、紫の花・・・。岩陰に咲く高山植物が心を和ませてくれる。

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 ↓ またまた黒部五郎。しつこい? 困った性格・・・。

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 ↓ おっ、鷲羽岳が迫って来た。雄姿はさすが日本百名山。「あの急斜面は絶対登れないわねえ」と女房。「一万円くれても登らない」と私。

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 ↓ 雪渓で少し休憩しよう。雪はしっかり締まっていた。

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 ↓ 鷲羽岳の直下に目指す三俣山荘が見えてきた。

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 ↓ 三俣山荘に着くと、女房は外の階段を駆け上がり、2階の展望食堂へ。1000円也のケーキセットを注文、私はコーヒーだけ。ここからは窓越しに槍ケ岳が見える。ランプが山小屋の雰囲気を醸し出している。

 「ひゃー、おいしい」・・・。槍ケ岳を見ながらケーキを食べる贅沢。「ここまで来てよかった~」。

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                   (次回は意外な展開へ・・・)









夫婦で北アルプスを歩く③・・・威厳に満ちた黒部五郎へ

 先月、薬師岳(2926m)に登り、一気に折立登山口に下山した時、へとへとになった女房は「もう、絶対北アルプスには行かない」と断言していた。そして、「行きたいなら一人でどうぞ」とも言った。

 しかし2週間ほど経った頃、ネットで北アルプスを調べていた女房は「小屋泊まり3泊のこの計画なら、黒部五郎岳に登ってもいいわよ」と、あっさり前言を翻した。薬師岳から見た威厳に満ちた黒部五郎の姿が忘れられなかったのだろう。

 私も同じ思いを抱いていて、異論のあるはずはない。女房の心変わりで、今回の登山が実現した。目の前にそびえる黒部五郎岳。足がちぎれても、何が何でも登らねばならない。

 ↓ 薬師岳に登った時に撮影した黒部五郎岳。見ていて厳粛な気持ちにさせられた。今回は雲の向こう側から登る。左は笠ケ岳、その向こうは乗鞍岳。

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 ↓ 双六小屋から5時間余りかけて黒部五郎小舎に到着し、直ちに頂上を目指す。まずは腹ごしらえ。私はラーメン、女房は餅入りのうどん。山小屋にしてはなかなかの味である。

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 ↓ ラーメンだけでは馬力が出ない。ここは「即攻元気」(明治製菓)のお世話になろう。いやー、このジェル状の液体がよく効くのだ。走りたくなるくらい。不思議な成分が入っているのか、暗示によるものなのか・・・。

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 ↓ 女房が私のリュックを背負ってくれる。私は軽くていい。アリガトさん。

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 ↓ ちょっと息が上がり、小休止。「あの頂上まで行けるかなあ」と少し弱気。

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 ↓ しばらく登ると、スパッと切れた大きな岩石。「雷岩」と呼ぶらしい。まるで竹を割ったような私みたい・・・。

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 ↓ あっ、また槍さんが後ろから私たちを見つめている。

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 ↓ この斜面をトラバースしながら登る。ここで夫婦喧嘩が勃発。私は「危ないからリュックをここに置いておけ」と主張するが、女房は「お金が入っているので背負って登る」と言って聞かない。這いつくばって登る難所もあり、結局デポすることにして事態収拾・・・。

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 ↓ 足を踏み外せば、カールの下まで転げ落ちそう。私も女房も高所恐怖症。下の斜面を見ないように登る。

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 ↓ やっと陵線に出た。やれやれだ。

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 ↓ 頂上はもうそこに見えている。あと一息だ。

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 ↓ こんな格好でゴメンナサイ! 這って黒部五郎岳の頂上へ。向こう側は絶壁になっていているので、高所恐怖症には立つことが出来ないのだ。

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 ↓ 恐る恐る頂上に腰かけ、槍を見つめる。

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 ↓ 上から眺めると、私たちが辿って来た道がよく分かる。よくぞ、登った。褒めてやる・・・。

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 ↓ 女房は走るように下っている。どうしてそんなに急ぐのだ。

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 ↓ 女房があんなに遠くに行ってしまった。

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 ↓ 急いでいたのは、なーんだそうだったのか。「そう、お腹が減ってパンが食べたかったのよ」。そこへ、中年の男性が通りかかり、「奥さんはカモシカのように速足ですね」と言って下山して行った。「ほほほっ、カモシカだって」と喜ぶ女房・・・。

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 ↓ 太陽が西に傾き、今しがた登った岩陵は日蔭になっている。

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 ↓ 午後5時15分、小舎に帰り着く。6時からの夕食時間に間に合った。

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 ↓ 夕食はこんなメニュー。念願の黒部五郎に登る事が出来、生ビールで乾杯。双六小屋は1杯800円だったが、ここは900円。ま、銭金なんてどうでもいい。

 黒部小舎の食事は美味しいので有名らしい。うん、そう思う。

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 ↓ 赤く染まる北アルプスの夕暮れ。明日も天気が良さそうだ。きっと感動の景観に出会えるだろう。

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                      (まだ続く)



 


夫婦で北アルプスを歩く②・・・槍を見ながら双六、三俣蓮華

 北アルプス二日目の朝は、標高2600mに建つ双六小屋で迎えた。まだ暗いうちに朝ご飯を食べ、小屋の外に出てみた。東の空がオレンジ色に染まっている。やがて、樅沢岳(2755m)の付け根のあたりから朝日が顔を覗かせた。

 太陽は、みるみる青空に昇って行く。今日は天気が良さそうだ。小屋の外に掛けてある寒暖計を見ると、気温は4度。初日は双六小屋に辿り着くのに必死だったが、今日からは存分に北アルプスの峰々を楽しみたい。

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 ↓ 朝6時過ぎに出発し、まずは双六岳(2860m)を目指した。そこから丸山(2854m)、三俣蓮華岳(2841m)へと陵線を歩き、三俣蓮華から一気に下り、黒部五郎小舎を目指す計画だ。

 双六岳への取りつきは急な上り坂の連続だ。しばらく登ると、双六小屋がこんなに下に見える。

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 ↓ 9月に入ると北アルプスはひどく寒い。サクサクと霜柱を踏みながら歩く

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 ↓ 双六岳の中腹。振り返ると、樅沢岳に隠れていた穂高連峰が姿を現した。奥穂高、ジャンダルム、西穂高へと続く岩峰はいつ見ても目を奪われる。

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 ↓ やがて、北アルプスの主役、槍ケ岳(3180m)の登場だ。

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 ↓ ちょっとズームアップしてみると・・・。

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 ↓ 槍の全容が目の前に。これからも槍の写真がしつこく登場するが、ご容赦を。

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 ↓ 急登を終えると平らな場所に。ひと息つきながら歩いてきた道を振り返る。

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 ↓ ちょっと休憩。

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 ↓ 行く手に双六岳の頂上が見える。ハー、もうすぐだ。

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 ↓ やっと2860mの双六岳山頂に立つ。しかし登山はまだ始まったばかりだ。

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 ↓ おー、笠ケ岳(2898m)にかかっていたガスが晴れ、その優美な姿が現れた。

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 ↓ 笠ケ岳は、新田次郎の作品「槍ケ岳開山」に登場する。主人公の播隆上人は、笠ケ岳を信仰の山として再興するため道を整備し、信者たちと頂上に立った。朗々と念仏を唱えていると、播隆上人は虹の中に誤って死なせてしまった愛妻の姿を見た。信者は仏を見た。いわゆるブロッケン現象だ。

 播隆上人が見たブロッケン現象。私たち夫婦も幸運な体験をした。この山行記の1回目冒頭でその写真を載せたが、しつこくもう1回・・・。

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 ↓ さあ、先を急ごう。丸山、三俣蓮華への陵線を辿る。

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 ↓ 振り返れば双六岳と歩いてきた道。後方に笠ケ岳。

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 ↓ 三俣蓮華岳の頂上が見えてきた。

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 ↓ 三俣蓮華の頂上から、直下に三俣山荘が見えた。右手でヘリコプターがホバーリングしている。荷物を運んできたのだろうか。

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 ↓ 眼下には、転げ落ちそうな深い谷が。向こうの赤い絶壁は赤岳、硫黄岳の一角か?

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 ↓ 先を急がなければならない。女房が駈け下りるその向こうに、今回山行の主要な目的地・黒部五郎岳(2840m)が見える。威厳に満ちた山容の写真は後でたっぷりと・・・。

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 ↓ 右手に北アルプスの楽園とも言われる「雲の平」が見えてきた。

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 ↓ 雲の平の後方は赤牛岳か?

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 ↓ 薬師岳(2926m)の威容が目に飛び込んでくる。北アルプス最大の山塊で、母なる山と呼ばれる。ちょうどひと月前、私たち夫婦はこの山頂に立った。ああ、懐かしい・・・。

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 ↓ 黒部五郎岳が目前に迫ってきた。雪渓を抱いたカールが雄大だ。

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 ↓ 今夜泊まる黒部五郎小舎が見えたが、ここからの急な下りが長い。うんざり。

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 ↓ 5時間余りかかって小舎に到着。やれやれ・・・。

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                                 (まだまだ続く) 










夫婦で北アルプスを歩く①・・・ブロッケン現象との遭遇

 北アルプスの双六小屋を目指し、標高2500mほどの尾根を歩いていた。何気なく右側の谷を見ると、小さな虹の輪の中心に人のような像が浮かび上がっている。手を振ると、向こうの像も手を振っているではないか。自分の姿が投影されているのだ。おー、これがブロッケン現象なのか・・・。

 先を行く女房に「おーい、こっちにおいで」と叫んだ。二人並ぶと、われらの姿が虹の中に映し出された。しかし、この珍しい気象現象は10秒ほどで終わった。背後から射す太陽の光が虹の中心に像を映し出すのが、高山で見られるブロッケン現象だそうだ。もちろん私たちにとって初めての体験である。

 北アルプスを歩き始めた私たちにとって、旅の安全こそ最大の願いだ。古来から、旅の安全の神として信仰を集めているのが、「道祖神」である。田舎に行くと、村の辻に男女一対の道祖神の像を見かける。虹の中心に浮かんだわれら夫婦の像が、この路傍の石像に似ているとしたら、何と幸運なことか・・・・。

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 ↓ さあ、北アルプスへ出発だ。
 
 新穂高温泉にある登山者のための無料駐車場に車を置いた。登山靴の紐をしっかり絞めて歩き出す。途中の登山指導センターで登山届をポストに入れた。

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 ↓ 右へ行くと槍、穂高方面。われらは左の笠、双六方面の登山道を歩く。

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 ↓ 登山道に足を踏み入れたのは午前7時20分。この日はあいにくの小雨。カッパの上だけを着、リュックにカバーをかける。われらは亀の足取りでゆっくり歩くことが信条だ。しかし、女房は気合いが入っているのか、どんどん林道を進む。

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 ↓ 女房のリュックには薬師岳で買ったベルが付けてある。「チリン、チリン」と涼やかな音色だ。お遍路さんの鈴の音にそっくりだ。「チリン、チリン」に先導され、私が後を追う。

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 ↓ 蒲田川の清流を右に左に見ながら歩く。岩魚、ヤマメが釣れるのだろうか。途中でフライフィシングの若者を見た。川は台風12号による雨でかなりの水量だ。

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 ↓ 最初の山小屋「わさび平小屋」に着いたのは、歩き始めて1時間10分後。標準のコースタイムだ。

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 ↓ 「わさび平」を過ぎると、見事なブナ林の道だ。巨木には畏れを感じる。

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 ↓ ブナ林を抜けると沢を渡る。

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 ↓ ここからは急登の連続だ。雨で濡れた岩は油断すると滑る。どんどんと高度を稼いでいく。

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 ↓ 歩き始めて2時間半、秩父沢を渡る。多くの登山者がここで休憩していた。幸い雨は止んだ。

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 ↓ 岩に白いペンキで「ココはチボ岩」と書いてある。特徴のある岩はないし、「チボ」という意味が分からない。

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 ↓ 女房は記録係だ。歩行時間を記録し、標準的なコースタイムと比べて遅いか、早いかを確認する。私たちはやや遅いタイムである。

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 ↓ 急登を終えると、広場のような場所に出た。木道に「熊のおどり場」と書いてあった。熊が踊っているのを誰かが見たのだろうか。うーん、それは怪しい・・・。

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 ↓ この夜泊まる予定にしているのは「鏡平山荘」である。そこまで「あと5分」と書かれていた。このよな標識はとても励みになる。もう5時間も歩き続けているので、初日はこれくらいでいいだろう。

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 ↓ やっと鏡平に到着した。ここにはいくつかの池があり、晴れていれば槍、穂高連峰が見える。池に映る「逆さ槍」をカメラに収める有名なスポットだ。しかしこの日はガスがひどく、仕方なく「逆さ女房」を撮った。

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 ↓ 女心と秋の空・・・。女房も移り気である。鏡平山荘の宿泊を取りやめ、さらに2時間半歩いて「双六小屋」まで行こうと言う。「えーっ、勘弁してよ~」。「でも次の日が楽になるわよ」。女房に文句を言えば百ほど返って来るので、老骨に鞭打って再び歩き始めた。

 ここからはまたまた急登が続く。

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 ↓ 細身のワシも頑張る。

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 ↓ おっ、あれは双六岳(2860m)か? 自信ないが、多分・・・。

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 ↓ 双六岳から丸山(2854m)、三俣蓮華岳(2841m)へと続く峰々だろう。明日は双六に登り、陵線を歩く。

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 ↓ 前方のガスがとれ、日本百名山の鷲羽岳(2924m)、その左後方に岩が荒々しい水晶岳(2986m)が見えた。

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 ↓ 花見平からも双六岳が見渡せた。

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 ↓ やっと双六小屋が見えてきた。

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 ↓ 下りに強い女房はスピードを上げて下っている。赤いリュックのカバーが女房で、あんなに遠くに行ってしまった。

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 ↓ やっと双六小屋に到着。歩き始めて8時間半もかかった。

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 ↓ 初日の無事を祝って生ビールでカンパーイ。1杯800円。ヘリで運んでいるから、ま、仕方のない値段だろう。生ビールが飲めるだけで、ああ、幸せ・・・。食事はご覧のように天麩羅など。

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 ↓ 寒いのでダウンをはおって外に出ると、きれいな夕焼けだ。明日はきっといい天気だろう。朝が早いので8時には床につく。おやすみなさーい。

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                            (まだまだ続く)








 

お陰さまで、台風被害はなく・・・

 人様から心配されるほど人望も人徳もない私だが、お陰さまで台風12号の被害はまったくなかった。しかし、紀伊半島の各地に大きな爪跡を残した。死者や行方不明者も出たし、川が氾濫して田畑や家が水に浸かった。

 今回の台風は憎らしいほどゆっくり北上している。台風の中心が日本海に出ても、紀伊半島には依然として強い雨を降らせる雨雲が覆っている。時折大粒の雨が山小屋の屋根を叩く。

 山小屋の南側には杉林、北側に雑木林があり、これらが防風林になっているのでそれほど強い風が吹かない。加えて生石山の尾根伝いに立地しており、雨による被害も心配ない。それほど自然災害に心配しなくていいのが、唯一の取り得である。

 昨日は風雨の中、山道を1時間ほど歩いた。今日も歩く積もりだ。カッパは着ていても、首筋から雨水が入って来るのでパンツまで濡れる。眼鏡が濡れて前が見づらい。けれど、歩いていると気持ちがいいし、何より、「おお、今日も元気で生きている」という実感が得られるのだ。

 「歩行」という行為は、人間の原初的というか、本能的というか、内から湧き出て来る欲求だと思う。現代人は余り歩かなくなったが、それでも歩けば「気持ちが良かった」と言う人は少なくない。健康上の理由で歩けない人には申し訳ないが、歩けるうちはひたすら愚直に歩き続けたいと思う。

 しばらくの中断はあったが、私たち夫婦は以前から山を歩いている。高い山も魅力はあるが、身近な山を歩くだけで大いに満足している。歩けば自らの生命を実感できるし、素晴らしい自然にも手が届く。もちろん、健康で長生きしたいという願いも否定しない。

 英国の高名な登山家マロリーは、新聞記者から発せられた「なぜ山に登るのか」との質問に、「そこに山があるから」と言った。その当時から含蓄のある言葉だともてはやされたが、私はそうは思わない。うるさい質問に適当な言葉が見つからず、いい加減に口走ったのではないか。その人を喰ったような言葉は痛快だ。

 私は何かと理屈を付けたくなる未熟者だ。歩くと汗をかく。喉が渇く。だから晩酌がうまくなる。うん、これでいい。さあ、今日も雨だが、晩酌をおいしくするために歩くとしよう・・・。

老いぼれても、夢と希望と・・・

 ブログの更新をさぼっている間に、ここ生石高原には少し肌寒い秋の風が吹き始めた。高原のススキの草原には、ツバメが名残りを惜しむように飛び交っている。南の島へはいつごろ飛び去るのだろうか・・・。ツバメの姿が見えなくなると、足早に寒い季節がやって来る。

 今日は、台風12号が紀伊半島や四国をうかがっている。時折強い雨を降らせ、森の木々を揺らせている。この日は、薪ストーブの煙突を総入れ替えするため、大阪・河内長野の専門店「憩暖」が工事をする予定だったが、台風のため中止になった。屋根の上の作業なので、仕方あるまい。

 雨の中、ヤマガラが次々餌台にやって来る。夏の間は、朝夕にちょこっと来るだけだった。ヒマワリの種より美味しい昆虫など食べ物が豊富だったのだろうか。今では、一度に10羽近いヤマガラがウッドデッキに止まり、餌の順番待ちをするほどだ。

 ブログを小休止していた理由は色々あって、まずは鮎釣りに忙しかったことだ。鮎は冷凍保存し、1年を通して食べるので、たくさん釣らなければならない。冷凍の鮎は塩焼きだと味は落ちるが、天麩羅にすると美味しい。ストックはまだまだ足らないので、しばらく川通いが続く。

 最も大きな理由は、ある目的に向き合っていて、大きなプレッシャーを受けているからだ。パソコンに向かいブログを書こうとしても、頭が虚ろになってしまうのだ。その目的は挫折しそうなので、今は書けない。思わせぶりで申し訳ないが、聞けば、なーんだそんな事かと笑われそうである。今月中旬にはレポートしたい。

 私は、中島みゆきの歌「ヘッドライト・テールライト」が好きである。聞くたびに目頭が熱くなるのはなぜだろう。歌詞は次の通りだが、「旅はまだ終わらない」という所がいい。人生は山あり谷ありの旅である。老いぼれても夢も希望も持ち続けたい。ヘッドライトは見果てぬ夢、テールライトはあどけない夢…。

 1.
語り継ぐ人もなく
吹きすさぶ風の中へ
紛れ散らばる星の名は
忘れられても
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

 2.
足跡は降る雨と
降る時の中へ消えて
称える歌は
英雄のために過ぎても
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

 3.
行く先を照らすのは
まだ咲かぬ見果てぬ夢
遥か後ろを照らすのは
あどけない夢
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない

 

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