ムカゴご飯は秋の味

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 ここ生石高原では、ススキの穂が銀色に輝き、紀淡海峡に沈む夕日とのコラボレーションが美しい。その光景を切り取ろうと、カメラマンが連日やって来る。森の木々も色づき始め、間もなく山桜やウリハダカエデが鮮やかな紅葉を見せてくれるはずだ。

 そんな森を散歩するのが日課であり、そのついでにちょっとした楽しみがある。自然薯に付くムカゴを採ってほうばるのだ。小さい頃、道端でムカゴを採り、ポリポリ食べれば腹の足しになった。ポケットを一杯にして持ち帰ると、母はムカゴご飯を作ったり、炒ったりして食べさせてくれた。あの頃のホクホクの味が懐かしい。

 ムカゴは、自然薯の葉が黄色くなると食べごろだ。触れただけでポロリと落ちてしまうので、蔓を揺すらず、そっと採るのがコツだ。先日、例年のように女房とムカゴ採りに行った。わが家から高原への道を歩けば、たくさん採れる。

 採り方は、夫唱婦随よろしく共同作業である。女房が蔓の下に柄の長いタモを差し込むと、私が蔓を揺する。するとムカゴは網の中に落ちる。いい蔓に恵まれれば何十個も採れる。これを散歩しながら採って歩くのはなかなか楽しい。

 ムカゴは、キノコなどの山の幸に比べると控えめな存在だが、なくてはならない秋の脇役だ。自然薯の風味と同じように、山の土の匂いがする。ポピュラーな料理はムカゴご飯だろう。少しもち米を加え、薄い塩味にすると美味しい。ムカゴを10個ほどまとめて揚げる天麩羅も乙なものだ。煮てもいい。

 標高の高い生石高原は、これから一気に晩秋へ向かう。秋は食材が豊かだ。しばらくすれば自然薯を掘り、飛び切り甘い冬アケビ(ムベ)を求めて森を歩く。寒い日が続けば、ヒラタケやシイタケも出てくるだろう。

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      ↑ ムカゴに原木栽培のクリタケを入れてみた

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カワハギ鍋にクリタケ、イカのしゃぶしゃぶ

 ブログに書くネタがない訳ではない。しかしこの季節、釣りに忙しいので、またまた釣りの話になってしまった。

 釣りに行く前日、山小屋裏で原木栽培しているキノコ畑を見に行くと、クリタケが大きくなっていた。クリタケはシチュー、スパゲティーなどに入れて食べれば美味しい。これからはカワハギの鍋の季節だが、クリタケを具に加えるのも悪くない。そう思っただけで、まさか女房がカワハギを釣ってくれるとは思わなかった。

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 今回の釣行は、女房を退屈させて文句を言われようが、あくまでもアオリイカを釣るのが目的だ。まずはイカの餌となるアジを釣らねばならない。由良湾の最初のポイントでは、撒き餌のアミエビを撒いても撒いてもアジは姿を現わさない。次の場所でもまったく反応がなかった。アジが手に入らなければイカは釣れない。

 三ヵ所目に替わったところ、三度目の正直と言うか、アミエビにアジが乱舞したのだ。すると女房が「カワハギが浮いて来た」と言い、アサリの餌に切り替えて、手のひらより少し小さめのカワハギを3匹釣った。二人で食べる鍋には十分な量である。私はすでにアジを20匹ほど釣ったので、ノルマ達成だ。

 女房はカワハギをもっと釣りたそうだったが、有無を言わせずイカのポイントに向かい、手早く竿を出した。1回目の当たりでは、ヤエンという掛け針でイカを捕らえることが出来なかった。2回目は、ヤエンの2ケ所あるフックの一つが外れたまま海中へ沈み、これも失敗だった。釣らねばならないという焦りが失敗を招いたのだろう。

 3回目の当たりは、そこそこ大物のようだ。イカを寄せれば、リールから糸を引き出して逃げる。そんな一進一退の攻防の末、ようやくヤエンを海中に送った。うまく針に掛かり、やがて黄色の姿が見えた。悲運はその直後に起きた。イカが猛烈な勢いで潜ろうとした時、竿先から重みが消えた。糸が切れたのだ。

 私は、竿の中に糸を通すインナー仕様の竿を使っているが、竿を仕舞う時などに糸が撚れて傷付くことがある。糸が切れたのは多分、これが原因だろう。事前に糸を点検しておくのは釣りのセオリーだが、これを怠っていた。後悔先に立たず・・・。

 イカに逃げられたことも悔しかったが、使い慣れたヤエンも海中に消え、弱り目に祟り目、踏んだり蹴ったりである。思わず、「もう、やっとれん」と、悪態をついた。女房は同情するどころか、ニヤニヤしているだけだ。場所のせいにする訳ではなかったが、気分転換のため場所替わりすることにした。

 しかし悪の連鎖は続き、ここでも当たりはなかった。1時間以上も無駄な時間を過ごし、また元の場所に帰った。ところが運は、いきなり巡って来た。2杯連続して釣った後、この日一番の大物が釣れた。700グラムはありそうだ。2時間ほどの間に計7杯釣れた。一度も失敗がなく、朝の失敗を帳消しにした。

 夜はカワハギの鍋をつついた。カワハギの肝はまだ小さく、少しがっかりした。淡白なクリタケも味わった。嫌味ないい方だが、アオリイカの刺身は食傷気味なので、身を薄く切って鍋にくぐらせ、しゃぶしゃぶ風にしてたべた。一段と甘みが増し、これはなかなかいけた・・・。

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小さなイカの処遇に悩む・・・

 毎度、面白くもない釣りの話・・・。

 寒気の影響なのか、このところ紀伊水道では波の高い日が続いている。しかし、アオリイカ釣りの好機を逃したくないので、波が心配だったが、ボート釣りに出かけた。ところが予報に反し、由良湾はほぼベタ凪だった。スーパーコンピュータを駆使した予報も時たま外れる。

 いつものポイントにアンカーを下ろし、生きたアジを泳がせながらアオリイカが食い付くのを待つ。しかしイカのシーズンというのに、活性が悪い。1時間半ほど経った頃か、竿先が少し曲がった。イカにしては弱々しい。

 ゆっくりリールを巻いていると、海中に茶色のイカの姿が見えた。小さいながらも、10本の足でアジを絡め、しがみついている。どうでもいいことだが、イカの足は8本で、それに長い2本の触腕を足すと、見かけは10本となる。ちなみにタコの足は8本で、触腕がない。

 さて、この小さなイカをどうしよう・・・。ヤエンという掛け針で引っ掛け、持ち帰るかどうか迷うのだ。私は魚釣りを趣味としているが、無用の殺生は好まない。女房などは虫をひねりつぶすが、私はティシュでつまんで外に放してやるし、道を歩いていてもなるべく虫を踏まないよう心がけている。

 ところで小さいイカの処遇だが、結論から言うと、クーラーボックスに入れた。言い訳がましいが、最初からそこそこイカが釣れていたら、海に帰していただろう。とりあえず小さくても持ち帰るのは、釣れなかった時の保険みたいなものなのだ。その後再び小さな当たりがあり、同じようなサイズのイカが釣れた。後ろめたい気持ちはあったが、またもクーラーに入れた。

 この入り江で2時間余り粘ってみたが、小さなイカが2杯釣れただけだった。ここには小さなイカしか入っていないと判断し、場所替わりした。しかしそこでも当たりはなく、1時間ほど粘ってみたものの、また元のポイントにUターンした。

 すると、いきなり反応があった。竿先が曲がったまま静止し、やがてジーッという音を立てリールから糸が出た。典型的なアオリイカの当たりだ。しばらくして竿を立てるとイカが抵抗し、竿先をしならせ沖へ向かった。イカがアジを離さないよう竿を送り、アジにしっかり抱きつくのを待った。

 慎重にイカを引き寄せ始めたが、あの小さなイカとは比べものにならないほど強い引きだ。時々リールから糸を引き出し、逃げようとする。それには逆わらず、リールをフリーにして対応する。頃合いを見計らってヤエンを海中に送り込んだ。するとイカが抵抗した。針に掛かったかどうかは分からないが、竿の角度を測りながら小さく合わせてみた。

 大きな引きが手元に伝わった。イカが見える所まで寄せると、「ブシュ、ブシュ」という音を立てながら二度、三度、墨を吐いた。たちまち海面が黒くなり、しぶきが私にも飛んで来た。網ですくったイカは、この季節にしてはいいサイズだ。刺身にすれば食べごろである。

 その後も散発的に当たりがあり、あの小さいイカも含めて6杯が釣れた。最初はどうなるか心配したが、なんとか形にはなった。やはり天気予報通り、昼前から強い風が吹き、港に帰った。その夜、小さいイカの1杯は刺身に、もう1杯はバター焼きにして食べた。甘くて美味しかったが、少し後ろめたい・・・。

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ナメコを初収穫

 このところ一気に気温が下がり、晩秋の気配すらしている。一昨日から朝の気温は10度ほどで、セーターを羽織らなければ寒い。室内の気温も15度を下回り、薪ストーブを焚いている。

 キノコは気温に敏感で、ナメコが先頭を切って発生し始めた。この原木は昨年早春に菌を植えた若いもので、他のナメコの原木よりひと足先に発生した。古い原木からは今月末ごろ出始めるだろう。

 裏山で栽培しているヒラタケ、ムキダケ、クリタケ、シイタケの4種類は、まだ発生の気配がない。この寒さが当分続けば、次々と発生するだろう。だいだい色のナメコを見ていると、深まる秋を実感する。

 ナメコはゼラチン状のぬめりが特徴だ。このぬめりがなければ、平凡なキノコだろう。ぬめりは山芋やオクラなどと同じムチンという成分で、胃の粘膜をうるおし、保護する働きがあるとのこと。肝臓や腎臓の機能を高め、老化の防止に役立つらしく、いい事ずくめだ。

 ナメコは、大根おろしにポン酢で食べるのが手軽で、おいしい。味噌汁、キノコ鍋など様々な料理が楽しめるが、何より冷凍して保存できるのがうれしい。朝食前にキノコの原木を見て回るの日課だ。キノコの季節はこれからだ・・・。

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鯵を釣り、握り寿司を作る

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 手前味噌・・・。自分で作った味噌が一番美味しいという意味だから、早い話、自慢話である。自分で釣った真鯵で作る握り寿司は絶品である。これも手前味噌だが、それを差し引いてもその美味しさは格別だと思っている。

 秋が深まると、防波堤で釣れる真鯵は「豆鯵」という幼げな名前を卒業し、15cm以上に成長する。しっかり脂も乗っており、料理をしていると手が脂でヌルヌルになるほどだ。これくらいのサイズは、小骨も柔らかく、寿司には手ごろなのだ。

 その寿司ネタの鯵を釣るべく、朝4時半ごろ起きた。すると、雨戸がガタガタと鳴っており、風が強い。ボート釣りの大敵は、風と波だ。正直、行くべきかどうか迷ったが、鯵釣りの好きな女房は準備万端で、すでに戦闘モードだ。もう、行くしかあるまい。

 撒き餌のアミエビを300円ほど買い、由良湾に向かった。漁港に到着すると、ここもやはり風が強い。白波こそ立っていないが、ポイントへ向かうにはまともにアゲンストの風で、水しぶきが飛んで来るはずだ。

 ボートを低速で走らせたが、それでも頭から水しぶきを浴びた。先頭に座る女房は、気の毒にびしょ濡れである。半時間ほどノロノロで走り、やっと湾奥のポイントに到着した。鯵釣りでもっとも肝要なのは、撒き餌を絶やさないことだが、半時間近く経っても鯵は姿を現さない。

 未練はあったが、場所替わりすることにした。最初の場所から50mも離れていない。女房がアミかご付きのサビキ仕掛けを下ろして3度目か4度目、「来たー」と大声を上げた。「はよ、釣らなあかん」と興奮している。私は鯵に気付かなかったが、女房は目ざとく魚影を見つけたのだ。

 水深1mほどの所で鯵が乱舞している。海中の鯵は赤味を帯びており、真鯵に間違いない。仕掛けを下ろすと、すかさずゴンゴンと竿を叩き、ビューンと糸も鳴る。さすが真鯵でよく引く。強くリールを巻くと、鯵は口が弱いので口が切れてしまう。

 「あっ、そうだ。イカ釣りの鯵を生かしておかなければ」--。専用のバケツに海水を入れ、釣れた鯵を生かした。あっとう間に10数匹を確保した。あとは、わが家の分とおすそ分け用の鯵をなるべく多く釣ることだ。回遊魚だからいつ移動するか分からないので、釣れる時に釣りまくるのが鉄則だ。

 もはや戦争状態である。「竿を私に近付けないでよ」と女房が叫べば、「アホ、針が服に引っ掛かったやないか」と怒号を上げる私も興奮気味。しまいには私の右手中指に自分の針が刺さり、針に返しがついているので抜けない。女房にペンチで引っこ抜いてもらったが、痛いのなんの。

 そのうちパタリと釣れなくなる。そんな時は、仕掛けを中層より深いポイントに下ろすと当たりが出るものだ。深い所ではやはり20cm前後のいい型の鯵が釣れる。一時よりも釣れるペースは落ちたが、それでもよく釣れた。

 しかし私は、生かしてある鯵でアオリイカを釣りたいのだ。女房を説得し、イカのポイントに向かった。朝よりも波は低かったが、うねりもあり高速では走れない。風を避けられそうな場所にアンカーを下ろし、2本竿で鯵を泳がせた。

 元気な鯵だから深く潜り、動きもいいが、どうしたことかまったく当たりがない。ここではよく釣れた実績があるので、そう簡単に場所を替わる訳にはいかない。結果的にそれが裏目に出て、貴重な時間を無駄にしてしまった。

 次に向かったのは、1キロほど離れた磯場だ。ここも実績があり、好きなポイントである。風で糸がもつれるなどのトラブルはあったが、1時間ほどの間に2杯をゲットした。いずれも4、500グラムほどだった。餌店で生き鯵を買えば1匹100円以上もするので、2杯しか釣れなかったけれど、何か得をしたような気分になった。女房は根性でいい型のガシラを釣った。

 帰宅して鯵の数を数えると、100匹余り。女房はおすそ分けに走り回り、一段落すると握り寿司の下ごしらえだ。三枚に下ろして皮を剥く作業は根気がいる。寿司の上には、土生姜とネギを載せる。夜の食卓に載った握り寿司の味は・・・。手前味噌だから、それを言うのは野暮である・・・。

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今どこに・・・マーキングしたアサギマダラ

 あれは9月25日の日曜日だった。デッキで女房と昼食を食べていると、屋根の上を蝶が優雅に舞っていた。日差しに照らされた羽は、裏側からは見ると実に美しい淡いブルーだ。アサギマダラに違いない。ここ半月ほどその姿を見る機会がなかったので、すでに南へ旅立ったのかと思っていた。

 その翌日、私は釣りに出かけたのだが、女房が玄関に出ると腰掛けの丸太の上にアサギマダラが止まっていた。どこか元気がなく、じっとしていた。女房はペンを持って来て羽をつまみ、羽に「9/26 生石」とマーキングして放してやったと言う。

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         ↑ 山小屋に来たアサギマダラ(8月8日撮影)

 アサギマダラは2000キロを旅する蝶として知られる。夏の早い時期、日本に飛来し、秋になると暖かい南の方面に移動する。羽に飛来した日にち、場所をマーキングするファンが全国各地におり、別の場所で蝶を再捕獲することで、飛行ルートなど生態が明らかになっている。本州から南西諸島、台湾などへと旅をするのだが、か弱い蝶のどこにそんな体力があるのか、不思議でならない。

 ここ生石高原の一角にあるわが家は、標高が800mを超えるので夏でも涼しく、アサギマダラが避暑地として飛んで来るのだ。実は4、5年前まで名前も生態も知らず、随分美しい蝶だとしか思っていなかった。ところがテレビ番組を見て、旅する蝶であることを知り、観察するようになった。

 老いらくの恋ではないが、近年、アサギマダラに特別の感情を抱くようになった。美しい色合い、優雅な舞い姿、人を恐れない親近感。そんな魅力がたまらず、すっかり虜になっているのだ。何十、何百のアサギマダラが山小屋の周りを乱舞したらどんなに楽しいだろう・・・。そのためには、アサギマダラが好むフジバカマを栽培することだと思った。

 この夏、飛騨地方に行った。標高1000mほどの山あいをドライブしていると、道路わきにフジバカマが群生していた。後ろめたい気持ちはあったが、4本引っこ抜いて持ち帰った。自然公園などに指定されていないとはいえ、決して褒められたことではない。実は以前、敷地のフジバカマを引っこ抜いてしまったことがあり、もう一度繁殖させたいと思ったのだ。

 濡らした新聞紙にくるみ、3日後、山小屋に持ち帰った。私はとても根付かないと思ったが、女房は「少しでも根があれば、生き返る」と言った。それから1か月半、4本のうち3本の枯れた茎の近くから緑の葉が出てきたのだ。ネットで葉脈を調べると、本物のフジバカマに間違いないようだ。

 フジバカマの花はフェロモンを発し、アサギマダラを誘うらしい。しかし、花の蜜には毒があり、これが蝶の体内に蓄えられるため鳥に食べられず、無事に長い旅を続けられると言われる。今は3本だけだが、繁殖力が強いため、何年も経てば山小屋の一角は群生地になるかもしれない。たくさんの蝶が舞う日を夢見ている。

 女房がマーキングしたアサギマダラは今、どのあたりを旅しているのだろう。まだ10日ほどしか経っていないので、四国あたりかもしれない。誰かが最捕獲し、マーキングした「生石」の地名を記録してくれるだろうか。女房が捕獲した時、元気がなかったらしいが、どうか元気で旅を続けてほしい・・・。

アオリイカ、ムカゴご飯・・・食欲の秋

 台風18号が日本列島をうかがい、北上を続けている。西日本に影響が出そうなのが、火曜から水曜になるとの予報だ。アオリイカ釣りに行くなら、波が静かな今のうちだ。日曜日、急いで軽トラにボートを積み、あわただしく出発した。

 先週の日曜日、ホームがラウンドにしている由良湾の漁港は、釣り客で駐車場が満杯だったと聞いた。だから今週の日曜日も相当混雑すると覚悟していたが、到着してみると、ボートの出港準備をしていたのは常連の1人がいただけで、拍子抜けしてしまった。

 成功体験というのは、とりわけ釣り人に強いように思う。以前よく釣れたポイントが忘れられず、まずはそこへ向かうのだ。今回も港を出て約20分、いつもの磯へと向かった。波は静かだが、台風の影響で次第にうねりも出てくるだろう。

 生きたアジの尻尾に針を打ち、15mほど前方に第一投。この時の気持ちは、「静かな高揚感」とでも言ったらいいのだろうか。気取った表現はともかく、わくわくするのだ。しかし、30分、40分、待てども当たりが出ない。少々イラついた。

 やっと当たりが出た。リールが「ジリッ」という小さな音を上げ、わずかに糸が出た。イカがアジを捕まえた証拠だが、後が続かない。しばらく待って竿先で聞いてみると、少しだけ重みを感じた。胴長20cm足らずの小型だろう。ヤエンという掛け針でイカを掛け、海中でたっぷり墨を吐かせた後、取り込んだ。

 この時期のレギュラーサイズだ。6日前の釣行では、これくらいのイカを6杯釣った。今日も同じサイズかぁ・・・落胆した。次の当たりも決して大きいものではなかった。2分ほど待ってイカを寄せるため、糸を張った。

 すると、竿が一気に絞り込まれた。また小型だろうと高をくくっていたので、不意を突かれた感じである。あわてて竿を倒し、リールをフリーにして糸を出した。グイーン、グイーンと二度、三度、竿をしならせる。これまでと違う引きに、少々焦った。

 寄せにかかったが、寄せては糸を引き出され、一進一退のやり取りが続く。重量が1キロもあるとは思えないが、700グラムくらいはあるだろう。強引にやり取りするとアジを放してしまうので、焦りは禁物だ。頃合いを見て掛け針のヤエンを海中に送り込んだ。うまく掛かったようだ。

 海面に姿を現すと、数回連続して墨を噴射した。頭から墨をかぶり、ボートはもちろんクーラーボックスやバッグも真っ黒になった。網ですくったイカは予想通りのサイズで、墨の洗礼を受けたが、アオリイカ釣りの醍醐味を味わせてくた。その後、同じようなサイズや小型を追加した。

 しばらくして、女房に現況報告の電話をした。「今のところ9杯。二桁は釣れそうだ」と言うと、「へぇー、すごいじゃない」と喜んだ。このポイントで釣れなくなったので、場所を2ケ所替わり、2杯を追加した。すると計11杯になるが、家に帰って数えると、9杯しかいない。クーラーから逃げ出す訳はなく、数え間違いなのだ。釣り人は往々にして多目に間違ってしまうものだ・・・。

 秋イカはこれからが本番だ。イカは冷凍しても味がかわらないので、わが家の貴重な保存食だ。もっと釣らねばならない。秋らしい話題を一つ。先日、散歩の途中に山芋のムカゴをポケット一杯採って帰った。女房はさっそくムカゴご飯を作ってくれた。香りが野趣にあふれていた。

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      ↑ 太刀魚は知り合いの漁師がくれた

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