人は理想を失う時に老いる・・・幻の詩人ウルマン

 エジプト旅行のことをブログに書いたところ、高校時代の友人からメールが届いた。彼は大手商社に就職し、最初の海外出張がエジプトのカイロだったという。懐かしくブログを読ませてもらったと記されていた。

 メールによると、当時のエジプトはアメリカと断交中で、会社の先輩はソ連圏への出張を嫌がり、新人の自分にお鉢が回ってきた。縫製工場を立ち上げるのが仕事だが、イスラエルとエジプトなどアラブ諸国による第4次中東戦争(1973年)が勃発し、逃げ帰ったという。

 当時のエジプトは治安が悪く、食べ物も貧しかった。ご馳走と言えば、ナイル川で捕れたナマズか鳩の肉だったらしい。ピラミッドがあるギザの大通りにテントのキャバレーがあり、ナマズを食べながらベリーダンスで盛り上がったと書かれていた。あの頃、このような商社マンが世界で活躍し、高度成長の一翼を担っていた。

 メールには「あんたたち夫婦、ペルーのマチュピチュに行ったと思ったら、次はエジプト。その好奇心と行動力に脱帽だ」とも書かれていた。そして、私たちの行動を見ていると、サミュエル・ウルマンの詩「青春」を彷彿させたとも記してあった。何かこそばゆい思いがした。

 私は、そのサミュエル・ウルマンという詩人を知らなかった。友人からメールが届いて1週間ほど経った頃、私が購読している全国紙の日曜版の1面に、そのサミュエル・ウルマンの記事が掲載されており、彼のことを詳しく知ることになった。

 記事によると、ウルマン(1840~1924)は、米アラバマ州で教育や人道の活動をしていた。「青春」という詩は78歳の頃書かれたが、米国でも知る人の少ない幻の詩人と言われた。戦後、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーは、日比谷のビルの自室に「青春」の一節を貼り、座右の銘としていたらしい。

 詩を読んでみたが、これがまた実にいい。「若さ」と「老い」を対句にしながら語りかけるのだ。老い行く人々を励ます応援歌であり、つい引き込まれ、そうだ、そうだと何度も膝を打ってしまった。解説じみたことを書くより、以下、読んでいただきたい。声に出して読むと、一層いい感じだ。

    年を重ねただけで人は老いない
    理想を失う時に初めて老いがくる

    青春とは人生のある期間をいうのではなく
    心の様相をいうのだ

    歳月は皮膚のしわを増すが
    情熱を失う時に精神はしぼむ

    人は信念とともに若く
    疑惑とともに老ゆる

    人は自信とともに若く
    恐怖とともに老ゆる

    希望ある限り若く
    失望とともに老い朽ちる
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