神戸散策・・・ギリシャ展、南京町、港へ

 「古代ギリシャ展」が神戸市立博物館で開かれている。NHKが後援しているので、大々的にテレビでPRしている。「すべての始まり。神話の国ギリシャ」というのがキャッチフレーズだが、このように連日宣伝されると、つい、乗り遅れちゃいかんと思うようになる。

 駅近くの自販機で通常料金より安い「昼とくキップ」を買い、大津から新快速で神戸の三宮に向かった。往復で2000円ほどだが、ちょっと外出しても交通費に結構お金がかかり、年金生活者にはきつい。

 昼前に着いたので、昼食を食べようと南京町を歩いた。春休みのためか、若者でひしめき合っていた。言葉を聞いていると、中国や香港の若者も多く、日本に来てまで中華料理でもなかろうに思った。

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 有名な豚まんの店の前は長蛇になっていた。おそらく1時間ほども待たされるのだろう。色んな店を覗いてみたが、3品、4品のセット料理を出す店が多く、安くて量が多いだけでは食指が動かない。中華は食べる気にならず、近くの鯖の専門店であんかけ料理を食べた。1000円。

 この後、ポートタワーを見上げながら神戸港を歩いた。先日、テレビでクイーンエリザベス号が入港したと報じていたので、ひょっとしたらでっかい船が見られるかもと期待したが、すでに出航していた。その代わり、大型クルーズ船「にっぽん丸」が着岸していた。海を見ていたら、和歌山の暮らしが恋しくなった。

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 次に向かうのは本命のギリシャ展だ。港から高級ブティックが並ぶ街路を歩いたが、有名ブランドにはまったく関心がない。唯一目を引いたのは、スーパーカー・ランボルギーニの展示場だ。車体の美しさはともかく、何千万もするこの車にはどんな人物が乗るのか、その顔を見てみたいと思った。

 神戸市立博物館には多くの人が訪れていた。嫌味を言えば、印象派絵画というだけで人が集まるように、ギリシャを前面に押し出し、「特別展」と銘打ってとどめを刺しているので、集客効果は抜群ということだろう。そういう私もそんな一人であるが・・・。

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 ギリシャといえば、パルテノン神殿と古代オリンピックくらいしか知らないが、その神殿の壁面にはめ込まれていた彫刻が展示されており、最初に目に入った。結構大きなもので、それを見ただけで神殿がどれほどのものか想像がつき、ギリシャへ行った気分にもなった。

 純白の大理石の彫像は美しかった。アレクサンドロス王、腰をひねった女性像、筋骨たくましい男性像・・・。紀元前のものなのに、今しがた作られたような輝きがあった。両手に魚をぶら下げたフレスコ画は紀元前17世紀のもので、今回の目玉の一つらしい。黄金の装飾品や金貨も見ごたえがあった。

 最後の展示室には、紀元前数百年のオリンピックにまつわる品々が展示されていた。ガラスケースに収められた大きな壷には、筋骨たくましいオリンピックの競技者が生々しく描かれている。アテネ周辺のアッティカ地方で作られたこの絵壷に、私の目がしばし貼り付いた。

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 実は、この時代の絵壷には浅からぬ縁がある。私が40歳のころ、ある人の紹介で男性の画商と知り合った。画商は日本人だが、ヨーロッパを拠点に現代絵画を中心に手広く取り引きをし、そのかたわら、アッティカの絵壷も収集していた。

 渋谷の松濤にある自宅に招かれるほど親しくなり、ある時、彼はこんな話をした。「ギリシャをテーマにした展覧会に絵壷が何点か展示されているが、そのうちの1点がどうも偽物臭い。この分野の女性専門家がドイツに住んでおり、彼女に写真を送って鑑定してもらっている。こんな話は興味はないか?」

 このギリシャの壷は、れっきとした公立美術館に展示されていた。彼によると、ギリシャには偽物を作る工房がいくつもあり、専門家も騙されるという話だった。テレビの「なんでも鑑定団」ではないが、美術品や骨董は魑魅魍魎が渦巻く世界だ。私も少し勉強したので、ギリシャの壷にはそこそこ詳しくなった。

 結局、この話は大きなスキャンダルになることなく、真贋は灰色の世界に埋もれてしまった。今回の絵壷との対面は、私を懐かしい時代に引き戻してくれた。自宅に帰り、女房にギリシャ展の話をすると、女房はすかさず「ギリシャに行くなんて言わないで」とクギを刺された・・・。

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