ミシュラン一つ星の蕎麦屋に行ってみた

 蕎麦打ち道場に入門して2か月になった。この間に計5回、自分たちで蕎麦を打った。入門を薦めてくれた紀の川のMさんは「美味しい蕎麦を食べるのも勉強のうち」と言われ、奈良県宇陀市にある蕎麦の名店を教えてもらった。生石高原のわが家からは結構遠いが、向学のため食べに行った。

 宇陀市は奈良県の東部にあり、三重にも近い。この辺は余り行ったことがなく、地理に不案内だ。愛車にはカーナビが付いていないので、地図を片手に走った。その店は、曽爾高原に通じる道のそばにあった。あたりは民家もまばらな片田舎の一角で、実に分かりにくかった。

 店の名は「一如庵」。何やら茶室のような趣がある。表千家の不審庵、裏千家の今日庵は有名だが、それと比べても遜色のない奥ゆかしい店名である。それだけでなく、ミシュラン一つ星に選ばれた誉れ高い店なのだ。

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 安くて、そこそこ美味しくて、飾らない・・・これが私の「蕎麦屋選びの3原則」だが、そんな志の低い私のような人間が敷居をまたぐのは恐れ多い店なのだ。建物は築後150年の古民家で、暖簾をくぐって土間に立つと、侘びさびをかもし出すしつらえが目に入る。

 昼前、私たちを迎えてくれた店員は「予約の方は1時からです。予約のない場合はコース料理をご用意できません」と言われた。昼のコースは4000円以上もするので、内心ホッとした。最初からコース料理を食べる気はなかったのだ。

 まず出てきたお茶は、薬草でも入っていそうな柔らかな味わいだ。盛り蕎麦だけを注文したが、ちょっと小声になったのはどこか卑屈で情けない。白い割烹着の蕎麦打ち職人は「茨城県の蕎麦粉です」と言い、胸を張ったように見えた。後で知ったが、茨城産は高級品が多いらしい。

 せいろに盛られた蕎麦は光っていた。さすがミシュランの一つ星にふさわしい風合いである。量は少なく、「大盛り」なんて口にする雰囲気ではない。蕎麦はあくまでも細く、断面は正方形なのだ。私たちが打てばこうは細くならないし、平べったいきし麺のようでになる。

 蕎麦は1000円。一つ星だから、まぁそんなものだろう。もちろん味は良かった。ただ、香りがどうの、のど越しがどうの・・・などと通ぶった ことを言えるほど口が肥えていない。さすがミシュラン認定で、器もいいし、一つまみ置かれた生わさびも鼻にツンと来た。蕎麦湯もとろりと美味しかった。

 私の「蕎麦屋選び原則」はすでに書いたように、値段が安くてそそここ美味しいければいい。そして飾らない素朴さがいいのだ。これからすれば、ミシュランという誉れの一如庵は少し近寄り難いものがある。ただ、これだけは言いたいのだが、素人の私たちが打つ蕎麦だって、それなりに美味しいのだ。

 帰りの車の中で、女房は「私たちが打つきし麺のような蕎麦も美味しい。それほど負けていないと思う」と強がりを言った。確かに蕎麦の太さは均一ではないが、歯ごたえもあって無骨なところもいい。まぁ、負け惜しみもこれだけ言えれば、向上心があるということだろう・・・。

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