森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

ネパールの旅・・・山岳で暮らす人たち

 エベレストの鮮烈な残像が頭の中で暴れ、日常の感覚に戻れないままバスに揺られ、ナガルコットの丘に向った。ここはカトマンズから35キロほどの距離にあり、標高は2100m。リゾート地として知られ、ホテルやコテージが点在している。

 丘からはエベレストやアンナプルナ、ダウラギリなどの名峰が見られると聞いていたが、到着した夕方にはスコールのような雨になり、何も見えなかった。しかし夜にテラスへ出ると雨はやんでおり、満天の星空が広がっていた。天の川だろうか、星雲の帯が横たわり、宇宙の神秘に触れたようで体がブルッと震えた。

 翌日の朝、暗いうちからホテルのテラスに出てヒマラヤの夜明けを待った。5時半ごろ、東の空が白み始め、北の方向に険しい山並みが浮かび上がった。それは絶海の孤島のようにも見えた。

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 それから半時間ほどすると、空がオレンジ色に染まり始めた。現地時間の午前6時前、ヒマラヤ山脈の頂きから真っ赤な太陽が顔を出し、峰々は頂上から中腹へとみるみる陽光に照らされて行く。テラスの正面に見える三つの峰がランタン、左の険しい山がダウラギリか・・・。山の名前は人によってまちまちで、よく分からない。

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 朝食を食べた後、女房と散歩に出かけた。山の斜面にはホテルらしきものが見える。煙を上げる農家も見えた。坂の下から鮮やかな民族衣装をまとった女性たちが登ってきた。しぼりたての牛乳が入ったアルミ容器を背負う女性がはにかむような笑顔を見せてくれた。山岳地帯で暮らす人たちの朝は早い。

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 ネパールの人口は2700万人、国土のほとんどが山である。人口の80%が農民で、様々な穀物や野菜を栽培し、自給自足の生活をしている。ガイドの話によると、山を開拓して農地を作ればそれが自分の土地になり、税金はゼロと言う。煮炊きは薪だが、暖房はない。寒ければ布団にくるまって一日を過ごすそうだ。

 後日、ネパール第二の都市ポカラでハイキングを楽しんだが、ここでも山で暮らす人たちの生活に触れることが出来た。 ポカラの中心部からバスで1時間余り走り、ハイキングの出発点となるシャザンゲートという三叉路に着いた。ここはバス乗り場になっているようで、一軒の駄菓子屋があった。

 他の地域でもよく見られたが、ネパールには実に駄菓子屋が多いのだ。娯楽の少ない山岳で暮らす子供たちにとって、甘い菓子を食べること自体が娯楽なのかもしれない。店先には土地の古老が椅子に座り、子供たちを見守っている。ここは村人たちの交流の場になることもあるのだろう。

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 ラムコットという小高い山頂を目指し、三叉路を曲がって山道を歩き出した。片道3キロほどの道のりである。私たちのすぐ先を、美しい衣装で着飾った5人の女性が坂道を登って行く。買い物を終えて家に帰るのだろうか。とにかく足が速い。いつの間にか姿が見えなくなった。

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 道はずっと上り坂。半時間も歩くと汗をかく。農家の庭先では女性が仕事をしており、男性よりも働き者なのだろう。屋根にはぺんぺん草が生えた家もあり、ほとんどが粗末なたたずまいだ。もちろんテレビのアンテナなど立っていない。電気が来ていない家も多いらしい。

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 山道を歩いていると、右に左にヒマラヤの高峰が見える。とにかく、山の高さが半端ではない。天空を衝くという表現がぴったりだ。山岳で暮らすこの人たちは、それらの峰々に神が宿ると信じ、大自然の恵みに日々感謝しているのだと思う。丘の上などに、四方を縄で囲んだ場所があった。日本と同じように、神域を意味しているのだろう。

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 1時間半ほど歩き、ラムコットの丘に着いた。ここにはヒンズーの女神を祀る小さな建物があり、四方に何十個もの鐘が吊るされていた。村人たちは鐘を鳴らしながら堂を巡るのだろう。お堂の前にいた古老からお賽銭を入れるよう催促された。

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 堂の近くに10人ほどの子供が遊んでいた。学校には行っていないようだ。こんな山岳地帯に学校はないのだろう。教育が重要なのはもちろんだが、日本からやって来た観光客が口にすべきことではない。

 子供たちはみんな彫りの深い顔立ちである。人懐っこい笑顔を投げかけ、親しげに手をからませてくる。美しい瞳、この天真爛漫さは一体何なんだろう・・・。

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                                                           (続く)
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   08:59 | Comment:3 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
ネパールに行ってらっしゃったんですか!! 写真、懐かしい思いで楽しませてもらいました。私は1985年から4年間カトマンズ郊外のボーダナートというストゥーパの近くに住んでいました。その後、ネパールは王制から共産政権に変わり、カトマンズはますます汚染がひどくなり、人口が増えーーなどと、変化が多かったようです。最後に訪ねたのはもう15年以上前です。カトマンズは当時とずいぶん変わったそうですが、少し山の方に入ると、昔ながらのネパールが今も残っていると聞いていました。ひまじんさんの写真を見て、それが伝わってきました。ナガルコットは一泊旅行で何度か行きました。懐かしいなぁ〜〜
ヒマラヤは神様の世界との実感は私も持ちました。ランタントレッキングでたどり着いたケンジンゴンパで、雪山を目の前にして、「あー、神様の、こんなに近くまで来たんだ」と思いました。今も思い出すとそのときの感動で目がジワーっとしてきます。
それにしても、ひまじんさんご夫婦がネパールに行かれたと聞いて、驚くと同時に、とても感激しています。
ネパール 2014.11.04 (火) 10:27 [Edit]
PS
ブログで紹介させていただきましたが、よろしかったでしょうか?
 2014.11.04 (火) 11:07 [Edit]
  [URL] #-
     ボーダさんへ

 コメントありがとうございます。
私も、ボーダさんのコメントを読み、目が潤みました。
私の思いは、「コロラド暮らし」にコメントさせていただきました。
 全部で5回ほど書こうと思っていますが、間違いや思い違い、誤解がたくさんあると思います。許して下さい。
 もう今は、来年のネパール旅行を夢見ています。
ブログに私のことを書いていただき、ありがとうございました。
 2014.11.04 (火) 18:51 [Edit]






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