東福寺~泉涌寺を歩く

 「白足袋には逆らうな」--。京都には、こんな警句がある。京都に勤務していたころ、馴染みの小料理屋の女将から教えてもらった。白足袋をはくのは僧侶やお公家さん、家元、学者たちだが、彼らに逆らうとひどい目に遭うという意味なのだ。千年の都に受け継がれた処世の知恵なのだろう。

 それがどうしたと言われそうだが、これはひとまず置いといて・・・。

 先日、女房が大阪へ買い物に行ったので、お寺巡りでもしようと京都へ行った。駅ビル10階の「拉麺小路」で喜多方ラーメンを食べた後、喫茶店でコーヒーを飲みながらお寺巡りのコースを思案した。駅から歩いて1時間以内なら、思いつくのは東福寺である。私の好きな禅寺だ。

 東福寺は紅葉の名所だが、シーズンになれば大変混雑する。この寺で静かに過ごすなら、人の少ない今の季節だろう。この日は暖かく、東福寺に着くころには薄っすら汗をかいた。平日ということもあって、境内には人が少なく、方丈の庭園に向かう団体が目を引いたくらいだった。

 本堂の天井に描かれた堂本印象の龍を見上げ、国宝の山門の石段に座ってしばらくボーッとしていた。山門の隣に建つひときわ美しい白壁の禅堂では今頃、青い頭の修行僧が座禅を組んでいるかもしれない。とかく反省の多いわが人生だが、この寺には人々の悔いを受け止める雰囲気ある。

 ここまで来たのだから、泉涌寺にも立ち寄ろうと思った。以前と同じ道を辿れば、40分もあれば着くだろう。民家の建つ狭い道を歩き、小高い丘に上がると宮内庁が管理する皇室ゆかりの墓が並んでいる。そこからすぐの所に、泉涌寺の入り口があり、参拝しようとすればここで500円を払わなければならない。

 お堂や仏像などの維持管理にはお金がかかるので、拝観料を取るなとは言わない。しかし、拝観料を払わなければ一歩も寺の境内に入れないというのはどうだろう。社寺は信仰の場としての公共性があると思うのだが・・・。そういう寺院が多いのは残念だ。東福寺などのように、庭園など文化財に限って拝観料を取るのはやむを得ないと思うが・・・。

 そこで冒頭に書いた「白足袋に逆らうな」である。あれは1980年代中頃だったと思う。京都市が観光寺院に対し古都保存協力税を徴収しようとしたところ、多くの観光寺院が一斉に門を閉め、拝観を拒否した。このため京都は訪れる観光客が激減、これに根を上げた市は数年で古都税を断念した。

 白足袋に逆らうとこうなるのだ。文化財や文化都市の景観を保存するために、市が課税しようとしたのは間違ってはいないと思うが、結果的に足をすくわれる結末となった。拝観料は宗教活動なので非課税のはずだ。「坊主丸儲け」などと下品なことは言わないが、拝観料は総じて高過ぎると思う。

 これではシニアや高齢者が何か寺もお寺巡りするのは厳しい。しかし拝観料に口を出し、お寺に立てつくことも出来ない。かの白河上皇も嘆いた。ままならないものとして加茂川の氾濫、すごろくの賽の目、そして延暦寺の僧たちを上げたと言われる。京都の白足袋は今も強い・・・。

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コメント

寺院の建物の瓦や垂木、柱、屋根の重なりなどの連続したデザインにはなぜか引かれるものがあります。(ひょっとして僕だけだったりして・・・)
昔むかしの人は人をひきつけるそんなことを意識して建物を作ったのでしょうか。
そうだったら大したものです。

     イレグイ号さんへ

 私も日本の社寺建築は素晴らしいと思います。
とくに、五重塔は素晴らしい。
この冬は、興福寺、仁和寺の五重塔を見上げましたが、
倒れないのが不思議です。
 それにしても、前々回のイレグイさんの爆釣は楽しかったでしょうね。
毛玉にビニール袋・・・。普通の仕掛けではないですね。
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