白い花の回廊・・・生石高原

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 わが山小屋から生石高原に至る道は、ちょっと気障な言い方をすると、まさに「白の回廊」である。ウツギやスイカズラ(金銀花)、エゴの白い花が今まさに満開なのだ。道端に目をやると、これまた白いホタルブクロが下を向いて咲いている。

 この回廊を散歩するのがわれら夫婦の日課である。歩いていると、ほんのりとした甘い匂いが鼻腔をくすぐる。これは多分、スイカズラが放つ芳香だろう。それに、花に集まる蜂の羽音がうるさいほどに聞こえてくる。ウツギの花はあと1週間もすれば散り始め、道路は雪が積もったように白くなる。この風情がたまらなく好きだ。

 ウツギは漢字で「空木」と書く。何と美しい名前だろう。里山にも、生石高原のような高地にもある高さ3、4mほどの低木である。その名前から、花をいっぱい付けた枝が天に突き出す様を想像するのだ。
        
          ↓ ウツギ
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          ↓ スイカズラ
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 中央アルプスに「空木岳」という山がある。標高2864m。小説家深田久弥が選んだ日本百名山の一つである。山好きの私もその美しい山の名前に惹かれ、登りたいと思っているが、なかなか実現できないでいる。

 「日本百名山」の著書の中で、深田は「空木、空木、何という響きのよい優しい名前だろう。もし私が詩人であったなら、空木という美しい韻を畳み入れて、この山に献じる詩を作りたいところだ」と書いている。そして、「美しい名前は、(山への)想像力に拍車をかけるに違いない」とも書き添えている。

 私は、ウツギという植物になぜ風流な「空木」の字を当てたか疑問に思っていた。色々調べてみると、意外なことが分かった。それは、深田久弥や山好きのロマンチストの思い入れとは随分違うものだった。

 つまり、ウツギの木を切ると中が空洞になっている、つまり「空(から)」の「木」と言うのだ。何か裏切られた感じである。吉永小百合も屁をすると知った時の落胆に似た気分である・・・。
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コメント

今日、歩いて近くの本屋さんに行く途中、団地の中の空き地に白い花がたくさん咲いていました。
名前があるのかどうかもわからない雑草なのでしょうけど、よく見るときれいなものでした。
こういうのをゆっくり愛でる余裕がほしいものだと思いました。

生石山には山菜の季節しか行ったことがないのですが、食べることばかりに欲望をむき出しにせず野の花の観賞というのもいいですね。

     イレグイ号さんへ

 いやいやこういう余裕というものは、年寄りのなぐさみのようなものです。
 現役で働いていた時は、梅が咲いても、桜が咲いてそれほど関心があったわけではありません。
 ワラビを見つけ、山ウドに出会い、ちょっと心を躍らせる。
それでいいんじゃないでしょうか。

ウツギという花は別名を卯の花というそうで、この花は旧暦の4月頃に咲くので4月は卯月というんだそうです。
遠い昔から人々に愛された花なんですね。
「奥の細道」を読んでいて見つけました。
僕は卯の花と聞いて、“おから」”しか思い浮かばなったのですが・・・。

     イレグイ号さんへ

 卯の花といえば、私もおからくらいしか思い浮かびませんでした。
 なるほど、おからもウツギの花も良く似ていますね。
芭蕉はどのような句を詠んだのでしょう。
ウツギの素朴な美しさが、芭蕉の心を動かせたのでしょうね。
 そこで一句・・・。何も浮かびません。 
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