森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

公務員の入れ墨・・・そんなアホな

 私がゴルフに血道を上げていた10数年前、練習場で一人の中年男性と知り合った。彼は目つきが鋭く、頭髪は五分刈り。しかし時折、人懐っこい笑顔を見せる。打席の後ろのベンチには、若い男が身じろぎもせずに座っていた。ヤクザの親分とボディーガードの若い衆である。練習場の駐車場には、黒光りの高級車が止められていた。

 親分は真夏でも長袖のシャツを着ていた。さぞや暑かろうと、うかつにも同情していた。ところが、ハッと気付いた。ヤクザの親分だから入れ墨を入れており、人に見られたくなかったに違いない。後日、人づてに聞いたところ、腕から膝までびっしり彫り物が入っているのだと言う。

 唐突にこんなことを書くのは、大阪市が職員を対象に入れ墨調査を実施し、その是非をめぐる大阪高裁判決が出たからだ。この裁判は、女性看護師と交通局職員の二人が「差別につながる情報の収集であり、違法」として訴えていた。1審判決は違法性を認定していたが、高裁判決は「調査の目的は正当」との逆転判決を言い渡したのだ。

 看護師らの原告は即上告し、「主張が認められるまで闘う」とコメントした。常識的に考えて、彼女らの主張に違和感を覚えるのは私だけではないだろう。果たして、入れ墨は差別につながる個人情報だろうか。ヤクザの親分が長袖シャツで入れ墨を人目に晒さないのは、心のどこかでヤクザが反社会的な存在であることを認めているからだ。

 2審裁判長も、「入れ墨を見た人が不安感を持つことは、不当な偏見ではない。他人に見せないよう制約することは社会的に容認されている」と述べている。

 調査のきっかけは、幼稚園か保育園の職員が、園児に自分の入れ墨を見せびらかしていたことが分かり、橋下市長が調査を指示したものだ。例えば、市役所窓口の職員の袖口から入れ墨がチラッとでも見えたら、市民はどう思うか。市バスの運転手でも同じだ。市当局が、入れ墨職員を市民の目に触れないよう配置転換するのは当然だろう。

 私はてっきり原告二人が入れ墨を入れていたと思っていたが、どうやらなかったらしい。それはどうでもいいが、原告は「入れ墨の有無は仕事と関係がなく、調査に応じない」として処分された。理屈と鳥もちはどこにでもくっ付くというが、彼女たちは権力とか当局とかがやることは何でも反対する人たちだろう。

 アメリカのプロバスケット選手や海外のサッカー選手はいたる所に入れているし、確かレディーガガも入れている。それがファションであったり、お国柄であったりすれば、入れる入れないは自由だろう。しかし日本の公務員は別だろう。反社会的な匂いがする入れ墨を受け入れるような社会ではないし、まして公務員は論外である。

 お前は何者だと言われそうだが、ヤクザの話をもう一つ。あれは阪神大震災が起きた三日後、ちょっとした仕事で山口組の本部に行った。中庭にはテントが張られ、その中には全国の組から寄せられた生活物資が山のように積まれていた。

 支援物資を求める被災住民が、本部を取り囲むように列を作っていた。物資を運んだり、手渡したりする組員は全員が軍手をしていた。なぜ全員が軍手なのか。賢明な読者のみなさんのお察しの通りである。彼らの多くは小指がない。不始末を重ね、指二本がない組員もいる。当時、軍手の小指がぶらぶら揺れていたのが印象的だった。

 ヤクザの肩を持つ訳ではないが、小指のない手を晒し、被災民を不気味がらせてはいけないという配慮なのだろう。ヤクザでもそうであるように、行政が公務員の入れ墨を市民の目に触れさせないようにするため、調査するのは当たり前で、法律以前の問題である。何でもかんでも個人情報を振りかざす社会は、どこかおかしいのだ。

 なるほど、あの北町奉行の遠山の金さんも公務員である。肩には桜吹雪の入れ墨を入れている。「この桜吹雪に見覚えがねぇとは言わせねぇ」と、片肌脱いで啖呵を切るのがドラマの見せ所。味噌と糞を一緒してはいけない・・・。


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   07:57 | Comment:2 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 イレグイ号 [URL] #-
ニュースを見ていて、こんなおばさんでも入れ墨してるんだ。と思って驚いていましたが、本当になんでわざわざ裁判を起こしたのでしょうか。(組合の方々なのでしょうか)おっしゃるとおり、一般常識から考えても市民の公僕ともあろう人が直接市民と接する場においてはおかしいことだとは当たり前に思うことです。(僕の会社ではひげを生やすことでさえ規制されています。)
道徳心ということとはまた違う事象かもしれませんが、思想の多様化で片付けられないような気がします。
僕たちのところにも、正義の味方と勘違いしているような方々がたまにやってきますが、たぶん同じ人種なのだと納得しました。

しかし、ひまんじんさんのお仕事はけっこう危険?と隣合わせだったのですね~。
僕の部下に言わせれば、玄人より素人のクレーマーの方が怖いらしいですが・・・。って、僕も何者だと言われてしまいそうですね。
 2015.10.18 (日) 22:18 [Edit]
  [URL] #-
    イレグイ号さんへ

 まさに、道徳心とはまったく関係がありませんね。
多分、このような訴訟は組合の意向によってなされたものでしょう。
 組合が労働者の権利を守ることに異議はありませんが、このように方向を間違えると、一般市民の信頼を失うでしょう。
 玄人より素人のクレーマーの方が怖い・・・というのは真理を突いていると思います。落とし所を知りませんから。
 2015.10.20 (火) 18:51 [Edit]






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