森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

軽トラの老夫婦に心優しい配慮・・・

 梅の便りに誘われ、奈良の月ヶ瀬梅林へ向った。桜もいいが、梅は日本人の感性をくすぐる情緒がある。物の本によれば、万葉集に詠まれた梅は、桜の3倍の120首に上るという。古来から梅は日本人に愛されてきたことを物語っている。私も年を取るにつれて梅の美しさに惹かれ、甘い香りにも早春の喜びを感じる。

 大津から国道24号線を走り、京都の木津のあたりから木津川沿いに遡ると、剣豪の里・柳生だ。ここは二度目なので素通りし、梅林へ。名張川の渓谷には10万本の梅が植えられていたらしいが、1969年にダムが造られ、多くが湖底に沈んだ。それでも1万数千本が残り、ダム湖の梅林として独特の美をかもし出している。

 日本最大の梅干しの産地・和歌山に住んでいるので、わざわざ梅林に行かなくても、梅林はそこらじゅうにある。そのほとんどは南高梅など梅干しの実を採るためだが、月ヶ瀬の梅は紅花染めの原料として栽培されていたらしい。戦後は合成染料に取って代わられ、今はおもに観光の梅林となっている。紅梅、白梅はダム湖の水に溶け合い、趣がある。

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 次は、伊賀上野に向かった。月ヶ瀬からは半時間もかからない。目的は田楽豆腐だ。20数年前、末の娘を連れて食べに来たことがある。場所は上野高校の前あたりと覚えていたが、あの古びた店が見当たらない。それもそのはず、立派な古民家風の店に立て替えられていた。暖簾をくぐると、味噌を焼く香ばしい香りが充満していた。ちなみに店の名前は「わかや」。

 私の北陸の田舎でも家で田楽を焼く風習があり、時々、無性に食べたくなることがある。この店の田楽は確かに美味しい。しかし、私の脳と舌が覚えている田楽は、焦げ目がついてどこか野趣があったように思う。朱色の容器に並べて出てきた田楽は洗練されていて、少し甘すぎた。この世で一番美味しい食べ物は、幼少の頃の記憶の中にある・・・。

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 お腹が膨れたので、散歩がてら上野城を歩くことにした。駐車場の前で、しばらく、駐車料金「500円」と書かれた看板を覗き込んでいた。上野城はこれで2回か3回目で、何が何でも入りたいとは思わなかった。すると、駐車場の係りの人が窓を叩き、「ここから少し先に消防署があり、その近くにも駐車場がありますよ」と教えてくれた。

 そこへ行くと、平日は無料となっていた。係りの人は無料だとは言わなかったが、貧乏人への心優しい配慮だと受け取った。考えてみれば、和歌山ナンバーの軽トラの運転席で、年寄り夫婦が恨めしそうに顔を見合わせている姿は、なるほど同情を引いたのだろう。無料はうれしかったが、少し寂しくもあった。

 裏の城山の道を登った。その中ほどで、先を歩いていた女房が絶叫した。「へ、へびやー」。石の階段に、長さ1メートルほどの蛇が長々と横たわっていた。木の枝を投げると背中に命中したが、動かない。死んでいるのかもしれない。枯れ葉をつかんで投げつけたところ、今度は鎌首をもたげた。生意気な奴だ。

 虫が冬ごもりから目覚める「啓蟄」は3月初旬だが、いくら何でも蛇が出てくるのも早過ぎる。女房も、まさか蛇が出るとは思わなかったので、絶叫も当然だろう。蛇自身、土から出たものの、季節を間違えたと後悔していたのか、動きが鈍く、目つきもうつろだった。蛇の姿が脳裏に焼きついたまま、とんだお城見学となった・・・。

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   10:12 | Comment:2 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 May [URL] #mQop/nM.
題名を見て、軽トラの老夫婦に、何か親切なことをされたのかと思ったら、ひまじんさんご夫婦のことだったんですね。

私たちも料金と相談、ということはしょっちゅうです。
ケチというか節約家というか、そこまでの価値があるかどうかで大いに悩みます。

上野城は美しいですね。
田楽豆腐もおいしそう、甘かったですか。
北陸と伊賀では味噌が違いますか?
私は子供の頃名古屋にいたので、壷の味噌につけてくれるおでんが思い出の味になるのでしょうが、もう忘れてしまいました。名古屋には実の父がいますが、もう何十年も行っていません。

和歌山の梅干しはとてもおいしいけど、高いですね。
 2016.02.22 (月) 13:07 [Edit]
  [URL] #-
    ウェリントンのMayさんへ

 おはようございます。いつもコメント有難うございます。
 お父さんが名古屋にいらっしゃるのですか。ニュージーランドからだと遠く、そう簡単に里帰りできませんね。
私も2人の娘を持つ身としては、会ってあげてほしいですね。
 名古屋といえば、味噌だれの本場。あのトンカツのたれはたまりません。
伊賀上野の田楽のたれは酒飲みの私には甘過ぎました。

 2016.02.23 (火) 08:42 [Edit]






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