森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

山陰の名湯を行く・・・世界遺産

 旅行2日目は、俵山温泉の旅館のご主人に車で長門駅まで送ってもらい、萩に向かった。萩は明治維新の象徴的な地で、定番の松下村塾や伊藤博文の家などを見て回った。長州といえば、戊辰戦争の後も会津藩にひどい仕打ちをした。会津と新撰組に心を寄せる私にとって、子供じみているが、この地にやや含むところがある。

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 私は初めてだが、女房にとっては3度目の訪問だ。40年前、友人と旅行し、毛利家菩提寺の東光寺を訪れたという。墓所が印象的だったらしく、もう一度行ってみたいと言った。墓所には藩主や夫人、家臣の墓が500基余り、まるで中国の兵馬俑のように立ち並んでおり、なるほど壮観だった。このスケールはさすが雄藩毛利家だ。女房は当時一緒に旅をした横浜の友人に、写真を撮ってメールを送っていた。

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 萩を見物した後、山陰線の赤い電車に乗って東に向かう。益田で乗り換え、さらに東へ進み、浜田駅に着いた。ここは、島根県石見地方で最も大きい地域だろう。乗り換えの時間があったので、駅前を散策した。

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 街のあちこちに石見神楽のポスターが貼られていた。私はポスターの写真に大きな衝撃を受けた。写真の撮り方がうまいのかもしれないが、石見神楽は人々を古代に引き戻す力があり、魂を揺さぶるものがあるように思う。神楽そのものをまったく知らなかったので、なおのこと、新鮮に映ったのだろう。

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 石見神楽は、室町後期にはすでに演じられていたという郷土芸能で、国の重要無形民俗文化財に指定されている。一般的な神楽とは違って、軽快で激しい囃子と舞いが特徴だという。古事記にも出てくるような神話や平家物語が演じられ、大蛇(おろち)、日本武尊などが登場する。いずれ石見を再訪し、何としても神楽を観てみたいと思った。

 さて、この日に行く温泉である。ここまで来たのだから、有名どころでは玉造温泉と言いたいが、そうではない。ヒントは「銀」である。このあたりで「銀」と言えば、言うまでもなく石見銀山だが、ここに温泉はない。

 石見銀山は「銀山遺跡とその文化的景観」として世界文化遺産に登録されている。 実は私の無知だが、銀山、つまり銀を掘った坑道や精錬所が世界遺産だと思っていた。そうではなく、銀山とそこに連なる町並みが、江戸時代、明治時代そのままに保存されていることだと知った。

 同時に遺産登録された町並みは、ここから何キロも離れた港町こもある。北前船が寄港した「温泉津(ゆのつ)」という港で、精錬した銀を運び出した。温泉津といえば、もちろん「温泉津温泉」である。ここにも、江戸や明治の建物がそのまま残り、銀と温泉によって栄えた街である。

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 かなり昔から、この温泉地を訪れてみたいと思っていた。大学の1年後輩に温泉津出身の男がいた。学生運動やヒッピーの全盛期、多くの若者が肩までの長髪だったが、この男は高倉健さんのような角刈りだった。出身地を聞くと、「島根のゆのつですわ」と答えた。温泉に津と書いて「ゆのつ」という読み方が、妙に頭の片隅にこびり付いていたのだ。

 JR温泉津駅から歩いて15分ほどの所に温泉街があった。若者好みのチャラチャラした雰囲気はなく、ここもやはり昭和の香りが漂う日本家屋の旅館が軒を連ねる。俵山温泉の項で書いたが、温泉学の松田忠徳博士が作った全国温泉番付によると、温泉津は西の小結であり、知る人ぞ知る名湯である。

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 夕食前に、「薬師の湯」という外湯に出かけた。明治5年、山陰地方で大地震があり、湯が湧き出したのがこの薬師の湯で、日本温泉協会が全項目でオール5を付けたほどの最高基準の天然温泉だ。湯は含土類塩泉という種類で、確かに少し塩気がする。免疫力アップの効果があるという。湯は黄土色に濁り、湯船の周りは溶け出した石灰で波打っていた。

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 私たちが泊まった旅館では、割烹店から飛び出してきたような料理が並んでいた。女房は大喜びだったが、私のような男はお袋の味の方がいい。小芋の煮っ転がし、地元の魚やヒジキの煮物、山菜の胡麻和え・・・。最後にプリンなどのデザートなどが出てくると、うーんとうなってしまう。男のわがままだろう。

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 翌日は石見銀山を見学した。観光客の半分くらいは電動式の自転車をレンタルしていた。これなら楽チンだろうが、われらは健康志向派、歩け、歩けだ。史料によると、銀山で働く人は、鉱毒が原因なのか、30歳くらいまでしか生きられなかったらしい。何事にも光と影があるが、この影の部分は重い。

 2泊3日の温泉めぐりは終わった。温泉博士が最高位に選んだ俵山温泉、銀山の関係者や北前船の船乗りでにぎわった温泉津温泉。どちらも少し時代に置いて行かれた雰囲気があるが、それがまた味わいであり、お湯も風景も心にしみた。もう一度来たいと思った・・・。

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