森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

山陰の名湯を行く・・・水素の湯

 中国地方にある二つの温泉を巡る旅にでかけた。計画は、女房がパソコンの前に何日も座り、電車の時間、バスの時間を組み合わせて作り上げた。ジグソーパズルのような根気のいる作業だ。交通の便の悪い所へ行くので、スケジュールがひとつ狂うと、旅館到着が深夜になることもある。道中、女房に尻をたたかれながら旅をすることになった。

 午前6時過ぎ、JR大津駅を新大阪に向けて出発した。ここで新幹線の「こだま」に乗り換え、広島まで行く。鈍行電車で行けば、時間がかかり過ぎ、ゆったり温泉にも入れない。女房は、「こだま」を1週間前に予約すれば、6割り引きというお得な乗車券を見つけた。これで目的地までの時間を縮めることができる。

 広島駅から先は鈍行電車で、青春18キップの出番だ。広島でアナゴ弁当と幕の内、もちろんビールも買い、のんびりした旅に備えた。電車の左側に瀬戸内海の美しい景色が過ぎて行く。やがて岩国駅に到着、ここで乗り換えてさらに西へ進んだ。昼前になるともう我慢しきれず、弁当を開いた。持参していたマグカップにビールを注ぎ、電車旅の醍醐味を楽しんだ。

 ほろ酔いになった頃、厚狭(あさ)駅に着いた。ここで美弥線に乗り換え、日本海側に向けて北上した。友人がこの冬、ミステリーツワーとい旅行社の企画に参加した。目的地を知らされずに旅を続けるもので、どこへ行くか分からないわくわく感が売りだそうだ。これに倣って、このブログでもぎりぎりまで温泉地を書かない。もったいぶっているわけではなく、興味を持ってもらおうという健気な趣向である。

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 さて、これから向かう温泉地とは・・・。

 ヒントの一つ目は「水素」である。水素は原子番号が1番で、もっとも小さく、軽い原子である。だから体によく浸透する。最近「水素水」を謳う商品が流行しており、肌に良いとか復元力に優れているというのが宣伝文句だ。このように、ここの温泉はまれにみる高濃度水素で、効能は著しいと聞く。

 二つ目のヒントは、安保法を「戦争法」と言い換える人たちが行きたがらない温泉だ。昭和の妖怪と呼ばれた岸信介は、戦犯で収容されていた巣鴨プリズンから釈放された後、この温泉で1年ほど療養生活を送っていた。その後総理になって日米安保条約を結んだ。その孫である安倍晋三総理もまた、昨年、新しい安保法を制定した。安倍さんもこの温泉をこよなく愛し、テレビ出演までしたほどだ。

 電車はひなびた農村の中を走り、厚狭駅から1時間ほどで長門湯本駅に着いた。駅の近くにある湯本温泉は有名だが、残念ながらここではない。半時間ほど待つと、バスが来た。われら夫婦と地元の婆さんを乗せ、峠を越え、山あいの道を走ること半時間、ようやく目的地に到着した。その名は「俵山温泉」。高層のホテルなど1軒もなく、昭和が色濃く残る温泉街である。

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        ↓ 時間通り乗り合いバスが来た
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 ここに、全国温泉番付がある。これを作ったのは全国2500の湯を渡り歩いた評論家の松田忠徳さんだ。その西の横綱が、何を隠そう「俵山温泉」なのだ。よくあるご当地温泉のランク付けではなく、ちゃんとした学術的なものだそうだ。ちなみに東の横綱は、山形県月山に近い肘折温泉である。7年前に行ったことがあるが、お湯の良さはもちろん、山菜の朝市が印象的だった。

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 俵山温泉は、療養泉として古くから親しまれてきた。泉源を保護するため湯を二つの共同浴場に集中させており、湯治客や地元の人はここに通うらしい。共同浴場は「白猿の湯」と「町の湯」があり、われらはまず、下駄をカランコロンと響かせ、白猿の湯に行った。無色透明で、少しぬるめ。肌にまとわりつくような湯だった。

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 ここの真打ちは、何と言っても「町の湯」である。夕食後と翌朝の2回、お湯を堪能した。ここも無色透明。地下深くから自然に湧き出す湯を直接入れ、掛け流しにしている。湯は高濃度の水素水で、体にじわり浸透する。夫の手を借りて入浴していたリウマチ患者は、10日ほどすると自力で入浴したという。伝説ではなく、実話だそうだ。

     ↓ ここの「町の湯」が俵山温泉の真打ち
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 私事で恐縮だが、私の母はリウマチだった。毎日、「痛い」「死にたい」と泣いていた。もっと早く俵山温泉を知っていたら、ひと月でも、1年でも湯治をさせてやりたかった。湯につかりながら、そんなことを思った・・・。

                                                             (次回に続く)

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