イサギ空振り・・・でも美味の海緋鯉

 5月末から6月初めは、二十四節気の小満で、その末候は「麦秋至る」とある。麦秋は麦が実る季節だが、この時期に獲れる麦藁イサギは産卵を前にたっぷり脂肪を蓄えていて、実においしい。皮を軽く炙って刺身にすると、皮と身の間にある脂肪が沁み出し、一段とうまみが増す。

 10日ほど前、紀伊水道に面する「衣奈」という漁港に立ち寄った。ここの知り合いの漁師は、仲間の漁師から魚を買い取り、生簀で生かしている。その漁師と雑談していると、「どうした訳か、今年はまだイサギが釣れていない」と不思議がっていた。スーパーには刺身がいっぱい並んでいるのに、このあたりの沿岸で釣れないのはなぜだろう。

 しかし5月も末になれば、いくら何でもイサギが釣れるはず。先日、女房と一緒にイサギを狙って由良湾へボート釣りに出かけた。湾を出た所に蟻島という小さな島があり、大雑把に言って、その100m沖と、200m沖の二か所にイサギやアジが釣れるいいポイントがある。

 この日は波が静かで、まずは第一のポイントへ一直線に向かった。私はビシという手釣り、女房は竿を使う。餌はオキアミで、容器にアミエビを入れ、海底近くまで落とし、糸をしゃくってアミエビを少しずつ出して魚を寄せる。

 しばらくすると、糸をかけている人差し指にクイッという当たりがあった。糸を引くように合わせを入れると、強い引きが伝わってきた。これはもうイサギに違いない。期待に胸を弾ませながら糸を手繰ったが、浮いてきた魚は大きなカワハギだ。次もまた同じサイズのカワハギが釣れた。カワハギが美味しいのは冬で、この時期、それほど歓迎されない。

 その後は時折、手のひらサイズの小鯛が釣れるが、イサギはさっぱりだ。ここから100mほど沖に移動することにした。そこには漁船3隻が漁をしていたが、アジが釣れるだけでイサギはさっぱりだと言う。知り合いの漁船にロープを繋がせてもらい、ダメモトで釣りを再開した。

 私がアジを4匹、女房がガシラを1匹釣り、そろそろ移動しようと思った矢先、女房が大きな魚を掛けた。竿が折れんばかりに曲がっている。水深40mほどだが、その中ほどまでリールを巻いたところで、針が外れてしまった。逃がした魚は大きいとは言うが、実際大きかった。せめて魚の姿だけでも見たかった。

 ここを見限り、ガシラ釣りをするため湾内に引き返した。するといきなり、ベラの入れ食いだ。赤いベラ、緑色のベラ・・・。中には25センチ以上の大型も釣れる。ベラと言って馬鹿にする人もいるが、私たちは躊躇なく持ち帰る。特に、から揚げにして甘酢をかけて食べれば実に美味しいのだ。

 午前10時ごろ、女房がまた大きく竿を曲げた。先ほどのように大きくはないが、そこそこの型のようだ。海中をのぞくと、まるで緋鯉のような赤い魚が見えた。体長30センチ以上もある「海緋鯉」という魚である。これが釣れるのは珍しく、これまで3匹しか釣ったことがない。アゴの所に白い二本のヒゲが生えており、愛嬌のある魚である。

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 関東から沖縄の沿岸で釣れるらしく、とくに関東では高値で売られているという。味は季節を通して味が落ちず、皮は厚く、独特の風味がある。透明感のある白身でクセがなく、ネットには「刺身、煮魚、ポアレ」のどれも良しと書いてあった。

 結局、狙いのイサギは1匹も釣れなかったが、カワハギ、アジ、ベラ、ガシラなど30匹近く釣れた。海緋鯉は三枚に下ろし、皮を炙って氷水に浸した。すると、水の表面には濃厚な脂が浮いた。これを刺身にしたが、これはもう絶品である。イサギには悪いが、こちらが一段上だった・・・。

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