森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

南米ペルーを行く・・・インカ帝国の首都クスコ

 「♪コンドルが飛んで行く」・・・。これは、南米アンデスを代表するなじみの曲だ。1970年代、サイモン&ガーファンクルが歌っていたのを覚えている。曲が流れると、アンデスの大空を飛ぶコンドルの雄姿が目に浮かんだ。

 今回のペルー旅行は、そんなアンデスの世界を見てみたいと思い、不相応の大枚をはたいてツァーに参加したのだ。ナスカの地上絵を飛行機から見物した翌日、いよいよ、アンデスの核心部、つまりインカ帝国の首都として栄えたクスコへ行く。午前8時過ぎ、リマ空港からラタム航空に搭乗した。

 クスコまでは1時間半ほどの飛行だ。離陸からほどなく、湖が点在する山岳地帯の上空にさしかかった。やがて、頂上に雪を頂いた高峰の上を通過、遠くには白い山脈が横たわっていた。これがアンデス山脈か・・・。山好きの私は窓際に座る女房に席を替わってもらい、子供のように見入った。

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 飛行機は、クスコ郊外の空港に着陸した。小高い丘の斜面に民家がへばりつくように建っている。空港は意外にも近代的な建物で、ロビーの壁には、金色のレリーフが掲げられていた。インカは太陽神をあがめ、黄金に彩られた帝国だったが、レリーフはこの二つを象徴的に表現したものだろう。

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 クスコの標高は3400メートル。富士山に比べて少し低いだけだ。旅行社の添乗員は「クスコではゆっくり行動してください。決して走らないでください。深呼吸してください」としつこく注意していた。もちろん、高山病を予防するためだ。

 バスで市の中心部に向かったが、若い女性二人は早くも顔面蒼白になっていた。多くの人が大なり小なり、ふらつき、めまい、むかつきなどの高山病の症状に悩まされていたようだ。女房も食欲がなくなり、私も少し体がふらついた。登山のようにゆっくり登れば高山病になりにくいが、いきなり富士山の山頂に立ったようなものだから、体が高度に順応できない。

 クスコの街は、まるごと世界遺産だ。カミソリの刃一枚入らない美しく精巧なインカの石組み。その上に建てられたスペイン風の建築物。それらが独特の雰囲気を漂わせていた。その代表的なサントドミンゴ教会をめざして、坂道をゆっくり歩いた。その途中に赤い美しい花が咲いていた。ガイドからカンツータという名前の「ペルーの国花」と教えてもらった。

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 インカ帝国は1532年、スペイン人によって滅ぼされた。サントドミンゴ教会は、インカの「太陽の神殿」を破壊した跡に建てられたという。征服者たちは神殿に入ると、黄金で覆われた太陽の祭壇に目を奪われただろう。壁には金の延べ板がぶら下がり、金の人の彫像もあった伝えられている。

 征服者は、クスコのありとあらゆる場所から黄金の美術品を略奪した。しかも、美術品への敬意もなく、それらの黄金を無残に溶かし、インゴットにしてスペイン本国に持ち帰った。黄金の量は余りにも膨大で、一気にヨーロッパに流れ込んだため、インフレになったという記録が残っているそうだ。スペイン人は、インカの骨の髄までしゃぶり尽くしたのだ。

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 市街を歩くと、あちこちにインカの石組みが見られる。石と石をどのようにして隙間なく組み上げることが出来たのだろう。インカは文字を持たない珍しい文明だから、その技法は記録されておらず、謎のままだ。しかも、鉄を作る技術がなかったため、鉄器は存在しなかった。硬い石をどのように切り出し、加工したのかも分からない。

 石には、正確な丸い穴も開けられていた。そして、窓のような石組みはすべて台形になっていた。ペルーは地震が多く、台形は力学的にも地震に強い構造なのだ。恐るべき技術と知恵が随所に見られた。

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 宗教美術館の石組みに、有名な「12角の石」があった。おびただしい石が積まれているから、ガイドに教えてもらわなければ見つからない。数えてみると、確かに12角あった。なぜ、わざわざ複雑に加工したのだろう。王の一族12人を象徴したという説、1年12か月を表したという説などがあるらしいが、いずれにしてもインカが放った思わせぶりなメッセージである。

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 街を歩いていると、アルパカを連れた先住民インディオらしきおばさんがいた。アルパカと言えばペルーで最も有名な家畜である。写真に撮りたいと思うのが観光客の人情で、1ソル(35円)払えば写真を撮らせてくれる。日がなここに座っているらしく、なかなかいい商売だ。

 アルパカはラクダの一種で、毛は高級な織物になる。実は、クスコ入りする前、リマの空港で私と女房のセーターを買った。カードで支払おうとしたが、女房はカードの暗証番号を登録するのを忘れ、持ち金のドルをはたいてしまった。ペルーでは円をドルに両替してくれる所はなく、帰国するまで土産代にも事欠く始末だった。

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 クスコをもっと見学したかったが、翌日はマチピチュに行くので、その玄関口ともいえるオリャンタイタンボ駅までバスで移動しなければならない。クスコの近くからマチピチュ駅まで鉄道が敷かれており、オ駅はその中間にあり、運行便数が多い。

 バスはアンデス山脈の2000mを超える山ろくを走った。車窓からは、美しい山々が見え、アンデスの人々の生活の匂いが伝わってきた。約2時間の最も素晴らしいバスの旅だった。

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 夕方、オリャンタイタンボ駅に着いた。ものすごい観光客の数にびっくりした。マチピチュへは入場制限があり、1日4000人だとの説明を受けた。それくらいの数なら、日常的な光景なのだろう。

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 マチピチュ駅に着くと、坂道を下ってホテルに向かった。道の両脇はおろか、路地にまで土産物店がぎっしり立ち並び、これだけの店の数で商売がやっていけるのか、余計なお世話だが心配になった。私たち宿泊したホテルは、ガラス張りのおしゃれな建物だった。アンデスの山村には、しっくりこないと思った・・・。

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                                                   (続く)
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   12:54 | Comment:3 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 May [URL] #mQop/nM.
インカ帝国の謎・・何十トンもある石をどうやって運んだのかとか、農耕技術が発達するずっと前に、そんな素晴らしい建築技術を持っていたとか・・いろいろと気になります。

アンデスのバスの旅は、本当に人生のうちで何度も体験することがないものだと思います。すごい。
(かと言って、行きたいかというとまだ腰が引けるのですが、遠いですもんね!)

女性たちの服装は色鮮やかですね。
お求めになったセーターはアルパカのもので、暖かいのでしょうか。

なにせ、一生行くかどうか分からないところの写真を見ながら、すごいすごい、と思っています。
本当によく行かれました!
 2016.09.18 (日) 19:04 [Edit]
  [URL] #-
    May さんへ

 エジプトのピラミッドの積み方が分かっていますが、インカの石はもう謎だらけですね。
しかも、多くて1000人くらいしか住んでいなかったと言いますから、人海戦術といっても限界があると思うのですが・・・。
 アルパカのセーター買いましたよ。ベビーアルパカと書いてありました。
軽くて暖かそうです。
自分たちの土産はこれだけです。
 腰を引かず、May さんもぜひ行って下さい。
日本からより、うんと近いのですから・・・。
 2016.09.21 (水) 18:34 [Edit]
 May [URL] #mQop/nM.
日本からより、うんと近い?・・と思って地図を見ましたら、あまり変わらないようでした。
飛行機は、と見たら一番乗り継ぎのよいもので21時間でした。
復路は2箇所乗り継ぎで計40時間とか・・・やっぱりダメです~~
しかも・・・飛行機代は格安で一人往復40万円とかでした。撃沈(笑)
NZからペルーに行く人は恐らくいないのでしょうね。

ヨーロッパには絶対にもう一度行きたいと願っているので、もし行けたら、それを記事にしたいと思います・・。
 2016.09.22 (木) 05:48 [Edit]






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