アサギマダラが集う楽園にしたい・・・

 あの時は、居間からぼんやりデッキの向こうの森を眺めていた。すると、視線の片隅を茶色っぽい蝶が横切ったように思えた。思わず女房に「来たぞ」と叫んだ。女房は「何よ、突然」と気のない返事をし、畑で収穫したラッキョの蔕(へた)を切っていた。

 蝶は、あの美しいアサギマダラに見えたのだ。すぐにデッキに出てみたが、姿はなかった。山小屋の裏手に回って探したが、見つからなかった。ここには様々な蝶が飛んでいるが、このような茶色がかった蝶はアサギマダラに違いないと思った。

 ただ、アサギマダラがここ生石高原に姿を現すのは、少し早いように思う。例年、真夏のころから10月ごろにかけてよく見かけるのだが、ちなみに去年のブログを見ると、8月10日に目撃した時のことを書き、10月6日には女房が蝶の羽に捕まえた日時と場所を記す、いわゆるマーキングしたことを書いている。

         ↓ 昨年8月、わが家に飛来したアサギマダラ
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 もしあの蝶がアサギマダラでないとしたら、早く来て欲しいという深層心理が働いて幻を見たのかもしれない。この時期になると、屋外に出ればあたりを見回し、アサギマダラが飛んでいないか確かめるのが習慣になっている。飛来を待ちわびているのだ。

 アサギマダラは、最大2000㌔も移動する「旅する蝶」だ。南は台湾、北は北海道で姿が確認されており、暖かい九州や南西諸島などで冬を過ごし、その後、本州の涼しい山地などに移動するらしい。寿命は4、5か月ほどで、旅を続けながら子孫を遺すのだ。近年、蝶を捕まえてマーキングする人が増え、生態が明らかになりつつあるという。

 一昨年秋、あるNHKのドキュメント番組を見た。熊野古道の伊勢路に暮らす79歳と76歳(当時)の老夫婦は、鍬を振るい、草を刈り、すたれてしまった古道を復活させたのだ。頭の下がる奉仕作業である。

 老夫婦は、昔からこの地に美しい蝶が飛んで来るのを知っていた。それがアサギマダラだった。たくさんこの蝶に来てもらいたいと願い、自宅の畑にアサギマダラが好むフジバカマの苗を3本買ってきて植えた。2014年は「30匹ほどが飛んで来た」とうれしそうに話した夫婦の笑顔が実に素晴らしかった。

 昨年夏に岐阜県へ旅行した時、山の原野にフジバカマが群生しているのを見つけた。少々後ろめたい気持ちもあったが、フジバカマを3株ほど引っこ抜いて持ち帰った。あの老夫婦のように、私たちも生石高原の山小屋にフジバカマを植え、アサギマダラの楽園にしたいと思ったのだ。

 根付くかどうか心配したが、今春、三つの株から無事小さな芽が出てきた。毎日のように生育状況を観察するのが楽しみになった。そして1週間ほど前、ひと株から花芽が出た。薄紫の花が咲けば、アサギマダラが蜜を吸いに集まるかもしれない。

 実は以前、大津の自宅の庭にフジバカマを植えていたが、余りにも繁殖力が強いので、女房が全部刈り取ってしまった。山小屋にはまだ3株しかないが、この経験に照らせばみるみる増えるはずだ。アサギマダラの楽園を想像しながら、飛来を待っている・・・。

   ↓ 京かのこの花の向こうにあるのがフジバカマ
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    ↓ フジバカマに花芽が出た
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コメント

こんにちは。
生石ではアザミの花に寄って来るアサギマダラが多いですね。うちの家の前でも、9月になるとよく見かけます。アザミを集めて植えられてはいかがですか?
和泉葛城山の北斜面では、秋になるとフジバカマに数十匹が群がる姿を見ることができます。
ひまじんさんのお宅と前の道路の間の斜面に、蕎麦を栽培されると良いですよ。
山で蕎麦が食べたいなあ〜^_^

    Ted さんへ

 アザミを植えたいのですが、子供の頃、アザミは蛇の花と教わり、以来、どうも余り好きではありません。
せいぜい、フジバカマを増やすようにします。
 わが家の山の斜面に蕎麦ですか・・・。
さぞや美しい花が咲いていいかもしれませんね。
そして、蕎麦の実を収穫できればいいでしょうが、何か面倒な気もします。
蕎麦打ちは少し腕を上げていますので、どうぞ、賞味して下さい。
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