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家宝の軸を掛ける

   明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 新年を迎え、戌年にふさわしい一幅の軸を掛けた。「初笑」の 墨書に、子犬が描かれている。この掛け軸は24年前の戌の年に、表千家の千宗左・十四代家元から戴いたものだ。家元直筆の掛け軸は、わが家の家宝である。

IMG_0040.jpg

 このように書くと、家元と懇意のように思われるが、そうではない。実は、表千家、裏千家、武者小路千家の茶道三千家はそれぞれ、新春恒例の行事として政財界などの有力者を招いて初釜を催すのだが、私はわが社の社長の代理、そのまた代理の代理として末席にかしこまったのだ。

 初釜では、表千家の由緒ある茶室で、家元が点(た)てた濃茶を約20人ほどの参加者が回していただく。茶碗はどんぶり鉢ほどの大きさで、結構重い。作法はそれほど難しいものではないが、恥をかかないよう知り合いから手ほどきを受けて本番に臨んだ。余談だが、濃茶をいただくと口の周りがべっとりと緑色になり、拭き取らないと失笑を買う。

 これが終わると別室に移り、お屠蘇をいただきながら抽選会が行われる。私が引いたくじは三等賞だった。その景品として頂いたのが家元直筆の掛け軸で、桐の箱には花押が記されていた。

 下衆な話だが、花押は鑑定書のようなもので、これを書いてもらうのには結構な謝礼が必要である。もし金に困ったわが子孫が、掛け軸を「なんでも鑑定団」に出して売り飛ばすようなことがあっても、花押を記した箱書きがあるのでしかるべき値段が付くだろう。

 余談をもう一つ。同じ24年前、初釜の先陣をきって行われた裏千家の初釜のことである。表千家と同じように、お屠蘇の後に抽選会があり、三宝から最後に残った一枚を引いた私は、一等賞の幸運に恵まれた。残り物に福があったのだ。景品は、唐津焼14代中里太郎右衛門の抹茶茶碗だった。

 裏千家の人から「これを売るようなことをしてはいけません。出所が分かるようになっています」と慇懃(いんぎん)にクギを刺された。それにしてもこの年の初釜で、1等と3等をゲットする幸運に恵まれた。この時、私の人生の幸運をすべて使い果たしたのか、その後、特別いいことはない。

 あれから24年、もうそろそろ幸運がやって来てもいい頃である。平成30年はいい年になるだろうか。そんな願いを込めて、「初笑」の掛け軸を見つめている・・・。
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