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東シナ海・・・深海の攻防 森に暮らすひまじん
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 私のボート釣りのホームグラウンドは、紀伊水道に面する由良湾である。この湾の奥には、海上自衛隊の由良分屯基地が置かれており、しばしば潜水艦が停泊している。(写真は釣りの時に撮った由良湾の潜水艦)

 潜水艦は神戸の造船所で建造されており、ほぼ完成すると由良湾に来て、朝になると紀伊水道に出て様々な試験を行っているようだ。海上自衛隊は潜水艦を16隻から22隻態勢に増強しつつあり、由良湾で最新鋭の姿を見ることが出来る。

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 米ソ冷戦時代を描いたトム・クランシーの小説「レッド・オクトーバーを追え」や、吉村昭の「深海の使者」など潜水艦を題材にした本を何冊か読んだことがあり、軍事オタクではないが、謎と戦略性に満ちた潜水艦は好奇心をくすぐる。

 釣りに行って潜水艦を見つけると、ボートを近付けて見物したり、併走したりすることもある。併走するといっても、潜水艦は速いのですぐに追い抜かれる。建造中の潜水艦は「そうりゅう型」という最新鋭で、特殊なエンジンを積んでいるので3週間以上も潜ったまま航行できるが、詳しいことは分からない。潜水艦は秘密の塊なのだ。

 先日、中国の艦船と潜水艦が東シナ海の日本領海に近い接続水域を航行した。中国は領土への野心から、尖閣を中国の領土と主張し、艦船や海警局の公船を派遣して日本にちょっかいをかけてくる。

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 新聞報道によると、海上自衛隊は二日くらい前からこの動きをキャッチし、追尾していた。潜水艦は潜没航行していたが、さる12日、公海上で突如浮上し、中国国旗を掲げたという。マスコミの大方の見方は、浮上したのは日本に対する威嚇だとしている。

 しかし、ミステリー好きの私の読みは違う。中国潜水艦は、日本の艦船や哨戒機、あるいは潜水艦にしつこく付きまとわれ、音波を照射され続けて根を上げたのではないかと睨んでいる。海中での音波はブザーのようにうるさく、しかも魚雷で攻撃するため音波を照射することもあるので、乗組員は恐怖を感じるはずだ。

 潜水艦の本領は、隠密行動にある。浮上して日本を威嚇するなんて笑止であり、姿を現すのは白旗を掲げるに等しい。どこまでも潜行して行動を謎にしておくのが最良なのだ。

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 それにしても、海上自衛隊は中国の潜水艦をよく見つけたものだと思う。日本の探知能力は、ソ連の潜水艦と対峙していた冷戦期に鍛えられ、その能力は世界トップクラスと言われる。自衛隊は2日前から追尾を始めたと言っているが、実際はもっと以前にキャッチしていた可能性が強いと思う。

 普通は探知しても、その能力をさらすことになるので詳しく発表しないが、今回は航跡図まで示して明らかにした。中国潜水艦の動向はいつも監視していますよというシグナルだろう。近隣国の潜水艦については、スクリュー音などの特徴がデータベース化されており、浮上して国旗を掲げなくても、詳しく把握していたはずだ。

 一連の報道の中で、海上自衛隊の潜水艦については一切触れられていない。しかしまず間違いなく、自衛隊の潜水艦が追尾していたはずだ。そして今も、再び潜行した中国潜水艦をとことん追い続け、東シナ海の深海で聞き耳を立てているだろう。 
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