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停電、断水、倒木・・・台風21号

 やっと停電が復旧した。台風21号で停電になって以来1週間ぶりだ。ここ生石高原で暮らす仲間から、避難していた大津の自宅に復旧の朗報が入り、急いで高原に上がって来た。これでパソコンが使えるようになり、こうしてブログを更新している。

 2週間近くブログを休んでいたが、私たちを心配してくれた友人や知人から多数の安否確認の電話とかメールを頂いた。お陰様で、家内が屋根から転落したくらいで大したことはなかった。この場を借りてひと言、お礼を・・・。

 今回の台風は、北海道地震の陰に隠れてしまい、それほど詳しく報道されなかったのが無念だった。被害は地震ほどではなかったとはいえ、それでも関西の停電や高潮の被害は甚大だった。特に和歌山の山間部を中心に今なお停電が続いており、僻地で暮らす高齢者など「災害弱者」を直撃している。

 誤解を恐れずに書けば、テレビメディアにとって地震の映像は被害の大きさを如実に切り取れるのに対し、停電による暗闇の生活などは絵になりにくい。だから台風被害は脇に押しやられ、停電がどこで発生し、いつごろ復旧するのかといった情報はほとんど伝えられなかった。メディアの社会的使命について考えてもらいたいと、つくづく思う。

       *        *      *      *

 さて、時計を巻き戻す。9月4日朝、わが家から見渡す紀淡海峡は実に穏やかだった。和歌の浦あたりに鮮やかな虹がかかり、わが家のデッキにはヒマワリの種をついばむヤマガラが多数飛来した。これが嵐の前の静けさなのだろうか。しかし、足の速い台風は確実に海峡の西を北上していた。

 風はあっという間に襲ってきた。午前10時ごろから次第に風が強くなり、わが家の南側にある杉林からちぎれた枝や葉っぱが空を舞った。たちまちデッキは葉で覆われ、雨も横殴りになってきた。しばらくすると、電気が消えた。10日ほど前の台風20号の時は15時間ほど停電したが、今回も同じくらいの停電は覚悟しなければならないだろう。

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 携帯ラジオの台風情報に耳を傾け続けた。それによると、正午前の今頃、台風の目は紀伊水道に達しているはずだ。葉がこすれ合い、木々がギーギーと不気味な音を立てていた。南に面している玄関は強風をまともに受け、外に出るのは危険だ。家内と一緒にロフトに上がり、窓から森を見た。

 木が弓なりになり、今にも倒れそうだ。相変わらず葉がちぎれ、空を舞っていた。すると、家がグラッと動いた。一瞬、家が持ち上げられたような感じだった。風で音がかき消され、風以外の音は聞こえなかった。「今のなんやろ?」と家内と顔を見合わせた。

 ともかく、こんな強烈な台風は初めてだ。雨戸を閉め切り、外の音を聞きながら耐えるしかなかった。午後4時ごろ、やっと風が弱まってきたので様子を見るため外に出ると、息を飲んだ。裏の杉林の大木が山小屋の屋根に倒れかかっていたのだ。家がグラッとしたのは、木がのしかかったからだろう。

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 カッパを着込んで外に出た。倒れた木は直径30㎝を超す大木だ。これ以上木が屋根にのしかかっては壊滅的だ。長い脚立を木の下に差し入れ、もっと倒れるのを防ぐことにした。効果はないかもしれないが、それくらいの知恵しか浮かばなかった。杉林では10本以上が倒れたり、途中から折れていた。

 そして、長い夜が来た。ロウソクと登山用のヘッドランプだけが頼りだ。停電のため冷蔵庫の中の食料を食べ切らなければならない。贅沢だが、2回分の肉を囲炉裏で焼くことにした。こんな緊急時なのに、肉がまことに美味しかった。何か、後ろめたい気分だった。酒を飲み、早めに床に就いた。

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 翌日は、屋根に倒れた木を取り除く作業だ。長い梯子を屋根に差し掛け、チェンソーで木の先から細切れに切っていくしかない。すると、奇跡というか、屋根に損傷が見られない。密集した枝がクッションになったのだろう。長さ20~30㎝ずつ切り落とし、1時間ほどで屋根に掛かっている部分を取り除いた。

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 一段落したので、家内が屋根の枝や葉を取り除くため、梯子を上った。私が下から梯子の根元を押さえていたが、コンクリートブロックの上に置いていた梯子の足がずれ、家内が屋根から落ちた。私は身を挺して家内を受け止めようと、飛び込んで腹ばいになり、カエルのような格好になった。

 わが家では、軒下のもう一段下に長さ3mほどの波板を張り、冷凍庫や洗濯場の空間を設けている。家内は屋根をずり落ち、1m余り下の波板の上に落ちたのだ。ここで止まったからいいものの、下まで落ちておれば、家内はもちろん、勇敢にも飛び込んだ私も負傷していたかもしれない。家内の体重で波板に穴が開いたが、不幸中の幸いだった。

 次の日、情報を集めると、高原のふもとの集落など和歌山の中山間地では各所で電柱がバタバタと倒れ、停電の回復はかなり先になるとのことだった。停電が続けば、湧き水をポンプアップしている水道は断水、もはやここでで暮らすのは困難だ。幸い大津に自宅があるので、やむなく山を下りることにした。

 その際、私たちが暮らす森を見て回った。そこには、目を覆うばかりの光景が広がっていた。あちこちで木が倒れ、へし折られ、道路を塞いでいた。電柱からは、電線や電話線が垂れ下がり、復旧の困難さをうかがわせた。山を下りる決断は致し方なかった・・・。

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      ↓ どこからかコンテナが飛んできた
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コメント

No title

不幸中の幸い、ひまじんさんも奥様もご無事で本当に良かったです。
この度の台風は凄かったですね。
娘たちの家は大丈夫のようでしたが、ご近所では壊れた家もあったそうな。
マンションなどでは停電で水が出ないと報道されていました。
ライフラインが途切れると本当に困りますね。
関空も連絡橋が壊れ復旧に時間がかかりそう。
北海道の地震もかなり大きかったですが、今年の関西は6月の地震を始め、洪水に加え猛暑、台風と大変なことになっていますね。
自然災害に対する暮らし方を考えさせられます。

大木の下になった山小屋も奇跡的に無事で良かったです。

No title

   Mayさんへ

 ご心配していただき、有難うございます。
おっしゃる通り、自然災害に備えた暮らし方を考えなければなりませんね。
ここでは停電が時折起きるので、自家発電機を買おうかとも思いましたが、20万円ほどもするので、諦めました。
生石高原で暮らす仲間の何人もが自家発電機を持っています。でも、停電になれば湧き水をポンプアップするモーターが使えません。
 電気なし、水なしの生活に耐えられず、自宅に逃げ出したのですが、避難先を持っているのですから、文句を言えば本当の被災者にしかられそうです。

No title

大木がのしかかっている画像は恐怖を感じます。本当に大事がなかってよかったですね。
奥様もお怪我がなくてさいわいでした。

海も山も優しさと厳しさを併せ持っているということを思い知らされますが、これが自然というものなんですよね。きっと。

我が家も丸1日停電をしていましたが、ポケットラジオからは何の情報も得られませんでした。和歌山のAMラジオ局からは全国放送のネット番組しか流れず、こんな時はやっぱり地元の状況をできるだけ知りたいと思いました。

No title

   イレグイ号さんへ

 その節は見舞いの電話をいただき、有難うございました。
 愛艇に大きな被害がなくて良かったですね。
 さぞやこれから、太刀魚釣りなどに活躍するでしょう。
 生石高原に山小屋を建てて30年近くになりますが、屋根に木が倒れかかったのは初めてです。
 それほど風がきつかったのでしょう。

No title

屋根から落ちた奥さんに、御怪我がなく良かったですね。

それにしても、今度の台風は凄かったです。煙樹ケ浜の松林も倒木と折れた枝で、そちらと同じような様相でした。

幸いに我が家は大した被害がなかったが、庭の木が塩害で葉っぱが殆んど落ちてしまいました。

そして、畑のビニールハウスの一面が倒れ、修復中です。

焦っても仕方がないので、ボチボチやる事にしています。

No title

   ハカマ さんへ

 本当に台風は凄かったですね。
松の木は折れやすいのでしょうか。
煙樹ケ浜は広いので、被害も大きかったでしょうね。
しかも、塩害。木を枯らしてしまうのでしょうか。
ハカマさんが丹精込めて育てている蘭は被害がありませんでしたか?
 わが家も後片付けが終わっていません。天候がぐずつくようなので、困っています。

No title

お気遣いありがとうございます。
幸い、蘭舎は全く被害を受けなくて済みました。

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