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33年ぶりの開帳に違和感・・・櫟野寺

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 甲賀忍者の里に近い天台宗「櫟野寺(らくやじ)」を訪ねた。同寺の本尊で秘仏とされている「十一面観音座像」(重文)が、10月6日から12月9日まで、33年ぶりに開帳されているからだ。

 同寺のホームページには、「大開帳は、あなたの生涯で一度、もしくは二度巡り合えるかどうかの勝縁(ご縁)であります」と書かれていた。とすれば、次の開帳は33年後だから、私の場合は不老長寿の薬でも発明されない限り、これが見納めになると思い、和歌山から滋賀に足を運んだ。

 櫟野寺は三重県に近い田園地帯にあり、ここからは近くの油日神社のご神体・ 油日岳(694m)が見える。白洲次郎の奥さんで、エッセイストの白洲正子が生前、この地を隠れ里と呼んでこよなく愛した。「油日」という地名はどこかミステリアスで、霊気のようなものも感じられる。

 この本尊は平安時代の作で、高さが312センチ。十一面観音の座像としては日本最大である。像の前に立つと、まずはその大きさ、どっしりとした重量感に圧倒される。ふくよかな顔立ちは慈悲深く、伏し目がちに人々を見つめている。金箔は今なお鮮やかで、10体の頂上仏は輝きを失っていない。

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 さて、ここまで書いて一服し、インターネットで「滋賀の観光情報」というサイトを開いてみた。目を通してみると、一気に体の力が抜けた。それによると、今回は33年に一度の開帳を「大開帳」と呼び、これとは別に、毎年春と秋に1週間程度の「特別開帳」を実施しているとのことだ。えっ、何だこれは・・・。

 それなら、ホームページに「一生に一度か二度のご縁」と書かれていたのは、明らかに間違いだ。拝観したければ、春と秋の特別開帳の期間に来ればいいのだ。「大開帳」と「特別開帳」という言葉を使い分けるのは、正直でないし、胡散臭さもある。

 拝観した当日、住職らしき僧侶は次のように説明していた。「33年といういのは仏教で大事な数字です。三十三間堂に三十三回忌、三十三か所巡りもそうです。33年に一度の開帳もそういうことなのです」・・・。こう言って33年ぶりを強調すれば、多くの人が滅多に巡り合えない開帳と思うはずだ。

 私はこのブログの冒頭で、「不老長寿の薬でも発明されない限り、これが見納めになる」と書いたが、今はそれがひどく恥ずかしい。よく調べて行けと言われれば、それはそうかもしれないが、寺で会った神奈川県から来たという夫婦も「これが最後の機会と思い、来ました」と話していた。そういう参拝者も多いはずだ。

 十一面観音の拝観を趣味としている私は、秘仏ということにそれほど無知ではない。毎年定期的に開帳している秘仏もあれば、数年から数十年に一度開帳されるケースもある。私の家の近くの園城寺の弥勒菩薩像は一度も公開されていない絶対秘仏であり、非公開の仏像はこの他にも数多くある。その代わりとして、お前立ち像が厨子の前に安置されている。

 それにしても後味の悪い参拝だった。もちろん、本尊の十一面観音が悪い訳ではなく、拝観するだけの価値はあると思う。寺の対応にいびつさを感じたまでだ。何事も擬人化して書くのは好きではないが、ご本尊様は私の本意を理解してくれるだろうか・・・。
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