【夫の日記】 山を下りて師匠を見舞う

  和歌山の山小屋から滋賀の自宅に帰ってきた。ゴルフを始めた時からの師匠の病気を見舞うためだ。内臓の病気で手術をして成功したが、74歳という高齢でもあり、術後は少し手間取っている。
 師匠は健康のためなら何でもやるという人だ。ビワの葉が良いと聞けば、すぐ葉を手に入れる。ヨーグルトも毎日食べる。知っているだけでも何十種類という漢方を試されている。皮肉にも、これだけ健康に気をつけていた人が病気になってしまった。
 それも、病気が分かったのは偶然だった。自宅の近くに知り合いがクリニックを開業したので、念のため検査を受け、病巣が見つかったのだ。自覚症状も外見的な異常も何一つなかった。虫の知らせとはこのことだろうか。
 師匠は手術の前、「手術をしないでこれから生きられる年数と、メスを入れるデメリットを天秤にかけて、考えてしまう」と話していた。なるほどと思う。やはり、手術への不安が頭から離れなかったのだろう。
 ガンなどの内臓の病気や血管の病気は、早期発見、早期治療が基本だろう。早期発見で命拾いした人は数知れない。医療機器も日進月歩の昨今だ。最新機器を備えた人間ドッグも繁盛している。
 しかし、慶応大学の医師だったか、人間ドッグに疑義を投げかける雑誌の記事を読んだことがある。もう前の話だから、全部忘れてしまったが、人間ドッグは万能ではないし、過信してはいけないという趣旨だったように記憶している。
 勤めていた会社の先輩が、脳ドッグで検査を受け、血管が膨らむ異常が見つかった。間もなく手術を受け、健康になられた。しかし、知り合いの医師から「膨らみの大きさにもよるが、血管が破れる確率はわずか3%しかない」と聞いたことがある。脳ドッグで異常が見つかって落ち込むより、いっそのこと知らない方がいいかもしれないと思ったりする。
 怖がりのひまじんは、病気を宣告されればじたばたするだろう。しかし、心の片隅に「病気は運命だから潔く受け入れよう」という思いもある。その時になれば、そんなきれい事ではすまされないかもしれない。
 師匠のやつれた表情をみて、自身の今の健康に感謝しながら病室を後にした。
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コメント

病も天命です。

先生、やっぱりまだ時間がかかりそうですね。

でもきっと元気になってくださることでしょう。

知らずにつらい思いをしないで済めばいいですけど、ほっておけば、100%死に至る病気です。


早期発見・早期治療が唯一の助かる方法です。

検診受けて下さいね。

「手術をしないでこれから生きられる年数と、メスを入れるデメリットを天秤にかけて、考えてしまう」と私にも話されて、すごく耳に残っています。
私は前者を選びたいのですが(だから検診は受けない)、メスを入れられたからには私の主義主張を翻すくらいお元気になって欲しいです。

健康のありがたみは、病気になってはじめてわかることですからね~。
わしも50年以上お医者さんに看てもらったことがないから・・・ある意味心配でやんすが・・・。

フーム、難しいですね。私は知らぬが花を生きるモットーとしていますが、体調の変調・異変には過敏症です。素人の自分が、彼是と考え悩むのは愚骨頂・エネルギーの浪費と考えて、病院に行って、安心を買って来ます。若い頃、過労で職場で倒れた苦い経験が、好い薬と為っています。肝臓でしたが、無理の利く本調子に為るまで、10年掛かりました。

畳の上で・・・

病気っていうのは本人の自覚でいくらか防止できるものですが、戦後からがらっと変わった食生活で思いもよらぬ病魔に蝕まれていることが多々あるようです。
私が小さい頃、近所の老人達が急変したときは手遅れで、病院に担ぎ込まれてもすぐに亡くなることが多かったようです。
畳の上で寿命を全うしてたわけです。
今は病院でがほとんどだと思いますが、私の母など、畳の上であっという間に亡くなったほうがいいといってます。
寿命が延びるのはいいですが、病院で延命措置を取るというのは患者本人の気持ちしだいということもあり、複雑な気持ちです。
最近、映画の姥捨て山を見たせいか、命について考えてるところでした・・・

まるまるさんへ

 まるまるさんは経験者ですから、師匠の気持ちをよく理解できるでしょうね。師匠は必ず元気になられ、来春にはまたクラブを振っているでしょうね。お互い、回復を祈りたいと思います。

お茶目さんへ

 私もお茶目さんと同じ考えです。でも、師匠の病気を見て、来年は人間ドッグに入ってみようかとも考えています。でも、もし・・・
 この間お会いしたとき、師匠は弱々しい声だったので、心配です。来月、様子見にまた帰ってきます。

釣りじいさんへ

 さすが長寿の家系ですね。50年も医者いらず。羨ましいです。ひまじんなんか、定期的に薬をもらいに医者に行っています。でも、バリバリの健康です。一病息災です。

アガタ・リョウさんへ

 病院で安心を買うのが、一番いいでしょうね。過労による肝臓病とは、仕事がかなりハードだったのですね。いまのスローライフを楽しんで下さい。

dejavuewordsさんへ

 チューブをたこの足のようにぶら下げて、延命治療が施される。だれもが、まっぴらと思うでしょうね。でも、病人はそれらを外す力もありません。家族がそれをやれば、殺人ですからね。医療の発達と本人の意志。難しいですね。
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