森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 雪の小宇宙を楽しむ

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  金曜の夜から降り出した雪は、土曜日もずっと降り続いた。深々と、時には吹雪となって雪の嵩が増していく。きょう日曜日は、小康状態だ。

 小さい頃から雪との生活に縁のなかった女房は、山小屋がすっぽり雪に包囲され、「怖いねえ」と肩をすくめる。一昨日からここに来ている長女は「こんな雪の中、帰れるやろか」と不安そうだ。

 しかし、私は雪が楽しい。楽しくて仕方ない。雪景色が美しいし、世界から音が失われたように、静かだ。

 無性に雪道を歩きたくなる。登山靴をはき、生石高原まで小一時間の散歩を楽しんだ。道には2、3台の車の輪だちがついていた。「バタ、バタッ」と大きな音をたて、キジが長い尾を引きずるようにして、藪から飛び立った。

 高原では枯れススキの穂が、しぶとく横殴りの雪に耐えていた。弘法大師の祠がある笠石も凍りついている。誰もいない高原にたたずみ、煙草を吸いながら雪景色を堪能した。

 私は豪雪地帯に生まれ、育った。だから、雪が降ると童心をくすぐられるのだ。

 今はそれほどでもないが、少年のころは背丈以上に雪が積もった。家の玄関へ入るには、雪の階段を降りなければならなかった。中学校の担任の先生は、屋根雪下ろしをしていて転落死した。それほど深い雪だった。

 小学校へは、雪の上を歩いて登校することもあった。雪の表面が溶け、朝の冷え込みでその表面がカチカチに凍ると、足が沈まず歩くことができるのだ。シャリシャリという音がするので、子供たちは「今日はシャリシャリやなあ」と喜んだものだ。

 夕方になると、子供たちはスキーやソリを手に、集落の長い坂道に集まった。夕方の冷え込みで雪が凍り、よく滑るようになる。代わる代わる坂道を猛スピードで滑り降り、歓声を上げた。

 スキーもソリも手作りである。スキーは青竹を伐ってきて、節を取って板に打ち付ける。先端は竈の火で曲げるのだ。私の父親は不器用だったのか、いい加減な性格だったのか、作ってくれたスキーは性能が悪く、皆に負けてばかりだった。

 あ、そうそう、男物のレインシューズというのもあったなあ。今はもう売られていないだろうから、若い人は知らないと思う。中学生のころまでは長靴で登校したが、高校生になるとレインシューズを買ってもらえた。足首の上まであるハーフシューズで、黒のエナメルが塗られていたのでピカピカ光っていた。 一見革靴のようにも見え、これをはくと大人になったような気分だった。

 このように、降り積もる雪を見ていると、遠い昔のことが次々と去来する。女房たちの不安をよそに、雪の小宇宙を楽しんでいる。

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        ↓ 米びつが空になったので、女房が軽トラでレストハウスへ買いに走る
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Comment
 
 umitomo [URL] #BKdNfE/Q
ひょっとして空を飛べるんじゃないか?と2階建ての屋根から飛び降りて遊んだのが小学校の時でした。胸の辺りまで雪に埋もれて脱出に一苦労。夕方に帰宅する時はズボンは凍ってガチガチ、石炭ストーブで暖まると凍ったズボンから湯気が…。小さい頃を思い出します。
レインシューズって当方の田舎ではハンチョウガって言ってたような気がします。
私にはあたりませんでしたけど(^_^;)
雪は好きですけど雪が多いところでの生活はもう出来ないでしょうね。
雪遊び 2009.01.11 (日) 12:13 [Edit]
 あんこ [URL] #YY3ad/52
一枚目の写真はとても幻想的な写真になっていますね。
オーロラが出てきそうな感じがします。
 2009.01.11 (日) 15:29 [Edit]
 タマモクロス [URL] #-
例年、積雪による生命の危険を感じ滋賀へ戻られてますが、先日のPさんとの薪大作戦で今年は安泰ですか~?

遊びに行こうと思いましたが、この雪ではちょっと無理ですね・・・
無念!
今年はずっと? 2009.01.11 (日) 17:37 [Edit]
 かっちゃん [URL] #-
僕もわくわくするたちです。

僕が子供の頃の昭和40年代頃はここ福島市も雪がもっと降って、雪の生活を子供ながらに楽しんでました。
今じゃ降っても2,3日もすると無くなっちゃいます。
豪雪地の方には申し訳ないですが、もっと降って欲しいなぁ、なんて願ってます。

一番上の写真は、山小屋から見える夜景ですか?
すばらしいですね。
毎日こんな夜景が見れるのは羨ましい。
 2009.01.11 (日) 17:58 [Edit]
 dejavuewords [URL] #hdScUxTA
上2枚の画像は絵を見てるようで、幻想的ですね。

雪深いところの生まれでしたか?
伊吹山の麓とか・・・
暮らし向きは大変でしょうが、普段眼にしない大雪を見ると興奮したり楽しくなることってありますね。
山荘での生活、大いにエンジョイして下さいませ・・・
ご無沙汰してます 2009.01.11 (日) 23:53 [Edit]
 マダム半世紀 [URL] #-
山小屋からの素敵な小宇宙、楽しませて頂きました!左上は遠く、街の明りでしょうか?

子供の頃、カマクラや雪だるまは大変憧れていました♪
2Fまで届く雪の壁、雪合戦。
雪野原につける、自分の足跡。
雪の少ない地方の子供は、皆憧れたのではないかしら?^^

お話で更に、ひまじんさんの子供時代の風景も味あわせて頂きました♪
でも、寒そうですね。お風邪にはどうぞ気をつけて下さいませ。
こんばんわ~ 2009.01.12 (月) 17:49 [Edit]
 つとりん [URL] #-
ご無沙汰しておりました~。遠くに見える都会の明かりがとても幻想的ですね。
子供は過酷な環境にあっても、何かしら楽しみ方を見いだすのですね。
いつまでも童心を忘れずにいたいです。お体にお気をつけて過酷な冬を乗り切ってください。今年もよろしくです!v-22
白銀の世界 2009.01.12 (月) 19:05 [Edit]
写真を拝見していると、若しかしたら、雪は下から吹き上げる箇所が、何箇所か有りますね。未明・夕暮れ・夜の一人ドライブは、お控下さい。まごまごすると、妖麗なる雪女に引きづり込まれてしまいますよ。雪の上高地・白骨・乗鞍線で、そんな錯覚に囚われた経験が有ります。スピード・ブレーキ・軽重量には、暮れぐれもお気を付け下さい。
 2009.01.12 (月) 22:42 [Edit]
 ハカマ [URL] #-
これが和歌山とは思えないような、とてもいい写真ばかりです。
特に一枚目の写真が幻想的です。
写真の腕も上がっていますね。
これが和歌山とは 2009.01.12 (月) 23:28 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 私の田舎には石炭ストーブなく、炭火でした。服から湯気が立つ経験ありますね。でも、子供でしたから、寒い、冷たいということはなかったように思います。
 ハンチョウガですか。多分、同じものでしょうね。umitomoさんは関東以北のお生まれのように感じます。
umitomoさんへ 2009.01.13 (火) 09:31 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 幻想的・・・ありがとうございます。ベランダから見える和歌山市内の夜景です。標高が800メートル余りありますので、よく見えるのです。
あんこさんへ 2009.01.13 (火) 09:47 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 今年の冬は頑張っています。でも、薪が恐ろしいスピードで減っています。少し心細くなっています。
 メバル釣りに行きたいのですが、ずっと荒天で、とても行けません。それに、雪があって山を下りるのにも難儀します。雪が消えたら、ぜひ来て下さい。メバル釣りを教えて下さい。
タマモクロスさんへ 2009.01.13 (火) 09:52 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 そうです。ベランダから見える和歌山市内の夜景です。キラキラと輝き、きれいです。左手に目を移すと紀伊水道と島々が見えます。夕日はこのあたりに落ちます。大きな赤い太陽が息を飲むほで美しいのですよ。高い所に住んでいますので、雪は簡単に消えません。
かっちゃんへ 2009.01.13 (火) 09:56 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ブログにコメントさせていただきましたが、信州の旅はたのしそうでしたね。
 伊吹山、ご存じなんですね。それほど高い山ではありませんが、高山植物がいっぱい自生していて、美しいですね。
dejavuewordsさんへ 2009.01.13 (火) 10:00 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ベランダから見える和歌山市内の明かりです。この景色があるから、世間から隔絶されているとは思えないのです。光の下に人々の営み感じています。
 房総には雪は降らないでしょうね。今年は、山小屋の裏に露天風呂を作ろうと思っています。雪とお風呂を楽しみに来て下さい。風呂には囲いをしておきます。
マダム半世紀さんへ 2009.01.13 (火) 10:08 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 つとりんさんこそ、寒気がするほどのキャンプを敢行されていましたね、コメントしたのですが、操作ミスで届いていなかったみたいです。
 今年もよろしくお願いします。
つとりんさんへ 2009.01.13 (火) 10:11 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 山小屋は標高800メートルの尾根に建っていますので、風の通り道です。おっしゃる通り、雪が降るというより、下から吹き上げてきます。
 確かに夜の雪道は危険ですね。夜はおとなしくしていますよ。ただし、美しい雪女に会えるなら、危険を顧みません。
アガタ・リョウさんへ 2009.01.13 (火) 10:17 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ほとんどの人が、これ和歌山?と思われているでしょう。温暖な土地柄ですからね。
 ハカマさんの所からも想像できないでしょうね。雪は、これからなんですよ。身動きできないかもしれません。ひょっとして、SOSを発するかもしれません。
ハカマさんへ 2009.01.13 (火) 10:20 [Edit]






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