森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 薪ストーブ愛好家の悲喜こもごも

  前回のブログでは、「木の気持ち」が分かったような不遜なことを書いて、少し恥ずかしい思いがしている。そして、その舌の根も乾かないうちに、今回は「薪の富豪」を見せびらかすような記事になってしまう。ご勘弁のほどを・・・。

 年末からこれまでのほぼひと月かけて、雑木林を伐採し、丸太を運び、薪にする作業に没頭してきた。下の写真のように、薪は敷地の道路沿いに積み上げた。大雑把な計算だが、大小合わせるとその数はゆうに1000本を超えているだろう。

 伐採は仲間3人で行い、木は公平に分けたから、他の2人も同じほどの薪を作った。薪の山を前に、3人とも「大富豪だ!」と無邪気に喜んでいる。これで来年は、何とか暖かく冬を越せるだろう。

 山の頂上付近に建つ山小屋はことのほか寒い。薪ストーブの暖房に頼る私たちにとって、薪はとても大切なのだ。備蓄量が多いと自慢になるし、少ないと焦る。そして、薪が少なくなってくると、ストーブに入れる薪を少なめにし、膝小僧を抱える始末なのだ。

 そんな苦労をするくらいなら、石油ストーブにすればいいじゃないかと言う人もいるが、そうではない。薪ストーブは体の芯から温まるし、炎は見ていて飽きない。エコということではなくて、森に住む人間の妙なこだわりなのだ。

 それに、夫婦喧嘩をすれば、私はストーブの前に座って心を静める。酒もうまい。そういう効果もあることを強調しておきたい。

 話は変わるが、昨年夏、会社の役員を最後に退職したご主人が奥さんを連れて私たちが住む森に移住してこられた。「永住します」と覚悟のほどを語っておられたが、昨年末、余りの寒さに震えあがり、娘さんのマンションに帰ってしまった。

 家には立派な最新の薪ストーブが据えられ、敷地の木をたくさん伐採したので、冬を越せるだけの薪の備蓄も十分だった。しかし、標高800メートルの厳しい寒さを甘く見ておられたのだろう。

 ところが昨日、そのご夫婦がひょっこり帰って来られた。そして、わが山小屋前に積まれた薪の山を見て、目がギラリと光った。羨望と焦りが交錯する複雑な表情だった。雑木林の伐採などこれまでの経緯を話すと、他の2人の山小屋にも足を運び、薪の備蓄を見学された。

 そして今日の出来事だ。先日の強風でミズキの大木が倒れ、別荘地内の道路を塞いでしまった。管理会社に頼まれ、このご主人を含む4人がチェンソーで倒木を切り、道端に寄せた。

 雑木を山分けした例のわれら3人が日向ぼっこしながら雑談していると、倒木の現場あたりからチェンソーの音が聞こえてきたのだ。「誰かなあ」と首をかしげたが、見に行くほどのおっちょこちょいではない。

 夕方、あのご夫婦の山小屋前を通りかかると、やはりというか、倒木を細切れにした丸太が積まれていた。ご主人は、3人組の薪を見て、焦ってしまったのだろう。私たちは富豪なので、とやかく言うつもりはないし、痛いほどご主人の気持ちが分かる。確かに今のままでは、来年の冬は越せないだろう。

 これが薪ストーブにこだわる人間の習性なのだ。山暮らしの生態学なのだ。宮沢賢治ではないが、「東ニ倒木ガアレバ伐ツテヤリ 西ニ枯レタ木アレバ行ツテ背負ヒ」・・・。

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Comment
 
 釣りじいさん [URL] #-
ははは、都会人にとっては単なる「木」も、山暮らしの人たちにとっては羨望の的の「お宝」でやんしょうね~。釣り人が釣りにも行かないのに大事に竿のお手入れ。やっぱ、その立場に立ってみないとその価値はわからんでしょうね~。
 2009.02.05 (木) 20:21 [Edit]
 アガタ・リョウ [URL] #-
ヒ~ヒヒヒ、ウ~、フフフ、ククククッ。兄貴、こりぁ、笑いを噛み殺すだけで、腹筋が痛くなります。ハシタナイ舎弟を、どうか勘弁して下さい。
『遣ったねぇ~。兄貴、遣りましたね。お見事。』です。宮沢賢治の有難い出典と云い、見事な薪垣のお写真と云い・・・これぞ、正しく高原(公言)の大富豪の実力であります。
 2009.02.05 (木) 23:01 [Edit]
 kumoki [URL] #-
お家の前にこんな道路があったんですね。てっきりそのまま斜面が続いて、転んだら麓まで落ちてしまうのかと思ってました。^^
それにしてもこの薪、盗まれないんですか? イランなら、二晩明けたら半分になっていることでしょう…。
wow 2009.02.06 (金) 06:59 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 あのですね、お金より大事なんですよ。山の中でお金があっても、何にもなりません。薪があれば、心身ともに暖まるのです。軽トラで山道を走り、関西電力が電線にかかる木を伐り、捨ててあれば小躍りして、荷台にポイですよ。
釣りじいさん へ 2009.02.06 (金) 17:57 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 はい、最近よく眠れるのです。富豪になってほっとしたのです。毎日、毎日、薪の山を舐めまわすように見ています。今日も3回見ました。ふ、ふ、ふっ・・・。
 1000本以上ありますが、多分、300本くらいは足らないでしょう。年末までに、乞食のように木を探します。
アガタ・リョウさんへ 2009.02.06 (金) 18:01 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 いい事を言ってくれました。そうなんです。たまに、薪ドロボーが出没します。だからシートをかぶせて紐で縛っておくのです。ま、イランほどひどくはありませんが・・・。
 山小屋は広大な別荘地にあるのですよ。家はまばらにしかありませんので、本当に森の中なんです。私の山小屋は尾根にあるので、風通しが良すぎて寒いのなんの・・・
kumoki さんへ 2009.02.06 (金) 18:07 [Edit]
 つとりん [URL] #-
まさしく「食は玉よりも貴く、薪は桂より貴し」なのですよね。薪ストーブの生活は憧れですが、スーパーで調達というわけにもいかず、大変ですね。
「薪は三度人を暖めてくれる」といいいますが、薪集めから料理まで楽しまれておられてますねー。ピィー助くんも楽しそう!v-22
森の中では 2009.02.07 (土) 11:23 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 食は玉よりも貴く、薪は桂より貴し--いい言葉を知っていますね。覚えておきます。
 薪で一番暖まるのは、たくさん山積みして、眺めている時なのですよ。バカみたいですけど。
 よくぞ、ピー助を見つけてくれましたね。ありがとうございます。
つとりん さんへ 2009.02.07 (土) 17:27 [Edit]






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