森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 「まほろば」に思いを寄せる

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  濃い霧が山の下から舞い上がってきて、山小屋のベランダを這うように走り去って行く。今日も雨が降っている。これで5日連続の雨だ。たまの雨は気分が落ち着くが、こうも続くとうんざりする。

 気温も低い。朝は10度にも満たず、薪ストーブを焚き続けている。思わぬ薪の消費であり、この冬に作ったばかりの薪を無理やり燃やしているのだ。

 先日、山小屋の周辺でゼンマイを採った。灰をまぶして干しているが、まったく乾かない。ゼンマイは私たちの貴重な保存食であり、天日で乾かしているのでおいしい。しかしこの天気では、いい味に仕上がるか心配だ。

 この森に暮らす仲間は、私と同様、死んだように引きこもっている。昨日、ドイツ人ピーター(今後はPではなく、ファーストネームを使います)がコーヒーを飲みにやって来た以外は、誰も顔を見せない。

 何もすることがないので、せっせと釣り具の手入れをしている。一昨日は昼間からお風呂を沸かし、釣り竿を抱いて湯につかった。竿の内部にこびりついた塩を洗い流すのだ。リールに油を差し、回りを良くした。鮎やガシラ、キスの仕掛けもたくさん作った。

 本も読んでいるが、30分もすると眠たくなる。自由の身になれば、好きな本をたくさん読めると思っていたが、現役時代の半分ほどしか読めていない。暇なのにどうしてだろう。

 今は小説など3冊を同時並行して読んでいる。一番面白いのは、日本史である。そもそも私には教養がないので、新しい発見が多い。

 特に「鉄」は面白いなあと思う。鉄はさまざまな文明をもたらしてきたし、現代でも粗鋼生産量は景気のバロメーターである。

 鉄が日本に伝わったのは縄文の後期から弥生時代にかけてと書いてある。朝鮮半島からの伝来で、九州北部や山陰地方が早かったらしい。

 鉄は農耕の器具としては革命的だった。それによって稲作が栄えた。鉄は貴重品で、これを取り仕切る人物はその地方の有力者となり、社会の高位に位置づけられるようになる。本格的な階層社会の始まりなのだ。

 鉄がもたらされて、戦が多発するようになった。鉄の武器が威力をふるうようになったのだ。戦は農耕の発達に伴う耕作地や水をめぐる争いなのだが、敵からムラを守る環濠が多くなるのもこのころだ。鉄の輸入は戦争の輸入でもあったように思う。

 この時代、幾百という殺戮された人骨が見つかっている。縄文時代には見られなかった光景なのだ。縄文の人々には、顕著な階級も階層もなく、それぞれの集団がおおらかに暮らしていたに違いない。

 私たちの日本には「まほろば」という素晴らしい言葉がある。「「住みやすい、暮らしやすい場所」という意味の日本の古語であり、縄文の時代を彷彿とさせる。新党さきがけを旗揚げした元代議士の武村正義さんに「まほろばの国づくり」を唱えた文章がある。今も私に強い印象を残している。

 復古趣味かもしれない。もはや「まほろば」は死語かもしれない。しかし、私たち夫婦の森の暮らしは、ある意味で「まほろば」への憧憬に満ちている。

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   10:01 | Comment:12 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 アガタ・リョウ [URL] #-
<まほろば>・・・好い響きですね。鉄ですか、私も30分もしない内に、老眼鏡がずり落ちてしまいます。世界史では、騎馬民族国家スキタイから中国に渡った鉄も最初の頃、上手く鋳造出来なくて折れやすく、スキタイの様な武器に為らず、専ら農具に供されていたそうです。それで鋤が作られ牛に引かせて耕す農法が、古代産業稲作への一大産業革命の牽引車に為ったそうです。そんな記述を見ると、面白く為ってしまいます。やはり、読書は必要ですね。
※ドイツ人ピーター氏のファンでもありますので、宜しくお伝え下さい。ウッシッシ。
 2009.05.08 (金) 12:01 [Edit]
 亀丸 [URL] #-
まさしく「晴釣雨読」の毎日でうらやましい限りです。自然の恵みがいっぱいの生石山の森は現代の「まほろば」ですね。
次の日曜日、良い天気そうですね。
ところが、この春中学に上がった長男の父親参観日なんです。
昨晩「中学にもなって父親参観もないやろ、釣りに行ってくる。」と言ったところ、女房にこっぴどく叱られました。ごもっともです、でも今は釣りが・・・。
「晴釣雨読」が私の夢 2009.05.08 (金) 16:41 [Edit]
 タマモクロス [URL] #-
なるほど・・・
人類の発達=戦争の歴史になるんでしょうね

それにしても、自然にいそしむ生活!人はかく有るべきですね。

Pさんもひまじんさんと共に一度会ってみたいですね。
ドイツの方って日本人と気質が似てると思うのは気のせいでしょうか?
 2009.05.08 (金) 20:47 [Edit]
 釣りじいさん [URL] #-
わしのまほろばは・・・勿論海の見える小高い丘。そこに掘っ建て小屋を立てて朝から晩まで海を眺めていたい・・・ってか、釣りをしていたい(笑)。さっ、キスの仕掛けをたくさん作ったのですから、GO~!
 2009.05.09 (土) 11:25 [Edit]
 マダム半世紀 [URL] #-
憂鬱な雨ですが、窓からの雨の写真は絵画の様に美しいです。
暖炉の火もまた。
正に「まほろばの国」ですね。
こんばんわ~ 2009.05.10 (日) 03:48 [Edit]
 まるまる [URL] #-
そういう意味だったのですね。

家庭もそうありたいと思うのですけど・・・v-8
まほろば 2009.05.11 (月) 21:16 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 読書が長続きしなくて、困ったものですが、アガタさんはすごいスピードで読んでいらっしゃる。夜這いの読書感想は面白かったですよ。
 
アガタ・リョウさんへ 2009.05.13 (水) 05:41 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 小学校ならともかく、中学でも父親参観があるのですね。びっくりですよ。でも、やはり釣りより参観に行かねばならんでしょう。奥方を怒らせては、今後に響きますからね。
 今週末にはアオリを狙ってみようと思います。日曜日にガシラを釣っていると、その目の前の磯で2キロの大物を釣り上げていました。イカ釣りを始めて初の釣果だと喜んでいましたよ。携帯であっちこっちに電話をして大騒ぎでした。亀丸さんも頑張って下さい。
亀丸さんへ 2009.05.13 (水) 05:48 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 まほろばの国・生石山へどうぞ。ドイツ人ピーターの話も面白いですよ。特に海軍時代の話はなかなかのものです。バーベキューも大好きで、ワインでも飲みながら、楽しみましょう。
タマモクロスさんへ 2009.05.13 (水) 05:54 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 掘っ立て小屋と言わず、これまで働いてきて貯めた大金で豪邸を建てて下さいよ。そして、その横にキスの水族館をつくり、無料開放をする。これ、なかなかいいと思いますが・・・。
釣りじいさん へ 2009.05.13 (水) 05:58 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 日曜大工などで忙しそうですね。息子さんの手作りケーキを食べ過ぎで、太らないで下さいよ。私はデブはちょっと・・・。あっ、関係ないか。
 まほろばを目指していますが、毎日が忙しくて、その雰囲気を楽しむ暇がありません。
マダム半世紀さんへ 2009.05.13 (水) 06:36 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 体調が思わしくないとのことでしたが、元気になりましたか?日本海でハマチを釣り上げたとのことですが、その報告を心待ちしているのですが・・・。楽しみにしていますよ。
まるまるさんへ 2009.05.13 (水) 06:39 [Edit]






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