【夫の日記】 珍味の高峰にきらめく鮒寿司

  御三家、三筆、日本三大○○とか、日本人は「三」の数字が好きなようだ。インターネットで「三大」を調べてみると、あるは、あるは、馬に食わせるほどある。早い話、「三」は権威づけの冠なのだろう。

 ひとつ納得できないものがある。日本の三大珍味には、ウニ(塩うに)、カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)と紹介されることが多いが、大いに不満である。なぜ、滋賀県に伝わる「鮒寿司」が入っていないのか。

 鮒寿司は、間違いなく日本珍味の最高峰に位置するもので、三大珍味もヘッタクレもない。別にお国自慢を言っている訳ではない。それくらい美味なのだ。その名を聞いただけで、「日本の宝だ!」と興奮する人もいるくらいで、私もその一人である。

 知らない人のために、受け売りのウンチクを・・・。鮒寿司はなれ寿司の一種で、琵琶湖の固有種である子持ちのニゴロブナが使われる。養老令や延喜式にもその名が出てくるというから1300年の歴史があり、朝廷にも献上されていたと言われる。

 ご飯と塩をまぶして発酵させるのだが、独特というか、物凄いというか、強烈な臭いを放つ。しかし、卵がパンパンに詰まった薄切りの肉片を舌の上に転がすと、余りのおいしさに卒倒する。適度な酸味とともに、ほのかなチーズのような味わいが口の中に広がるのだ。

 ただ問題は高価過ぎることである。ニゴロブナが獲れなくなっているからだ。大きな鮒寿司は1万円を超えるし、中型でも数千円はするので、そう易々と我らの口に入るものでない。

 ところが先日、姉から鮒寿司2匹が滋賀の自宅に送られてきたのだ。もう何年も食べていないので、小躍りするほどうれしかった。和歌山の山小屋に持ち帰り、少しづつ、大切に食べようと思う。

 私の小さい頃は、鮒寿司がしばしば食卓に並んだものだ。ニゴロブナがよく獲れたので、普通の家庭でも作られていた。まだ値段も安かった20数年前まで、私は琵琶湖北部の有名店で樽ごと買い、その味わいを堪能していた。その頃でも30匹くらい入った樽で5万円はしたはずだが・・・。

 姉の好意で、久しぶりにわが食卓にあの逸品が戻って来る。しかし、しかしである。滋賀の自宅から山小屋に帰ると、女房が叫び声を上げた。「鮒寿司を忘れてきた!」。何たることだ。怒りで体が震えた。バカモーン!

      ↓大津市内では琵琶湖の魚を売る店が多い。

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      ↓女房が鮒寿司を忘れてきたので、インターネットから写真をお借りした。

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コメント

             兄貴、姉貴、お早う御座います。
その後は、如何に為りましたか???天下の珍味を取りに、姉貴がハンドルを握ったのでしょうか? 憮然たる表情で、兄貴が飛ばしに飛ばして、直行したのでしょうか? 結果論としては、口に蕩ける鮒寿司の美味さに、一件落着の大笑いと相成ったのか??? 堪能致しました。

旨そう~!

鮒寿司、一度食べてみたいと思っていましたが未だ無いんですよ。
ひまじんさんの文章を読んでいると無性に食べてみたくなりました。
ネット通販で取り寄せしようかな?
でも確かに高価過ぎますね。
琵琶湖に一部の不届き者が外来魚を放った事で、なかなか庶民の口に入らない食べ物になってしまいました。許せませんね。
自分の身勝手な楽しみの為に環境だけでなく、その場所の水産物で生計を立てる人々の生活や、その土地の文化まで破壊したんですから・・・。

おはようパーソナリティ中村鋭一です

鮒寿司はまだ食べたことも見たこともがありませんが、「おはようパーソナリティ中村鋭一です」で聞いたことがあります。
一度機会があったら食してみます。
酢味噌のことはブログに書いておきましたが、梅の取り出しは2~3週間が目安です。

ははは、食い物の恨みは深いですからね~。確かに三大・・・って一体どなたが決めたのでしょうか。やはり、ご当地名産の方が信用できるようですね。

アガタ・リョウさんへ

 女房が忘れた鮒寿司は滋賀の自宅の冷蔵庫で横になっています。160キロも引き返す訳にもいきません。ただ真空パックされていますので、1年でも平気です。楽しみを先に延ばしてくれた女房に感謝です。ほんと、バカモンです。

亀丸さんへ

 本当にブラックバスを湖に入れた釣り人は許せません。ニゴロブナも小アユもモロコも激減しました。
 キャッチアンドリリース・・・。どうも私には出来ませんね。釣りは食べておいしい魚も楽しみですからね。50センチのバスより、20センチのガシラの方がはるかに値打ちがあると思うのですが・・・
 

ハカマさんへ

 酢味噌の作り方、ありがとうございます。女房はぜひ作ってみたいと言っています。
 中村鋭一さんも滋賀の出身ですから、鮒寿司の美味しさをよく知っておられるでしょう。仕事で中村さんとご一緒したことがありますが、釣りには造詣が深く、著書もありますよ。

釣りじいさんへ

 はい、恨みは深いですよ。ぶつ、ぶつ・・・。滋賀まで遠いので、「取りに帰れ!」とは言えません。女房には、一切れのもやりません。私の一人占めです。いい口実ができました。へ、へへ。
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