森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 欲ボケ、本音は薪をため込みたい

  朝7時半、山の仲間のドイツ人ピーターからいつものように電話がかかってきた。彼は毎朝、この時間に電話してきて、朝の挨拶をしてくれる。山の中で生活しているので、お互い何があるか分からない。朝の電話は消息確認の意味もあり、彼の心優しい気遣いなのだ。

 今日の電話はいつもと様子が違った。「兄貴、大変だよ。まあ、来てみなよ」と言うのだ。近くのテニスコートの跡地に行くと、ピーターが待っていてニヤニヤしている。

 何と、空き地の隅に丸太が山積みされているではないか。ピーターは両手を広げ、首を振りながら渋い表情を作っている。私は「冗談じゃないよ!」と叫んだ。

 墓地造成のため伐採した丸太をダンプ4台でここに運び込んだという。ダンプの運転手はピーターの知り合いで、薪の木を欲しがっている私たちへの好意で運んでくれたのだ。

 しかし、薪ストーブを使っている私たちの仲間は、すでに十分な蓄えがある。この冬の薪はもちろん、2年先に使う半分くらいの量は全員ため込んでいるのだ。

 新しく山の仲間になった夫婦は、狂ったように薪を作り続け、その重みで地下倉庫の床が抜け落ちそうになっているし、奥さんを大阪に置いてここで暮らしているMという男は、軒下に高く積んだ薪が2度も崩壊して、危うく怪我をしそうになった。私もピーターも、すでに保管する場所がない。

 しかし、大量の丸太を積み上げている空き地は、時たま別荘に来る家族の子供たちが遊ぶ公共の場所だから、いつまでも放置しておく訳にはいかない。丸太を薪の長さに切り、割ってそれぞれの家に運ぶのは重労働だし、4、5人で作業しても1週間以上はかかるが、とにかく丸太の処理は急がねばならない。

 標高800メートルの山の上といっても日中は暑く、仲間たちは「もう勘弁してよ」と悲鳴を上げるのだ。渋面を作って見せたピーター、「冗談じゃないよ」と言った私も同じ思いだ。

 とか何とか言いながら、実はこれ、ポーズなのだ。本音は薪の丸太が手に入ったので、みんなうれしいのだ。家に帰れば小躍りしているに違いない。冬は雪に閉ざされ、薪が十分ないと不安で仕方がないのも事実である。

 しかし、これは人間の「欲」というものだろう。薪がたまれば、もっとためたいと思うのだ。悲しいというか、情けないというか・・・。ただ、言い訳ではないが、お金に関しては仲間のほとんどが無頓着である。まあ、お金をためたいと思う人間は、こんな山奥で暮らしたいとは思わない。

 薪の話からいささか飛躍するのだが、こうして山で暮らしていると、老子の「足るを知る」という言葉を思い浮かべることがよくある。「足るを知る」はあるがままの今の生活に満足することであり、そのような人は常に豊かであると言う意味だろう。要するに「欲」を戒める言葉だと思う。

 薪への欲望に少しくらい目をギラギラさせても、老子さんには叱られはしまい。ただ、ないものねだりをしたり、人を羨んだり、今の生活に不満を持ったりはしないよう心がけようと思っている。 ん? 私も近ごろ少し人間が出来てきたなあ・・・。

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   06:15 | Comment:8 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 釣りじいさん [URL] #-
いやいや、神様に感謝して、頂ける物はなんでも頂いてしまいやしょう、にゃは! それにしても・・・凄い量でやんすね~!
 2009.08.12 (水) 12:04 [Edit]
 亀丸 [URL] #-
薪が十分に無かったら不安で仕方が無いなんて、想像を絶する冬の厳しさなんですね。
作業は大変ですが、沢山の丸太が労無く手に入って大助かりですね。
ピーターさんの人脈の賜物です。
 2009.08.12 (水) 15:49 [Edit]
 ぼっちゃん [URL] #-
ひまじんさん、お早ようございます。

いや~なんかドキメントドラマ見ているようです。長年都会で暮らして憧れの山暮らし、そして日々の生活の為に趣味と実益を兼ねて、川、海でのお魚釣り。家の周りで家庭菜園、そして同じ山暮らしの仲間達、その中にはドイツから来られたP-さん、私はこのブログにたどり着いて2008年3月から全て読ませてもらって、山での厳しさと絶対なくてはならない友人達との共同作業、私の夢は「誰も居ない山の中で誰にも助けを求めない静かな暮らし」と、思っていましたがひまじんさんのブログを読んでいると、何処に住もうが「一人では生きていけない」やはり人は人で成り立っているんだな~っと思いました。これからも山の出来事、仲間の事楽しみにしています。
薪は山での絶対必需品なんですね。
山暮らしの大変さ! 2009.08.14 (金) 07:34 [Edit]
 マダム半世紀 [URL] #-
又「大薪持ち」ですね~
嬉しそうに「冗談じゃないよ!」と叫んでいるひまじんさんが想像できちゃいます。^^

そちらでも夏らしく晴れているのでしょうか?
それでも朝晩は涼しいのでしょうね。
どうぞ又、素敵な薪束を作って下さい♪
こんにちわ~ 2009.08.15 (土) 16:12 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 返信が遅くなり、すみません。多分今ごろは、いとこさんのお世話で大忙しでしょう。
 こちらも、太過ぎる丸太を前に、溜息をついています。
釣りじいさんへ 2009.08.17 (月) 06:46 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 本当にピーターの人脈は広いので、大助かりですよ。今年の冬は薪をじゃんじゃん燃やします。
 シオ、ハマチのトローリング仕掛けを作りましたよ。近々、試そうと思います。果たして、釣れるのでしょうか。失敗しても、ブログで報告したいと思います。ご期待を!
亀丸さんへ 2009.08.17 (月) 06:52 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 おはようございます。女房はぼっちゃんの愛媛旅行を楽しんで帰ってきました。佐多岬、祖谷渓の温泉がとても良かったと言っていました。
 山の生活では薪は必需品ですね。暖房に灯油を使う人もいますが、私たちは薪ストーブにこだわっているのです。ただ、ものすごい量が必要なんですよ。
ぼっちゃん様へ 2009.08.17 (月) 06:57 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 こちらはやっと太陽を拝める日が続いています。朝晩は寒く、日中もそれほど暑くはありません。秋が忍び寄っています。
 今年の冬は薪がたっぷりありますので、ケチケチせずに燃やすことができます。お金より、薪なんです。本当に!
マダム半世紀さんへ 2009.08.17 (月) 07:03 [Edit]






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