森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 カヤの実・・・昔のあの味はどこへ

  今日もまた雨が降っている。先日の雨は半端ではなかった。まるで台風のような風と一緒に吹きつけてきて、顔に当たると痛い。屋根に当たる音もやかましく、眠れたものではなかった。

 数日来の雨で、紅葉した葉っぱが散ってしまい、木々は寒々としている。ここ生石山にはウリハダカエデが群生しており、手のひらほどもある大きな葉は黄色から赤色に移ろいつつある。これが散って路上にべったりと張り付いており、退職されたご亭主が目をそむけたくなる濡れ落ち葉の様相だ。

 山小屋の中に閉じ籠もっていると気持ちも塞ぐので、女房と日帰り温泉に行くことにした。有田川沿いに車で20分ほど走ると、清水温泉がある。この日はレディースデーで、女房は半額の300円のはずである。

 温泉の2キロほど手前に、「あらぎの里」という道の駅があるので立ち寄った。富有柿が6、7個入って100円は安かった。柚子は5個でこれも100円。女房の好きな栗饅頭、燻製用の木綿豆腐2丁なども買った。

 売り場の隅っこに置いてある小さなビニール袋に目がとまった。と言うより、釘付けになった。袋にはカヤの実が入っているではないか。3、40個ほど入っていて200円だ。迷わず2袋を買った。

 カヤの実は懐かしい。子供のころのおやつだった。近くの神社に大きなカヤの木があって、みんな競うように実をとった。緑色の果肉をむくと、ピスタッチオを大きくした細長い実がでてくる。灰を入れた水に浸しておいて灰汁を抜くのだ。

 鉄鍋で煎り、硬い殻を割って食べる。子供のころ、こんなうまいものはないと思ったものだ。いま、何十年かぶりに食べてみた。香ばしく、油分たっぷりの実からは懐かしい味がしたが、子供のころのように美味しいとは思わなかった。

 人間の舌は不確かなもので、食生活の環境や年齢とともに変化していく。ロクなおやつがなかった少年時代に比べると現代人の舌は肥えているだろうが、それにしても舌はどこか身勝手で、腹立たしい。かつてカヤの実に感激した思いが強いだけに、尚更、そんな思いがするのだ。

 道の駅で豆腐を買ったのは、燻製のレシピ集に「その舌ざわりは極上のチーズだ」と書いてあったからだ。レシピ通りにスモークしたが、燻製の香りがするただの豆腐だった。やり方が悪いと言われればそれまでだ。しかし、いくらなんでも「極上のチーズ」とは誇張が過ぎる。

 これと同様、今の世は味の誇張があふれ、落胆や失望、怒りを買っている。特に許し難いのはテレビの食べ物番組だ。レポーターやゲストは、目をつむったり、白目をむいたりして「おいしい!なぜ?どうして?」と感激したフリをしている。

 また馬鹿をやっておるわいと、すぐチャンネルを変えるのだが、そもそも味覚はどの人にとっても等しいものではない。思い出、習慣、思い入れなどその人の人生と深く結び付いているのだ。それを一律に、しかも誇張して「美味しい」と言う馬鹿なテレビ番組が闊歩している。

 ただし、奥方の手料理にだけはケチをつけてはいけない。円満、円満・・・。

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   09:54 | Comment:10 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 アガタ・リョウ [URL] #-
 お早う御座います。カヤの実ですか、懐かしいですね。暫し、タイムスリップさせて貰いました。
 歳と味覚の志向は顕著ですね。子供の頃、イカの塩辛と生ネギが、如何も苦手でして、でも大人に成ってからは、好物の一つです。イカの塩辛は、自分で遣ってしまいます。イカのワタを塩漬けにして、熱い飯に、ブチューと潰して食する方法で食しています。兄貴のイカの写真を見る度に、想像して涎を垂らしております。遺憾いかん・・・ヨシ、今日はイカの塩辛を作るぞ。
 2009.11.13 (金) 10:12 [Edit]
今 大流行の新型インフルエンザ
年老いた両親が罹らないかと心配していたのに 思いもかけず夫が2日間の講習に行って免許とともにもらってきました
念のため自宅を離れて 2人 フォン ヨウムのダイちゃんとで和歌山に来ています
私も発症の危機が迫っているのですが 大丈夫なように思います
カヤは初耳ですが 実は私 ひまじんさんがもいでくれた無病長寿のムベを食したからです
発症しなかったら 「むべなるかな」 かな?
夫が免許と一緒にもらってきました 2009.11.13 (金) 14:43 [Edit]
 亀丸 [URL] #-
ひまじんさんの奥様の料理にケチをつける余地は無いじゃないですか!
美味しそうなお料理の数々、釣られた魚や烏賊も、さぞ満足しているでしょう。
うちの女房もひまじんさんの奥様程料理上手なら、もう少し釣りも粘れるんですがねっっ!
昔にその美味しさに感動した食べ物が、今食べると美味しくない。確かにそんな経験は多々有りますね。
でも、ひまじんさんの鮎の燻製は舌が肥える程に美味しい!!
夏が待ち遠しいのです!!(何気に催促e-454)
 2009.11.14 (土) 00:45 [Edit]
 ハカマ [URL] #-
カヤの実は知りませんが、私も四国の田舎で育ちましたので、シイの実やイタドリがおやつでした。
おっしゃるとおり最近のテレビはどうしようもないように思います。ニュースも胡散臭いし、まともに見るのはNHKの大河ドラマだけになってしまいました。
 2009.11.14 (土) 01:12 [Edit]
 マダム半世紀 [URL] #-
「カヤの実」存じませんでした。
「ムベの実」は他の方のブログで拝見した後だったのですが。^^;

そうそう、子供の頃は、わずかな甘みや、香ばしさが極上の味に思えました。
道端のアカツメ草の花蜜や、スカンポも咥えながら歩きまわりました。^^
今思うと、スカンポは美味しくなかったけど・・^^;
アケビはもっとも嬉しいもののひとつでしたね~^^
あのご馳走気分は戻ってきませんが、思い出が戻ってきますね。
こんばんわ~ 2009.11.14 (土) 05:26 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 イカの塩辛とネギ・・・今じゃ好物。私もネギは嫌いでした。カレーライスの人参も、いつもはじき出していました。ところが、女房の畑で作る人参は果物のようで、大好きです。私が釣るイカで塩辛は一度も作ったことがありません。一度作ってみようかという気になりました。
アガタ・リョウさんへ 2009.11.14 (土) 08:34 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 え、えー、ご主人が新型インフルエンザですか。運転免許の景品ですか?それは困ったことですね。
 和歌山に疎開しておられるのは正解でしょう。潮風に吹かれれば、ウイルスも飛んで行くでしょう。
 お大事にして下さい。治ったら来て下さいね。
フォンちゃんのママへ 2009.11.14 (土) 08:39 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 鮎の燻製は来年たらふく食べてもらいます。多分、鬼が笑っているでしょうが・・・
 当面はアオリですね。イカの燻製もおいしいらしいのですが、何かもったいなくて、刺身用に冷凍してしまいます。
 水曜日、天気がいいみたいですが、気温が下がるとのこと。でも、当りはあると思いますよ。
亀丸さんへ 2009.11.14 (土) 08:45 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 四国のお生まれなら、なるほどイタドリですね。とくに高知ですね。今わが家の食卓には、イタドリの煮付けが乗っています。春にイタドリを大量に採って塩漬けにして冷凍しているのです。酒の肴に最高です。
ハカマさんへ 2009.11.14 (土) 08:50 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 スカンポ・・・皮をむいて酸っぱいのをガリガリと食べましたね。山小屋の周りにはいっぱいありますので、今でも生で食べます。
 味覚の変化は口が肥えたのではなく、現代の味付けに慣らされているのではないでしょうか。素材だけの素朴な味がいいですね。
マダム半世紀さんへ 2009.11.14 (土) 08:56 [Edit]






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