森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

【夫の日記】 椿泊、伊島・・・若かりし頃の阿波の海

  カーフェリーに乗るのは何十年ぶりだろう。阿波徳島のゴルフ場に用事ができ、和歌山港から南海フェリーで徳島港に向かった。運賃は片道9000円ほどだから結構な値段だ。高速道路の無料化を掲げる民主党の政権公約が実施されると、フェリー業界は大打撃を受けるだろうなあと思った。

 船が紀淡海峡にさしかかる。私たち夫婦が暮らす生石山が見えてきた。すると、携帯電話が鳴った。女房からだった。「クリーム色の大きな船が出て行く。これに乗っているのよね」。山小屋のデッキから紀淡海峡が見えるので、女房は双眼鏡で覗いていたのだろう。

 これから2時間余りの船旅だ。退屈しのぎに本を持ってきたが、1行も読むことはなかった。少し肌寒いデッキに立ち続け、まるで子供のように右舷から左舷へと移動しながら景色に見とれた。

 海南の発電所から右に目を移すと、いつも釣りに行く由良のあたりが見え、日ノ岬へと陸地が連なっている。反対側のデッキからは目の前に沼島が迫っていた。ここで獲れる鱧は全国一と言われ、昔は仲買業者が漁船から直接買い付けて行ったと聞いた。鱧は祇園祭や天神祭のころが旬で、脂が乗った鱧の押し寿司は美味しい。

 実は、この小旅行でどうしても行ってみたい所があり、早い便に乗ったのだ。蒲生田岬の先端に近い「椿泊の港」である。遠い昔に見たこの港の光景が、今も鮮明にまぶたに焼き付いている。

 私も女房もまだ20歳代のころ、夏休みを利用して「伊島」へ行った。この島は蒲生田岬の先の紀伊水道に浮かんでいる。観光名所などはなく、石鯛などを狙う釣り人が訪れる島だ。もちろん私も石鯛竿を携えていた。

 ここへ行くには阿南市の橘港から1日1便の連絡船に乗る。その途中に椿泊に立ち寄るのだ。この小さなな港は、日本の漁港の原風景を見るようだった。深い緑色の海はまるで油を流したように静まり返っていた。おばあさんが釣り糸を垂れていたのを覚えている。セザンヌやモネたち印象派の画家なら、好んで絵筆をとりたいだろう。

 島には旅館が1軒あるだけだった。小さな商店でかき氷を売っていたので驚いた。余りに暑く、二人でむさぼるように食べた。島の人たちの目線に棘のようなものを感じた。島特有の排他性なのだろうか。石鯛を2、3匹釣ったように記憶している。見たこともない大きなタコも釣れ、旅館で料理してもらったが、硬くてまずかった。

 椿泊も伊島も若いころを思い出させてくれた。このあたりには、徹夜運転で通った釣り場が多い。ついでに、伊佐利、阿部、木岐の漁港へも足を伸ばした。漁師の家に泊めてもらい、定置網で獲れたばかりの魚をつつきながら漁師と酒を酌み交わしたことが懐かしい。

 翌日の用事を済まし、日和佐の大浜海岸にも行った。ここはNHK朝の連続ドラマ「ウェルかめ」の舞台になっており、ちょっとしたミーハー気分である。ウミガメは何万キロを旅するが、私も人生という長い旅の途中に思い出深い阿波の海に再び巡り合った。

   ↓ 海の向こうに私たちが暮らす生石山が見える
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   ↓ 鱧で有名な神話の島・沼島が迫ってきた
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   ↓ 懐かしい椿泊の港
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   ↓ かつて釣りに通った伊佐利の漁港
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   ↓ ウミガメが産卵に来る日和佐の渚
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   ↓ 満月を見ながら徳島港を後にする
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   08:58 | Comment:6 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 アガタ・リョウ [URL] #-
 好いですねぇ。思い出を胸に、記憶を辿る。風景に、眠っていた記憶が、俄かに蘇り、過去と現在を結んで、時が自分に語り掛けて来る。好いですね。人間が生きるとは、そう云う事を云うんでしょうね。
 兄貴の文章に浸り、愚弟も暫し過去を振り返ると致しましょうぞ・・・ お元気で何よりでした。
 2009.12.03 (木) 18:47 [Edit]
 亀丸 [URL] #-
由良湾も素晴らしいですが、阿波の海の景色もまた違った趣があって良いですね。
先日はアオリイカ釣りのご指導有難うございました。ヤエン釣法に夢中になる人々の気持ちが分かる気がします。
それから、美味しい柿のお土産まで、それもあんなに沢山・・・。
恐縮しております。
専用リールも買いましたし、次はきっとやりますよ!!
 2009.12.04 (金) 08:13 [Edit]
 まるまる [URL] #-
ゴルフもされたのでしょう??

海の好きなひまじんさんには嬉しい旅でしたね。

会報楽しみにしています。
 2009.12.05 (土) 01:29 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 アガタさんの思い出は、南の島での歓楽ですか?それとも、スラブ系美女の灰色の目ん玉ですか?ウッシ、シ・・・。
 私には、そのような浮いた過去は断じてありませんぞ(このブログは女房が読んでいる)。愚直に生きてきました。はい。
 私は海が好きなんです。ところが、海辺に住みたいとは思わないのです。住むならやはり森です。どうしてでしょうかねえ。
アガタ・リョウさんへ 2009.12.05 (土) 08:05 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 うーん、残念でした。それにしても、釣りの帰りに専用リールを買うとは見上げた根性です。
 アオリイカの強烈なジェット噴射は今も腕に残っているのではないでしょうか。
 亀丸さんが1杯釣るまでしつこく付きまといますよ。必ず、釣れます。必ず釣りましょう。釣行計画、また連絡下さい。
 週明けには雪辱戦です。また、報告します。そうそう、お土産いただきありがとうございました。
亀丸さんへ 2009.12.05 (土) 08:11 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 はい、もちろんゴルフはしましたよ。お付き合いで仕方なく・・・。武士の情け、スコアは聞かないで。
 とにかく、魚が抜群に美味しかったですよ。阿南ccの海鮮ちらしは抜群でした。小料理屋の魚もすごかったです。
まるまるさんへ 2009.12.05 (土) 08:16 [Edit]






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