里道を歩く・・・手つかずの自然の中を

  先日、山小屋の裏手で焚き火をしていると、20人ほどの中高年のグループが山道を登って来た。この道は、山小屋の敷地に沿っていて、旧金屋町の集落から標高870メートルの生石山に続いている。ここを通る人は年に数回見かけるだけで、これほどの多人数が通るのも珍しい。

 地元の人は「登山道」とは言わず、「りどう」と呼んでいる。漢字で書くと「里道」である。明治の初め、道路は国道、県道、里道の三つに分けられ、その後、里道は道路法の適用から除外された。林道、あぜ道、けもの道も里道だそうだ。今では生石山に至る道路が通っているが、昔はこの道幅1メートルにも満たない里道が唯一の道だったのだ。

 私たちは、山小屋から山頂に向けて何度も歩いているが、下へは行ったことがない。先日のグループに刺激を受けて、夫婦で歩いてみることにした。自然がそのまま残る雑木林は気持ちがいい。あちこちで倒木が道を塞いでいた。道端を掘り起こすなど、イノシシが跋扈している形跡も見受けられた。ミステリアスな気分にもなる。

 この里道は、集落から山頂まで10キロほどの道のりだ。平安時代の初期、弘法大師空海は集落からこの道を通い、頂上に近い「笠石」と呼ばれる巨岩に座って修業を重ねていたと伝えられている。

 信仰の道でもあるので、途中にいくつも祠や石仏がある。その前には花が供えられているので、信心深い地元の人たちがお世話しているのだろう。ありがたいことだ。

 私たちは帰りの上り道がしんどいので、途中で引き返すという根性なしだった。それにしても、この道を毎日通ったという弘法大師は健脚だったなあと感心する。遍路の四国だけでなく、各地に足跡を残している。鉱物探査をしていたという話もあるが、定かではなかろう。

 現代人は歩かなくなった。車や電車があるので当たり前だが、そのうち足が退化するのではないかと心配になる。ノーベル文学賞の大江健三郎さんは毎日歩いているそうで、脳が活性化してアイディアが浮かんでくると言っている。健康増進だけでなく、脳にも効用があると広く言われている。

 私のような年になると健康だけを考える。お金などなくても、体が動き、食べ物が美味しい健康な生活が何事にも代え難い。私たち夫婦も歩く効用を信じて毎日1時間ほど歩くことにしている。しかし、女はいくつになっても美容、ダイエットと欲張りだ。もちろん女房も・・・。

   ↓ 滅多に人が通らない里道に登山グループが
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コメント

 倒木に掛る苔・・・好いですね。山の湿気と臭いがプーンと漂って来ました。これって、条件反射でしょうかね。
 子供の時から、自然の中にある小さな苔・苔の群れには、何故か厳かな神秘さを感じてしまいます。そんな事で苔が好きで、よく苔を取って来て置くのですが、苔は居付きません。苔は頑固者です。そんな事もあって、そのちっちゃな頑固者の苔の緑が、私は心惹かれて好きなんですよ。

枯葉のクッション

枯葉をクッションにして、踏みしめながら歩くの林道(里道)は、気持ちもウキウキしますね。
登山に明け暮れした昔を思い出して、また山歩きがしたくなりました。

アガタさんへ

 私も苔が好きです。同様に神秘的なものを感じます。
 苔は歴史というか、長い歳月を感じさせてくれます。盆栽に添えるのも木の古さを際立たせる演出のようなものでしょうか。
 ただ、お互い、脳味噌に苔が生えないようしたいものです。

ハカマさんへ

 登山をされていましたか。私たちは、登山というより、山歩きをしていました。
 確かに枯れ葉を踏みしめるのは気持ちのいいものです。しかし、こう寒いと、新緑の道を早く歩きたいですね。
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