森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

人間の器量を思う

  私たち夫婦は雨が降らない限り、毎日1時間ほどの散歩を励行している。健康維持が第一の目的だが、ただボーッと歩いている訳ではない。道端に、薪になる丸太が放置されていないか、抜け目ない目を走らせているのだ。

 冬の期間、関西電力の下請け業者が電線にかかる木を毎年伐っている。木の枝が風や雪で電線に倒れかかると、停電の原因になるからだ。伐られた丸太は山の斜面に積み上げてあるので、これを見つけて持ち帰るのだ。

 伐採の業者にしても、このように持ち帰ってもらえれば片付くので、薪を必要とする人たちとは持ちつ持たれつの仲なのだ。だから、業者はどの場所で作業をしているかも快く教えてくれるし、中には枝を払って薪にしやすいように切ってくれてある。

 先日、伐採が行われたとの情報を耳にしたので、軽トラにチェンソーを積んで出掛けた。あちこちを回ってみてみたが、細い枝ばかりで薪になるような太い丸太は見つからない。誰かに先を越されたに違いない。細い枝を10本ほど積んで帰った。

 そこへ仲間のドイツ人ピーターが通りかかった。彼は軽トラの荷台に転がっているわずかな木の枝を見て、「兄貴、たったこれだけかね」とゲラゲラ笑っている。「もっと朝早く行かないと、あの二人に取られてしまうよ」と言う。

 あの二人とは、薪集めの「鬼」とも呼ばれる私たちの仲間だ。そのうちの一人は、厳寒期を都会の家で過ごすのでそれほど薪を必要としないが、薪作りが趣味なのだ。後で二人の家をのぞくと、やはり丸太が山のように積まれていた。悔しがっても、後の祭りだ。

 その数日後、久しぶりに生石山の南側の道を散歩した。先を歩いていた女房が小走りで引き返してきて、「あるわ」とささやく。誰も聞いていないので女房の小声は滑稽だが、「誰かに取られてはなるまい」という気持ちが込められており、それは私も同じである。

 この場所は「薪の鬼」の目が届かないので、急ぐことはなかったが、後で軽トラを走らせた。夫婦で集めた丸太は荷台いっぱいになった。これで1週間分くらいの量になる。このような地道な努力を続けなければ、来年使う薪を確保できない。

 しかしピーターの場合はそんな苦労をせず、薪の方からやって来るのだ。陽気で人懐っこい性格だから人のネットワークが広がり、地元の人たちから丸太をもらっている。時には、トラック何台分もの丸太を運んでもらっている。そして、惜しげもなく私たちに分けてくれるのだ。

 ピーターには人徳がある。人間の器量が大きい。私のように、せっせと薪を集めているようでは、人間的にも未熟というべきかもしれない。

 新聞の書評を読んでいると、このような下りがあった。「器量は50歳をすぎても気持ちの持ちようで大きくすることができる」・・・。衰え、ボケとか老いを嫌うのではなく、人間は年をとっても成長し続けるのだとエールを送っているのだ。

 「元気をもらった」「勇気をもらった」の言い方は好きではないが、まあそれに近い心境になる。これから人間を磨き、薪があちこちからやって来るようにしよう。女房は「もう遅い」と言うけれど・・・。

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Comment
 
 rain [URL] #3pIRUA3U
いつもアガタ・リョウさまのブログでさわやかなコメントを拝見させていただいています。
私も見上げる樹のある暮らしに憧れています。
薪ストーブもあこがれ、夢のひとつです~♪
薪を用意しなくちゃいけないのですね、雪国の雪かきのように、里山暮らしの薪刈り、と汗をかく労働が伴ってはじめて叶う理想の暮らしなのですね
まわりから薪が押し寄せてくるようになるようになりますように、私も応援しています♪
はじめまして♪ 2010.03.02 (火) 18:31 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ブログに訪問していただき、ありがとうございました。「心何処」さんの所からいらっしゃったのですね。アガタさんは毎日こまめに更新しておられ、感心しているのです。時に、ぶしつけで、不真面目なコメントをさせていただいています。
 rainさんのブログを拝見させていただきました。猫5匹との生活は楽しそうですね。これから過去の記事も読ませていただきます。
 他愛ない森の暮らしぶりをぼちぼち書いていますので、これからもよろしくお願いします。
rainさんへ 2010.03.03 (水) 07:21 [Edit]
 亀丸 [URL] #-
この荷台いっぱいの丸太がたった1週間で消えてしまうんですか。
薪作りに森の皆さんが目の色を変えるのも分かります。
大器量人のピーターさんから惜しげもなく丸太を分けてもらえるひまじんさんご夫妻もまた、器量が大きいと思いますよ。
それでもまだ成長し続ける気持ちを忘れないなんて、凄いです。
私も見習わねば。
新しいポストに就いて1ヶ月余り、普段は無いようなトラブルが次々と降りかかり、正直まいっています。
しかし「艱難汝を玉にする」と言いますから、私も少しは成長出来るように頑張ります!!
 2010.03.03 (水) 22:17 [Edit]
 ハカマ [URL] #-
暖炉を愛する物にとって薪の確保は至上命令のようなものですね。
私は器量がないので、近くの材木屋さんにお酒を一升付け届けています。そして、誰もいない日曜日に残材処分用のバッカンから好きなだけ貰って、その残材で薪を作っています。
ひまじんさんのように本物の薪ではないですが、薪作りを男の仕事として楽しんでいます。
薪作りは男の仕事 2010.03.04 (木) 04:16 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 そうですよ、薪は大量に必要です。冬をずーっとこちらで過ごしていますから、何千本も燃やします。
 新しいポストは大変そうですね。しかし、会社から期待されているのですから、ここは必死のパッチで・・・。でも、ボートを出す余裕は温存しておいて下さい。
亀丸さんへ 2010.03.04 (木) 08:56 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 材木やさんの木は乾燥していて良く燃えるでしょうね。もらえる所があるのが一番です。そちらでは流木もあるでしょうが、塩水に浸かった木は炉には良くないと言います。
 まあ、薪集めもこちらの暮らしの楽しみと言えばそうなんです・・・。
ハカマさんへ 2010.03.04 (木) 09:01 [Edit]






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