諌めることを恐れる政治家たち

  民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題で、検察審査会は「起訴相当」と議決した。多くの国民の意見を映し出した判断だろう。小沢さんは国会で一切説明をしていないのだから、公判廷に出てきて真実を明らかにすべき--というメッセージが込められていると思う。

 それにしても、この期に及んで民主党からどうして「幹事長辞めよ」の声が涌き上がらないのだろう。山岡国対委員長や輿石参院幹事長ら小沢さんの腰巾着は別として、有能で賢明な議員も多いだろうにほとんど声が上がらず、その体たらくぶりは情けないと言うしかない。

 政治家は有権者から選ばれた特別の身分だから、一般の国民より高い規範意識が求められよう。お金にまつわる疑惑はもちろん、理屈の通らない政策、国民との約束違反などに背を向けることがあってはならない。そのような場合、国民を代表する政治家は、相手が時の権力者であっても諌めることが大切だと思う。

 諌める--。難しい漢字で書くと「諌言(かんげん)」。目上の人に対して意見する意味である。私が「諌言」に深く感じ入ったのは、佐賀藩士山本常朝が書いた「葉隠」だった。若いころ読んだので、今ではもう細かいことまで覚えていないが・・・。

 要するに、主君に対する諌言こそが最大の忠誠だと書いてあった。古来から武士にとって一番乗り、一番槍が誉であるとされてきた。戦場では生きるか死ぬかのどちらかであり、まあ五分五分に近い危険を背負って赴くのだ。

 しかし、主君への諌言はそれ以上にリスキーなことだと、「葉隠」は説いている。主君が道を誤った時、家臣が諌言するのは相当な覚悟が必要だなのだ。戦場では自分一人が死ぬだけですむが、主君への諌言によって切腹を申しつけられたうえ、家族にまで類が及ぶ可能性もある。

 だから戦場で大活躍することよりも、主君への諌言の方が忠誠心は高いとしているのだ。主君が諌言を受け入れて誤りを改めれば、藩もお家も安泰となる。極めて明快な武士の心得なのだ。

 「葉隠」に書かれている諌言は現代にも通じる。社長がイエスマンばかりを側近に据えれば、社長は裸の大様になり、やがて会社は衰退する。私がわざわざ強調するまでもなく、分かり切った理屈だ。それなのに、何も言えない多くの民主党議員。ポスト、資金配分などの「仕返し」を恐れているのだろうか。

 何も江戸時代の「葉隠」を持ち出すまでもない。今こそ、混迷する日本の将来を見据えた「諌言」が大事なことだと感じている。
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コメント

      お早う御座います。兄貴、ゴルフの方は如何でした。
 山本常長の葉隠れ・・・私も若い頃、読みました。労務管理の真髄と感じたのを覚えて居ます。今日の記事で田中角栄さんと二階堂進さんとのエピソードが、直ぐ浮びました。ズケズケ物を云う二階堂さんの凄みのある迫力で、院政を張り続ける角さんに、総裁の白羽が立った女房役の二階堂さんが、ドスの利いた遣り取りを演じたと云う場面です。
 田中角栄・二階堂進など、あの頃の政治の重鎮さん達の顔は、凄みと迫力が有りましたね。凄みと迫力は、田中派の優等生・小沢一郎さんには有る物の・・・諫言の篩に掛けられて来なかった節が見える小沢さんには、尊大臭が臭い程、臭いますね。テレビに登場し過ぎる政治家の先生達の顔は、サラリーマンの様な顔の人達だけで、堪能しませんね。

 兄貴の加齢臭を配慮して、夫婦で互いに、チェックし合ったり、芳香剤を部屋に置いておくなどの嗜みの一つも必要なのに・・・

 こんな処の権力者の描写では、歴史小説・大河ドラマでは、まんどころ・お局様などが登場して、内助の功としての女房が登場して来る物なのですが、現代物には、余り女房の重しが出て来ないのは、如何してなんでしょうかね…手を繋ぐ厚化粧のニョショウは好く登場するんですがね…イヒヒ。

 相も変わらず、長いコメントと為ってしまいました。兄貴、ゴメンナサイね。

誠を尽くす人間というのは、もはや偶像なんでしょうね。清い心を持つようにと子供たちにいくら説いてみても、世の中は「正直者が馬鹿を見る」がまかり通っています。

うちでは侍の登場する映画を好んで観ています。山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』と黒澤明の『七人の侍』が砂漠人のお気に入りです。もうサムライは日本にはいないと言われてしまいました e-443

アガタ・リョウ さんへ

 返信が遅れました。すみません。連休中はいい天気でしたが、今日は朝から雨です。ゆっくりできそうです。
 おっしゃる通り、田中・二階堂はいいコンビでしたね。二階堂さんの面構えに凄味と気品を感じました。どこか、古武士の気配が漂っていましたね。
 今ではこのような政治家がいなくなり、フワフワしたソフトクリームのような政治家ばかりです。

kumokiさんへ

 いい映画を見ていますね。砂漠人さんは、サムライをちゃんと理解しておられるのでしょうね。サムライは日本にはいない・・・その通りです。礼儀、礼節が失われていくのと軌を一にしています。
 イランの砂漠には、武士道、騎士道に通じる精神が生きているのでしょうか。興味があります。
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