シュロの草木染め・・・感動の色合い

  連休が明けた日、生石高原のレストハウスで働いているおばさんが山小屋にやって来た。女房が出迎えると、「連休中に草木染めが全部売れたのよ。売り場がさみしくなるので、早く商品を置いてもらえない?」と言うではないか。「ひぇー、うれしい」・・・。女房は大喜びだ。

 と言っても、売れたのは10点くらいなもので、商売繁盛という訳ではない。女房の草木染が売れるのは人出の多い秋のススキの季節だが、今年は例年より連休のお客が多く、その人たちが買ってくれたらしい。

 レストハウスに頼まれ、昨年からスカーフやショールを展示して売っている。「生石山の草木で染めています」というタイトルに目をとめてくれる人もいるが、ボチボチ売れるだけだ。女房も商売っ気はなく、専門店より大幅に値を下げている。だから儲けはほとんどないが、自分で染めた布を知らない人が使ってくれることに喜びを感じているのだ。

 さっそく、店に並べる染物を作らなければならない。草木なら何でも染まるが、新緑の初夏は染まっても色が薄いらしい。どのような草木を材料に染めるか、専門書を読んだり、ネットで調べたりしながら思案していた。

 「そうそう、和歌山はシュロの産地。シュロならいっぱいあるので、試してみようと思うがどう思う?」。どのように発色するか予想もつかないが、なかなかのアイディアだ。その土地、土地の植物を材料にして特有の色合いが出れば、草木染めはいっそう面白味が増すだろう。

 夫婦でシュロの葉を取りに行った。ここ生石山を中腹まで下れば、道端や雑木林にシュロが群生している。かつて和歌山は日本一のシュロの生産地で、ほうきやタワシなどが盛んに作られていたが、戦後、化学繊維が普及すると手間のかかるシュロ製品は姿を消して行った。

 女房は染めに取りかかる。シュロの葉を刻み、炉にかけた大きな鍋で煮出す。煮出し液に布を浸し、焙煎液に入れると、感動的な色が浮かび上がった。女房も驚いている。

 黄色と表現してはどこかそっけないし、黄緑色でもしっくりこない。大袈裟に言えば「命の鼓動が聞こえる新緑」の色合いだ。荒れ地に放置されたままのシュロの木が、染めによって蘇った。自然を相手にした草木染めは、計算通りにはいかない半面、このように意外性もある。

 さて、高原のレストハウスに並べるシュロ染めのスカーフに、命の鼓動のようなものを感じてもらえるだろうか・・・。

    ↓ 写真の色合いはくすんでいるが、実物はもっと鮮やかです(女房)
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コメント

>自分で染めた布を知らない人が使ってくれることに喜びを感じているのだ。
何となく判る気がします・・・
ワシの場合は、釣った魚を調理し美味しいおいしいと食べてくれるときが嬉しいですね♪
家族はあんまり喜びませんけど(笑)

素晴らしい色合いです

写真で見ただけでも素晴らしい色合いです。土を切って出てきた新芽のような感動的な色合いですね。
実際はもっと鮮やかなようですので、現物を見てみたくなりました。

丹精込めて染め上げた草木染めがレストハウスの売り場に並んで、見知らぬ人達が「これ素敵な色ねぇ。」と手にとって買い求めていく・・・。
考えただけでも楽しく、嬉しい気持ちになりますよね。
シュロの草木染めも好評を博すこと間違いなしですよ。
奥様のセンスに加えて、一緒にシュロの葉を取りに行ってくれるご主人の愛情がこもってますからね。e-348

綺麗な色ですね。
シュロの草木染めで、そのような上品な色が出るんですね。ブログを通してテレビでしか見た事もないような事を現実に行っている人達に出合えて人生が豊かになったような気がします。生石高原は行った事が無いので、いずれ近いうちに訪ねてみようと思います。

タマモクロスさんへ

 私も自分で釣った魚を「美味しい」と言ってくれるのを無上の喜びとしています。ただ、最近不調が続いていて、持ち帰る魚はほんのわずか。仲間らに大判振る舞いとはいきません。困っております。

ハカマさんへ

 ええ、シュロのスカーフをぜひ見ていただきたいし、奥様にも使っていただきたいと思います。
 自然が生み出す色合いは素晴らしいですね。魚で言えば、ハカマさんがよく釣って来るグレのグリーンはハッとする鮮やかさですね。

亀丸さんへ

 そう、私は女房の草木染めの作業にはすごく協力的ですよ。と言うのは、私の釣りにも理解してほしいという下心があるからです。それにしても、その釣りはどうもいけませんね。そのうち良くなるだろうと思っているうちに、もう鮎の解禁です。鮎の遡上は順調のようですが・・・。

たかたん さんへ

 一度、生石高原においで下さい。自然がいっぱいのいいところですよ。真夏でも気温が30度以上に上がることはなく、涼しいです。
 ただ、私たちの生活はテレビ番組に出てくるようなものではありません。平平凡凡です。
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