女房の友人に食べさせたいアオリイカ

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  紀伊水道にボートを浮かべ、波に揺られてすでに7時間が経つ。今ごろ女房の友人が山小屋に到着している頃だ。彼女は滋賀の自宅のご近所さんで、私もよく知っている。山小屋への来訪は二度目だ。前回もそうだったが、私が釣った魚や山菜を喜んで食べてくれた。

 女房は「魚を釣って食べさせてあげて。それに、家でゴロゴロされては掃除もできないし・・・」と言って送りだされ、釣りにやって来たのだ。狙いはアオリイカで、その釣りの合間にガシラやベラなど根魚を釣ろう。ただ、イカはこの時期そう簡単に釣れない。

 波が静かだったので、由良湾の沖に浮かぶ蟻島に向かった。2時間余り粘ったが当たりはない。釣らねばという使命感のようなものを背負っているので、次第に焦ってくる。

 場所を移動することにした。湾の奥に実績ポイントがある。ガシラやベラはよく釣れたが、イカの気配は感じられない。再び移動だ。次のポイントも以前よく釣った場所である。釣り人の多くは、成功体験が脳に刷り込まれていて過去に釣れた場所にこだわるものだ。

 女房の友人は、釣りたてのイカを持ち帰ればびっくりするだろうし、美味しいと言って食べてくれるだろう。そんな思いが頭から離れず、4度目の場所移動を決行することにした。次の場所はかなり沖合いで、全速で走っても30分くらいかかる。最後のチャンスをここに賭けた。

 しかし、イカの餌となる生きアジは残り少ないし、どれも弱っている。磯際から50メートルほど離れた所にアンカーを入れた。アジを弱らせないよう優しく操作しながら泳がせる。やがて当たりがあった。しばらく待って竿を持ち上げると、軽い。糸が根元から切れている。イカの仕業ではない。

 生きアジは残り2匹だ。いよいよ最後のチャンスになるだろう。しばらくすると、ピンと張っていた糸が緩んだ。イカがアジに食いつくとリールから糸が出て行くが、糸が緩むのも当たりだ。3分ほど待って糸を巻き、竿先で聞いてみると重い。感触からしてイカに間違いなかろう。即、ヤエンという掛けバリを投入する。

 慎重にヤエンを海中に送って行く。数分後、いきなりイカがジェット噴射し、猛烈に潜ろうする。イカが針に掛ったのだ。胸が高鳴る。玉網に入れるまでは油断できない。何度も何度も潜られたが、やっと浮いてきた。玉網ですくったイカは1キロほどありそうだ。

 残り1匹となったアジを泳がせる。10分くらい経過しただろうか。糸が左から右へ移動しており、先ほどと同じように糸が緩んでいる。よし、イカが乗っている!ヤエンを入れるため糸をたぐると、猛烈に走られた。

 装着したヤエンは空中でブランコのように揺れ、前に進まない。糸のヨレの所で止まっているのだ。一か八か、竿をあおると、うまく海中に潜って行った。イカへ到達するまで長い時間がかかったが、合わせを入れるとガッチリ掛った。

 先ほどのイカより引きは強い。ボートの近くまで寄ってきたが、それからのジェット噴射が激しい。釣り客を乗せた渡船が近寄ってきて、イカとのやり取りを見学している。無事玉網に納まったので渡船に手を振って声援に応えた。今度のイカは1キロを超えているだろう。

 餌のアジがなくなったので、思い残すことなく帰路についた。山小屋に帰ると、女房と友人が外に出てきてクーラーボックスを開けた。「ぎゃ、はは!」。この声を期待していたのだ。頑張った甲斐があった。昨夜はイカの半身を刺身にして、うまい酒に酔った。

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コメント

ヤエン、楽しそうですね。
渋い中で2杯もおみやげを持って帰るとは流石です。
もう1ヶ月ほど海に出てないので、こっそり今週末にでも行こうと思ってたのですが
今晩からどうやら雨のようです。TT
うかうかしてると、乗っ込みの時期が終わり、鮎の季節になってしまいます。。。orz

元漁師さんが、今日はダメだと諦めめるような日にでも、凄い釣果です。
イカ釣りの様子も、臨場感タップリで、その時の様子が伝わりました。
自分で釣った、採れたてのイカで一杯は、ほんとに美味しい一杯だと思います。
釣りが出来ない自分には、感嘆するばかりです。^^

会心のイカ釣りですね

今晩は。ご無沙汰しておりますが、更新は欠かさず見ております。
狙いどうりに、二杯のイカを釣り上げての凱旋は、さぞかし鼻が高かったことでしょう。
私も大漁の時は早く家に帰りたいと思います。外で獲物を取って、家に持ち帰ることは、昔から男の仕事なので、そののように感じるのかもしれませんね。

格好ええわぁ~!!

流石は我が師匠!!
何度も移動を繰り返すも全くアタリなしの大苦戦。
残る弱ったアジ2匹で大イカ2杯とはなんともドラマチック!!
お客様と奥様の期待というプレッシャーの中で、最後の最後での大チャンス。駄目なら奥様の手厳しい言葉が飛んでくるはず・・・。
ま、私なら震える手でドジな釣りを演じていたでしょうね。
「私のヤエンの師匠はアタリの7~8割方は獲るよ。」と言っても「そんなアホな。」と誰も信用しません。
でも、私は何度もこの目で目撃していますからね。
それにしてもそのイカ、美味しそうですね。
私は今日も雨で欠航です。家でのおねんねが辛いです。

さすけ さんへ

 雨ですねえ。これでは釣りはちょっと・・・。
 さあ、鮎ですね。今日はオトリ屋さんに行って年券を作ってもらいました。有田川は26日解禁です。天然遡上が物凄く多く、試し釣りではビリ鮎ばかりだそうです。しかし、今年は期待大です。一度、足を運んで下さい。

たかたん さんへ

 今からでも遅くはありませんよ。釣りを始めて下さい。釣りは道具をそろえてしまえば、後は安くつきます。美味しい魚も食べられます。
 とくに、たかたんさんは魚が豊富な瀬戸内の近くに住んでおられるのですから、是非、挑戦して下さい。
 

ハカマ さんへ

 私もハカマさんのブログは全部チェックしていますよ。南風が多く、釣りが出来ないのが残念ですね。それにしても、釣りの研究熱心さには脱帽です。
 本当、イカ2杯をぶら下げて凱旋できてよかったです。女房の友人にたらふく食べてもらいましたが、はっきり言って秋のイカの方がおいしいですね。卵を持っているからでしょうか。

亀丸さんへ

 いい型のイカが釣れました。散々苦労しての釣果ですから、嬉しさ100倍です。しかも、鯵2匹でイカ2杯ですから、奇跡のようなものです。幸運でした。ちょうど、ジアイだったのでしょう。
 上の写真の島影に見覚えがあるでしょう?ポイントはここです。海の色など釣れそうな雰囲気があるのです。ここなら1日中粘ることできます。
 ご案内します。おいで下さい。イカはデカイ!

こんばんは~~。

1k級のアオリイカ良かったですね。掛った後の引きの強さは凄いもので、お~これは2~3kはあるぞ~っと思います。良いお土産と腕自慢が出来て帰りの車は鼻歌が出て来たのではないですか。おめでとうございました。

豊漁ですね。

1kgというと、お砂糖一袋の重さ。すごいなぁ~~~

さぞかし、おいしかったことでしょう。

ぼっちゃん様へ

 本当に、最後の最後で釣ることができ、ラッキーでした。私はアジの動きをよくし、ヤエンの滑りをよくするためラインを細くしていますので、このクラスが掛ると、ヒヤヒヤです。こちらでは6月いっぱいまで釣れますので、また挑戦します。

まるまるさんへ

 うーん、美味しいかと言われると、身が厚過ぎて少し硬く、やはり秋から晩秋に釣れる800グラムくらいの方が美味しいですね。鉄板焼きにしたり、お好み焼きに入れたりする方がいいかもしれませんね。とりあえず、冷凍しましたが・・・。
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