森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

いざ菅内閣・・・

  新年の株式大発会のように、菅直人さんの内閣にご祝儀相場がつき、支持率はウナギ登りだ。まことに、めでたいことである。鳩山さん、小沢さんを追い詰めてきた自民党などの野党は、予想されたこととはいえ、さぞや苦虫をつぶしているに違いない。

 有権者は、資金疑惑を持たれたツートップが排除されたことをまずは評価したのだろう。次は景気や生活が良くなることを期待するはずだ。菅内閣はまだ具体的な政策を打ち出していないが、それ次第で支持率は曲折するだろう。そのまた次は政策の実行力を問われよう。

 景気が良くなる、生活が豊かになる、暮らしやすく、将来に不安のない社会になる・・・。どのような国でも国民の最大の、切なる願いだろう。しかし、私のように年を取ると、それだけが関心事ではない。正直言って、美味しい物を食べ、海外を見聞し、美しいご婦人とご縁を結ぼうなどと今更考えない。今の生活は豊かではないが、明日にも路頭に迷うことがないので、こんな呑気な事が言えるのだ。

 生活や経済の政策もさることながら、その政治が「日本の在り様」をどう考えているか気になるのだ。それぞれの国は、先人から受け継いできた「固有の価値観」によって成り立っている。もちろんその価値観は個人を束縛するものではないが、しかし国の底流に脈々と流れていることまで否定できないだろう。

 アメリカは、独立戦争によって新しい国家を樹立した。だから国の歴史は浅い。昔、変な先生にケネディー大統領の就任演説を嫌々読まされたことがある。独立戦争以来の歴史に触れながら、アメリカがあなたがたに何をするかではなく、あなたがたがアメリカに何が出来るか--というような事が書かれていた。国に対する忠誠こそがアメリカの最大の価値なのだと思った。

 ただ皮肉にも、戦後日本はそのアメリカの占領政策と、進歩的文化人らによって国に対する忠誠心を骨抜きにされた。占領軍は主君への恨みを晴らす忠臣蔵さえ上演を禁止した。近代日本では天皇への忠誠が国への忠誠であったし、それ以前は藩と主君に対する忠誠を重んじるという歴史を辿っているので、どうも私には日本人の国家観について良く分からないことが多い。

 しかし日本には、困っている人を助ける憐みの心、四季の自然とともに生きる自然観、儒教、仏教、武士道などがもたらした人生観、これらが一体となった道徳観・・・。このような固有の価値観が国の根っこになっている。世界に類まれな深い精神世界こそ日本の誇りであり、私はこれらを大切にする政治を密かに期待しているのだ。

 菅さんは市民運動家から政治家になった人だ。おそらくベトナム戦争反対運動がきっかけだったのだろう。彼の若かりし頃は全共闘運動が全盛で、反米を掲げた社会運動、市民運動が繰り広げられた。ヒッピーの若者たちも反戦と自由をうたい、ナショナリズムを排した。

 菅さんも「ナショナリズムは悪」、「国家は悪」と考えていた時期があったと思う。菅さんの本を読んだこともないし、調べたこともないので、誤解があるかもしれない。しかし、大胆な宗旨替えをして、国への忠誠とか、古来からの道徳心を政治家としての軸足にしているとは思えない。

 いや、別に菅さんを悪く言うつもりはない。国会中によく居眠りをするのでマスコミに批判されるが、私は器の大きな人物だと思っている。あの西郷隆盛だって、幕府重臣と江戸城引き渡しの会議中、居眠りをしていたというエピソードが残っているのだ。居眠りは、人間の器量を計る物指しかもしれない。

 菅さんの船出にエールを送るつもりが、少し出鼻をくじくようなことを書いてしまったが、別に他意はない。ただ、「1位ではなく、なぜ2位ではいけないのですか?」などと、日本のプライドを傷つけた閣僚を選挙の顔として起用したのはいただけない。これからも、「日本の誇り」を踏みつけるようなことをしてもらいたくない。

 私心なしと誰もが認める西郷さんは、自らが成し遂げた維新政府に反旗を翻し、西南戦争で命を絶った。なぜか。あるべき国家像に殉じたのだと思う。それはともかく、今度の人事で排除されたグループが、萩の乱、佐賀の乱、はたまた西南戦争を起こしかねない不穏な空気だ。

 「歴史は繰り返す。一度は悲劇として、二度目は茶番として」--。管さんが薫陶を受けたかもしれないマルクスの有名な言葉である。そのグループの長は「壊し屋」の異名をとる。歴史は繰り返す。うーん、そうならないよう、菅さんの舵取りを見守りたい。
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Comment
 
 アガタ・リョウ [URL] #-
 本日分をUPして、ラジオで組閣放送を聞きながら、兄貴の文章を二度読みして居ります。

 島国日本の四季の国の中で、長い時代を経て醸成・熟成されて来た日本人の精神性を、イデオロギー・論理・法律と云った余りにも人工性の強い物との対比で、物を考えてしまう傾向が強いと感じてしまう自分の感覚回路です。
 
 それは、日本人の精神性は、論理に基づくよりも情に基づく要素が強いのではないかとの思いからでした。大八洲・天皇の大御心・忠臣蔵・山本常長の葉隠れ・西郷南州伝など、其処には論理の強調りも、情の協調に根差した精神性の普遍性の様な物を感じている次第です。

 日本の指導者の精神性には、支配と被支配の対立よりは、支配と被支配の一重に依る同心円の様な慈しみの仏教思想が有る様に感じられます。好く引き合いに出される、聖徳太子の「和を以って貴しと為す」の日本人の精神性に根差した指導者が待望される処ですね。

 遺憾いかん・・・支離滅裂な舌足らずのコメントと為ってしまいました。本日も又、通信教育を有難く受講出来ました。感謝感謝でありまする。
 2010.06.08 (火) 14:33 [Edit]
でも、国会中に居眠りはいかんでしょう!!
かくいう私も、今とりかかっている仕事で小難しい文章を読み込んでいると、いつの間にやら船漕いでいますけど・・・。
菅内閣に望むことは多いですが、なにはともあれ任期をまっとうする事を国民が許す仕事をお願いしたいですね。
ここまでリーダーがコロコロ変わる国をどこの国が信用しますかね。
 2010.06.08 (火) 23:19 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 こんばんわ。今日は午後からいい天気になりました。いま、1時間の散歩から帰りましたが、道端のイバラに黄イチゴが実を付け、これを食べながらの散歩でした。
 また、また、つまらないことを書いてしまいました。ブログのネタに困っているのではなく、単純人間ですから腹に収めておくことができないのでしょうね。戯言、減らず口です・・・。
 「日本人の精神性は、論理に基づくよりも情に基づく要素が強いのではないか」は、私もそう思います。
アガタ・リョウさんへ 2010.06.09 (水) 18:46 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 菅さんの内閣はいつまでもつでしょうね。9月の代表選挙では小沢さんが対決すると言ってますから、注目ですね。
 明日はイサギ、カツオを狙ってボートを出します。もし、鯵が釣れれば、夕方はアオリイカです。ボートを係留したまま、その次の日もやろうかな・・・。女房がいないし。
亀丸さんへ 2010.06.09 (水) 18:51 [Edit]






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