森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

釣った魚を届ける・・・律儀な返礼

  昨日は梅雨がひと休みし、由良湾に浮かべたボートの上で爽やかな一日を過ごした。このところずっと雨が続き、山小屋の中で悶々としていただけに、太陽を浴びる喜びはひとしおだった。海も穏やかで、そよ風に吹かれているうちに寝てしまい、もうちょっとでボートから転げ落ちそうになることもあった。

 広い海の上で、魚が釣れるポイントに船を止めるのは難しい。漁師たちは「山立て」という三角測量の方法で位置を定めるのだが、GPSのような驚くべき正確さだ。だから私は、いつも由良湾に出漁している漁船を探し、その近くにすり寄ることにしている。

 この日は、民宿と漁師を兼業している馴染みの漁船が来ていたので、「おはよう。釣れるかー」と様子を聞き、その横にアンカーを放り込んだ。魚の活性は良くないが、それでも結構大きなアジがポツリ、ポツリと食った。さすが漁師が選んだポイントである。

 しばらくすると、当たりを取る人差し指に大きな魚信が伝わった。すかさず合わせると、なかなかの手応えだ。深さ38メートルから糸を手繰り上げるのは時間がかかる。やがて黄色味を帯びたイサギが姿を現した。イサギは麦秋のこの時期、「麦わらイサギ」と呼ぶ旬の魚だ。

 午前中にイサギ4匹、アジ10数匹、小鯛3匹を釣り上げた。生かしておいたアジでアオリイカを狙うことにしたが、シーズンが終わりかけているので期待はしていなかった。案の定、当たりはなかった。太刀魚だろうか、糸を噛み切られることが何度かあり、折角釣ったアジなのにもったいないことをした。

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 おいしいイサギが釣れたので、ぜひ届けたい人がいる。この人は、私たちが暮らす生石山の中腹で農業をしている。豊かな知識と工夫で、ひと味もふた味も違うミカンやキュウイを育てるので有名だ。

 彼はどこにでもいる土だらけのお百姓さんだが、大学の先生と渡り合うほど植物に詳しい凄い人である。山や野を歩き、独学で知識を深めたと聞く。植物観察会のグループに属していて、実地の集まりがあるといつも山小屋のポストに案内パンフを入れてくれる。魚の差し入れは、お世話になっている感謝の気持ちである。

 魚を届けて山小屋に帰り、イサギの煮付けでお酒を飲み、早目に寝た。午前3時半から始まるサッカーのデンマーク戦を見るためだ。早朝の釣りで鍛えているので、難なく時間通りに目が覚めた。放映していたテレビ局は、映りが悪いので音声に頼らざるを得ない。情けない話、3発のシュート場面もアナウンサーの絶叫がなければ分からないほどの映りなのだ。

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 ともかく日本は快勝し、決勝に進んだ。選手たちの態度もコメントも、Jリーグ発足当時に比べると随分成長したなあと思う。世界を相手に戦うサムライブルー・・・。選手たちの心の成長を見たような気がする。

 朝6時半ごろ、うとうとしていると外で人が呼んでいる。なんと、きのう魚を届けた彼が立っているではないか。「これ、いま採ってきた」と大きな袋を手渡された。ひとつ一つ紙に包んだ木なり完熟のセミノールだ。

 さっそく食べてみた。皮をむくと果汁がボトボトと滴り落ちる。甘い、甘い。魚の返礼として朝採りの果物を届けてくれる・・・。彼の律儀さに頭が下がった。

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   16:01 | Comment:6 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 たかたん [URL] #NM1EMLgs
いつも釣りの記事を見てると、趣味もここまでくると達人だなあ~~と思います。漁師さんに限らず職人さんの経験から積み上げてきた感ってすごいですよね。僕が現役で工場付きの設計でいた頃に、図面を見ただけで、強度不足を指摘されたり、指先の感覚だけで1/1000ミリが分るよような凄い人達がいました。その人達は、「わしらは、アホやから体で覚えたんや。」と言ってました。手続き上のルール違反と解っていても、工場のその人達の要望をすぐさま訂正変更して、よく可愛がってもってい、ピンチの時も幾度となく助けてもらったのを思い出します。何時の頃からか、このような職人肌の人が少なくなってきたのが、少し寂しいですが、ひまじんさんのあたりでは、そんな人達が生き生きと暮らしてる様子が伺え、ほのぼのとした気持ちになりました。
サッカー見たかったです。。。。
見るねんと言いながら結局、起きれませんでした。^^
 2010.06.25 (金) 18:29 [Edit]
 アガタ・リョウ [URL] #-
 こんばんわ。兄貴好いですねぇ。自然の中に居る男同士の律義さ。律義さの中に通うお互いの相手への一目・二目を置く男同士の対し方・・・ 兄貴の声が聞こえて来る様ですよ。自然から遠ざかると、人間と云うのは、兎角ギスギスしてしまいますらね。

 サッカー見ました。半分モーローとしながらでしたけどね。全部見ました。南アから送られて来る映像?なんでしょうが、日本のスポーツ中継の撮り方と違って、見辛かったですね。へへ、寝不足が祟って、昼寝為らぬ夕方寝をしてしまいました。
 2010.06.25 (金) 21:28 [Edit]
イサギもセミノールも美味しそうですねぇ~。
釣りですが、私も今は何処で釣っていいのか皆目分かりませんので、乗合船を探して同じラインを流すようにしています。
でも瀬戸内でも屈指の漁場、鹿ノ瀬なんて、約二km×十数kmととてつもない大きさの瀬ですから、漁船を探すのも一苦労ですが・・・。
しかし、ひまじんさん。ここ最近の釣果からすると、イサギとアジのポイントを掴みましたね。
また今度案内して下さいね~!!
 2010.06.25 (金) 23:39 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 職人さんて、本当に凄いですね。指の感覚がミクロの世界を覚えているのですね。それだけに、とっつきにきところもあるようですが、たかたんさんはうまくお付き合いされていたのでしょう。
 設計のお仕事も私にはできません。三半規管がおかしいのか、図面や地図を頭のの中に置くことができないのです。右!と言われても、どっちが右か分からないことがあるのです。
たかたん さんへ 2010.06.26 (土) 10:27 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 おはようございます。今日も朝から激しく雨が降っています。それにしても、雨でも晴れてもこまめにブログを更新されるアガタさんの熱意と創作意欲に感心しています。
 確かに、自然の中で生活していると、私も少し穏やかになっています。木や草花が発散する物質の効用かもしれません。
アガタ・リョウさんへ 2010.06.26 (土) 10:33 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 鹿ノ瀬って、そんなに広いのですか。しかし、その中にも良いポイントがあるのでしょうね。釣れた場所を記憶させるGPSが欲しいですね。
 ええ、少しポイントが分かりかけてきました。イサギ、アジ、アオリイカの場所は任せておいて下さい。この次に行く時は、例の漁師が小浦一文字の沖のいいポイントを教えてくれるそうです。
 まだまだイサギのシーズンです。また来てくださいよ。案内します。 
亀丸さんへ 2010.06.26 (土) 10:38 [Edit]






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