森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

墓参りから帰るとヒグラシが鳴いていた

 お盆の墓参りが出来なくなったので、滋賀の自宅に帰った。何事も遅いより早い方がよかろうと思ったまでだが、先祖様や両親たちは「ちょっと早過ぎるなあ」と、ささやき合っているかもしれない。墓の周りの草取りをし、切り花を供えて神妙に手を合わせてきた。

 滋賀への帰り道は、尋常の雨でなかった。車のワイパーを最速にしても前が見えず、立ち往生した。こんなゲリラ豪雨が列島を襲い、多くの人命が失われた。いつもは快い水音が突如牙をむき、濁流に豹変する。自然の営みは、時に無慈悲だ。恐怖の極限の中で奈落に落ちて行った人たちを思うと、気の毒でならない。

 それから2日後、豪雨災害が嘘だったかのように空が晴れ渡り、梅雨が明けた。それにしても今年の梅雨はしつこかった。ここひと月余り、山小屋周辺の土は乾くことがなく、いたる所にカビが生えたりして気持ちを滅入らせていた。それだけに、遠く滋賀で見た青空はまぶしかった。

 自宅から15分ほど坂道を下ると、琵琶湖畔に出る。運動不足なので、青い湖を眺めながら毎日歩いた。湖畔は遊歩道が整備され、気持ちよく歩ける。ジョギングする人、散歩する人、犬に引かれる人・・・。多くの老若男女と出会った。私たち夫婦が暮らす山奥の和歌山とは別の世界のように思えた。

 大津プリンスホテルに近づくと、バーベキューの香ばしい匂いが漂ってきた。軽やかなハワイアンの音楽も流れている。湖畔に面したビヤガーデンは大賑わいだった。一段高いステージで踊るフラダンスの女性に目が釘付けになった。白く長い指が波うち、豊かな腰がうねっている。生垣の隙間から目を凝らす自分が恥ずかしかった。

 しばらく歩くと、2人の釣り人がいた。次々とブルーギルを釣り上げ、バケツに放り込んでいる。話をしていて分かったことだが、彼らはアルバイトをしているのだそうだ。外来魚の駆除に取り組む漁協では、組合員に限り、ブルーギルなどを持ち込むとキロ250円で買い取っているのだ。

 釣り人の一人は、5月から10月までほとんど毎日この場所で外来魚を釣り、昨年は30トンの水揚げで75万円儲けたと言う。好きな釣りをしてお金が儲かるのだから、羨ましい。和歌山の山から下りてきて、ひと儲けしてみようか・・・。そんないじましい誘惑が頭をかすめた。

 彼が煙草を吸うため一服したので、竿を貸してもらった。こちらだって釣り歴40年。1投1匹のペースで10センチ前後のブルーギルを釣り、彼が針を外してバケツにポイ。「あんた、うまいなあ」と褒めてくれたが、下手でも釣れるほど外来魚の猛威はひどい。生態系が崩れた琵琶湖の現実を垣間見た。

 色々と用事を済まし、猛暑の中、山小屋に向かった。生石山を上ると次第に気温が下がり、山小屋にはひんやりとした風が吹いていた。「カナ、カナ、カナ」・・・。どこか寂しげなヒグラシゼミが鳴いている。気象庁よりも正確に梅雨明けを告げるセミである。

 ひと夏で終わる命の一滴、一滴を絞り出すような鳴き声だ。梅雨が明け、夏が来て、季節が駆け抜けて行く・・・。
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   08:41 | Comment:7 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 たかたん [URL] #NM1EMLgs
琵琶湖湖畔はいいですね。
僕も実は暫くの間ですが、単身赴任的に石山にいました。その時に滋賀、琵琶湖の自然に魅了されました。以来、滋賀県通いが続いています。今月も残りわずかですが、醒ヶ井の地蔵川、函館山のユリ園にいくように日程を組んでます。
鉄砲水や土石流などの災害のニュースを見ると、怖いなと思いつつもまるで別世界のように見聞してしまいす。どれだけ科学技術、土木技術が進んでも人は自然の営みにはかないません。人とも自然の一部として調和の取れた生き方ができたらと思います。
この間、烏丸半島で琵琶湖の写真を撮ってるときに湖畔に、尾っぽが水色をした魚が沢山、泳いでいて最初は、それが外来魚と知らずに喜んで見てました。彼ら外来魚が繁栄する限り琵琶湖の固有種の生存が危ぶまれています。もはや、外来魚の完全駆逐は難しい状態でしょうが琵琶湖の固有種たちを守りながらなんとか琵琶湖の生態系をも守りたいと秘かに願ってます。願いながら、何も出来ないのですが。。。。
沢山の啓示、提唱ががあり、僕には改め考えることが多い実り多き内容でした。
★「ぼんやりの時間」読みました。
僕のバイブル的な一冊になりました。今まで、自分自身の行動に疑問に思ってた事柄などが著名人の例も取り上げながら解りやすく書かれていました。この本を読み、改めてH.Dソローを再読しようという気持ちになりました。
 2010.07.19 (月) 10:26 [Edit]
割の良いアルバイト。
ひまじんさんなら一年もやれば蔵が建つんじゃないですか。
琵琶湖ではいろんな取り組みをしているんでしょうが、あの繁殖力の前には気休めにしかならないんでしょうね。
私がよくガシラ釣りでよく使う餌のイサザ、琵琶湖の固有種だそうです。
ガシラにはあの餌がピカイチだと思うんですが手に入らなくなると困ります。
 2010.07.19 (月) 11:29 [Edit]
 isshy [URL] #-
ひまじんさん、ならびに奥様
暑中お見舞い申し上げます。
高原ではヒグラシですかー。
外科医ではクマゼミが梅雨明けや盛夏を告げるセミです。いずれにしても、楽しい夏はあっという間、駆け抜けて行くはぴったりの表現ですね。夏を楽しみましょう!
 2010.07.20 (火) 01:57 [Edit]
 isshy [URL] #-
すいません変換間違いしました。
外科医→下界
どうもすいません。
 2010.07.20 (火) 19:14 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 私は滋賀で生まれ、滋賀にちっぽけな住宅を買ったのですが、たかたんさんは石山にしばらくながらおられたのですから、なにがしかのご縁がありますね。石山と言えば、東レ、サンヨー電器などたくさん企業があります。転勤してきた人は、琵琶湖の素晴らしさを感じてくれていると思います。
 しかし、その青い琵琶湖の水面下はもはや回復不能なほど外来魚が繁殖しています。悲しいことです。
たかたん さんへ 2010.07.20 (火) 20:44 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 へー、イサダはガシラの餌になるのですか。しりませんでした。イサダは小さいころから、エビと一緒に煮て食べていました。
 ブルーギルは10秒で1匹釣れます。技術なんか関係ありません。要するに、湧いているのです。蔵でも建てましょうかねえ。
亀丸 さんへ 2010.07.20 (火) 20:49 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ご丁寧に変換ミスの訂正をしていただき、恐縮です。外科医・・・下界。よくあることですね。日本語の難しいところです。でも、ちゃーんと分かっていましたよ。
 クマゼミが気象予報ですか。どのようなセミかもしりません。それはともかく、自然と生き物は、きちんと季節を正確に告げてくれますね。
isshy  さんへ 2010.07.20 (火) 20:54 [Edit]






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