森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

眠れぬ夜・・・加古隆の曲に想うこと

  夜10時ごろ床につき、1時間余りまどろんだ後、妙に目が冴えてしまった。働いていた頃は翌日の体調が気になり、眠ろうと焦った。今はそんなことを気にせず、眠たくなった時に眠ればいいという気楽な生活だ。

 そこで、ウイスキーの水割りを片手にウッドデッキに出て、椅子に座った。残暑は厳しいが、夜は肌寒い。空を見上げると、無数の星が輝いていた。これほど多くの星が見えるのは珍しく、北斗七星も北の空に美しく見えた。

 星座のことはほとんど知らないが、しばらく天空の輝きに目を凝らした。膨張を続ける宇宙では、今その瞬間にも新しい星が生まれ、老いた星が死んで行く。この地球でも新しい命の誕生と死滅が繰り返されている。

 星空を見ていると、若いころから得体のしれない恐怖に包まれるのだ。年を取った今もそれは変わらない。星の向こうに広がる果てしない闇に恐怖を覚えるのだと思う。

 体が冷えてきたので、居間に戻った。ウイスキーの酔いがほどよく回り、まだまだ眠れそうにない。音楽を聞きたい気分だ。こんな時はしばしば、「ピアノの詩人」とも言われる加古隆の曲をかける。

 加古を知ったのは、10数年前のことだった。NHKスペシャル「映像の世紀」で加古作曲の「パリは燃えているか」が流れていた。壮大な音の広がりとともに、物悲しい旋律が刻まれている。

 20世紀は「戦争の世紀」であり、その番組も戦争の映像を中心に編集されていた。加古の曲には、戦争の愚かしさ、痛ましさを訴えかける響きがあり、激しく魂を揺さぶられた。

 この曲を聞くたびに、ある光景を思い出し、今でも涙がにじんでくる。あれは沖縄だったか、いやそうでなかったかもしれない。進駐軍が車を連ねてやって来る。すると、集落の男も女も子供も、隊列にくるりと背を向けた。彼らが出来る精いっぱいの日本人の気概であった。

 酔いに身を委ね、「パリは燃えているか」の曲に聞き入り、あの時の映像と重ねながらまた泣いた。決して泣き上戸ではないのだが・・・。

 大東亜戦争が終結して65年。その年のちょうど今ごろ、進駐軍が日本に上陸した。そして9月には、パイプをくわえたマッカーサーが飛行機から降り立った。私は戦争を知らない世代ではあるが、あの戦争のアメリカに一物を持ち続けている。

 戦争の大義とか善悪とか云々するほど青くはない。しかし、2発の原爆を落とし、雨のように爆弾を降らせ、根拠のない戦犯法廷で人々を裁いたことを忘れる訳にはいかないのだ。

 いつの時代も「正義」とは言えない正義を振り回すアメリカに、戦後日本は、みんな、みんなヘラヘラしている。進駐軍に背を向けたあの精いっぱいの気概はどこへ行ったのか。加古隆の音楽が余計な事を書かせてしまった。決して怒りん坊でも、怒り上戸でもないのだが・・・。
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   07:20 | Comment:10 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
 ヒゲMac [URL] #ONVmrvNQ
私も勿論戦争を知らない子供なのですが、私がカナダにて生活していたときに日本人にもカナダ人にもアメリカン人にも悲しいと感じたのが「ナショナリズム」でした。

自分の国、俺は日本人だ、俺はカナダ人だ、俺はアメリカ人だ・・・そのどうしても根強い気持ちが摩擦をうんで、私もイエローと怒鳴られ差別されもしましたが、でも白人など嫌いだとも思わず、嫌いだったのはそのナショナリズムな考えでした。

私はそのナショナリズムな考えが戦争、紛争を真似ているのではと思えて辛いです。

容赦なく下した不条理なもので裁かれるのも人間独特な考えなので人種はあまり関係ないのかもしれません。 それらは、人間だからといえるかもしれません、人間だからそうしてしまったとも。

でないと、不条理で矛盾しているのが、この地球の46億年の歴史で、地球は幾度も我々生命を「有無言わさず」殺してきています。

そう考えると人間はまだまだ幼稚な段階の意識化で物事を判断しているとなってしまいます。

ナショナリズムをなくしユニバーサルな思考に持っていけるようになると「許す」と言う言葉が浮かび上がってくると私は信じたいのです。

初の書き込みでおかしなことを綴り申し訳ありませんでした。
こちらでははじめまして 2010.08.25 (水) 11:59 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 コメント有難うございます。薪ストーブの件では貴重なアドバイスをいただき、有難うございました。後しばらくすると、ドブレ760CBが入って来ます。その時には、その様子を報告したいと思っています。
 カナダで生活されていたのですね。だから、ナショナリズムを強く意識されたのでしょう。特に、国家発揚のナショナリズム(中国など)は危険な匂いすらします。それぞれの国や民族にはそれぞれの誇りがあり、これを自覚することは素晴らしいことだと思っています。
 今後ともよろしくお願いします。
ヒゲMac さんへ 2010.08.25 (水) 18:39 [Edit]
 アガタ・リョウ [URL] #-
 雨が降りそうで、降りません。暑い限りで有ります。兄貴は、羨ましいですね。そんな涙が出る光景に接する事が出来て、私の米兵は、校庭の端にジープに乗って来た物です。
 小学生の一年生頃だったでしょうか。ガムをクチャクチャ噛みながら・・・ 白人の若い兵士達でした。その笑顔は、子供好きの様で優しく見えました。きっと、チョコレートかビスケットを配って居た様に記憶して居ます。何人か生徒達が居て貰っていました。
 でも、その光景に、屈辱的な悔しさを、年端の行かない私でも、感じましたよ。屈辱的な悔しさなんて言葉は知らなかったですが、恥を知れって言葉は知って居ましたがね。

 恥を知らない者同士に、同等の意識など通い合う筈が無いでしょうね。そんな事を打っている間に、映画を一つ思い出しました。
 三船敏郎・リー・マービンのたった二人の映画『太平洋の地獄』?だったでしょうかね。この映画は、決してユニバーサルな思考では無く、ナショナリズムに根差した男と男の観察から来た恥を知って居る者同士の友情の芽生えを表わした映画と認識して居るのですがね。

 人間が持っている心の普遍性をユニバーサルと位置付ければ、理屈的には、筋が通るんでしょうが・・・矢張り、私は日本人に拘りたいですね。ゴロゴロの音に交じって、雨が降って来ました。イッヒッヒ!!
 2010.08.25 (水) 18:41 [Edit]
 タマモクロス [URL] #mQop/nM.
どう考えても、本土を爆撃し、2発も核を落としたアメリカは戦犯ですな・・・
但し、勝てば官軍という言葉もおますのも世の真実

20年ぐらい前のアニメですが、こういう言葉がありました
「アメリカ人はリベラルで親切な国民ですが、いつも相手に一歩引くことを要求する」と
納得・・・

あと、「愛の無い力は暴力であり、力の無い愛は無力」だと・・・
これも納得

平和を祈りますが、仏の世界でも戦いの神様不動明王が居ること鑑みれば、人の居る限り平和は無いのでしょうかね・・・

そうであるなら、戦後60年以上平和に暮らした日本人は世界で一番幸せなのでしょうか?
 2010.08.25 (水) 20:53 [Edit]
 たかたん [URL] #NM1EMLgs
おはようございます。
昨日(25日)の夜は、明石の方でも星々が輝き、久しぶりに夜の星と満月を楽しみました。
朝夕の風も少し熱が冷めてきたように爽やかな時があります。標高の高い生石高原では、すでに秋の気配がt漂い朝晩は寒さを感じることと思います。
僕も、まさにアメリカいや、戦勝国は第二次大戦に勝利したことによる傍若無人ぶりには腹立たしく思います。いまだにヤルタ体制が見え隠れするのが腹立たしく感じます。
日本は、戦後GHQ指導により、ことごとく日本の誇りを取り上げられ今や日本の国民そのものが、国家の意識無く誇りまで失っています。
何時の日にか、我々が失った物を取り戻すことが出来たらいいななどと思ってます。
加古さんの「パリは燃えているか」
これもいい曲で、僕も好きです。この曲、フランス映画の「パリは燃えているか」のDVDを探してるときに加古さんのこの曲を知りました、最初は、なんとなく聞いていましたが、繰り返し聞くほどにいいなと思います。
ひまじんさんが、この曲を気に入ってると知り、なんだか嬉しいです。
 2010.08.26 (木) 09:41 [Edit]
 ジジィ [URL] #-
お久しぶりです。無数の星を見ながら
お酒を飲む。良いですね。
戦争前、戦争中の話は、自分なりに、読みましたが、大変ですわ。日本人民も被害者である、と言う言葉が好きですね。ノモハン、ガダルカナル、インパール、、、屍を荒野にさらし。今を
平和に生きてるのを感謝です。
 2010.08.27 (金) 10:36 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 旅行に行っていましたので、返信が遅れました。残暑が厳しいですね。当分続くそうですから、お母様ともどもお体に気を付けて。
 日本人は、あの敗戦と進駐軍の態度をいつの間に忘れてしまったのでしょう。アガタさんのように屈辱として記憶している人は少数でしょうね。米兵の腕にぶら下がっていた女性、ギブミーの子供たち・・・嗚呼。
アガタ・リョウさんへ 2010.08.28 (土) 16:27 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 見識あるご意見、ごもっとです。世界の人が願う平和は、戦争の合間にしか存在しないと言う誰かの言葉はけだし名言ですね。
 60年平和だった日本は幸せか?確かに有難い歳月でしたが、その間に日本人としての大切なものをどこかに置いてきたようにも思います。これからの半世紀は、精神の復活を求めなければならんでしょうね。いや、失礼!
タマモクロス さんへ 2010.08.28 (土) 16:34 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 はい、こちらは本格的な秋の風が吹いています。でも、今年の残暑は異常ですね。精力的に動いておられるので、体に注意して下さい。
 何時の日にか、我々が失った物を取り戻す--その通りですね。ヤルタ体制がまだ世界を支配している馬鹿らしさ。人類の未熟さの一端ですね。加古隆の曲でも聞いて気を鎮めたい・・・。
たかたん さんへ 2010.08.28 (土) 16:42 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ご無沙汰です。異常な暑さにうんざりしておられるのではないでしょうか。まだまだ残暑が続くそうで、「しつこい」と言いたくなりますね。
 先日テレビを見ていたら、ある国会議員が「戦争は外交の失敗」とほざいていましたが、人類ってそれほど賢くもないと思います。
ジジィ さんへ 2010.08.28 (土) 16:48 [Edit]






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