森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

アワビと海と湯の小さな旅に出る

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  半日余りもパソコンの前に座っていた女房が、弾んだ声を上げた。「アワビづくしの料理だって。料金が安い! ここへ行きたいなあ」・・・。お得な旅行情報を探すため、楽天トラベルとかじゃらんを調べていたのだ。

 「どうする? 行ってみましょうよ」 「任せる」。 「いつ行く?」 「任せる」。 こんな会話で1泊の小旅行が決まった。亭主関白だった私の力はとっくに衰え、もはや主導権は女房に移っている。だから、余計な口出しはせず、女房に従うことが何事も平和的に進むのだ。  

 さて、アワビの旅の行く先は、三重県の紀伊長島に近い海辺である。ということは、私たちが住む紀伊半島の西側から東側へ半円を描くようにぐるり回らなければならない。長いドライブになるが、黒潮が洗う海を見ながらの旅もいい。

 半島に点在する磯場は懐かしい風景である。枯木灘の伊古木、すさみ、口和深、見老津・・・。大阪から夜行列車に乗り、よく釣りに通ったものだ。たくさん釣れたこともあったが、疲労だけを背負って帰りの電車に揺られることの方が多かった。

 やがて串本に着き、水族館のある海中公園に立ち寄った。女房は以前子供と来たことがあるので、私だけが入館した。マグロ、サメ、ロウニンアジ、石鯛、ウツボなど黒潮の魚を見るのは楽しかった。まるで、子供の遠足気分である。

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 本州最南端の潮岬灯台に向かう。青空にそびえる白い巨塔が美しい。60数段の急な階段を上ると、潮岬の絶景が目の前に広がる。悲しいかな高所恐怖症なので一歩も動けない。手すりにつかまったまま眺めていると、異様な波立ちが目に入った。

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 岩礁地帯の数百メートル沖を黒潮が川のように流れているのだ。切符売り場のおばさんから耳寄りな話を聞いた。アオリイカはこの潮の激流を泳いで沖に行けず、手前で群れをなして留まり、それを狙って多くの漁船が漁をするのだという。アオリイカの釣りをする私にとって聞き捨てならない情報である。

     ↓ 黒潮が北上する川のような波立ち
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 日本・トルコ友好の象徴ともいえる串本大島にも行った。1890年9月、トルコの軍艦エルトゥールル号が沈没、多くの乗組員が樫野碕の岩礁地帯に打ち上げられ、地元の漁師たちが献身的に救助した。トルコの人たちの間では今なお美談として語り継がれているそうだ。この浜には立派な慰霊碑が建てられている。

     ↓ トルコ海軍の軍艦が沈没した現場
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 あちこち道草をし、8時間半かかって「紀の国」という旅館に到着した。目の前の小さな漁港には夕闇が迫っていた。飛び切りの美人女将が笑顔で迎えてくれた。私はアワビより、こちらの方がうれしい。

 さて食事・・・。アワビの刺身、バター焼き、グラタンの3種類。サザエの壺焼き、カンパチなどの刺身盛り合わせ、ヒラメの刺身大盛り、熊野牛、焼き魚、カレイの唐揚げ・・・。

 特に美味しかったのがウニ。「甘ーい」などと馬鹿タレントのように当たり前のことは言わない。とにかく、その量が半端ではないのだ。ウニの殻の底まで一杯詰まっている。女房の好物なので半分くれてやり、喜ばせてやった。

 お高い旅館では、もったいぶったような料理が大き過ぎる器にちまちまと盛られているが、ここでは小さな器にはみ出るように盛りつけてある。素朴で、気取っていないのがいいではないか。全部はとても食べきれず、美人女将に言い訳ばかりしていた。

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 翌日は、紀伊半島の奥地にある十津川温泉に向かった。気絶しそうな切り立った山道を辿り、車の運転は緊張の連続だ。この熊野古道にある温泉地は、夏休みとあって多くの人でにぎわっていた。「星の湯」で汗を流し、熊野本宮大社を経由して生石山の山小屋へ。

 美味しい海鮮料理、輝く黒潮の海、天にそびえるような山々を楽しむ小さな旅だった。いくつになっても旅はいいものだし、何よりも健康でいられることに改めて感謝したい・・・。
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Comment
 
 たかたん [URL] #NM1EMLgs
予定外の寄り道しながらの旅が、僕には旅の醍醐味のように最近は思ってます。今日、拝見してるとそのような雰囲気が伝わって来ます。
ひまじんさんが立ち寄られた所で、僕が行った事のあるところは、潮の岬の灯台ぐらいです。
国道42線を走るルートは、本当に開放的になり気分のいいドライブが出来ます。(その分、取締りには要注意ですが。^^)
僕も、このブログを読んで行きたくなりました。^^
小さな器に、はみ出さんばかりの料理が並ぶの最高です。最近では若い頃のように食べれなくなりましたが、それでも現金な物で旅に出るとよく食べます。
ほんとに、これを読んで行きたくなりウズウズします。
未だに奈良、和歌山、隣接する三重の山中の道は道は車で走るには本当に緊張します。バイクで走ってた頃にはそのようには感じなかったんですが。^^
でも、その分なんとも言えない風景に出会えるのが楽しみです。
十津川温泉郷も、ほんとにいいところですね。
 2010.08.28 (土) 13:17 [Edit]
 あんこ [URL] #YY3ad/52
やっぱり旅に出るのはいいですね。
今年の夏休みは、子供たちをどこにも連れて行かず。
ダメダメです。来年こそとおもっていますが?
旅はいいですね。 2010.08.29 (日) 07:15 [Edit]
アオリイカが泳いで沖へ行けないほどの激流。黒潮って本当に凄いですね。
シーズンになったら潮岬にもアオリ釣りに行きたくなったじゃないですか?
旅館の料理、本当に美味しそうですね。
私も小旅行に行くなら料理重視です。
風呂とか部屋とかどうでもいいから、とにかく新鮮な海の幸を腹いっぱい食べて飲みたいですね。
私も行きたくなりました。
良い旅行でしたね 2010.08.29 (日) 13:23 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 へ~、バイクを転がしていたのですか。風を切りながら走るのは気持ちいいでしょうね。ただ、ご存じのように、紀伊半島の中央部は断崖の連続で、一歩間違えば大変なことになりますから、私にはとても出来ません。次は、玉置山の神社に行ってみたいと思っています。
たかたん さんへ 2010.08.30 (月) 06:11 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 今年の旅が実現出来なかった・・・でもこの暑さですから、その方が良かったかもしれませんよ。
 来年は2年分の旅を楽しんで下さいね。
あんこ さんへ 2010.08.30 (月) 06:15 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 潮岬の激流は、鳴門の渦潮よりもすごいと思いました。まるで川のようでした。手前の岩礁地帯にイカがうようよいるようですが、そんな所ではとても竿がだせません。うーん、残念。
 私たちが泊まった旅館は安くて良かったですよ。来年もボーナスもらった行ってみて下さい。
亀丸 さんへ 2010.08.30 (月) 06:21 [Edit]
 紀の國 [URL] #-
私共の宿に来られる前に、色々な所に立ち寄ってこられたんですね。、串本海中公園や、潮岬など、行ったことがあるのですがこのブログを読ませていただいてもうう一度行きたくなりました。
私はとても勉強不足だなと感じました。
宿でのお食事の御様子などを細かく書いていただいてありがとうございました。
これからも、お元気で楽しそうなお二人の暮らしぶりをブログで拝見させてくださいね。


 2010.08.30 (月) 14:05 [Edit]
 kumoki [URL] #-
すばらしい景色とごちそうですね。魚介類が大好きなわたしには、ひまじんさんの写真は目の毒です… e-443
 2010.08.31 (火) 06:02 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 ブログを訪問していただき、ありがとうございました。
 私たちは山奥に暮らしています。よく釣りには行きますが、アワビやウニなどは手に入りません。ですから、とても美味しくいただきました。伊勢エビのころには、ぜひ・・・。
紀の國 さんへ 2010.08.31 (火) 06:55 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 目の毒ですか。すみません。ウニやアワビは日本ならではの海の幸ですね。しかし、砂漠人さんの口に合うのでしょうか。
kumoki さんへ 2010.08.31 (火) 07:05 [Edit]
 kumoki [URL] #-
あ、砂漠人のことは忘れていました。わたしの目の毒なのです。でも砂漠人もその自然の恵みは好きになると思います。
じつはもうすぐウニを食べられそうです(北海道に行きます!)。
 2010.09.01 (水) 07:51 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 へー、北海道ですか。夏休みのようなものでしょうね。天気予報を見ていると、北海道も猛暑で、気温は30度以上らしいですよ。もうすぐ、涼しくなると思いますが・・・。たっぷり、ウニを楽しんで下さい。貝もおいしいですよ。
kumokiさんへ 2010.09.01 (水) 16:01 [Edit]






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