「転ばぬ先の杖」・・・その結末

  最近、よく父親のことを想う。それほど多弁ではなかったが、ポロッと人生訓のようなことを口にしたのが印象に残っている。明治生まれの人は、実に多くの人生訓を知っていた。その時代の当たり前の教養だったのだろう。ふとした時、父親が言っていた人生訓のいくつかを思い出すのだ。

 「転ばぬ先の杖」・・・もその一つである。「暮れぬ先の提灯」「濡れぬ先の傘」とも言っていた。親が子供を叱るのは、「後悔先に立たず」という意味を教えることだったのだろう。当時は親のお小言が煩わしく思ったが、今思えば身に沁みる。

 それはともかく、高齢になっての骨折は怖い。そのまま寝込んでしまうケースも少なくないと聞く。年を取れば回復はままならず、若い人のようにはいかない。次第に気力も萎えてくるので、リハリビが面倒臭くなって、余計に回復が遅れるのだ。私たち夫婦も、日ごろから骨折には気を付けようと言い合っている。

 わが山小屋は、山の斜面に沿って階段が続いているので、滑って転べば骨折の危険がある。照明が暗いので、夜は危ない。特に冬は凍結するので滑りやすいのだ。そこで、「転ばぬ先の杖」である。骨折してからでは遅いので、照明で明るく照らすことにした。

 物置に古いセンサー付きの照明器具がある。電球が切れていたので新しいのと取り替えた。取り付け場所を色々迷ったが、やはり階段の上り口に立てているのがいいだろう。ここには表札を付けたヒノキの太い丸太を立てており、ここに取り付ければ階段全体を照らすことが出来る。

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 まずは表札の丸太が動かないよう杭を打って固定。丸太の側面をチェンソーで削って照明器具を取り付けた。電線を地面に這わせてコンセントにつないで工事完了だ。不器用な上、ドンクサイのでほぼ一日かかった。出来栄えはなかなかいい。

 日が暮れて暗くなるのを待ち、センサーの具合を調整することにした。女房を階段の中ほどに立たせ、手を振らせてセンサーの反応を確かめる。しかし点灯しない。センサーの方向が合っていないようだ。あちこち方向を変えても沈黙している。段々腹が立ってきて、「もっと手を振れ!」と女房に八つ当たりする始末だ。

 仕方なくセンサーを手で覆ったところ、それでも点灯しない。ハロゲンランプは新しくしたばかりだから、器具そのものが故障しているのだろうか。それとも電線の接続が悪いのか。訳が分からん。

 「もっと手を振れ」と怒鳴られた女房は「あんた、今日一日何してたん」と、ひどい言葉を投げつけた。確かに、「はい、おっしゃる通り」と言うしかないが、私が妻の立場なら、「次は頑張ろうね」と一応ねぎらいの言葉をかけると思うのだが・・・。

 「転ばぬ先の杖」と思って汗を流したことだが、ただ用意周到でなかったことは事実だろう。その結果、役立たずの器具を設置してしまった。徒労に終わって、まことに情けない。父親が生きていたら、不肖の息子のドジにどのような人生訓を垂れるだろう。

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コメント

森に暮らすひまじん さん


お疲れさまとしか言いようがありませんねv-8
世の中、結果が求められる時代、
役に立たない照明器具を一日かけて
取りつけても、その過程の努力は評価されないのです。
奥さんの評価がごもっともですね。
こうなると、あとは成果を出すまでやりぬくしかないようですね。
これで、転んで怪我でもしたら泣きっ面に蜂ですね。
頑張ってください!


  都筑の風@横浜



先日は、我が屋まで来て頂きありがとうございます。
照明器具が壊れていましたか?
申し訳ありません。来週お手伝いに行きますのでよろしく。

う~~ん。なんと言っていいか解らないです。
多分センサーと内部結線などの部品が壊れてたんでしょう。
歳をとってからの骨折は、本当に致命傷になります。介護福施設で働いて居た時も、やはり転倒、骨折は致命傷になってました。
どうか、気をつけて下さい。

僕もまだ、若い。まだ行けるなどと思ってましたが、本当に、怪我等の回復が遅くなりました。施設で痛めた鍵盤断絶がまだ完治せずに痛みが残ってます。

先日はありがとうございました。お会いできてうれしかったです。電気の件でご迷惑おかけしてすみません
。お手伝いに行くといっておりますので寄らせていただきますね♪

 へへへ、転ばぬ先の杖で、皆さんのコメントを読むと、如何にか為りそうですね。
 きっと、近々、センサーと照明が、目出度く連動する事で有りましょうね。イッヒッヒ!!

石がゴロゴロの川の中を鮎竿担いで動き回るひまじんさんが、階段から転落するとはとても思えませんが、何事も用心が大切ですからね。
取り付け直すより、修理した方が早そうですね。
見事直るといいですね。

お疲れ様です。

ひまじんさん「お疲れさまでした。」
でも、意外とコンセントにプラグをさし忘れていたとか、よくあることなので注意してくださいね。
でも、何度も手を振らされた奥様にねぎらいの「お疲れ様。」

都筑の風 さまへ

 はい、この世の中、結果がすべてですからね。転ばぬ先の杖という趣旨はよかったのですが・・・
 しかし、今日のブログで書きました通り、なぜか点灯したのです。今後も引き続き点灯してくれるか不安ですが、まあ、ひとまず安心です。

エコ夫婦さんへ

 いやもー、会わせる顔がありません。センサー付きをアドバイスしてもらい本当に良かったです。本日のブログでお分かりのように、点灯しました。なーんも、していないのに・・・。私の仕事はいつもこうなんです。ドジです。

たかたん さんへ

 ご心配をおかけしました。突然、点灯しました。私にはさっぱり分かりません。
 ともかくめでたし、めでたしです。階段が明るくなれば転倒のリスクはうんと減ります。後は手すりを取り付ける課題が残っています。これも、どうなりますやら。

アガタ・リョウ さんへ

 ニヤニヤしながらブログを読まれたことでしょう。アガタさんのご期待を裏切るように、照明が点灯したのです。残念でございました。
 結局、私の工事は間違っていなかったことになります。はい、開き直っています。

亀丸 さんへ

 やったー、バンザーイ。点灯しました。転倒せずに済みそうです。でも、なんでそうなったか、訳が分かりません。
 河原をまだまだ元気に歩いていますが、いつまで続きますやら・・・。

あんこ さんへ

 はい、女房は憮然としていました。しかし、なぜか点灯しましたので、私としては汚名挽回です。
 ご心配いただき、有難うございました。私のすることはいつもこうなのです。でも、へこたれずにやるところが偉いでしょう?
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