森に暮らすひまじん日記

第二の人生を歩む私たち夫婦は、和歌山の生石高原に近い森の中で暮らしています。豊かな自然の恵みにあずかりながら、有機栽培で野菜を育てたり、近くの渓流や海で魚を釣ったりする気ままな日々です。そんな暮らしぶりを綴っています。 
 

古い薪ストーブが蘇る

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  この夏、16年使い続けていた薪ストーブのメンテをしていて、本体と煙突をつなぐ部分に大きな亀裂があるのを見つけた。去年まで亀裂はまだ小さく、耐熱セメントで埋め、何とかしのいできた。それが一気に裂けてしまったのだ。

 この亀裂を溶接して延命させても、そう何年も使えるとは思えない。そして内心、これを機会にもっと暖かいストーブに買い替えたいという思いが強まって行った。私たちが暮らす生石山は、真冬になると氷点下10度近くになることも珍しくなく、壊れたストーブはパワー不足だった。

 そこで、ベルギー製の「ドブレ760CB」という大型ストーブに買い替えた。古いストーブは、親しくしている農器具店のKさんにもらってもらうことにした。Kさんは日頃から「薪ストーブはいいなあ」と言っていたので、このような人に引き取ってもらえば私としてもうれしい。

 Kさん本人の手で修理したストーブは、まるで新品のようになった。亀裂は煙突を一周するように1センチほどの穴が開いていたが、膨張率が違う鋳物と鉄を見事に溶接していた。本体には専用のワックスが塗られている。男らしくないが、少し後悔するほどの修復ぶりで、女房からは「どうして買い替えたの?」と詰問されそうである。

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 先日、ストーブの火入れ式をするという連絡を受け、生石山の中腹にあるKさんの家に行った。ストーブは居間にデンと置かれている。火を付けると、私たちを暖め続けてくれた美しい炎が蘇った。瀕死の患者が息を吹き返したように思え、うれしかった。

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 見事に復活したストーブを見ながら、自分のふがいなさを思った。40年ほど働いてきて、私に残ったのは一体何だったのだろう。多少の専門知識はあるが、そんなものは日常の暮らしに何ほどの役にも立たない。

 チェンソーや草刈り機のエンジンがかからなくなっても修理できない。簡単な大工仕事は失敗の繰り返しだ。水道のホースをつなぐ簡単な作業にも苦労する。女房からは馬鹿にされ、「私に任せなさい」と言われる始末である。

 それに比べてKさんはどうだろう。農機具を専門に扱う職業だから機械を修理するのはお手の物とはいえ、技術の応用がきくので、何だって出来るのだ。溶接はもちろん、ストーブの煙突も上手に取り付けた。以前、油圧式の薪割り機を手作りし、全国紙で紹介されたこともある。

 この生石山に暮らす仲間の中にも、色々と技術を持った人が多い。夫婦でログハウスを建て、今はゲストハウスの別棟に挑んでいる人。チェンソーなど機械の修理にめっぽう強いピーター。水道工事が出来る人もいる。

 手に職を持っている人が羨ましい。私たちのように山奥で暮らしていると、少々の事なら自力で解決しなければならない事も少なくない。それなのに、人のお世話になりっぱなしである。情けない・・・。
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   07:50 | Comment:8 | Trackback:0 | Top
 
 
Comment
 
いろんなものを修理する腕が無くても、知識と見識、そして釣りの腕があるじゃないですか。
誰が読んでも分かりやすい文章力、世相を一刀両断する見識を尊敬しています。
そんなひまじんさんだからこそ、今の生活を手に入れられたんだと思います。
私には夢のまた夢です。

薪ストーブの復活は嬉しいですね。
Kさんのお宅で第2の人生、永く活躍して欲しいですね。
人間には得手不得手が・・・。 2010.10.24 (日) 20:13 [Edit]
 タマモクロス [URL] #mQop/nM.
>手に職を持っている人
だから面白いんですよね♪
その職も、ハード面の技術、ソフト面の技術

論語だったかなぁ?
どんな奴でも自分より三つ優れてるところがある
夫婦、社内、町内色んな所で足らずを助け合う
人という字は支えあってるから人という字になる・・・
そんなのが理想ですね

はい。これは表向きの回答で、ワシには遥遠くまだ見ぬ境地です(笑)
 2010.10.24 (日) 20:19 [Edit]
 たかたん [URL] #NM1EMLgs
古い薪ストーブが見事に復活したんですね。^^
いい人に貰っていただけ、良かったですね。^^
職人さんの技術は凄いです。
僕も、製造メーカーに居た頃は下町の職人さんによく加工方法や異種金属溶接など教えてもらいました。我々は計算に元ずく図面により作業してましたが、町の職人さんは、経験と感で物を作り上げたりしてしまいます。
それに仕上げも見事なんですから、驚くばかりです。
ひまじんさんには、他の人にはない豊かな知識と洞察力があります。
素晴らしいことです。^^
 2010.10.24 (日) 21:25 [Edit]
 ちゃみ [URL] #-
わぁ、薪ストーブなんてとってもステキです。
雪景色の中、煙突から煙がのぼる民家って、
なんだか童話の世界のようですね。

うちはまだ暑くて、寝るときは窓を開けていますよ。
寝具も少し前にタオルケットから肌布団に変えましたが、
寝る時には扇風機をひと回しして、
クールダウンしてから眠ってます。

人のお世話になるばかり、とおっしゃりますけど、
多分、そうしたくなるような魅力というか人徳というかオーラというか、
そんなステキなところがおありだと思います。
文章読んでてそう感じますもん。

人と人が支え合う環境が、とっても魅力的に感じます。
憧れます 2010.10.25 (月) 10:40 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
  亀丸さんへ

 知識と見識・・・そんなものはありません。ただ、釣りの技術は多少あります。お陰で、釣った魚は十分家計を助けています…。
 第二の人生を歩み始めた古いストーブを見ていると、とても愛おしく感じました。いい人に引き取ってもらいました。 
 2010.10.25 (月) 19:07 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
 タマモクロス さんへ

 「どんな奴でも自分より三つ優れてるところがある」という言葉には励まされました。
 そこで私の優れているところを考えてみました。うーん、難しいですね。
 釣りはそれほど自慢出来ることでもない。ゴルフもシングルですが伸び悩んでいる。どう考えても、優れているものはありません。
 
 2010.10.25 (月) 19:13 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
  たかたん さんへ

 確かに、下町の職人さんの技術はたいしたものですね。指の感覚でミクロンを測るそうですから。
 こういう人たちは、身の回りのことだってみーんな出来るのでしょうね。
 私は、見識もいい加減で、洞察力もありません。不器用な平凡な老いぼれです。
 2010.10.25 (月) 19:18 [Edit]
 森に暮らすひまじん [URL] #-
  ちゃみ さんへ

 はい、こちらは寒いですよ。朝と夜は薪ストーブを焚いています。そして、もうすぐ24時間運転しなければなりません。
 ストーブの炎を見ながら、ウイスキーを飲むのが夜の楽しみです。
 人徳などと言われると、穴に入りたくなります。でも、そう思われるよう、日々反省し、自分を高めたいと思います。有難うございます。
 2010.10.25 (月) 19:23 [Edit]






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