伐採に心を痛める・・・

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  山の中で暮らしていると、樹木のお世話にならなければばらない。ストーブの薪、キノコのホダ木、畑を囲う杭、山の斜面の土留めに使う丸太・・・数えればいくらでもある。だから年中、木を伐り、利用させてもらっている。

 しかし、なるべくなら木を伐りたくないというのが正直な気持ちだ。もともと清い心など持ち合わせていない私だが、木の命を奪うことには、チクリ心が痛む。昔の人は、木に神が宿ると信じていた。それに似た思いがない訳ではない。巨木や老木を前にすると、厳かな気持ちにもなる。

 逆に女房は、木を伐ることに痛痒を感じることはないようだ。山小屋の周囲をすっきりしたい。遠くの海や山がよく見えるようにしたい。そんな思いで、暇があればノコギリ、剪定ばさみを使っているし、景観の邪魔になる木を私に伐らせようとする。 

 実は、山小屋のすぐ西側に山桜の大木がある。幹の直径は40センチを超える。枝が張り出し、山小屋の屋根を覆っている。家のためには良くないのだ。知り合いの大工や山暮らしの仲間たちから早く伐れと言われていた。女房もうるさかった。

 伐るか伐るまいか、もう3、4年も迷い続けていたが、やっと腹が決まった。一人で伐るには危険なので、仲間のピーターに助っ人を頼んだ。彼はカナダの森林で伐採の仕事をしたことがあり、チェンソーの魔術師だ。

 自分の手でこの大木を倒すのは、やはり罪悪感を感じてしまう。ピーターに伐ってもらおうと思ったが、彼は私の姑息な魂胆を見抜いているのか、「兄貴が伐れよ。ボクがロープで引っ張るから」と言ってきかない。

 まずは山桜の大木に手を合わせる。倒す方向に三角形の切り口を入れ、その反対側からチェンソーの歯を入れる。倒れる際に木が暴れて自分に当たると大怪我をするので、慎重に進める。

 怪力、巨漢のピーターがロープを引っ張っている。首の皮1枚を残すようにしておき、チェンソーを止めて二人で引っ張った。何十年も大地に根を下ろしてきた山桜は、大きな音を立て、倒れた。鉄砲で撃たれたゾウが前足を折ってつんのめる姿に似ていた。ウッドデッキで作業を眺めていた女房が手を叩いている。無邪気なものだ。

 とは言え、心が痛んだのはしばらくの間だけだった。おー、これでたくさんの薪が作れる。キノコのホダ木も確保出来た。桜はナメコ、ヒラタケの原木栽培に適しているのだ。細い枝は焚き付け用に使おう。このように喜んでしまう自分が情けない。

 山桜よ! 偉そうなことを書いて、ごめん・・・。

    ↓ 知らないうちに女房が不格好な姿を撮っていた。こら!
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コメント

山桜

複雑な心境なんですね。^^
でも、ちゃんと利用出来るから切り倒した山桜も喜ぶと思います。
それが、本来の人と木の付き合いだと思います。

森に暮らすひまじん さん


その気持ちよくわかります。
家の過ぎ近くにある茅ヶ崎公園でも、里山の管理のため
時々公園愛護会のメンバーで木を切りますが、
何年何十年ここに根をおろしていた木を切るのはやはり気が引けます。
動物は動き回ることで色々な世界を知りますが、
木々達はじっとそこで動かないでいる代わりに、
何十年何百年とその地の時の移り変わりを知る。

神様はやはり色々考えて生き物を創造したのでしょうね。

伐採した桜の木、色々な目的のために再利用されるようですが、
公園で伐採された木は朽ちて土に帰るの待つだけです。
幸せな(?)桜の木ですよ。


  都筑の風@横浜

ひまじんさん
いやー、心がきしみますねー。その気持ちよくわかります。厳かでさえある静かな森に大昔芽吹いて徐々に徐々に大きくなっていった大木に耳を当てると、不思議な水の音が聞こえた経験があります。夢かもしれませんが・・・
暇人さんのことだから勿論大切に使われるでしょう。だから切ってもいいのです。無闇な伐採とは違うでしょう。だからいいのです。桜の木で鮎や烏賊、海の幸山の幸の燻製も楽しみ、きのこの栽培も楽しんで山桜に感謝してあげてください。

   たかたん さんへ

 そうですね、人と木の付き合い方と言われると、救われた気持ちになります。
 倒した木の後始末は、結構大変な作業でした。女房が伐れと言ったのですから、手伝ってくれました。

   都筑の風@横浜 さんへ

 おはようございます。寒波襲来で、こちらは氷点下5度と寒いですよ。
 木はじっとそこに立っているので、時の移り変わりを見ている。まさに、その通りですね。古木に畏敬の念を感じるのは、そのようなことかもしれませんね。

   isshy さんへ

 木が水を吸い上げる音が聞こえる・・・。私はそんな話を聞いたことがあります。ブナがよく聞こえるそうですね。まさに、木の生命の証しですね。
 山桜の大木を粗末にせず、薪、ホダ木、燻製のチップに使いたいと思います。有難うございました。
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