グレンスフォシュ・ブルークスの斧

  「肥後の守」をご存じの方は、多分、50歳くらいから上の人だろう。私の小学生のころは、みんな筆箱の中に入れていた。この折り畳み式のナイフで鉛筆を削ったり、模型飛行機などの工作に使っていたりした。切れなくなると、コンクリにこすりつけて研いだものである。

 肥後の守の刃渡りは7、8センチ、先は鋭く尖がっていた。今の学校は、児童がそんな刃物を持つことを許さない。もちろん親も、目を吊り上げて取り上げるだろう。だから、ナイフで鉛筆を削れない、リンゴの皮をむけない子供が多くなってしまった。つまらない世の中になったものだ。

 私の手や指は、あのナイフの切れ味を覚えている。切れない刃物にイライラするのは、そんなせいかもしれない。人様に自慢できるような趣味ではないが、刃物を研ぐのが好きなのだ。だから女房が使う包丁はいつも良く切れるし、私が魚をさばく包丁もヒゲが剃れるほど刃が立っている。

 つい最近、以前から欲しかった斧を買った。スウェーデンの「グレンスフォシュ・ブルークス」というマニアの間ではかなり知られた斧である。100年以上の歴史があり、鍛冶職人が1本、1本手作りしているので、良く切れる。

 用途によって10種類くらいの斧が作られており、その中から「ワイルドライフ」を選んだ。柄の長さが35センチで、一番短いタイプだ。枝木を切り払ったり、乾いた杉の木を縦割りにしたりするのに適している。薪ストーブの焚き付けを作るのにとても便利で、ストーブライフにはぜひ欲しい道具である。

 中学の教科書にも載っていたが、棒の先に平たい石を縛りつけたのが斧のルーツだろう。この石器時代の道具に対し、刃渡りが長い鉈(なた)は鉄が普及したころ作られたと思う。鉈は日本の山村ならどこの家にもある。私も小さいころから木を切ったり、青竹を割ったりすのに使ったものだ。

 今も2本の鉈を使っているが、先人の道具はたいしたもので、なかなか使い勝手が良い。これなくして山の生活が出来ないくらいだ。しかし斧に比べて軽いので打撃力が弱く、太い枝を払ったり、木を割ったりするのには力不足なのだ。そこで買ったのが「ワイルドライフ」という訳だ。

 女房は「また買ったの?」と、私の刃物好きにあきれている。確かに私は道具にこだわる。何事も道具から入る人と、道具に頓着しない人がいるようだ。山の仲間のMという男は、たった10センチ余りのアジを釣るのに、マグロかカツオでも釣れそうな丸太のような竿を使い続けている。私だったら我慢ならない。

 新しく買い求めた斧は、なるほど良く切れる。重みもあるので、杉の木がスパッと割れる。こだわりの道具だからこそ、使っていて気持ちがいい。青白く光る斧の刃を眺めていると、何やら血が騒ぐ・・・。

       ↓ 工芸品とも言えるグレンスフォシュ・ブルークスの斧
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       ↓ 長く愛用している鉈
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コメント

明けましておめでとうございます。
今日、田舎から戻ってまいりました。
息子さんご夫婦に可愛らしいお孫さんも集まって、素晴らしく賑やかなお正月でなによりでした。
私も田舎の因島で特に何をした訳ではないのですが、年老いた母を孫や兄と囲み、それなりに良い正月でした。
正月休みは明日6日までですが、世間は今日から仕事の企業が多いらしく、携帯に早速仕事の電話が入ってきます。現実に引き戻されますね~。

良い道具への拘りはいかにもひまじんさんらしいですね。
釣りの竿でも獲物に合った調子のものなら、釣趣が倍増でより楽しめますから・・・。
刃物もスパッと切れるものは気持ちがいいですよね。
今年の冬は格別に寒そうですから、自慢の斧でジャンジャン薪を作ってください!!

本年もよろしくお願い致します。

新年 明けましておめでとうございます。
ひまじんさんから昨年頂いた薪のお陰で、暖かいお正月を過ごすことが出来ました。本当にありがとうございました!
師匠のご指南通り、毎日薪をガンガン燃やしました。
そしたら薪がドンドン減りました、、、
大富豪様、薪貧乏人に愛の手を!
近々お邪魔いたします・・・

グレンスフォシュ・ブルークスの斧、実は私も愛用者なんです。
ハンターというモデルでメーカーの歴史と道具としての美しさに惚れ、4年ほど前にネットで購入していました。木の枝を掃う位にしか使っていませんでしたが、今は本来の薪割りに大活躍です。
ひまじんさん、私も何事も道具から入る人のようです。

今年も宜しくお願い致します。

   亀丸 さんへ

 お帰りなさい。
お兄さんとともに、いい親孝行ができてよかったですね。
 こちらは寒いですよ。今日の午前10時の気温はマイナス5度でした。終日氷点下です。今は雪が降っています。釣りどころじゃありません。
 道具から入る人間ですから、随分、無駄な買い物をしています。オークションに出したいくらいです。

   フォンのパパ さんへ

 おめでとうございます。
薪がどんどん減ると、恐怖心が湧いてきませんか?
私など、年中薪の山を見ながら、ため息をついています。お互い、薪作りに励みましょう。
 こちらは、道路がスケートリンク状態です。
来られる時は、4輪駆動で用心しておいで下さい。
 ハンターは私も欲しかったのですが、少し大き過ぎて焚き付けを作るには不向きだと思い、ワイルドライフにしたのです。次はハンターにしたいですね。
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