長い旅・・・湯河原で傷ついたプライド

  ふっ~、疲れた、疲れた。車で東奔西走し、8日ぶりに山小屋に帰って来た。走った距離は約1500キロ。目がかすみ、腰も痛い。女房も長旅で疲れたのか、雪に埋まった山小屋の階段ですってんコロリ。見事な雪だるまになってしまった。

 東京近郊に住んでいる末の娘から「引っ越しをするので手伝いに来てほしい」と言ってきた。「いつまでも親を頼るなんて、甘いなあ」と言いながらも、いそいそと東京へと向かう親馬鹿ぶりである。

 娘の部屋は泥棒が物色したような有様で、引っ越しの準備は進んでいない。大きな荷物は運送業者が運んでくれたが、衣類や台所用品などは乗用車に積み、都心の引っ越し先へ計5回も往復した。

 女房と娘は新しい部屋に運び込んだ荷物を片づけるのに忙しいが、男の私は手持ち無沙汰である。そこで、東京で暮らす学生時代の旧友と一杯やることにした。オヤジ二人が渋谷のハチ公前で待ち合わせるのは妙な風景だが、渋谷に友人が馴染みにしているドジョウ料理のうまい店があるという。

 老舗らしい店の暖簾には「どぜう」と大書してある。「どぜう」とは、いかにも江戸の昔の匂いがする。ゴボウとネギをたっぷり乗せたどぜう鍋などフルコースをつつきながら痛飲した。商社に就職した友人は世界を飛び回り、今は広尾の億ションで悠々自適だ。山小屋でみすぼらしく暮らす私たちとは対象的である。

 東京からの帰りは、予約してある湯河原温泉に向かった。高速代をケチるため甲州街道を走って相模湖へ。さらに、温泉とキャンプ場がひしめく奥道志の道を辿りながら山中湖に着いた。雪の富士山が圧倒的な山容を見せていて、私たち田舎者を感激させた。

vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120528.jpg

 箱根の急坂を上り下りしながら湯河原を目指す。車中で女房が言い難そうに話した。「実は・・・今夜泊まる旅館の部屋にはトイレがないのよ。とても安いのでその部屋にしたの。でも、食事は豪華よ」。「お前にはプライドというものがないのか!」という苦言に、「プライドは結婚した時に捨てました」。「えっ、それはどういう意味や?」・・・。

vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120441.jpg

 旅館に着くと、イケメン風の従業員がうやうやしく迎えてくれた。こちらはトイレのない部屋の客だから肩身が狭い。従業員は得意げに「今夜は部屋が空いておりますので、トイレのある部屋をご用意させていただきました」。アホ、大きな声で言うな!他の客に聞こえたら恥ずかしいではないか!

 案内された部屋は、申し訳ないほど立派だった。確かにトイレもある。青少年の客には不健全だが、無料の貸し切り露天風呂があり、遠慮なく夫婦水入らずで至福の時間を過ごさせてもらった。湯には貧乏根性丸出しで6回も浸かった。

 なるほど食事は豪勢だが、次々出て来る料理はどれもチマチマしていて苦手である。皿の数より、2品でも3品でもいいからドカーンと出てくる方がいい。旅館の料理は女性を意識したものだろうが、貧しく育った私にとって、満腹感のある民宿の素朴さがうれしいのだ。

vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120628.jpg
vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120703.jpg
vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120750.jpg

 帰り道、台風情報に出て来る御前崎にも寄ってみた。灯台から眺める太平洋は、確かに丸かった。最後に孫の顔も拝み、長い旅は終わった。さあ、寒い山小屋暮らしの再開である・・・。

vcm_s_kf_repr_468x351_20110212120850.jpg
スポンサーサイト

コメント

コンニチハ!
道中の様子、風景等良く目に浮かんで来ます。
良い所をコースに選ばれましたね!

都内の様子も良く解ります。

湯河原の先に干物の、それは^ソレハ^おいしい店が有るのに!?

山中湖・箱根・御殿場・沼津
良く行く所です。

ところで、ストーブの調子はいかがでしょうか?

   koba さんへ

 えーっ、干物の美味しい店・・・。
聞いておけばよかったなあ。干物は大好物ですから。
 はい、ストーブは良く燃えています。
8日間も留守にしていたので、雪が入りこんでいるのでと思い、下から煙突掃除をしました。
 猛烈に燃えるので、薪の消費もすごいです。薪作りに励まねばなりません。

お疲れ様でした。

娘さんに頼られて嬉しそうなひまじんさんのお顔が目に浮かびました。
豪華なお部屋にも泊まれてラッキーでしたね。
料理もとても美味しそうです。
私はトイレが無くたって、料理が美味しければ全然満足ですけどね。

奥様は転ばれて大丈夫でしたか?
今しばらくは寒い日が続きますので、足下には用心してくださいね。

お久しぶりです。プログの更新がなかったのでどこかにお出かけかなと思っておりました。奥様お怪我はありませんか?先週久々に紀美の町方面から帰宅しようと山頂付近を通った時右の道路には雪がないのにひまじんさんのログ方面の道の積雪をみて主人と二人びっくりしました。昨日も久々に泊まりで山小屋に行きましたがデッキは積雪20cmでした。根性のない私たちは雪のない有田方面から帰りました。去年スタッドレスの四駆でも滑っていたので少し怖いので・・・・・

森に暮らすひまじん さん

”それなり”のお歳で1500kmものドライブお疲れ
でした。いい運動になったのでは、車のほうですが。
道志道にはいやしの湯のほかに何ヶ所か温泉があり、
また秋には全山が紅葉する紅葉ロードになります。
それにしても、湯河原に行かれるのにこのルートを
通られるなんてすごいですね。


    都筑の風@横浜

こんにちわ。

暫く更新がないと思ったら、納得です。
トイレ付きの部屋でないからと言って^^
たかたんなどは、全く気にしないですよ。^^
でも、この時期は布団が羽毛かどうかだけは確認しますけど。
お料理、まさに女性向きですね。^^
たかたんも、ひまじんさんと同じで、どかあ~~んと出てくれるほうが嬉しいです。
まさに下町の貧民街育ち丸出しで、生まれ育ちは隠せません。^^
富士山も、何時見ても感激してしまのはやはり普段、見れない関西人だからでしょうか。^^
娘様に頼られるなんて、すごく幸せですよね。^^
僕には自身の子供が意なのですが、妻には子供が4人いて再婚しても、子供に慕われてます。
その時だけ、少し心にチクリと寂しさがありますが、
やはり子供って、いいなあと、思います。

   亀丸 さんへ

 いやー、昨日の雪はすごかったですよ。
大阪でも雪化粧をしたらしいですね。
和歌山は、雪に慣れていないので、大混乱だったらしいです。
 トイレなしの部屋の客としては、少し肩身が狭いものです。でも、部屋で節約して美味しいものを食べるのは、主婦の知恵でしょうね。年金生活を楽しもうと思えば工夫が必要でしょう。

   エコ夫婦妻 さんへ

 かなり雪が積もりました。電波塔のあたりは、スタッドレス、4輪駆動でも運転が難しいです。今日は海南まで行きましたが、あちこちで蛇行運転です。
 今後、生石山に来られる時は、有田方面がいいと思いますよ。雪が今月中に消えるといいのですが、この寒さでは無理かも・・・。春は遠いです。
 

   都筑の風@横浜 さんへ

 道志道はいいですね。ヤマメ、岩魚の釣り場もいっぱいありました。温泉が多いのもびっくりしました。関東の人にとっては、憧れの地なのでしょうね。
 青根温泉へは、横浜から2、3時間かかるのではないでしょうか。遠征しても腰にいいのであれば納得なのでしょうね。

   たかたん さんへ

 はい、あちこちを走り回っていました。ただ、女房が運転を交代してくれるので、助かります。久し振りに山小屋に帰ると、大雪です。毎日雪かきをしています。
 うーん、羽毛布団ですか。私は、重い布団でないと眠れない貧乏性です。だから私は煎餅布団、女房は羽毛・・・。ト、ホホです。
 それにしても、最近の旅館の料理はいけません。女性と男の料理を別々にしてもらいたいです。
非公開コメント

カレンダー

03 | 2018/04 | 05
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

月別アーカイブ

ブログ内検索

全記事表示リンク

訪問者数

ランキング参加中!

PR

PR

PR